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火曜日, 4月 22, 2014

佩蘭

○佩蘭(はいらん)

 日本の関東地方以西、朝鮮半島、中国に分布するキク科の多年草フジバカマ(Eupatorium fortunei)の茎葉を用いる。中国原産であるが、古くから日本に帰化している植物で、秋の七草の一つである。

 かつて中国で蘭といえばフジバカマのことを指し、蘭草とか香水蘭と呼ばれ、香草のひとつとして風呂に入れたり、香料として身につけていた。現在、中国市場では佩蘭としていつくかの基原植物が混じっており、とくにシソ科のシロネ(Lycopus lucidus)の全草である沢蘭と混同されることが多い。逆に沢蘭としてフジバカマを用いている地区もある。

 生のフジバカマには香りはないが、乾燥させると成分のクマリン配糖体が分解されてオルトクマリン酸となり、桜餅のような香りがする。また水性エキスには血糖降下作用や利尿作用がある。漢方では芳香化湿・健胃・解暑の効能があり、とくに夏の胃腸風邪(暑湿)の常用薬である。

 中国医学では佩蘭は芳香化湿薬のひとつであり、脾胃を覚醒させ、胃腸に溜まった湿濁の気を除く作用があると説明している。また佩蘭は湿濁によって生じる「脾癉の要薬」といわれ、口が甘い、口が粘る、口臭がある、みぞおちが張る、食欲不振、消化不良、吐き気、嘔吐、軟便、倦怠感などの症状に用いる。民間薬として糖尿病や浮腫に用いられている。そのほか皮膚の痒みに対して浴湯料として用いる。

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