○桃葉(とうよう)
中国を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の葉を用いる。モモの種子は桃仁、花および蕾は白桃花と称して薬用にされる。モモは多くの果実をつけることから木に兆と書き、日本でもももも(百々)という名がある。
モモの葉にはタンニンやニトリル配糖体が含まれ、鎮咳作用やボウフラ殺虫作用が知られている。漢方では去風湿・清熱・殺虫の効能があり、頭痛や関節痛、湿疹などに用いる。
近年、中国では桃葉によるマラリアや膣トリコモナス、蕁麻疹などの治療が報告されている。日本ではモモの葉は浴湯料してよく知られ、刻んだ葉を風呂に入れて夏場のあせもや湿疹、かぶれ、荒れ性などに応用する。
かつてツツガムシ病の特効薬として、焼き石の上に桃の葉を並べ、その上に座って足についたツツガムシを殺したり、桃の枝で作った針でほじり出したと伝えられている、また、ふけ症には葉の煎液で洗ったり、脱肛に濃く煎じた液で坐浴する方法もある。
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