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土曜日, 12月 01, 2012

虎耳草

○虎耳草(こじそう)

 本州以南、中国などに分布しているユキノシタ科の常緑多年草ユキノシタ(Saxifraaga stolonifera)の葉または全草を用いる。湿った所や岩場に生え、観賞用として庭先などにもよく栽培されている。一説に冬に雪の下にあっても葉が枯れないことからユキノシタといわれ、肉厚の毛深い葉の形から虎耳草の名がある。葉はテンプラにしたり、茹でて食べることもある。

 成分には硝酸カリウム、塩化カリウム、クェルシトリン、アルブチン、ベルゲニンなどを含み、抗菌作用や利尿作用が知られている。漢方ではあまり使用しないが、民間療法として日本でも中国でもよく知られている。

 清熱・解毒・涼血の効能があり、湿疹や皮膚化膿症、中耳炎、気管支炎、痔患などに用いる。湿疹や蕁麻疹、咳嗽、膿痰には煎じて服用する。ミミダレグサという方言もあるように、葉から搾った汁を化膿性中耳炎に点耳する。痤瘡や腫れ物に生葉の汁をつけたり、煎液で湿布する。葉を火であぶって貼り付けてもよい。

 子供のひきつけには生葉の搾り汁を口に含ませる。また痔の痛むときに乾燥させた虎耳草をくすべて患部に当てるという方法もある。近年、ユキノシタ全草のエキスに紫外線がもたらすDNA障害の修復を促進する効果が報告され、アンチエイジングや美白作用を目的とした化粧品に配合されている。

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