○貝歯(ばいし)
貝歯には白貝歯と紫貝歯とがあり、一般には紫貝歯がよく知られている。いずれもタカラガイ科の貝であるが、白貝はタカラガイ科のキイロダカラ(Monetaria moneta)やハナビラダカラ(M.amulus)などの貝殻、紫貝歯はハナマルユキ(Erosaria caputserpentis)やヤクシマダカラ(Mauritia arabica)などの貝殻を用いる。
一般に白貝歯は小型種で全体が黄白色、紫貝歯は大型種で黄褐色や紫色の斑紋がみられる。いずれも南方の海洋に分布し、海南島や台湾、福建省などに産する。
成分はほとんど炭酸カルシウムで、少量の有機酸、マグネシウム、鉄、ケイ酸塩、硫酸塩、塩化物を含む。漢方では紫貝歯の味は鹸、性は平で、清熱・平肝・明目・安神の効能があり、眩暈、頭痛、結膜炎、不安、不眠などに用いる。白貝歯の味は鹸、性は涼で、清熱・利尿の効能があり、浮腫や膀胱炎などに用いる。
0 件のコメント:
コメントを投稿