○旱蓮草(かんれんそう)
本州以南、世界各地の温暖な地域に分布するキク科の一年草タカサブロウ(Eclipta prosrata)の地上部全草を用いる。中国産では地方によってはオトギリソウ科のトモエソウ(Hypericum ascyron)やキク科のハマグルマ(Wedelia chinensis)などの植物も旱蓮草と称している。
かつや皮膚や目のただれをタタラビといい、その治療に用いることからタタラビソウといわれ、いつしかタカサブロウという名になったといわれる。中国名の墨旱蓮と鱧腸という中国名は茎を折ると断面が黒くなることに由来する。これは茎に含まれるウエデロラクトンという成分が酵素によって酸化されるための現象で、この搾り汁は黒色染料や毛染めに使われたこともある。
漢方では清熱涼血・止血の効能があり、吐血、喀血、血尿、下血、性器出血、若白毛、淋病、帯下、陰部湿疹などに用いる。さまざまな出血に用いられるが、とくに血尿には効果があり、生の旱蓮草とオオバコ(車前草)を混ぜた汁を服用する。また切り傷にも生の汁で湿布すると効果がある。 眩暈や腰痛、白髪、不眠などに女貞子と配合する(二至丸)。日本の民間療法では結膜炎に洗眼薬として、インドではアメリカタカサブロウ(ブリンガラジ:E.alba)を育毛剤として用いている。
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