○ゲンチアナ根
ヨーロッパ原産でスペインからトルコまでの亜高山帯に分布しているリンドウ科の多年草ゲンチアナ(Gentoana lutea)の根および根茎を用いる。
植物学上、リンドウと同じ仲間であるが、ゲンチアナは高さ2mにも達する大型植物で、根も大きい。日本の北海道でも栽培されているが、おもにピレネー山脈やアルプスに産するゲンチアナがスペインやドイツから輸入されている。薬用にはゲンチアナの根や根茎を多少発酵させて乾燥したものを用いる。
根には苦味配糖体のゲンチオピクロシドやスウェルチアマリン、アマロゲンチンなどが含まれ、胃液の分泌亢進や消化促進の作用などがある。ヨーロッパで古くから用いられている代表的な苦味健胃薬で、慢性胃炎や食欲不振などに用いられている。
かつて日本ではリンドウ(生薬名:竜胆)やセンブリ、延命草などで代用されたこともある。現在も家庭薬の苦味健胃薬として(キャベジンコーワ)、またゲンチアナ・重曹散など医療用にも広く利用されている。
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