○藤梨根(とうりこん)
日本各地、朝鮮半島、中国東北部に分布するマタタビ科の落葉つる性藤本サルナシ(Actinidia arguta)、シナサルナシ(A.chinensis)の根および根皮を用いる。シナサルナシはキウイの原種であり、中国ではキウイのことを獼猴桃という。サルナシは小さいながらもキウイと同様の果実がなり猿が好んで食べることからその名がある。
中国の民間薬として清熱・利尿・活血・消腫の効能があり、肝炎や浮腫、関節痛などに用いられている。また、中国では古来より、胃癌、直腸癌、乳癌等に対する効果が知られており、現在でも検討されている。
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土曜日, 2月 15, 2014
金曜日, 2月 14, 2014
桃葉
○桃葉(とうよう)
中国を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の葉を用いる。モモの種子は桃仁、花および蕾は白桃花と称して薬用にされる。モモは多くの果実をつけることから木に兆と書き、日本でもももも(百々)という名がある。
モモの葉にはタンニンやニトリル配糖体が含まれ、鎮咳作用やボウフラ殺虫作用が知られている。漢方では去風湿・清熱・殺虫の効能があり、頭痛や関節痛、湿疹などに用いる。
近年、中国では桃葉によるマラリアや膣トリコモナス、蕁麻疹などの治療が報告されている。日本ではモモの葉は浴湯料してよく知られ、刻んだ葉を風呂に入れて夏場のあせもや湿疹、かぶれ、荒れ性などに応用する。
かつてツツガムシ病の特効薬として、焼き石の上に桃の葉を並べ、その上に座って足についたツツガムシを殺したり、桃の枝で作った針でほじり出したと伝えられている、また、ふけ症には葉の煎液で洗ったり、脱肛に濃く煎じた液で坐浴する方法もある。
中国を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の葉を用いる。モモの種子は桃仁、花および蕾は白桃花と称して薬用にされる。モモは多くの果実をつけることから木に兆と書き、日本でもももも(百々)という名がある。
モモの葉にはタンニンやニトリル配糖体が含まれ、鎮咳作用やボウフラ殺虫作用が知られている。漢方では去風湿・清熱・殺虫の効能があり、頭痛や関節痛、湿疹などに用いる。
近年、中国では桃葉によるマラリアや膣トリコモナス、蕁麻疹などの治療が報告されている。日本ではモモの葉は浴湯料してよく知られ、刻んだ葉を風呂に入れて夏場のあせもや湿疹、かぶれ、荒れ性などに応用する。
かつてツツガムシ病の特効薬として、焼き石の上に桃の葉を並べ、その上に座って足についたツツガムシを殺したり、桃の枝で作った針でほじり出したと伝えられている、また、ふけ症には葉の煎液で洗ったり、脱肛に濃く煎じた液で坐浴する方法もある。
水曜日, 2月 12, 2014
動物胆
○動物胆(どうぶつたん)
さまざまな動物の胆嚢および胆汁を薬用に用いる。魚類では鯉魚胆やヤツメウナギの胆、爬虫類ではヘビの蛇胆、鳥類ではニワトリの鶏胆、哺乳類ではクマの熊胆、ブタの猪胆、ウシの牛胆などが薬用にされている。
近年、熊胆の入手が困難なため、その代用として牛の胆汁を濃縮した牛胆が用いられている。また牛黄はウシの胆嚢や胆管にできた胆石である。胆嚢は肝臓で作られた胆汁を蓄え、濃縮する臓器であり、食事によって胆嚢の収縮が起こり、胆汁が腸に排泄される。
一般に動物の胆汁には胆汁色素、胆汁酸塩、脂肪酸、コレステロール、レシチンなどが含まれている。胆汁酸塩は胆汁酸がナトリウムやカリウムと結合したもので、胆汁酸はコール酸、デオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、リトコール酸などがグリシンと結合したグリリコール酸か、タウリンと結合したタウロコール酸として存在する。動物によってこのグリリコール酸とタウロコール酸の比が異なっているるちなみに牛黄の主成分はデオキシコール酸、熊胆はウルソデオキシコール酸である。
胆汁酸は水に不溶性の脂肪や脂溶性ビタミンなどを乳化させ、酵素作用を活性化させる作用があり、動物の胆嚢および胆汁には抗菌作用、利胆作用、鎮咳作用、鎮痙・止痛作用などのあることが知られている。
漢方では性味は苦寒であり、清熱・解毒・平肝・鎮驚・明目・通便などの効能があるとされている。日本の大衆薬である救心などには動物胆、敬震丹には牛胆・鯉胆が配合されている。また中国の片仔癀には蛇胆が含まれている。
火曜日, 2月 11, 2014
橙皮
○橙皮(とうひ)
