○沢瀉(たくしゃ)
中国東北部や朝鮮、日本の北部に分布し、沼沢地や浅い水中に生えるオモダカ科の多年草サジオモダカ(Alisma plantago-aquatica)の塊茎を用いる。北海道や信州で栽培されているが、市場品のほとんどは中国などからの輸入品で、四川省の川沢瀉や福建省の建沢瀉などが有名である。
沢瀉という名は水中(沢)にあって水を弾く性質(瀉)があることに由来するとか、薬の効能が「水を去ること(瀉)」に由来するといわれている。水面から出た葉が人の顔のように見えることからオモダカの名がある。
サジオモダカの根茎には多量のデンプンやアミノ酸、レシチンのほか、トリテルペノイドのアリソールA・B・Cなどが含まれ、利尿作用やコレステロール低下作用、血糖降下作用などが報告されている。
漢方では利水・清熱の効能があり、体内に水分が停滞した浮腫や胃ない停水、尿量の減少、排尿障害、嘔吐、下痢、口渇などの症状に用いる。
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木曜日, 11月 21, 2013
水曜日, 11月 20, 2013
沢漆
○沢漆(たくしつ)
日本各地、アジア、ヨーロッパに分布するトウダイグサ科の越年草トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)の全草を用いる。中国では開花期に採り、根を除いて用いる。枝先に杯状の花序が多数密生する様子を、昔の灯台にみたててトウダイグサという。
茎や根から出る白い乳液に触れると炎症や水泡などの皮膚炎や結膜炎などがおこり、誤って内服すれば咽が腫れて嘔吐や腹痛、下痢となり、さらには眩暈や痙攣の症状もみられる。ただし、死亡するほどは強くない。
峻下薬の巴豆や甘遂、大戟、蓖麻子はいずれもトウダイグサ科の植物である。日本ではトウダイグサの根茎をと称し、大戟の代用にしたこともある。全草にはケルセチンやトリヒマリンなどのフラボノイドなどが知られているが、有毒成分は明らかではない。
漢方では利水・化痰・散結の効能があり、浮腫や腹水、瘰癧(頸部リンパ腺腫)などに用いる。効能は大戟とほぼ同じであるが、作用は緩和であり、毒性も大戟より弱い。
腹水や全身性の浮腫には単独あるいは大棗と併用して用いる。全身の浮腫とともに咳嗽や呼吸困難のみられるときには紫苑・白前などと配合する(沢漆湯)。近年、中国ではリンパ節結核や食道癌などに対する臨床研究がされている。日本の民間では乳汁を疣贅に塗る治療法がある。
日本各地、アジア、ヨーロッパに分布するトウダイグサ科の越年草トウダイグサ(Euphorbia helioscopia)の全草を用いる。中国では開花期に採り、根を除いて用いる。枝先に杯状の花序が多数密生する様子を、昔の灯台にみたててトウダイグサという。
茎や根から出る白い乳液に触れると炎症や水泡などの皮膚炎や結膜炎などがおこり、誤って内服すれば咽が腫れて嘔吐や腹痛、下痢となり、さらには眩暈や痙攣の症状もみられる。ただし、死亡するほどは強くない。
峻下薬の巴豆や甘遂、大戟、蓖麻子はいずれもトウダイグサ科の植物である。日本ではトウダイグサの根茎をと称し、大戟の代用にしたこともある。全草にはケルセチンやトリヒマリンなどのフラボノイドなどが知られているが、有毒成分は明らかではない。
漢方では利水・化痰・散結の効能があり、浮腫や腹水、瘰癧(頸部リンパ腺腫)などに用いる。効能は大戟とほぼ同じであるが、作用は緩和であり、毒性も大戟より弱い。
腹水や全身性の浮腫には単独あるいは大棗と併用して用いる。全身の浮腫とともに咳嗽や呼吸困難のみられるときには紫苑・白前などと配合する(沢漆湯)。近年、中国ではリンパ節結核や食道癌などに対する臨床研究がされている。日本の民間では乳汁を疣贅に塗る治療法がある。
