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火曜日, 3月 05, 2013

柿漆

○柿漆(ししつ)

 カキノキ科のカキ(Diospyros kaki)の渋を用いる。カキの未熟な果実(青柿)を容器に入れて搗き砕き、水を加えてときどき攪拌しながら3週間ほど放置して発酵させ、滓を除くとニカワ状の液が得られる。これを柿漆あるいは柿渋という。

 かつては傘や渋紙、渋ウチワなどの紙や絹糸、皮革などに塗布して防水、防腐などの強化に用いていた。現在ではおもに日本酒製造における清澄剤として知られている。

 柿渋にはシブオールを主成分とする多量のタンニンが含まれる。このタンニンのため柿の果肉には渋味があるが、熟していくにつれタンニン細胞が凝固、収縮して褐色斑に変化し、タンニンが不溶性となって渋味がなくなる。

 柿漆には血圧効果作用が認められ、高血圧や脳卒中の後遺症などに少量ずつ服用する。夜尿症にも有効である。そのほか扁桃炎や含嗽薬として、火傷や湿疹などでは冷湿布として用いる。また凍傷の塗布薬としても用いる。

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