○シイタケ菌糸体エキス
キノコは、発芽した胞子から菌糸が伸び、地中や原木中で増殖して菌糸体となる。温度や湿度などの条件が揃うと菌糸体が集合した子実体と呼ばれるキノコを発生させ、胞子を形成して残す。つまり食用にする子実体の部分は、キノコ類が子孫を残すために胞子に作る生殖体、すなわち”菌糸が高度に集合したもの”である。言い換えれば、菌糸体こそ子実体を発生させる力を持つキノコの正体であり、キノコの有効性の基はここに内在しているということが考えられる。
この菌糸体が内包する強靭な生命力を利用する目的で「シイタケ菌糸体培養抽出技術」が開発された。培養基はバガス(サトウキビを搾った残りの繊維質)に米糠を混合し水分調整されることで作られる。それを高圧蒸気滅菌した上で、雑菌の進入を防ぎながら厳選された特定の種菌を摂取して培養。やがて白色糸状の菌糸が培地全体に蔓延した段階で低温ショックを与えたあと、倍地を解束し抽出タンクに投入、加水・加温する。酵素を添加して攪拌・擂潰することで有効成分が代謝産物と共に抽出されてくるというのが、その製法の概略である。
この抽出物「シイタケ菌糸体培養抽出物(L.E.M)」であり、多糖タンパク質、β-D-グルカン、エリタデニン、リグニンなどが含まれ、子実体の成分とは異なる。この培養抽出物を用いた健康食品の免疫調節作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用などを中心とする多くの機能が、大学や製薬会社、民間研究機関などによって明らかにされてきた。抗ガン作用については、乳ガン自然発症とランスジェマニックマウスにL.E.Mを4週間投与して延命効果及び腫瘍組織の病理学検討を行った研究で、無処置群に比べて平均2週間の延命効果を示した。さらに腫瘍組織の病理検査を行ったところL.E.M投与群では腫瘍細胞にγδT細胞を中心としたリンパ球の顕著な浸潤が認められ、一部腫瘍の壊死像も観察された(佐賀生活習慣病対策研究会、1999年)。オーストラリアで行われた第17回国際栄養学会(2001年)で発表された動脈硬化に対する研究は、病変占有面積がL.E.Mを8週間与えた群は対照群48.7±15.3に比べて、26.2±10.8と優位に改善され、動脈硬化指数も対照群16.96±9.2に対し6.62±4.31と優位に改善されており、その動脈硬化に対する予防・改善効果は注目を浴びた。
また、肝細胞ガンのハイリスクグループとされるC型ないしB型肝炎に対する効果も臨床的に確認されており、ウイルスの減少等が報告されている。そのほかにも、チロシナーゼ活性阻害作用による美白効果があり、すでに粧源基として認められていることから健康食品分野のみにとどまらず、化粧品原料としても今後更なる展開が期待される。
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