○カラギーナン
カラギーナンは、寒天と同じ紅藻類のキリンサイ(ミリン科)、トチャカ(スギノリ科)、オキツノリ(オキツノリ科)の細胞間質に存在する粘質多糖で、D-ガラクトースと硫酸を主成分とする酸性多糖である。
ゲル化剤としてプリンやジャムに、増粘剤としてケチャップなどに利用されているほか、練歯磨やシャンプーにも配合されている。食物繊維としての機能は血中コレステロールの上昇抑制、血液の凝固防止、胃潰瘍の改善などが知られている。
○アルギン酸
アルギン酸は、渇藻類の昆布やワカメ、ヒジキなどの細胞間質に存在するヌメリ成分で、マンヌロン酸とグルロン酸の2種類のウロン酸がβ-1.4結合した粘質多糖類である。褐藻類を薄いアルカリ液で煮て、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムとして抽出される。水に溶かすと粘度の高い液体となり、食品の安定剤としてアイスクリームやジャム、ゼリーに使われている。
アルギン酸を分解する酵素はアルギナーゼで、細菌や海中に生息する生物には存在するが、ヒトの消化液には含まれていないため難消化性の食物繊維として機能する。
アルギン酸の生理作用としては、便量の増加、排便の促進などの整腸作用、コレステロールの上昇抑制作用がある。また、アルギン酸カリウムは腸内でナトリウムを吸着して糞中に排泄させ、血圧上昇を抑制する働きがある。このほか、アルギン酸ナトリウムの分子を小さくして粘度を低くした低分子アルギン酸はコレステロールの吸収を抑えることがヒト試験で明らかにされており、清涼飲料水に配合されてトクホ製品になっている。
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