○石南葉(せきなんよう)
日本の東北地方よりも南の地方に自生しているツツジ科の常緑低木シャクナゲの葉を用いる。日本では通常、アズマシャクナゲ(Rhododemdron degronianum)、ホンシャクナゲ(R.var.hondoense)、ツクシシャクナゲ(R.subsp.heptamerum)をシャクナゲと呼んでいる。
ツツジとは近縁植物であるが、一般にツツジは落葉樹であるのに対し、シャクナゲは常緑樹である。ところで日本では石楠あるいは石南花と書いて「しゃくなげ」と読むが、これは中国語の石楠、つまりバラ科のオオカナメモチ(Photinia serrulata)の誤用である。日本の民間ではシャクナゲの葉を石南葉というがね中国では石楠葉といえばオオカナメモチの葉のことである。
シャクナゲの葉にはジテルペン化合物のグラヤノトキシンⅠやロドデンドリンなどが含まれる。グラヤノトキシンⅠは痙攣性の有毒物質で、中毒量では嘔吐、痙攣、麻痺を生じ、昏睡から死に至ることもある。
日本漢方では強壮・鎮痛の効能をいうが、これは中国の石楠葉の誤解という説もある。日本の民間では利尿薬として浮腫やリウマチ、痛風の治療に茶として用いている。オオカナメモチの葉(石楠葉)にき去風湿・止痛・強筋骨の効能があり、リウマチ、頭痛、下肢の痙攣や足の萎弱に用いる。
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