○有機ゲルマニウム
ゲルマニウムはという元素は1886年、ドイツのウィンクラーが銀鉱石を分析中に新元素を発見、これを祖国(ゲルマニア)にちなんでゲルマニウムと命名したものである。
以来、金属とも非金属ともつかぬ元素で科学的にも特殊な挙動を示すことから、有機ゲルマニウム化合物が生体に特徴的な役割を担うと考えられてきた。その半導体としての性質を応用した高性能検波器が発明された1940年頃からは電子工学の飛躍的発展に貢献したが、ゲルマニウムの生理活性作用については、アメリカのハメットやメイヤーらが無機ゲルマニウム(二酸化ゲルマニウム)の貧血や腎毒性について22年に報告して以来、特にみるべきものはなかった。
ゲルマニウムが石炭にも含まれていることは30年代には既に知られていたが、その生物学的意義については注目されなかった。しかし50年代半ば頃から、(財)石炭総合研究所所長の浅井一彦とその所員たちがこの事実に注目し、植物中に含まれるゲルマニウムの量を分析して、いわゆる生薬に分類される植物に多く含まれていることを確認した。この研究をきっかけに、56年、同研究所の及川浩らはゲルマニウム化合物の生理活性について検討し、「ゲルマニウム果糖錯塩溶液のX線による放射線障害予防効果」を日本医学放射線学会に発表している。
60年代半ばには及川により水溶性の有機ゲルマニウム化合物である「カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド」が合成され、67年に日本化学会に発表された。以後この化合物についての研究は、やはり浅井一彦が創設した浅井ゲルマニウム研究所に継承され、医薬品のガイドラインに基づく厳格な安全試験が実施報告されるとともに、以下に示すような多くの生理活性研究や臨床報告がなされている。
なお、92年にWHOにより「カルボキシエチルゲルマニウムセスキオキサイド」のINN(国際一般名)の化学名として「p・tCEyGeO」が通知された。
ゲルマニウムの生理活性に関する研究成果としては、X線による突然変異の抑制作用、化学物質による発ガンや各種ガンに対する抗ガン作用、抗ウイルス、免疫調節、鎮痛、抗炎症、抗酸化作用などに及び、臨床においても肺ガン・女性性器ガンなどの各種ガン、肺疾患、慢性関節リウマチ、骨粗鬆症などへの適応といった多くの臨床報告があり、特に慢性疾患や痛みを伴う疾患に対するQOLの改善効果が注目される。また、血液流動性改善についても着目すべき研究がある。
現在「p・tCEyGeO」は健康食品素材として、製品化も実現した。その安全性は高く、生体の機能を適正に調整しつつ健康維持に貢献する「科学された健康食品」としての評価も定着した。
なお、二酸化ゲルマニウム(無機ゲルマニウム)は毒性があり、また有機ゲルマニウム化合物でも、厳格な安全性試験によってその安全性が保証されたもののみを使うべきである。
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