○竹葉(ちくよう)
イネ科ハチク(Phyllostachys nigra)の葉のことを竹葉という。イネ科のササクサ(Lophatherum gracile)り全草を淡竹葉といいう。しかし竹葉と淡竹葉とはしばしば混同され、日本ではハチクの葉を和淡竹葉ということもある。
ハチクは中国原産であるが西日本にも野生化しており、モウソウチクやマダケとともに日本三大竹のひとつで、呉竹とも呼ばれる。上下の太さが一様で、硬くて細割れしやすいので茶筌や菓子の容器などにも利用される。ハチクの内皮は竹筎、あぶって流れ出た液を竹瀝、巻いて開かない幼葉を竹巻心という。
葉の成分にはトリテルペンのグリチノール、グルチノンなどのほかペントーザン、リグニンなどが含まれ、解熱・利尿作用が知られている。漢方では淡竹葉の効能とほぼ同じで、清熱・除煩・利水の効能がある。一般に心熱を清する作用は竹葉のほうが強いといわれる。このため煩熱、口渇の症状には竹葉を用いるのがよい。
熱性疾患後の余熱の治療に石膏などと配合する(竹葉石膏湯)。糖尿病などによる口渇の症状には麦門冬・人参などと配合する(麦門冬飲子)。
0 件のコメント:
コメントを投稿