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土曜日, 11月 05, 2011

牛乳

○牛乳

 牛乳は三大栄養素の糖質・脂質・タンパク質をほぼ同じ割合で含み、さらにカルシウムやカリウムなどのミネラル類も豊富に含むことから、子供の成長期には欠かせない栄養食品として古くから用いられてきた。わが国で市販されている牛乳(市乳)は、厚生労働省の「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」によって細かく規定されており、大きく「牛乳」「加工乳」「乳飲料」に分けられる。牛乳とは生乳のみを原料とし、無脂乳固形分(水分と乳脂肪分以外のタンパク質、炭水化物、カルシウム、ビタミンなど)を8%以上含むもので、、しぼったままの生乳をそのまま加熱殺菌したものと、生乳から水分、乳脂肪分、ミネラルなどなどの一部を取り除いた成分調整牛乳とがある。前者は、牛乳パックの種類別欄に「牛乳」と表示されている最も一般的な牛乳で、乳脂肪分は3%以上。一方、成分調整牛乳の内、乳脂肪分を0.5~1.5%にしたものを低脂肪乳、0.5%未満にしたものを無脂肪牛乳という。

 加工乳は、生乳のほかに脱脂粉乳や無塩バターなどの乳製品を加え、乳成分を増やしたり、乳脂肪分を減らしたりしたもので、無脂乳固形分は牛乳と同じく8%以上含む。「特濃乳」などがそうである。

 乳飲料は牛乳や脱脂粉乳を主原料とし、これに糖分や香料、コーヒー、果汁、ビタミンやミネラル類を配合したもので、無脂乳固形分の含有量は規定されていない。一般に”コーヒー牛乳””フルーツ牛乳”などとも呼ばれているが、乳飲料の商品名には「牛乳」「ミルク」「乳」という言葉は使用できないことになっている。

 牛乳の摂取で最も期待されている栄養成分はカルシウムで、100g中110mgと豊富に含まれている。カルシウムは体内へ吸収されにくい成分だが、牛乳・乳製品の吸収率は高く、約50%である。因みに古くから日本人のカルシウム供給源となっていた小魚で約30%、青菜で約18%である。牛乳のカルシウム吸収率がよいのは吸収を助ける乳糖やアミノ酸のリジンなどが含まれていることによる。

 さらに牛乳のタンパク質の約80%を占めるカゼインが体内でCPP(カゼインホスホペプチド)に分解され、カルシウムの吸収を高める働きをする。ただし、牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする人や下痢をする人(乳糖不耐症)は乳糖を分解する酵素ラクターゼの活性が低く、牛乳からのカルシウムの吸収率も低下する。乳糖不耐症の人用に乳糖分解乳が市販されている。牛乳にはもう一つの効能として安眠作用がある。牛乳に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが催眠作用のある神経伝達物質セロトニンの原料となるからである。神経を鎮静化する作用はカルシウムにもある。

※粉乳

 牛乳を濃縮して乾燥させ、粉末状にしたもの。そのまま粉末にした全粉乳、乳脂肪を取り除いた脱脂粉乳、成分を調整した調製粉乳がある。母乳の成分に近くなるように調整したものは乳児用粉ミルクである。

※練乳

 練乳は牛乳を濃縮したもので、そのまま濃縮したエバミルク(無糖練乳)、加糖して濃縮したコンデンスミルク(加糖練乳)がある。

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