火曜日, 11月 19, 2013
槖吾
○槖吾(たくご)
北日本を除く日本各地や朝鮮、中国などに分布するキク科の常緑多年草ツワブキ(Farfugium japonicum)の茎や根茎、葉を用いる。中国では前走を蓮蓮草と称して薬用にする。ツワブキは艶蕗と書き、葉がフキの葉に似てしかもツヤがあることによる。春先のやわらかい葉柄は食用にもなる。
葉にはアルカロイドのセンキルキンのほか、ヘキセナールなどが含まれ、ヘキセナールには強い抗菌作用がある。ただしセンキルキンには肝毒性があるとも報告されている。
日本の民間療法ではフグやカツオなどの魚の中毒のときに煎じた液や生の葉の絞り汁を服用する。また化膿や湿疹などに生の葉を火で炙って軟らかくしたものを患部に貼ったり、痔疾に煎じた液で患部を洗うという療法もある。
胃腸薬として知られる恵命我神散には莪朮末などと配合されている。中国でも民間薬として感冒や扁桃炎、皮膚病の治療に用いている。
北日本を除く日本各地や朝鮮、中国などに分布するキク科の常緑多年草ツワブキ(Farfugium japonicum)の茎や根茎、葉を用いる。中国では前走を蓮蓮草と称して薬用にする。ツワブキは艶蕗と書き、葉がフキの葉に似てしかもツヤがあることによる。春先のやわらかい葉柄は食用にもなる。
葉にはアルカロイドのセンキルキンのほか、ヘキセナールなどが含まれ、ヘキセナールには強い抗菌作用がある。ただしセンキルキンには肝毒性があるとも報告されている。
日本の民間療法ではフグやカツオなどの魚の中毒のときに煎じた液や生の葉の絞り汁を服用する。また化膿や湿疹などに生の葉を火で炙って軟らかくしたものを患部に貼ったり、痔疾に煎じた液で患部を洗うという療法もある。
胃腸薬として知られる恵命我神散には莪朮末などと配合されている。中国でも民間薬として感冒や扁桃炎、皮膚病の治療に用いている。
金曜日, 11月 15, 2013
高遠草
○高遠草(たかとうぐさ)
日本全土、朝鮮半島、中国東北部に分布するキンポウゲ科の多年草アキカラマツ(Thalictrum minus)の全草を用いる。中国ではアキカラマツの根を煙鍋草という。日本では秋の開花期で結実する前に採取する。
名前は花の形がカラマツの葉に見えることから名付けられたカラマツソウと同属植物で、秋に咲く唐松草という意味である。江戸時代より長野県の高遠藩で利用されていた腹痛の薬草であることから高遠草と呼ばれ、戦時中に苦味健胃薬が不足したことから有名となった。
苦味成分にアルカロイドのタカトニン、マグノフロリンなどが含まれ、少量では健胃・整腸・解熱の効果があるが、多量に服用するとクラーレ様作用が出現し、神経麻痺、血圧降下などが発現する。
日本の民間薬として食べ過ぎ、食欲不振、腹痛、下痢など胃腸の症状に用いられる。中国では煙鍋草を歯痛、皮膚炎、湿疹などに内服・外用として用いている。ただしアキカラマツは有毒植物であり、注意が必要であるる
日本全土、朝鮮半島、中国東北部に分布するキンポウゲ科の多年草アキカラマツ(Thalictrum minus)の全草を用いる。中国ではアキカラマツの根を煙鍋草という。日本では秋の開花期で結実する前に採取する。
名前は花の形がカラマツの葉に見えることから名付けられたカラマツソウと同属植物で、秋に咲く唐松草という意味である。江戸時代より長野県の高遠藩で利用されていた腹痛の薬草であることから高遠草と呼ばれ、戦時中に苦味健胃薬が不足したことから有名となった。
苦味成分にアルカロイドのタカトニン、マグノフロリンなどが含まれ、少量では健胃・整腸・解熱の効果があるが、多量に服用するとクラーレ様作用が出現し、神経麻痺、血圧降下などが発現する。