ヒマラヤ原産のミカン科の常緑低木ダイダイ(Citrus aurantium)やアマダイダイ(C.sinensis)の成熟した果実の果皮を用いる。ダイダイの未成熟果実は枳実・枳殻として用いる。
ダイダイは奈良時代に日本に伝来し、古くはカムスとも呼ばれていた。ダイダイという名は果実は枝についたまま数年(代々)も落ちないことにより、カムス(蚊無須)と名は干した皮を焚いて蚊よけにしたことによる。ちなみに果肉をしぼった汁をポン酢というのは、オランダ語のポンスから出ている。
アロマオイルでは、ダイダイはビターオレンジとして有名で、花から得られた精油はネロリ(Neroli:橙皮油)、果皮からの精油はビターオレンジ、木の葉と小枝から抽出した精油はプチグレン(Petitgrain)と呼ばれている。
果皮には主としてd-リモネンからなる精油やナリンギン、ヘスペリジンなどが含まれる。橙皮は西洋医学的に芳香性苦味健胃剤として苦味チンキや橙皮シロップの原料にも使われている。漢方では理気・健胃・去痰の効能があり、陳皮の代用として消化不良、二日酔いなどにも用いる。
民間療法ではダイダイを酒に漬けた液で手や顔の荒れを治したり、果皮を干したものを煎じて車酔い、風邪、咳のときに服用する。また疝気や婦人の腹痛などに用いられた。
ヒマラヤ原産のミカン科の常緑低木ダイダイ(Citrus aurantium)やアマダイダイ(C.sinensis)の成熟した果実の果皮を用いる。ダイダイの未成熟果実は枳実・枳殻として用いる。
ダイダイは奈良時代に日本に伝来し、古くはカムスとも呼ばれていた。ダイダイという名は果実は枝についたまま数年(代々)も落ちないことにより、カムス(蚊無須)と名は干した皮を焚いて蚊よけにしたことによる。ちなみに果肉をしぼった汁をポン酢というのは、オランダ語のポンスから出ている。
アロマオイルでは、ダイダイはビターオレンジとして有名で、花から得られた精油はネロリ(Neroli:橙皮油)、果皮からの精油はビターオレンジ、木の葉と小枝から抽出した精油はプチグレン(Petitgrain)と呼ばれている。
果皮には主としてd-リモネンからなる精油やナリンギン、ヘスペリジンなどが含まれる。橙皮は西洋医学的に芳香性苦味健胃剤として苦味チンキや橙皮シロップの原料にも使われている。漢方では理気・健胃・去痰の効能があり、陳皮の代用として消化不良、二日酔いなどにも用いる。
民間療法ではダイダイを酒に漬けた液で手や顔の荒れを治したり、果皮を干したものを煎じて車酔い、風邪、咳のときに服用する。また疝気や婦人の腹痛などに用いられた。
月曜日, 2月 10, 2014
桃仁
○桃仁(とうにん)
中国北西部を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の核の中にある種子を用いる。花は白桃花、葉は桃葉と称して薬用にする。日本には古くから伝えられ、弥生時代の遺跡からモモの種子が発見されている。すでに平安時代から栽培されていたが、専ら花の観賞用だったといわれている。
果樹としての記録は江戸時代からであるが、当時の桃は小さく果肉が硬かったと考えられ、今日のような栽培品種は明治以後に導入されたものである。ただ薬用の桃仁としては、果物用の白桃や水蜜桃では種子が小さいため適さない。
桃仁の成分として脂肪油40~50%、青酸配糖体のアミグダリン、酵素のエムルシンなどが含まれ、薬理作用として抗炎症作用、鎮痛作用、血小板凝集抑制作用、綿溶系活性作用などが知られている。月経障害、腹部腫瘤、下腹部痛、神経痛、打撲傷、内臓の化膿症、便秘などに用いる。
漢方では活血・排膿・潤腸の効能があり、白桃花は利尿・緩下剤として浮腫や脚気、便秘の治療に、桃葉は浴湯料として皮膚病などに用いられる。
中国北西部を原産とするバラ科の落葉小高木モモ(Prunus persica)あるいはノモモ(P.persica var.davidiana)の核の中にある種子を用いる。花は白桃花、葉は桃葉と称して薬用にする。日本には古くから伝えられ、弥生時代の遺跡からモモの種子が発見されている。すでに平安時代から栽培されていたが、専ら花の観賞用だったといわれている。
果樹としての記録は江戸時代からであるが、当時の桃は小さく果肉が硬かったと考えられ、今日のような栽培品種は明治以後に導入されたものである。ただ薬用の桃仁としては、果物用の白桃や水蜜桃では種子が小さいため適さない。
桃仁の成分として脂肪油40~50%、青酸配糖体のアミグダリン、酵素のエムルシンなどが含まれ、薬理作用として抗炎症作用、鎮痛作用、血小板凝集抑制作用、綿溶系活性作用などが知られている。月経障害、腹部腫瘤、下腹部痛、神経痛、打撲傷、内臓の化膿症、便秘などに用いる。
