〇かに(蟹)
日本近海だけでも1000種を数えるというカニの中で、一般に食用とされているのは、タラバガニ、ケガニ、ズワイガニ、ガザミ、モ、クズガニ、アサヒガニ、ハナサキガニ、サワガニなどである。食用のベストワンといえばズワイガニ(松葉ガニ、越前ガニ)であろうが、このカニは雄が圧倒的に大きく、雌の甲羅の直径は雄の半分にも満たない。日本近海産のタカアシガニは甲長が40cm迫る世界最大のカニである。美味で定評のある北海度近海産のタラバガニはヤドカリの仲間で、ハサミを加えて足が8本しかない。サワガニは淡水産である。
カニの肉はいずれも脂質、糖質はゼロに近く、タンパク質が15~20%程度である。旨味成分のグルタミン酸、グリシンなどが多い。栄養的な特長はエビと同じく、タウリンが多いことである(ズワイガニで牛・豚肉の約11倍)。さらに亜鉛や銅の含有量も多く、前立腺肥大・貧血を予防する働きがある。
カニを茹でると赤くなるが、これはカロチノイド色素のアスタキサンチンを含むためである。アスタキサンチンはカニやエビ、サケ、イクラなど海産物に含まれる赤色色素でビタミンEの100倍以上の抗酸化力があるとして注目されている物質である。研究はまだ始まったばかりであるが、生体内でのフリーラジカル(活性酸素)消去作用をベースとして、日周リズムの調節効果や糖尿病とその合併症の抑制効果などが報告されている。
0 件のコメント:
コメントを投稿