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土曜日, 10月 22, 2005

ゴマについて

○ごま

 ゴマ(胡麻)はゴマ科の一年生草木で、アフリカのサバンナ地帯が原産地である。2~3cm の長方形をした果実の中に多数できる種子を食用とする。日本には中国から伝来したと思われ、古くから精進料理には欠かせないものとして珍重されてきた。

 ゴマを色で分けると、色、黒、茶、黄、金、緑などがあるが、主に使われるのは白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの三種である。白ゴマは脂肪の含有量が多く、約55%にもなる。そのためゴマ油にも使われている。黒ゴマは独特の香気があり、ゴマ和えやゴマ塩などに用いられている。これは風味をよくするだけでなく、ゴマの栄養分を加えながら、とり合わせの食品の消化を助ける効果もある。

 ゴマには優れた栄養成分が多数含まれているが、最近とくに注目されているのはガンや老化の予防に効果があるとされる抗酸化物質の存在である。揚げものなどに使った食用油を放置しておくと、時間がたつにつれて黒く変色し悪臭を放つようになるが、これは油の不飽和脂肪酸が空気にさらされて酸化し、過酸化脂質という有害物質に変化するからである。ところがゴマ油では、このような変化が起きないことが知られている。ゴマの成分の半分以上は脂肪で、とくに不飽和脂肪酸が多い(約85%)にもかかわらずゴマ油が変敗しにくいのは、ビタミンEやリグナンといった抗酸化物質が含まれているからだと考えられている。

 リグナンは大豆イソフラボンと同じく、体内で女性ホルモン様物質として働くフィトケミカルである。ゴマに含まれるリグナン類はゴマリグナンと総称され、セサミン、セサモリン、セサミノールなどの抗酸化物質が知られている。このうち、セサミンは中性脂肪を減らす作用もあることがラットを使った実験でわかっている。また、黒ゴマの果皮に含まれるアントシアニンにも抗酸化作用が認められている。アントシアニンはポリフェノールの一種で、ブルーベリー、紅サツマイモ、ナス、黒豆などの色素成分だが、免疫力を高め、ガン細胞の増殖を抑えることが動物実験で確かめられている。

 ゴマの成分で脂肪に次いで多いのはタンパク質で、全体の五分の一を占める。とくに必須アミノ酸のトリプトファンとメチオニンが多く含まれており、催眠や精神安定、抗うつ症状の改善に効果がある。

 ビタミン類では、炒りゴマ100g 中にB1が0.49mg 、B2が0.23mg 、ナイアシンが5.3mgと、ビタミンB群が豊富だ。ミネラル類ではカルシウムが1200mgと抜群に多く、これは牛乳の約11倍である。(いずれも日本食品標準成分表)。

 このように良質な脂質と多彩な抗酸化物質を多く含み、ビタミンやミネラル類も豊富なゴマであるが、さらにその機能性を高めようと品種改良の研究も行われきた。2001年には血中の中性脂肪を減らす効果が高い新品種のゴマが農水省農業研究センターで開発されている。新品種はセサミンの含有量は多いが収穫量が少ない中国産のゴマと、収穫量の多い国内品種を交配して作ったもので、セサミン含有量が1g当たり約10mgで、中国産よりも5%程度多い。同センターが行ったラットを使った実験では、脂肪酸を分解する肝臓の働きが普通のゴマの2~3倍に高まり、血中の中性脂肪が減ったという。同センターでは食品企業などと提携して、生活習慣病の予防に役立つゴマの製品化に取り組んでいる。

高濃度発酵胡麻エキス粒

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