○骨砕補(こつさいほ)
中国の南部や台湾などに自生しているシダ植物ウラボシ科のハカマウラボシ(Drynaria fortunei)などの根茎を用いる。そのほかの基原植物にはウラボシ科の中華槲蕨(D.baronii)、石蓮姜槲蕨(D.propinqua)、光亮密網(Pseudodrynaria coronans)のほか、シノブ科のシノブ(Davallia mariesii)や大葉骨砕補(D.orientalis)の根茎などが用いられる。
ハカマウラボシの根は淡褐色ないし暗褐色で、黄褐色の毛のように柔らかい鱗片に覆われている。一般に根茎の鱗片を除去したものを骨砕補といい、毛状の鱗片をつけたままのものを猴姜とか、申姜という。骨砕補という名は骨折の治療に効果のあることに由来し、毛状の形から猴姜・申姜・毛姜などとも呼ばれている。
成分にはナリンギンやナリンゲニンなどが含まれる。漢方では補腎・活血・強筋骨の効能があり、骨折や打撲、捻挫、腎虚の歯痛や耳なり、下痢、腰痛などに用いる。リウマチなどによる関節痛や運動障害に威霊仙・地竜などと配合する(舒筋活絡丸)。骨折・捻挫などの外傷には自然銅・シャ虫などと配合する(接骨Ⅱ号方)。また外傷の患部に骨砕補の粉末をワセリンに混ぜて塗布する。歯痛や歯肉炎には牛車腎気丸と一緒に服用したり、黒く炒めて粉にしたものを歯肉に擦り込む。
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