日本の民間薬として食べ過ぎ、食欲不振、腹痛、下痢など胃腸の症状に用いられる。中国では煙鍋草を歯痛、皮膚炎、湿疹などに内服・外用として用いている。ただしアキカラマツは有毒植物であり、注意が必要であるる
木曜日, 11月 14, 2013
タイム
○タイム
地中海沿岸地方の原産で日本には明治時代に渡来したシソ科の常緑小高木タチジャコウソウ(Thymus vulgaris)の開花期の全草を用いる。初夏に薄紫色の小さな花を咲かせ、独特の芳香がある。この香りから麝香草の名がある。
タイムとは「力」を意味し、この香りをかぐと力が湧くといわれる。古くからタイムは勇気のシンボルとされ、ローマ時代にはタイムを浸した水を兵士たちが浴びたといわれる。タイムは独特の香りと苦味のある香辛料としても知られ、クラムチャウダーやソーセージ、魚のソースなどに用いられる。この芳香は石鹸などの香料としても知られている。
成分にはチモール、カルバクロール、シメンなどからなる精油が含まれ、水蒸気蒸留すればチアミン油(タイム油)が得られる。チモールには抗菌・抗真菌作用、駆虫作用、チモールやカルバクロールなどには去痰作用がある。このチモールは局所殺菌剤や軟膏剤として用いられるほか、うがい薬、洗浄薬、歯みがき剤に添加されたり、家畜の駆虫薬としても利用されている。
タイムのハーブティーには発汗作用や去痰作用、消化器系の鎮静作用も認められている。このためヨーロッパでは鎮咳薬、感冒薬として感冒、気管支炎、咽頭炎、百日咳などに用いられている。また、うがい薬や口内洗浄薬として咽頭炎や歯肉炎に効果があり、入浴剤として利用すればリウマチの痛みを和らげる。
タイム油は皮膚および粘膜の刺激剤として用いられる。日本には同属植物のイブキジャコウソウ(T.quinquecostatus)が自生し、百里香とも呼ばれている。
地中海沿岸地方の原産で日本には明治時代に渡来したシソ科の常緑小高木タチジャコウソウ(Thymus vulgaris)の開花期の全草を用いる。初夏に薄紫色の小さな花を咲かせ、独特の芳香がある。この香りから麝香草の名がある。
タイムとは「力」を意味し、この香りをかぐと力が湧くといわれる。古くからタイムは勇気のシンボルとされ、ローマ時代にはタイムを浸した水を兵士たちが浴びたといわれる。タイムは独特の香りと苦味のある香辛料としても知られ、クラムチャウダーやソーセージ、魚のソースなどに用いられる。この芳香は石鹸などの香料としても知られている。
成分にはチモール、カルバクロール、シメンなどからなる精油が含まれ、水蒸気蒸留すればチアミン油(タイム油)が得られる。チモールには抗菌・抗真菌作用、駆虫作用、チモールやカルバクロールなどには去痰作用がある。このチモールは局所殺菌剤や軟膏剤として用いられるほか、うがい薬、洗浄薬、歯みがき剤に添加されたり、家畜の駆虫薬としても利用されている。
タイムのハーブティーには発汗作用や去痰作用、消化器系の鎮静作用も認められている。このためヨーロッパでは鎮咳薬、感冒薬として感冒、気管支炎、咽頭炎、百日咳などに用いられている。また、うがい薬や口内洗浄薬として咽頭炎や歯肉炎に効果があり、入浴剤として利用すればリウマチの痛みを和らげる。
タイム油は皮膚および粘膜の刺激剤として用いられる。日本には同属植物のイブキジャコウソウ(T.quinquecostatus)が自生し、百里香とも呼ばれている。
水曜日, 11月 13, 2013
大麻
○大麻(たいま)
中央アジア原産のクワ科の一年草アサ(Cannabis sativa)の雌株の未熟果穂をつけた枝先や葉を用いる。本来、この植物をアサ(麻)と呼んでいたが、いつの間にか繊維植物の総称として麻というようになり、現在では亜麻や苧麻の繊維のことを麻と表示するようになった。このためアサのことをタイマ(大麻)と称して区別している。
