○麹
麹は、米や麦、豆などの穀物、その副産物のフスマや糠などにカビの一種である麹菌を繁殖させたもので、デンプンを糖化(分解)させる作用を持つ。原料となる穀物の違いで、米麹、麦麹、豆麹があり、酒類のほか、味噌や醤油の醸造にも使われる。
清酒や焼酎、ビールなどのアルコール発酵に使われる酵母(サッカロミセス・セレビシュ)は、デンプンなどの多糖類をそのまま利用することができない。例えば、清酒造りでは蒸米が原料となるが、デンプンを小糖類に分解する酵素が必要である。この役割を担っているのが麹である。ビールの醸造では、原料となる麦を水に浸けて発芽させることで酵素活性を高め、マルトース(麦芽糖)にまで分解された麦芽を利用する。一般に、清酒や焼酎などアジアの酒造りでは麹が、ビールやウイスキーなどヨーロッパの酒造りには麦芽が使われている。
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