○穀物酢
JAS(日本農林規格)では、醸造酢のうち、原料の穀物使用量が40g/L以上のものを穀物巣としており、米を40g/L以上使用しているものを米酢、それ以外のものを単に穀物酢としている。
※米酢
わが国を代表する伝統的な穀物酢で、こめずともいう。調味料として最も多く使われている食酢である。蒸米を麹で糖化し、酵母でアルコール発酵させた後、酢酸菌で酢酸発酵してつくる。JASの食酢品質表示基準により、製品に米酢と表示できるのは原料の米を40g/L以上使用しているものである。
玄米酢に比べるとアミノ酸の含有量は少ないが、米に由来する独特の芳香があり、料理にコクと深みを加えるので寿司飯や酢の物に使われる。市販されている米酢製品の中には、酢1Lにつき100~200g(JAS規格の2~5倍)の米を使い、濃厚な旨味を持つ米酢もある。
※粕酢
米酢と共にわが国を代表する伝統的な醸造酢で、JASでは穀物酢と果実酢以外の醸造酢に分類される。1年以上貯蔵・熟成された酒粕に水を加えて粥状にし酢酸発酵を経てつくられる。高級品は色が濃く、米酢とは異なる独特の香りと旨味を持ち、江戸前寿司の赤酢として使われている。
※麦芽酢
イギリスやアイルランドを代表する穀物酢の一種で、モルトビネガーという。大麦や小麦、ライ麦を原料とし、麦芽の酵素で糖化した後、アルコール発酵、酢酸発酵を経てつくられる。麦に含まれるタンパク質からアミノ酸が多量に生成されるため、米酢などとは違った香り、コクがある。イギリスではフィッシュ・アンド・チップス(鱈のフリッター)にかけて食べたり、ピクルスやマヨネーズなどに使われる。
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