紀元前20世紀には中東地域で栽培され、紀元前に中国に伝わり、日本にも弥生時代にすでに栽培されていたと考えられている。古くは大麻を苧と称し、戦前までは日本各地で栽培され、現在でも栃木県では「とちぎしろ」と呼ばれる品種が栽培されている。
アサの茎を収穫し、蒸して皮を剥ぎとり、さらに加工して細くほぐして麻糸とする。この麻糸は織物、ロープ、魚網などに利用される。アサの種子は生薬の麻子仁で、一般には苧実とか麻実とも呼ばれて七味唐辛子や小鳥の飼料、製油原料などにも用いられている。一般に麻の穂や葉などには幻覚物質が含まれるが、その含有量は品種によって異なり、日本の栽培品種にはほとんど含まれない。
幻覚薬の大麻として用いるのは熱帯品種のインドアサ(C.indica)であり、東南アジアやメキシコなどで栽培されている。ところがこの大麻を温帯で栽培すると樹脂を含まなくなるという。米国では繊維作用として品種改良してアサをヘンプ(hump)と呼び、麻薬性のある品種をカナビス(cannabis)と呼んで区別している。
インドでは紀元前9世から医薬用として用いられた。その後、回教徒によって各地に伝えられて、アラビアでは幻覚薬として知られ、17世紀にはヨーロッパでも薬として用いられるようになった。しかし東南アジアの民間では鎮静薬とするのみで、麻薬的には使用しない。
中国の本草書では麻蔶、麻花、麻葉などの名で収載され、神農本草経には「多食すると人を狂い走らせる」とある。2世紀ごろの外科医、華陀は大麻を配合した麻沸散で全身麻酔をかけ、開腹手術などを行ったと伝えられている。ただし、漢方では種子の麻子仁は用いても、大麻はあまり利用していない。麻薬として用いる大麻の乾燥した葉などはマリファナと呼ばれ、琥珀色の樹脂を粉にしたものをハシシュという。一般に内服よりも喫煙のほうが効力は強い。
葉にはカンナビノイドのテトラヒドロカンナビノール(THC)などが含まれている。このTHCには鎮静・鎮痛・多移民・麻酔作用とともに幻覚などの精神作用がある。大麻を喫煙すると身体的には頻脈、目の充血、口渇作用がみられ、精神的には多幸感、感覚の変化、注意力低下、被暗示性亢進、さらには非現実感、幻覚、妄想なども出現する。一般に精神的依存はあるが、身体的依存はないとされている。つまり弱いながらも習慣性があり、慢性中毒では無気力となる。
現在、大麻に関する規制は国や州によって異なり、オランダやスイスなどは比較的自由であるが、日本では大麻取締法により栽培や使用が規制されている。
中央アジア原産のクワ科の一年草アサ(Cannabis sativa)の雌株の未熟果穂をつけた枝先や葉を用いる。本来、この植物をアサ(麻)と呼んでいたが、いつの間にか繊維植物の総称として麻というようになり、現在では亜麻や苧麻の繊維のことを麻と表示するようになった。このためアサのことをタイマ(大麻)と称して区別している。
紀元前20世紀には中東地域で栽培され、紀元前に中国に伝わり、日本にも弥生時代にすでに栽培されていたと考えられている。古くは大麻を苧と称し、戦前までは日本各地で栽培され、現在でも栃木県では「とちぎしろ」と呼ばれる品種が栽培されている。
アサの茎を収穫し、蒸して皮を剥ぎとり、さらに加工して細くほぐして麻糸とする。この麻糸は織物、ロープ、魚網などに利用される。アサの種子は生薬の麻子仁で、一般には苧実とか麻実とも呼ばれて七味唐辛子や小鳥の飼料、製油原料などにも用いられている。一般に麻の穂や葉などには幻覚物質が含まれるが、その含有量は品種によって異なり、日本の栽培品種にはほとんど含まれない。
