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木曜日, 12月 29, 2011

たらの葉茶

○たらの葉茶

 日本各地に自生するウコギ科の落葉低木タラの木(楤木)は、春先にそのほろ苦い若芽がタラの芽として天ぷらや和え物に用いられるのでよく知られているが、日本では古くから樹皮、根皮を糖尿病腎臓病・胃腸病の民間薬として用い、中国でも根皮を強壮・神経衰弱に、韓国では咳止め・糖尿日・ガンなどに用いてきた歴史がある。

 タラの木の葉を茶材に用いることに着目したのは長村洋一(藤田保健衛生大学)らの研究グループである。長村らは、種子島ではタラの木の樹皮を糖尿病の特効薬のごとく見なして繁用しているという事実を知り、糖尿病ラットに抽出エキスを飲ませて血糖値効果を確認、その葉を採取して洗浄・乾燥した得た茶材(タラの葉茶)にも同じ効果があることを知り、さらに実験を重ねて、その抽出エキスに肝細胞へのグルコースの取り込みを促進するインスリンと同様の作用のあることを見出した。また、この作用の原因物質を調べて斉藤節生(城西大学薬学部)は11種類の新しいトリテルペン系のサポニン(タラの芽のほろ苦さの原因物質もサポニン)を分析し、その化学構造のいくつかが肝臓病の薬とされるグリチルリチンによく似ていることを発見しており、長村の四塩化炭素で肝障害を起こさせたラットによってGOTの抑制率を調べ、タラの葉サポニンがグリチルリチンと比較しても遜色のない治療効果を見せることを確認している。さらに、薬物性の肝炎だけでなく、ウイルス性肝炎にも有効であることが明らかにされた。ウイルス性肝炎が進行するときには、本来ウイルスを攻撃すべき免疫力(抗体)が逆に感染者自身の肝細胞を破壊するという厄介な障害が起こる場合があるが、タラの葉サポニンはその自滅的な破壊作用を抑制することを突き止めている。

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