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火曜日, 5月 28, 2013

徐虫菊

○徐虫菊(じょうちゅうぎく)

 バルカン半島、ダルマチア地方原産のキク科の多年草ジョチュウギク(chrysanthemum cinerariaefolium)の頭状花を用いる。日本には明治初期に渡来し、北海道、岡山、広島、愛媛などで栽培され、戦前には世界第一の生産量をあげ、近年では瀬戸内海地方にわずかに栽培されているに過ぎない。現在、ケニア高地で優良種が生産され、世界一の産地となっている。

 古くから頭花を摘みとり、乾燥したものはノミ取り粉、茎や葉はいぶして蚊やりとして用いられた。殺虫成分はピレトリン(ピレスロイド)で、九分咲きから満開の頭花に最も多く含まれる。

 ピレスロイドは即効性の接触毒であり、昆虫の気門や口から吸収されて運動神経を麻痺させて殺す。ピレスロイドは昆虫のほか、魚類や両生類、爬虫類などにも毒性があるが、温血動物には無害である。またDDTやBHCなどと異なり、容易に分解して失効する。現在でも植物性殺虫剤の原料として蚊取り線香、エアゾール、農業用殺虫剤などに利用されている。

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