漢方では活血・排膿・潤腸の効能があり、白桃花は利尿・緩下剤として浮腫や脚気、便秘の治療に、桃葉は浴湯料として皮膚病などに用いられる。
金曜日, 2月 07, 2014
冬虫夏草
○冬虫夏草(とうちゅうかそう)
中国の四川・貴州・雲南省、チベット自治区などに産する蛾の幼虫に生えたキノコの一種を用いる。バッカクキン科のフユムシナツクサタケ(Cordyceps sinensis)と呼ばれる菌類で、とくにコウモリガ科の昆虫の幼虫に寄生する。
幼虫(栄養体)の体内に入った菌は菌糸をのばして生長し、やがて体内を完全に占領し、さらに細い柄(子実体)を出してキノコが発生する。幼虫の長さは3~8cm、子実体は4~10cmの棍棒状で頭部がやや膨らんでいる。市販されている薬材は全長が10cm前後、黄褐色である。
冬には虫の姿をし、夏に変じて草になると信じられていたため冬虫夏草の名があり、古来、ウドンゲとともに吉祥の印として知られていた。夏至の頃に雪が残っている山に入って、雪の表面から露出している子実体を見つけて掘り出す。かつて冬虫夏草という名はこの中国産のみの名称であったが、現在では一般に昆虫寄生菌に対する総称となっている。日本でも同様の昆虫寄生菌が発見されることもあり、またセミの幼虫に寄生したセミタケを特に金蝉花という。
近年、中国では冬虫夏草の代替品として北虫草が人工栽培されている。北虫草はイコガの幼虫に冬虫夏草菌の一種C.militarisを寄生させたもので、冬虫夏草と比べ、亜鉛、セレン、ビタミンの量が多いことが認められている。
冬虫夏草の成分には各種アミノ酸、ビタミンB12、ミネラルのほか、コルディセピン(虫草酸)、ジオクシアデノシン(虫草素)、ポリサッカライド(虫草多糖)、マンニトール(甘醇露)、エルゴステロールパーオキサイドなどが含まれ、抗菌作用、気管支拡張作用、血糖降下作用、降圧作用、免疫賦活作用、抗腫瘍作用などが報告されている。
漢方では肺腎を補い、去痰・止咳の効能があり、肺結核などによる慢性の咳嗽、喀血、自汗、盗汗、インポテンツ、病後の体力低下などに用いる。虚弱体質の改善に人参、鹿茸などと配合する(双科参茸丸)。
冬虫夏草は古くから不老不死、滋養強壮の妙薬といわれ、薬酒(冬虫夏草酒)や薬膳料理などにも珍重されている。1993年の世界陸上選手大会で活躍した中国の女子陸上チームが「冬虫夏草入りドリンク」を愛飲していたと大きく報じられ、ブームとなったためそれ以後価格が大きく上昇した。
木曜日, 2月 06, 2014
水曜日, 2月 05, 2014
刀豆
○刀豆(とうず)
熱帯アジア原産のマメ科のつる性多年草ナタマメ(Canavalia gladiata)の種子を用いる。ミャンマーや中国雲南省に自生し、インドや東南アジア、中国南部では栽培されて食用とされる。ナタマメや刀豆の名はさやの形が刀や鉈に似ていることによる。
ナタマメはタンパク毒を有するが、水煮のあと数時間水にさらせば食用二できる。日本にも江戸時代に渡来し、現在ではおもに若い豆果を福神漬けとして用いている。
一般にナタマメ属の完熟種子にはサポニンや青酸配糖体、有毒性アミノ酸のカナバニンやコンカナバリンAなどの有毒成分が含まれている。ナタマメ属の毒性は品種により異なり、タチナタマメ(C.ensiformis)やタカナタマメ(C.microcarpa)などには強い毒性がある。
日本で栽培されているナタマメには、アカナタマメとシロナタマメの品種がある。アカナタマメにはある程度の毒性があるが、水煮の後、数時間水にさらせば食用にできる。一方、シロナタマメには毒性はほとんどないといわれている。
カナバニンはアルギニンとよく似た化学構造をしており、タンパク質を生合成するときにアルギニンと識別できないため、生命に重大な支障をきたすといわれている。一方、カナバニンの排膿作用、抗炎症作用、血行促進作用なども報告されている。
コンカナバリンAは、世界で始めて精製、結晶化された植物性の赤血球凝集素であり、抗腫瘍作用が知られている。漢方では温裏・止嘔・補陽の効能があり、しゃっくりや嘔吐、下痢、腰痛などに用いる。日本の民間では膿とりの妙薬といわれ、蓄膿症や歯槽膿漏、痔漏などに用いられる。近年、豆を焙煎したナタマメ茶が慢性的な炎症体質者の健康茶として利用されている。
熱帯アジア原産のマメ科のつる性多年草ナタマメ(Canavalia gladiata)の種子を用いる。ミャンマーや中国雲南省に自生し、インドや東南アジア、中国南部では栽培されて食用とされる。ナタマメや刀豆の名はさやの形が刀や鉈に似ていることによる。
ナタマメはタンパク毒を有するが、水煮のあと数時間水にさらせば食用二できる。日本にも江戸時代に渡来し、現在ではおもに若い豆果を福神漬けとして用いている。
