○白前(びゃくぜん)
中国南部に分布するガガイモ科の植物、柳葉白前(Cynachum stauntonii)や花葉白前(C.glaucescens)の根と根茎を用いる。古くから同じガガイモ科のふらフナバラソウ(C.atratum)の根と混合されることも多かった。
成分にサポニンが含まれるといわれるが、詳細は不明である。漢方では降気・止咳・去痰の効能があり、「肺家の要薬」ともいわれる。とくに降気効果に特徴があり、気が下りると痰が消え、咳が止まると説明されている。
前胡と同様の効能があり、両者を併せて「二前」とも称されるが、前胡は風熱表証の咳嗽に、白前は寒熱に拘らず痰が多く、喘鳴や呼吸困難のみられるときに適している。たとえば気管支炎などの咳嗽には桔梗・紫苑などと配合する(止嗽散)。
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