○仙鶴草(せんかくそう)
日本全土およびアジアに分布しているバラ科の多年草キンミズヒキ(Agrimonia pilosa)の全草を用いる。細長い穂に黄色い花が咲く様子が「水引」に似ているためキンミズヒキの名がある。なおミズヒキ(Polygonum filiforme)はタデ科であり、花のつきかたは似ているが赤い花をつける。キンミズヒキは春先に柔らかい若葉と若芽を摘み、おひたしや和え物にして食べることができる。
キンミズヒキの根にはアグリモノリドやタンニンのアグリモニインなどが含まれ、止血、抗菌、抗炎症作用がある。漢方でも止血・健胃・強壮の効能があり、鼻出血、吐血、血便、血尿、性器出血など全身の出血や下痢、倦怠感、精力減退に応用する。
民間では下痢止めや口内炎、歯肉炎などに用いる。湿疹やかぶれには煎液を冷やして患部を冷湿布する。中国では実験的に癌の抑制効果が認められ、癌治療の臨床研究も報告されている。ヨーロッパでは近縁種のアグリモニー(Agrimony)を止血薬として消化性潰瘍などに用いるほか、胆石や肝硬変、痛風などにも利用している。
0 件のコメント:
コメントを投稿