○南天茶
南天はメギ科の常緑灌木で、別名を南天竹、南天燭という。生薬名は南天実。”難を転じて福にする”という縁起から広く親しまれ、例えば赤飯に南天の葉が添えられているのは、「食中毒の心配はありません」ということからである。
主な成分はナンジニン、アセトン、ベルベリンで、果実にはアルカロイドのドメスチンが含まれている。ドメスチンは咳止め作用のある成分として知られている。効用と用い方は、①痛風、脚気(根を煎じて飲む)、②咳、扁桃腺炎、口内炎、咽頭炎(葉と実を濃く煎じて飲む)、③疲れ目、視力強化、白内障(果実を煎じて飲む)、④やけど、腫れ物、蜂刺され(葉の生汁を塗る)、⑤食あたり、魚の中毒(葉を噛んでいると毒物を吐く)などである。
○苦丁茶
苦丁茶は中国の南部、及び西部で保健茶として飲用されている茶で、独特の苦味と清涼感を特徴とする。中国でも茶の中では生産量が少なく、大変貴重な高級茶とされる。場所によって、モクセイ科、オトギリソウ科、モチノキ科、ムラサキ科、バラ科などさまざまな植物の葉を用いて作られている。
四川省産の苦丁茶には、清熱、降圧、防暑の効あり、雲南省の苦丁茶には、防暑、消炎、増智、抗疲労等の効ありとされる。また四川省さんなどのLigustrum属植物を基原とする苦丁茶中には、モノテルペンやフェニルエタノイド配糖体が含まれ、特にモノテルペン配糖体にはコレステロールの吸収や生合成に関与するACATという酵素の阻害作用があることが報告されており、血中脂質改善効果が期待されている。
0 件のコメント:
コメントを投稿