一般にナタマメ属の完熟種子にはサポニンや青酸配糖体、有毒性アミノ酸のカナバニンやコンカナバリンAなどの有毒成分が含まれている。ナタマメ属の毒性は品種により異なり、タチナタマメ(C.ensiformis)やタカナタマメ(C.microcarpa)などには強い毒性がある。
日本で栽培されているナタマメには、アカナタマメとシロナタマメの品種がある。アカナタマメにはある程度の毒性があるが、水煮の後、数時間水にさらせば食用にできる。一方、シロナタマメには毒性はほとんどないといわれている。
カナバニンはアルギニンとよく似た化学構造をしており、タンパク質を生合成するときにアルギニンと識別できないため、生命に重大な支障をきたすといわれている。一方、カナバニンの排膿作用、抗炎症作用、血行促進作用なども報告されている。
コンカナバリンAは、世界で始めて精製、結晶化された植物性の赤血球凝集素であり、抗腫瘍作用が知られている。漢方では温裏・止嘔・補陽の効能があり、しゃっくりや嘔吐、下痢、腰痛などに用いる。日本の民間では膿とりの妙薬といわれ、蓄膿症や歯槽膿漏、痔漏などに用いられる。近年、豆を焙煎したナタマメ茶が慢性的な炎症体質者の健康茶として利用されている。
火曜日, 2月 04, 2014
灯心草
○灯心草(とうしんそう)
日本全土、朝鮮、中国に分布し、水田の畦や湿地に自生するイグサ科の多年草イグサ(Juncus effusus)の茎および髄(灯心)を用いる。日本でもトウシンソウともいうが、古くからイあるいはイグサと呼ばれ、その茎は畳表や花むしろの材料として利用されてきた。
とくに江戸時代以後に瀬戸内海地方(備後・備中)で盛んに栽培されていた。イグサの髄は白くて弾力性があり、それをとってロウソクや灯明の芯に用いた。このため灯心草と呼ばれ、江戸時代には生活の必需品であった。薬材としてもこの髄を乾燥したものが市場に出ている。
全草にはキシラン、アラバンなどの多糖類やフラボノイドのルテオリンなどが含まれているが、薬理作用は明らかでない。漢方では利水・通淋・除煩の効能があり、膀胱炎などによる排尿障害、浮腫、不眠、心煩、小児夜泣きなどに用いる。
全身性に浮腫があり、呼吸困難のみられるときには茯苓・沢瀉などと配合する(導水茯苓湯)。肝硬変などによる腹水には蒼朮・白朮などと配合する(分消湯)。気分がすぐれないときには桂枝・蘇葉などと配合する(分心気飲)。「和方一万方」には黒焼きにして末にしたものを乳首に塗り、小児の夜泣きのときに飲ませる方法が記されている。民間療法ではイグサを噛み砕いて傷の止血に用いる。
日本全土、朝鮮、中国に分布し、水田の畦や湿地に自生するイグサ科の多年草イグサ(Juncus effusus)の茎および髄(灯心)を用いる。日本でもトウシンソウともいうが、古くからイあるいはイグサと呼ばれ、その茎は畳表や花むしろの材料として利用されてきた。
とくに江戸時代以後に瀬戸内海地方(備後・備中)で盛んに栽培されていた。イグサの髄は白くて弾力性があり、それをとってロウソクや灯明の芯に用いた。このため灯心草と呼ばれ、江戸時代には生活の必需品であった。薬材としてもこの髄を乾燥したものが市場に出ている。
全草にはキシラン、アラバンなどの多糖類やフラボノイドのルテオリンなどが含まれているが、薬理作用は明らかでない。漢方では利水・通淋・除煩の効能があり、膀胱炎などによる排尿障害、浮腫、不眠、心煩、小児夜泣きなどに用いる。
全身性に浮腫があり、呼吸困難のみられるときには茯苓・沢瀉などと配合する(導水茯苓湯)。肝硬変などによる腹水には蒼朮・白朮などと配合する(分消湯)。気分がすぐれないときには桂枝・蘇葉などと配合する(分心気飲)。「和方一万方」には黒焼きにして末にしたものを乳首に塗り、小児の夜泣きのときに飲ませる方法が記されている。民間療法ではイグサを噛み砕いて傷の止血に用いる。
月曜日, 2月 03, 2014
党参
○党参(とうじん)
中国の山西・陝西・四川省などに産するキキョウ科のつる性多年草ヒカゲツルニンジン(Codonopsis pilosula)および同属植物の根を用いる。潞洲上党産の人参という意味である上党人参という名から党参と呼ばれていたが、清代になってウコギ科の人参とは別のものとして区別されるようになった。
四川・河北省に産する同じキキョウ科のトウジン(C.tangshen)も川党と称され、党参のひとつとして用いられている。またセリ科のミントウジンの根を明党参というが、これは止咳・去痰薬であり党参の代用とはならない。
成分にはサポニンやイヌリンが含まれるが、詳細は不明である。漢方では補中・益気・生津の効能があり、疲労倦怠、食欲不振、口渇、下痢、脱肛、咳嗽、呼吸困難などに用いる。一般、中国では人参が高価であるため、党参を人参の代用品として幅広く用いている。
