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火曜日, 1月 15, 2013

山査子

山査子(さんざし)

 中国原産のバラ科の落葉低木サンザシ(Crataegus cuneata)、あるいは高木のミサンザシ(C.pinnatifida)の成熟果実を乾燥したものを用いる。日本には江戸時代に伝わり、多く植栽されている。

 ミサンザシは大型の果実で、核を除いたものは山査肉という。サンザシの果実は中国では紅果と呼ばれ、甘酸っぱいため干菓子の山査片や羊羹の山査羹、ジュースなどに用いられている。料理では魚を煮るときに山査子を入れると骨も柔らかくなるとか、肉料理の後で食べると消化を促進するともいわれている。

 果実の成分にはクラテゴール酸やケルセチン、クロロゲン酸、タンニン、サポニン、ビタミンC、タンパク質などが含まれ、抗菌、血管拡張、強心、降圧作用などが報告されている。またクラテゴール酸には胃液分泌を促進し、消化を助ける作用が知られている。

 漢方では消食の効能があり、おもに消化不良や下痢の治療に用いる。とくに油っこいものや肉類などの消化不良に適している。また産後の腹痛など瘀血による疼痛や血便などにも用いる。

 弱火で淡黄色に炒めた物を炒山査、強火で焦がしたものを焦山査、黒く炭にしたものは山査炭という。いずれも消化不良に用いるが、瘀血には生山査を、止血や下痢には山査炭を用いる。焦山査に焦神麴と焦麦芽を合わせたものを焦三仙といい、消化不良の基本薬となっている。さらに焦檳椰を加えたものは焦四仙という。なおヨーロッパでは同属植物のホーソーン(セイヨウサンザシ:C.oxyacantha)の葉を強心薬、果実は降圧・強心薬として用いている。

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