○梅肉エキス
梅は原産地中国の医薬書の古典「神農本草経」にもその薬効が説かれており、この時代から健康に役立つ食品として知られていた。日本には奈良時代に伝わり、平安時代には当時の医薬書である「医心方」にのどの渇き、息切れなど梅干しの効用が記されているが、一般大衆に広く普及したのは江戸時代の初期である。
梅の薬用効果を強化したのが梅肉エキスである。この原型は中国の烏梅(梅の実をいぶしながら乾燥させたもの)にあり、これをさらに発展させたのが日本独特の梅肉エキスで、江戸時代の医療書「諸国古伝書秘方」には当時の製法が記され、その効用については、赤痢、腸チフスに該当する伝染病や、食中毒、吐き下し、下痢、便秘、消化不良などが示されている。
経験的にも学術的にも梅(梅肉エキス)の効果が再認識されてきた中で、農林水産省食品研究所と(財)梅研究会が行った共同研究では、毛細血管と同じ孔経7ミクロンのフィルターを血液が通過する時間を測定した結果、梅肉エキスを加えると通過時間が半分(約30秒)に短縮される血流改善効果が明らかにされ、ムメフラールと名づけられた新規物質も見出されて、生活習慣病の改善に役立つことが期待されるようになった。
そのほか、医学的見地からも認められる効用をまとめると次のようになる。①血液を弱アルカリに保つ浄血作用があり、新陳代謝を活発にして諸器官を正常化する。②クエン酸の働きで疲労物質である乳酸の発生を抑え、体の活性化、老化防止に効果的である。乳酸が蓄積されると動脈硬化、高血圧、肝臓病など老化現象を起こす。③血液を弱アルカリ性に保つので老化防止に有効である。さらにクエン酸が「若返りホルモン」といわれる唾液腺ホルモン(パロチン)の代謝を活発にさせるので、二重の老化防止効果がある。④梅に多く含まれている有機酸のピクリン酸が肝機能を高める。⑤体内からの美容効果のほか、整腸作用に優れ、便秘や下痢に効く。梅に含まれているカテキンは腸の働きを活発にする作用があり、便秘、ニキビや肌荒れに効果的である。⑥殺菌作用が強く、腸チフス、コレラ、赤痢菌のほか、抗生物質の効かないMRSAや、病原性大腸菌O-157などにも非常に強い殺菌・抗筋力を発揮する。⑦梅肉エキスは各種有機酸の相乗作用で胃液の分泌を抑え、胃潰瘍を予防する。
梅肉エキスを使った健康食品は、錠剤、粒・顆粒・ペースト・ドリンクなど様々なタイプのものがある。
梅肉エキスの商品一覧
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