党参は補益作用は人参よりも弱く、人参の量の2~3倍を必要とするがね胃腸機能を高める作用は強く、また性質が穏やかで血圧に影響することも少ない。また貧血改善作用もあるといわれている。補気には黄耆と配合し、補血には当帰と配合し、健脾には白朮と配合し、補陰には麦門冬と配合する。
中国の山西・陝西・四川省などに産するキキョウ科のつる性多年草ヒカゲツルニンジン(Codonopsis pilosula)および同属植物の根を用いる。潞洲上党産の人参という意味である上党人参という名から党参と呼ばれていたが、清代になってウコギ科の人参とは別のものとして区別されるようになった。
四川・河北省に産する同じキキョウ科のトウジン(C.tangshen)も川党と称され、党参のひとつとして用いられている。またセリ科のミントウジンの根を明党参というが、これは止咳・去痰薬であり党参の代用とはならない。
成分にはサポニンやイヌリンが含まれるが、詳細は不明である。漢方では補中・益気・生津の効能があり、疲労倦怠、食欲不振、口渇、下痢、脱肛、咳嗽、呼吸困難などに用いる。一般、中国では人参が高価であるため、党参を人参の代用品として幅広く用いている。
党参は補益作用は人参よりも弱く、人参の量の2~3倍を必要とするがね胃腸機能を高める作用は強く、また性質が穏やかで血圧に影響することも少ない。また貧血改善作用もあるといわれている。補気には黄耆と配合し、補血には当帰と配合し、健脾には白朮と配合し、補陰には麦門冬と配合する。
金曜日, 1月 31, 2014
硇砂
○硇砂(どうしゃ)
火山の溶岩の中や温泉に存在する天然のハロゲン化合物類の鉱物、塩化アンモン石の結晶を用いる。アンモニウムはエジプトのアンモンの神殿の付近で採れた岩塩ということに由来する。古くは腐敗尿から採取したが、現在ではアンモニア水を塩酸で中和したり、アンモニアソーダ法により炭酸ナトリウムを製造する際の副産物として得られる。
硇砂は透明ないし半透明の繊維状、粒状の白色結晶であるが、純水の塩化アンモニウム(NH4Cl)は無色透明の結晶である。硇砂には塩化アンモニア無のほかに少量のFe、SO4、Ca、Mgなどが含まれている。塩化アンモニウムは塩安ともいわれ、肥料としてよく知られている。また医薬品として利尿剤、去痰剤として用いられたこともある。
漢方では性味は鹹・苦・辛・温・有毒で、消積・消癥・軟堅散結の効能があり、腹部の腫瘤、嘔気、痰飲などに内服薬として、腫れ物、腫瘤、疣贅などに外用薬として用いる。嘔気や嘔吐、げっぷ、胸の痞えに平胃散に生姜とともに加える(硇砂丸)。
木曜日, 1月 30, 2014
透骨草
○透骨草(とうこつそう)
透骨草の基原植物としてさまざまな種類の植物が利用されているが、一般にはトウダイグサ科のダイダイグサ(Speranskia tuberculata)やツリフネソウ科のホウセンカ(Impatiens balsamina)の全草が用いられる。ただしホウセンカには全草を鳳仙、その種子を急性子という生薬名もある。
そのほか透骨草としてシソ科のメハジキ、マメ科のツルフジなども知られている。また香港ではシソ科のカキドオシ(連銭草)が透骨草として流通している。
漢方では去風湿・止痛の効能があり、リウマチなどによる筋肉痛や関節痛、筋肉の痙攣、脚気、腫れ物などに用いる。しかし漢方薬というより、むしろ痛み止めの民間薬としてよく知られている。外用薬として用いることも多く、化膿性の皮膚炎などで腫れて痛むところを煎液で洗ったり、外相や蛇咬傷などに生のまま貼付して用いる。また咽に刺さった骨の治療には新鮮な汁を用いる。
透骨草の基原植物としてさまざまな種類の植物が利用されているが、一般にはトウダイグサ科のダイダイグサ(Speranskia tuberculata)やツリフネソウ科のホウセンカ(Impatiens balsamina)の全草が用いられる。ただしホウセンカには全草を鳳仙、その種子を急性子という生薬名もある。
そのほか透骨草としてシソ科のメハジキ、マメ科のツルフジなども知られている。また香港ではシソ科のカキドオシ(連銭草)が透骨草として流通している。
漢方では去風湿・止痛の効能があり、リウマチなどによる筋肉痛や関節痛、筋肉の痙攣、脚気、腫れ物などに用いる。しかし漢方薬というより、むしろ痛み止めの民間薬としてよく知られている。外用薬として用いることも多く、化膿性の皮膚炎などで腫れて痛むところを煎液で洗ったり、外相や蛇咬傷などに生のまま貼付して用いる。また咽に刺さった骨の治療には新鮮な汁を用いる。
水曜日, 1月 29, 2014
