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土曜日, 10月 15, 2011

卵類

※ヨード卵

 ヨード卵は海藻やヨードなどの餌を食べて育った鶏が産んだ卵で、100g中に1.3mgのヨウ素を含んでいる。ヨード卵の作用・効用はラットを使った実験によっていくつか確認されている。

 一つは肝臓のグリコーゲン貯蔵量を高める作用である。これによってスタミナがつき、疲れにくくなる。これは中性脂肪やコレステロールを分解する働きのあるリポタンパクリパーゼという酵素を活性化するためで、エネルギー源であるグリコーゲンを肝臓や筋肉に貯える代わりに、脂肪代謝を促進してエネルギー化するためである。リポタンパクリパーゼは体の毛細血管壁に分布している酵素で、血管を流れる中性脂肪(リポタンパク)を脂肪酸とグリセリンに分解し、エネルギーに変える働きを持っている。このため、リポタンパクリパーゼの活性が高まれば、余分な中性脂肪の分解を促進して血液中の脂質を自然に減少させることができる。

 ヨード卵には動脈硬化や高血圧の予防に役立つというデータもある。動物実験によると、餌がヨード卵粉、普通卵粉の2グループに分け、1日2回の食事前と休息期の計3回の測定で、血中の脂質(中性脂肪)、コレステロール、リン脂質はどれもヨード卵を食べているネズミのほうが低い数値が出た。これはヨード卵を食べることによって脂肪の代謝がより活発に行われ、肝臓から放出する脂質の量が低下するためとされている。血液中の中性脂肪やコレステロールの濃度を調整する最も重要な機構は肝臓での脂質の合成と、それに引き続いて起こる血液への脂質の放出度にある。固の放出度はヨード卵を食べたほうが低いことがわかった。このように、ヨード卵は中性脂肪の代謝を促進し、その血中濃度を低く抑制する生理作用が実証されている。

ビタミン強化卵

 1日に必要なビタミンEやDを含む卵で、厚生労働省の栄養機能表示(保健機能食品制度)をパッケージに施している。大手の鶏卵生産会社が開発したもので、一つはビタミンEを100gあたり10mg含み、卵2個で1日あたりの必要量を摂取できることから「ビタミンEは細胞の健康維持を助ける栄養素です」と機能表示している。もう一つは1日に必要なビタミンDを1個で90%摂取可能な卵で「ビタミンDは骨の形成を助ける栄養素です」と表示している。

※β-カロテン強化卵

 千葉県畜産センター養鶏試験場が開発した卵で、β-カロテンが通常の卵より15倍多く含まれている。鶏に与える餌に牧草を混ぜ合わせることで、草に含まれるβ-カロテンが卵に豊富に含まれるようにした。通常飼料にイタリアンライグラスという牧草を1日1羽あたり約40g与えると、この鶏が産む卵黄100g中のβ-カロテン量は約200ugになる。β-カロテンは体内の活性酸素や脂質酸化を抑制して細胞の老化を防ぐ作用がある機能物質で、ビタミンAの前駆体として知られている。

※うずら卵

 蕎麦やとろろに落としたり、茹でて中華料理の具材などに使われるウズラ(鶉)の卵は、大きさは鶏卵の4分の1程度だか、栄養成分には鶏卵を上回るものがある。タンパク質の含有量やアミノ酸組成はほぼ同じだが、鉄は3.1mg(生全卵100g中)で鶏卵の1.8mgの2倍近く含んでいる。また、ビタミンA(レチノールが350ug、ビタミンB2が0.72mgと鶏卵の140ug、0.43mgをそれぞれ上回っている。コレステロール量は同等(全卵で470mg)である。

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