○豨蘞(きれん)
日本の全土、朝鮮半島、中国大陸に分布するキク科の一年草メナモミ(Siegesbeckia pubescens)、および同属のツクシメナモミ、コメナモミなどの全草を用いる。日本の山野に普通に見られ、果実には粘液を分泌する腺毛を有し、衣服や動物にくっつきやすい。ナモミとはくっつくという意味のなずむに由来するもので、同じキク科にオナモミという植物もある。オナモミの果実も蒼耳子といって薬用にされる。
メナモミの全草には苦味質のダルチンやアルカロイドが含まれ、煎液の抗炎症作用や降圧作用が知られている。漢方では関節の腫痛を除き、筋骨を強める効能を利用して、関節の疼痛や足腰の冷痛、筋肉の萎弱や麻痺、高血圧に用いる。
一般に関節の痛みには生で用い、筋肉の萎弱や麻痺には酒で蒸して用いる。関節リウマチおよび高血圧に臭梧桐と配合する(風湿豨桐片)。
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