冬葵子
○冬葵子(とうきし)
ヨーロッパ原産で世界各地に分布しているアオイ科の多年草フユアオイ(Malva verticillata)の種子を用いる。しかし、現在では、冬葵子として市場に流通しているものの中にはアオイ科の一年草イチビ(Abutilon avicennae)の種子も含まれている。ちなみにイチビの中国名は茼麻または莔麻といい、種子の本来の生薬名は茼実という。
イチビはインド原産であり、日本には古い時代に繊維植物として中国から渡来し、栽培されていた。イチビの種子、茼実の効能はフユアオイの種子とは異なっているため、冬葵子の代用となり得るかどうか定かではない。
漢方では利水・通淋・通便・通乳の効能があり、排尿障害、膀胱炎、浮腫、乳房の腫脹などに用いる。尿量が減少して浮腫のみられるときには茯苓などと配合する(葵子茯苓散)。尿路結石などには車前子・金銭草などと配合する。産後に母乳の出が悪かったり、乳腺が腫れて痛むときにも用いる。便秘には桃仁・郁李仁などと配合する。
なお、中薬大辞典にはよると茼実は下痢、翼状片、瘰癧(頸部リンパ腺腫)、腫れ物に用いるとある。近年、韓国ではフユアオイの葉に便通を促進する効能があるといわれ、冬葵茶(トンギュンチャチャ)が便秘やダイエットの健康茶として話題になっている。
火曜日, 1月 28, 2014
当帰
○当帰(とうき)
日本では奈良県や北海道で栽培されているセリ科の多年草トウキ(A.acutiloba)の根を用いる。日本の本州中部より北の山地にはミヤマトウキ(var.iwatensis)が自生しており、日本で栽培されているのはこの栽培種のトウキ(日本当帰・東当帰)である。中国産のものはカラトウキ(A.sinensis)といわれ種類が異なっている。
日本で栽培されている当帰には昔から吉野地方で栽培されてきた大和当帰(別名:大深当帰)と昭和になって北海道で作られた北海当帰の2種類がある。品質は大和当帰、収量は北海当帰が優れているため、現在では北海当帰が多く出回っているが、交配種も多く栽培されている。
当帰は甘味のある甘当帰系と辛味のある辛当帰系があり、大深当帰は甘当帰系であるが、北海当帰や中国産・韓国産は辛当帰系といわれている。日本では根の全体、すなわち全当帰を用いるが、中国では根の頭部を当帰頭、主根部を当帰身、支根部を当帰尾あるいは当帰鬚として区別することもある。日本薬局方では中国産のカラトウキは除外しているが、近年、日本のトウキを中国や韓国で栽培加工した生薬も日本で流通している。
根には精油成分としてリグスチライド、サフロール、ブチリデンフタライド、そのほかクマリン誘導体のベルガプテン、ファルカリノール、脂肪酸などが含まれている。薬理作用として鎮痛・消炎作用や中枢系や循環器に対する効果が報告されている。漢方で重視されている作用は明らかではない。
漢方では補血・活血・調経・潤腸の効能があり、月経不順、虚弱体質(血虚)、腹痛、腹腔内腫瘤、打撲傷、しびれ、皮膚化膿症、便秘などに用いる。
トウキは婦人科領域の主薬であり、また「血中の気薬」ともいわれ、中国医学では当帰頭は補血、当帰身は養血、当帰尾は破血、全当帰には活血の効能があるといわれているが、日本では区別することは少ない。また中国では当帰の味を甘・辛としているが、日本産の大深当帰には辛味がほとんどない。
近年、米国のハーバリストは当帰のことを”Dong Quai”とか、”Chinese angelica”と呼んで、月経不順や月経前症候群、更年期障害などの治療に用いている。一方、西洋では西洋アンゼリカ(A.archangelica)が、婦人病などの治療に用いられている。
月曜日, 1月 27, 2014
唐辛子
○唐辛子(とうがらし)
南米原産で世界各地で栽培されているナス科の多年草トウガラシ(Capsicum annuum)やシマトウガラシ(C.frutescens)の成熟果実を用いる。唐芥子というが、日本には桃山時代のころにポルトガルから伝来し、中国にはそれより遅く明朝末期に導入されたといわれている。
明代に著された「本草綱目」にはその名はなく、蕃椒という中国名は南蛮から伝わったことを表したものである。辛味の強い香辛料としてレッドペパー(Red pepper)と呼ばれ、カレー粉や七味唐辛子などに配合されている。とくに朝鮮料理の代表的な香辛料で、コチュと呼ばれている。
果実には辛味成分のカプサイシンなどが含まれ、皮膚刺激作用や健胃作用が認められている。またカプサイシンは、交感神経を刺激し、発汗作用や熱産生作用があり、脂肪燃焼を促進させることから、ダイエット素材としても注目されている。
