○黄狗腎(おうくじん)
食用犬である。イヌ科のイヌ(Canis familiaris)の雄の睾丸、陰茎を用いる。牡狗陰茎、狗鞭、狗腎、あるいは広東省広州産が有名なため広狗腎ともいわれる。ただし単に狗腎といえば腎臓を指すこともある。ちなみに海狗腎といえばオットセイの陰茎・睾丸のことである。
犬の種類は非常に多いが、一般に柴犬のような家犬が飼育されている。そのほか中国ではイヌの肉は狗肉、胃の中の結石を狗宝として薬用にしている。冬に陰茎と睾丸を切り取って、まっすぐにして乾燥する。乾燥した陰茎は長さ12cmくらいで、3~4cmの楕円形をした睾丸が輪精管とつながっている。
漢方では補陽・強壮の効能があり、インポテンツや帯下などの症状に用いる。滋養・強壮薬の至宝三鞭丸に含まれる三鞭とは黄狗腎と海狗腎、および鹿の外生殖器である鹿鞭のことである。なお狗肉には温腎・滋養の効能があり、狗宝には降逆・開欝・解毒の効能がある。
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