○脂質
脂肪や油など、水に溶けにくく有機媒体に溶けやすい性質を持ち、脂肪酸(カルボン酸)を基本成分とする物質を総称して脂質という。脂質は糖質・タンパク質と共に三大栄養素の一つで、最も効率の良いエネルギー源として、また生体膜の構成成分としても重要である。脂質の内、リン脂質や糖脂質は生体膜の構成成分として、ステロールは胆汁酸やステロイドホルモンの材料として機能している。また、一部の脂肪酸は生理活性物質(プロスタグランジンなど)の合成材料になる。
肉や魚など食品に含まれる脂質の90%以上は脂肪で、脂肪1gから得られるエネルギー(熱量)は約9kcalと、糖質やタンパク質の2倍以上である。日本人の脂肪エネルギー比率(総エネルギーにしめる脂肪の割合)は昭和20年代の10%以下から、現在では約26%(平成16年国民栄養調査)になっており、脂肪の摂りすぎによる肥満や冠動脈性心疾患の増加が指摘されている。「日本人の食事摂取基準・2005年度版」では、脂肪エネルギー比率を男女とも29歳までは20~30%、30~69歳は20~25%、70歳以上は15~25%を目標量としている。
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