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月曜日, 5月 07, 2012

鶴虱

○鶴虱(かくしつ)

 日本各地、朝鮮半島、中国、台湾などに分布するキク科の越年草ヤブタバコ(Carpesium abrotanoides)の果実を用いる。ヤブタバコの葉や茎は生薬名を天名精という。ヤブタバコはタバコの葉に似ていることからその名がある。果実は細長く、独特の臭気があり、粘着性があり、衣服に付着する。中国の地方ではセリ科のノラニンジン(Daucus carota)の果実やヤブジラミ(Torillis japonica)の果実なども鶴虱として用いている。このためヤブタバコの果実を北鶴虱、ノラニンジンの果実は南鶴虱あるいは鶴虱風、ヤブジラミの果実は華南鶴虱と呼んでいる。

 ヤブタバコの果実にはカルペシアラクトン、セリルアルコールなどが含まれ、回虫や蟯虫などに対する駆虫作用がある。漢方にも駆虫の効能があり、回虫による腹痛や蟯虫症などに呉茱萸・檳椰子などと配合する(鶴虱丸)、なお日本ではヤブジラミの果実を一般に蛇床子と称しているが、中国産の蛇床子(オカゼリの果実)と異なるため和蛇床子とも呼ばれる。

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