近年、同様の効能を有するカプシエイトを含むトウガラシの品種改良も行われている。また、カロテノイドとして赤色色素成分のカプサンチンのほか、クリプトキサンチン、β-カロテン、ルテインなどが含まれている。中国医学では辛熱の温裏薬と分類され、健胃薬として食欲不振、消化不良に用いている。
ただし、トウガラシは漢方薬ではなく、オランダ医学の流れをひいた薬草である。家庭薬は外用薬や温湿布として神経痛、筋肉痛や凍瘡などに対して用いられている。また発毛刺激剤としても古くから利用されている。
民間療法ではトウガラシを腹でも頭でも痛む部位に貼り付ける。そのほか蚊を忌避させる作用があり、常食していると蚊に刺されないといわれる。ただし、皮膚刺激作用によりただれなどの皮膚炎を起こしやすく、また多量の摂取は胃腸の炎症や痔を悪化させる。
土曜日, 1月 25, 2014
冬瓜子
○冬瓜子(とうがし)
熱帯アジア原産とされるウリ科のつる性の一年草トウガン(Benincasa hispida)の成熟種子を用いる。また果実を冬瓜、果皮は冬瓜皮といい薬用にする。
トウガンは古くに中国から渡来し、10世紀ころには日本でも栽培が行われていた。今日では一般に8~9月に収穫されるが、古くは霜の下りるころに収穫され、また貯蔵性に優れており、冬の食べ物としてよく利用されていた。このため冬瓜の名がある。果肉の味は淡白で、独特の風味があり、スープや煮物、漬物などに利用される。
種子にはサポニン、脂肪、タンパクのほか、アデニン、トリゴネリンなどが含まれる。漢方では清熱化痰・排膿の効能があり、肺炎による咳嗽や肺化膿症、虫垂炎などの化膿性疾患に用いる。
肺癰(肺化膿症)などで咳嗽、喀痰、胸痛などの症状のあるときには芦根・薏苡仁などと配合する(葦茎湯)。腸癰(虫垂炎)などで右下腹部に痛みのあるときには大黄・牡丹皮などと配合する(大黄牡丹皮湯・腸癰湯)。また冬瓜や冬瓜皮には利水・消腫の効能があり、浮腫や排尿障害などに茯苓・沢瀉・猪苓などと配合する。
金曜日, 1月 24, 2014
銅
○銅(どう)
銅は古くから中国や日本では金(小金)・銀(白金)と並んで三品といわれ、今でも銅のことをアカガネ(赤金)とも呼んでいる。銅は日本に比較的多く産出する金属で、銅鉄鋼としては黄銅鋼が最も重要である。鉱物学的にいえば天然に単体で産する銅を自然銅というが、生薬の自然銅は黄鉄鉱のひとつである。
銅(Cu)は動物にとって必須元素であるが、ほとんどの食物に微量ながら含まれているため、一般に銅の欠乏症はみられない。金属銅は無害であるが、水に溶けた銅イオンは有毒である。足尾銅山鉱毒事件は鉱山から流出した銅イオンが稲や小麦の生育に障害を与えた公害問題であった。しかし銅イオンの人に対する毒性は低く、体内の蓄積や重篤な組織障害はみられない。
一方、銅は造血に関与し、骨折に対して良好な影響がある。ただし、硫酸銅、酢酸銅などは内服すれば迷走神経を刺激して反射性の嘔吐を引き起こす。また銅塩の稀溶液は局所的な収斂作用があり、とくに眼科に応用される。
銅を含む漢方生薬として硫酸銅の胆礬、炭酸銅や酢酸銅の銅緑、炭酸化合物の扁青、塩化化合物の緑塩などがある。扁青は深銅鉱を砕いたもので、2CuCO3・Cu(OH)2を成分とし、緑塩はCu2(OH)3Clを成分とする緑色の結晶体で、細かく研って点眼薬として角膜混濁や充血、流涙、眼脂などに用いる。
木曜日, 1月 23, 2014
天羅水
○天羅水(てんらすい)
ウリ科のヘチマ(Luffa cylindrica)の茎中の汁を用いる。ヘチマの果実は糸瓜といい、果実の繊維を糸瓜絡という。盛夏から夏の終わりごろ、ヘチマの茎の地上50cmのところで切り、雨水が入らないように根のほうの切り口を瓶の中に入れておくと一昼夜でヘチマ水がとれる。普通、一株から2L以上のヘチマ水がとれる。このままでは腐敗しやすいため、煮沸してから濾過し、リスリンやアルコール、さらに安息香酸ソーダを混和する。
ヘチマ水はかつて美人水ともいわれ、江戸時代には幕府の奥女中のために献上されたことが記されている。民間では化粧水に用いるときはヘチマ水にホウ砂を少し加え、よく振って溶かして用いる。入浴後にヘチマ水を顔や手足につけると、肌の潤いが保たれる。またヒビやしもやけ、湿疹などに外用薬として用いる。
足によく擦り込んでおくと、足の冷えがよくなるともいわれている。このほか咳が出て痰が切れないときは内服せずに、含嗽料として用いる。「痰一斗、ヘチマの水も間に合わず」は正岡子規の辞世の句として知られている。
