○食塩(しょくえん)
海水あるいは塩井などの塩分を含んだ水を乾燥して得られる塩の結晶を用いる。中国において海水からの製塩は有史以前から、特に沿岸地区で行われていた。古くからの製塩法には太陽熱を利用した天日塩製法や加熱製塩法などがある。
春秋時代、斉の国では管仲の案により海塩の専売を行い、大規模な製塩業を興して富強になったと伝えられている。日本では万葉集に「藻塩焼く」と謳われているように、古くは海藻に海水を注ぎ、それを焼いて塩をとる方法が行われていた。また中世からは塩田法も発達し、瀬戸内海地域で盛んに行われた。
主成分は塩化ナトリウムで、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムなども夾雑する。漢方では寒・鹸で、催吐・清熱・解毒の効能がある。食べたものが停滞しているときや、急性胃炎などで吐き気があっても嘔吐しないときには食塩を熱湯に溶かして服用させ、嘔吐させる(塩湯探吐方)。
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