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水曜日, 4月 11, 2012

海蛤殻

○海蛤殻(かいごうかく)

 マルスダレイガイ科の二枚貝オキシジミ(Cyclina sinensis)などの貝殻を用いる。同科のハマグリ(Meretrix meretrix)の貝殻は本来、文蛤というが、海蛤殻としても使用されている。オキシジミは全体の形が円形に近く、殻長と高さが5cmくらいで、殻の色は黄褐色か紅褐色である。中国沿岸の泥砂質の海底に生息し、江蘇、浙江、福建省などに産する。

 主成分は炭酸カルシウムであるが、コンキオリンなども含む。漢方では去痰・利尿・軟堅の効能があり、熱痰の咳嗽、浮腫、膀胱炎、癭瘤(甲状腺腫)、瘰癧(頸部リンパ腺腫)、痔などに用いる。気管支炎などによる咳嗽、喀痰、胸痛にはカロニン・黄芩・青黛などと配合し、甲状腺腫には海藻・昆布などと配合し、膀胱炎には滑石・木通などと配合する。また強火で焼いた煅蛤殻は抑酸止痛薬として胃痛に用いたり、収斂生肌薬として火傷や湿疹に外用する。

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