※みつば
セリ科の多年草で、東アジアの湿地などに自生している。日本では江戸時代から野菜として栽培するようになった。現在は、促成栽培された切りミツバ、水栽培で葉柄10~15cmで収穫する糸ミツバ、畑で栽培して根付きのまま出荷される根ミツバの3種類がある。ビタミン、ミネラルは糸ミツバと根ミツバの方が多いが、カリウムだけは根ミツバが一番である。カロテンは糸ミツバで3200ug(100g中)と豊富だ。
ミツバは香りを賞味するのが種で大量には食べない野菜なので、それ自体の栄養価を問題にするよりは、ミツバを添えて美味しく食べることに注意を向けるべきであろう。従って食効の第一は香りと色が誘う食欲増進効果で、茶わん蒸しや卵とじには欠かせないし、病後の味気ないお粥もミツバを加えるだけで素晴らしい料理に一変する。そのほか頭をスッキリさせ神経の興奮を鎮めて安眠を誘うほか、健脳効果もあるといわれている。
※パセリ
セリ科の二年草で地中海沿岸が原産。和名はオランダセリ。明治初期にわが国に渡来した当時は特殊な西洋野菜として扱われ、以来、洋食の飾り物として使い捨てられてしまう傾向が続いたことは、パセリの持つ栄養成分からみて誠に残念といわざるを得ない。
欧米では古くから、あの特有の香りと鮮明な緑色が”食を進める”働きを持つとして尊重されてきたハーブであるが、事実、ビタミンが豊富で、とりわけカロテンは100g中7400ugと他の野菜よりも飛び抜けて多く、ビタミンCの120mgも野菜・果物中のトップクラスである。また、鉄は7.5mgと小松菜の2.5倍含まれ、極めて優れた緑黄色野菜なのである。もちろん他の野菜のように大量に食べられるものではないが、さまざまな料理に付け合せることで毎日少しずつでも摂れば貧血の改善、血中コレステロール値の低下などにも効用が期待できる。食効としてはアピオールという精油成分が腸内の有害細菌の繁殖を抑えるほか、食中毒の防止・口臭防止、食欲増進効果がある。
※せり(芹)
日本原産で1000年以上前から栽培されてきたセリ科の野菜。春の七草の筆頭に数えられる香り高い野草でもある。初春から初夏までが旬で、野ゼリや田ゼリなどの名で店頭を賑わす。また近年は、栽培した背丈の高い水ゼリも食卓を彩るようになった。
特有の香りはミリスチン、カンフェンなどの精油成分によるもので、発汗・解熱作用があり、病後の内熱(体温は平熱でも内臓諸器官が熱っぽい状態にあること)を取るのに有効だとされる。また健胃効果もあり、その香りにあずかって食欲が増進する。ほかに血圧を下げ、血の道を通し、酒毒を消し、黄疸にも効用があるとされている。これには茹でたものを食べてもよいが、新鮮なセリをすり鉢で擂り潰し、水を加えて裏漉しした汁をひと煮立ちさせて飲む。また、陰干ししたものを煎じるのもよい。
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