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火曜日, 1月 08, 2013

蚱もう

○蚱もう(さくもう)

 中国全土や朝鮮半島、日本など稲作の行われているアジア全域に広く分布するバッタ科のイナゴ(Oxya chinensis)の乾燥した全虫を用いる。成虫を秋に捕獲するが、翅の生えていない若虫を特に蝗南という。

 イナゴは水稲などの害虫であるが、食用昆虫としてよく知られている。アジア諸国や中東で食用にされ、日本では古くから佃煮や唐揚げなどにして食べている。

 成分にはタンパク質のほかノルハルマネやイソロイシンが含まれ、ノルハルマネには小腸平滑筋抑制作用が、イナゴの黒焼きには鎮痙作用がある。官報では止咳・止痙の効能があり、咳嗽やひきつけに用いる。たとえば小児のひきつけに強火で焼いたものを粉末にして服用したり、百日咳のときに煎じて服用する。またしもやけのときには焼いて粉末にしたものを香油に混ぜて外用する。

 日本では小児の疳の虫の治療や栄養剤としても用いられた。古代アラビア人はマラリアや肺結核に、ヨーロッパではハンセン病(癩病)、結石、結膜炎などの治療に用いたといわれる。

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