○秋石(しゅうせき)
明石には淡秋石と鹹秋石とがあり、人尿を加工したものを淡秋石、石塩を加工したものを鹸秋石あるいは盆秋石という。
淡秋石の作り方は、秋に童尿を集め、石膏を加えて沈殿させ、上澄み液を捨てるという行程を何回か繰り返し、白く練り上げて小方形の塊にする。鹹秋石の作り方は、石塩に泉水を加えて濾過し、その濾液を加熱蒸発させてできた粉末(秋石霜)をとり、これを蓋のついた磁器の碗に入れて強火で加熱し、塊状の固体にする。
淡秋石の成分は主に尿酸カルシウムとリン酸カルシウムであるが、鹹秋石の成分は塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムである。漢方では補陰・清虚熱の効能があり、結核による発熱、咳嗽、咽頭腫痛、頻尿、遺精、混濁尿、帯下に用いる。高齢者の体力低下、精力減退、手足のしびれやだるさ、尿失禁などに全鹿・人参・地黄などと配合する(全鹿丸)。
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