○ヤクルト菌
ヤクルト本社が保有する乳酸菌で、正式な菌名はラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(Lactobacillus casei Shirota)。1930年年に代田稔(京都帝国大学医学部微生物学教室)が世界で初めて培養に成功した人腸乳酸菌で、35年には同菌を使用した乳酸菌飲料ヤクルトが発売されている。ヤクルト菌には、腸の蠕動運動を高める、有害菌の増殖を抑える、免疫力を維持する働きが認められている。
○K-1菌
亀田製菓が2001年に、日本で初めて米から分離して開発した植物性乳酸菌。正式な名称は菌名はラクトバチルス・カゼイ・カメダ1株(Lactobaciluss casei KAMEDA-1)。日本人の食生活をモデル化した腸内栄養成分で増殖し、胃液に耐えて腸まで届くことが実験で確かめられており、植物性食品を多くとってきた日本人の胃腸によくフィットするのが特徴である。
K-1菌には、整腸作用のほか、細胞の突然変異を抑える抗変異原性のあることが、同社と東京農業大学菌株保存室の共同研究で明らかにされている(日本農芸化学会2001年度大会で発表)。同研究によると、K-1菌は5種類の発ガン物質・変異原性物質を無毒化する働きに優れている。特定されたのは①4NQO(胃ガン、大腸ガンを誘発するガン原生物質)、②Trp-P1(肉や魚のコゲに含まれる変異原性物質)、③Trp-P2(同)、④2-AA(発ガン物質)、⑤MNNG(胃ガン、大腸ガンを発生させる発ガン物質)で、同菌が腸内でこれらと反応すると無毒化され、大腸ガンを予防する可能性があるという。K-1菌は、同社の「植物性乳酸菌ヨーグルト」に使われている。
0 件のコメント:
コメントを投稿