○鉛丹(えんたん)
鉛(黒色鉛)を鉄の鍋に入れて動かしながら長時間加熱(300~400℃)し、空気中の酸素により酸化されて得られる赤色の結晶性の粉末を鉛丹という。黄丹あるいは光明丹ともいい、主成分は四酸化三鉛でPb3O4あるいは2PbO・PbO2と記される。一般には赤色顔料として鉄材のさび止めに用いられるほか、鉛ガラスの原料や陶磁器のうわ薬として用いられる。
漢方では解毒・生肌の効能があり、おもに外科の要薬として疔、瘡蓋などの皮膚化膿症や湿疹、潰瘍、外傷、蛇咬傷などに外用される。また日本では江戸時代から疔瘡など皮膚化膿の吸出し薬として知られる雨森無二膏、あかぎれや打ち身、筋肉痛の貼り薬として知られるあかぎれ膏や万金膏などにも配合されている。
傷寒論の柴胡加竜骨牡蠣湯には鎮静の目的で鉛丹が配合されていたが、一般に省略されたり、生鉄落や代赭石で代用される。また、かつてマラリアや癲癇、下痢などの内服にも
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