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火曜日, 11月 01, 2011

○酢

 は塩と共に古くから用いられてきた調味料で、世界各地で数多くの種類がつくられている。フランスではビネガー(vinaigre)といい、”ワイン(vin)が酸っぱく(aigre)なったもの”が語源だが、このことが示すように、酢は酒に由来する調味料である。

 酢の一般的な製法は、原料となる穀物や果実を酵母でアルコール発酵させてまず酒をつくり、その後、酢酸菌でアルコールを酢酸に分解する2段階発酵でつくられる。酢酸菌はアルコールの分解能が高いアクトバクター属の菌が使われる。原料となる糖質は東洋では穀物類(米、麦、大豆など)が、西洋では果実類(ブドウ、リンゴなど)が多く使われている。

 日本へは応神天皇の時代に中国から和泉の国(今の堺あたり)に伝えられたといわれる。その後、江戸時代になって相模(神奈川県)の中原、駿河(静岡県)の善徳寺、尾張(愛知県)の半田などでもつくられるようになり、これは日本伝統の米酢であった。

 現在、わが国ではJAS(日本農林規格)により一般的な酢を食酢と呼称し、ポン酢などの加工酢と区別している。食酢は製造法により「醸造酢」と「合成酢」に分けられる。醸造酢は前述のように穀物や果実から酒をつくり、それを酢酸発酵させたもので、「穀物酢」「果実酢」「醸造酢(穀物酢と果実酢以外の醸造酢)」がある。合成酢は希釈した酢酸原液に調味料などを加えて工業的につくられるもので、使用和40年代頃までは相当量が市場に出回っていたが、現在ではほとんど流通していない。

 酢には3~5%程度の酢酸のほか、コハク酸、リンゴ、各種アミノ酸が含まれている。酢の健康機能は古くから知られており、①強い殺菌力と防腐力があり、食品を長期間保存したり、外用の殺菌剤として利用できる、②細胞の新陳代謝を活性化する、③食欲を増進させる、④善玉コレステロールを増やし、動脈硬化や高血圧を改善する、⑤疲労回復、肩こりの解消に良い、⑥唾液や胃液の分泌を促し、消化を促進して便秘を防ぐ働きがある、などの作用がある。

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