ウリ科のヘチマ(Luffa cylindrica)の茎中の汁を用いる。ヘチマの果実は糸瓜といい、果実の繊維を糸瓜絡という。盛夏から夏の終わりごろ、ヘチマの茎の地上50cmのところで切り、雨水が入らないように根のほうの切り口を瓶の中に入れておくと一昼夜でヘチマ水がとれる。普通、一株から2L以上のヘチマ水がとれる。このままでは腐敗しやすいため、煮沸してから濾過し、リスリンやアルコール、さらに安息香酸ソーダを混和する。
ヘチマ水はかつて美人水ともいわれ、江戸時代には幕府の奥女中のために献上されたことが記されている。民間では化粧水に用いるときはヘチマ水にホウ砂を少し加え、よく振って溶かして用いる。入浴後にヘチマ水を顔や手足につけると、肌の潤いが保たれる。またヒビやしもやけ、湿疹などに外用薬として用いる。
足によく擦り込んでおくと、足の冷えがよくなるともいわれている。このほか咳が出て痰が切れないときは内服せずに、含嗽料として用いる。「痰一斗、ヘチマの水も間に合わず」は正岡子規の辞世の句として知られている。
水曜日, 1月 22, 2014
天雄
○天雄(てんゆう)
キンポウゲ科の多年草トリカブト類の細い根を天雄という。一般にトリカブト類の根は附子という名でよく知られているが、根は茎に続く塊根(母根)の周囲に数個の新しい塊根(子根)が連成している。
本来、この母根を烏頭といい、子根を附子という。しかし、子根を有しない細長い根のこともあり、この根は子を産まない天性の雄ということから、とくに天雄と呼ばれている。一説によると早春に茎を伸ばし始めたころの新しい母根のことともいわれている。
漢方では去風湿・温裏・補陽の効能があり、烏頭や附子とほぼ同様である。強い毒性があるため、一般に強火であぶったり、乾姜などで調整加工して用いる。現在、日本では流通していない金匱要略に収載されている天雄散はインポテンツや滑精、腰や膝が冷えて痛むときに用いられている。
火曜日, 1月 21, 2014
天門冬
○天門冬(てんもんどう)
日本の関東地方以南、台湾、中国などの暖かい海岸の砂地に自生するユリ科のつる性多年草クサスギカズラ(Asparagus cochinchinensis)の塊根を用いる。スギの葉に似た葉状枝のあることからクサスギカズラといわれ、同属植物にはアスパラガスがある。短い根茎に紡錘形に肥大した塊根が多数付いている。
根には粘液質やアスパラギン、βシトステロール、サポニンなどが含まれ、抗菌作用やインターフェロン誘起作用が報告されている。漢方では滋陰清熱・化痰の効能があり、咳嗽、吐血、口渇、咽頭の腫痛などに用いる。作用は麦門冬とほぼ同じで、おもに陰虚による咳嗽や微熱、炎症に用い、しばしば二冬と称して両者を併用する。とくに肺陰虚による高齢者などの慢性の咳嗽や粘稠痰の症状に適している。
慢性気管支炎や気管支拡張症などで痰が粘稠で切れにくく、咳が続くときには黄芩・桔梗などと配合する(清肺湯)。高齢者の肺結核などで慢性的な咳嗽や粘稠痰のあるときには地黄・麦門冬などと配合する(滋陰降火湯)。口腔や歯肉、咽頭に潰瘍や炎症があって腫れて痛むものに枇杷葉・地黄などと配合する(甘露飲)。
民間では滋養・強壮や咳止めの効果があるとして薬酒に用いている(天門冬酒)。天門冬の蜂蜜漬けも強壮・咳止めに利用されている。近年、中国において天門冬の抗癌作用が研究されており、白血病や乳腺癌などに対する効果が検討されている。
日本の関東地方以南、台湾、中国などの暖かい海岸の砂地に自生するユリ科のつる性多年草クサスギカズラ(Asparagus cochinchinensis)の塊根を用いる。スギの葉に似た葉状枝のあることからクサスギカズラといわれ、同属植物にはアスパラガスがある。短い根茎に紡錘形に肥大した塊根が多数付いている。
根には粘液質やアスパラギン、βシトステロール、サポニンなどが含まれ、抗菌作用やインターフェロン誘起作用が報告されている。漢方では滋陰清熱・化痰の効能があり、咳嗽、吐血、口渇、咽頭の腫痛などに用いる。作用は麦門冬とほぼ同じで、おもに陰虚による咳嗽や微熱、炎症に用い、しばしば二冬と称して両者を併用する。とくに肺陰虚による高齢者などの慢性の咳嗽や粘稠痰の症状に適している。
慢性気管支炎や気管支拡張症などで痰が粘稠で切れにくく、咳が続くときには黄芩・桔梗などと配合する(清肺湯)。高齢者の肺結核などで慢性的な咳嗽や粘稠痰のあるときには地黄・麦門冬などと配合する(滋陰降火湯)。口腔や歯肉、咽頭に潰瘍や炎症があって腫れて痛むものに枇杷葉・地黄などと配合する(甘露飲)。
民間では滋養・強壮や咳止めの効果があるとして薬酒に用いている(天門冬酒)。天門冬の蜂蜜漬けも強壮・咳止めに利用されている。近年、中国において天門冬の抗癌作用が研究されており、白血病や乳腺癌などに対する効果が検討されている。
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