幻覚薬の大麻として用いるのは熱帯品種のインドアサ(C.indica)であり、東南アジアやメキシコなどで栽培されている。ところがこの大麻を温帯で栽培すると樹脂を含まなくなるという。米国では繊維作用として品種改良してアサをヘンプ(hump)と呼び、麻薬性のある品種をカナビス(cannabis)と呼んで区別している。
インドでは紀元前9世から医薬用として用いられた。その後、回教徒によって各地に伝えられて、アラビアでは幻覚薬として知られ、17世紀にはヨーロッパでも薬として用いられるようになった。しかし東南アジアの民間では鎮静薬とするのみで、麻薬的には使用しない。
中国の本草書では麻蔶、麻花、麻葉などの名で収載され、神農本草経には「多食すると人を狂い走らせる」とある。2世紀ごろの外科医、華陀は大麻を配合した麻沸散で全身麻酔をかけ、開腹手術などを行ったと伝えられている。ただし、漢方では種子の麻子仁は用いても、大麻はあまり利用していない。麻薬として用いる大麻の乾燥した葉などはマリファナと呼ばれ、琥珀色の樹脂を粉にしたものをハシシュという。一般に内服よりも喫煙のほうが効力は強い。
葉にはカンナビノイドのテトラヒドロカンナビノール(THC)などが含まれている。このTHCには鎮静・鎮痛・多移民・麻酔作用とともに幻覚などの精神作用がある。大麻を喫煙すると身体的には頻脈、目の充血、口渇作用がみられ、精神的には多幸感、感覚の変化、注意力低下、被暗示性亢進、さらには非現実感、幻覚、妄想なども出現する。一般に精神的依存はあるが、身体的依存はないとされている。つまり弱いながらも習慣性があり、慢性中毒では無気力となる。
現在、大麻に関する規制は国や州によって異なり、オランダやスイスなどは比較的自由であるが、日本では大麻取締法により栽培や使用が規制されている。
火曜日, 11月 12, 2013
大腹皮
○大腹皮(だいふくひ)
マレー半島原産でインドネシア、フィリピン、中国南部に植栽されるヤシ科の常緑高木ビンロウ(Areca catechu)の果実の果皮を大腹皮という。種子は檳椰子という。日本には奈良時代にこの果実が薬用や染料の目的で輸入された記録がある。
一般に果実を半割りにして種子を除いているため、長さ6cm、幅3cm、厚さ1cmぐらいのお碗形をしており、外側はシュロ状の繊維で覆われ、内側は黄褐色でつやがある。本来、この部分は種子を包んでいる繊維性の果肉である。
漢方では降気・寛中・止瀉・利水消腫の効能があり、消化不良や腹部の膨満感を改善し、脚気や腹水などの浮腫に用いる。
マレー半島原産でインドネシア、フィリピン、中国南部に植栽されるヤシ科の常緑高木ビンロウ(Areca catechu)の果実の果皮を大腹皮という。種子は檳椰子という。日本には奈良時代にこの果実が薬用や染料の目的で輸入された記録がある。
一般に果実を半割りにして種子を除いているため、長さ6cm、幅3cm、厚さ1cmぐらいのお碗形をしており、外側はシュロ状の繊維で覆われ、内側は黄褐色でつやがある。本来、この部分は種子を包んでいる繊維性の果肉である。
漢方では降気・寛中・止瀉・利水消腫の効能があり、消化不良や腹部の膨満感を改善し、脚気や腹水などの浮腫に用いる。
月曜日, 11月 11, 2013
大風子
○大風子(だいふうし)
東南アジアやインドなどで栽培されているイイギリ科の常緑高木ダイフウシノキ(Hydnocarpus anthelmintica)の種子を用いる。大風というのはハンセン病(癩病)のことである。
インドには古くからチャウルムグラ(H.wightiana)の種子を食べるとハンセン病が改善するという言い伝えがあり、それが元代に中国に伝えられ、明代には同属植物が大風子と名付けられてハンセン病の治療に盛んに用いられるようになった。ヨーロッパには1854年に英国の医師によってハンセン病に有効であることが紹介され、1920年にはオーストリアの植物学者ロックによってその基原植物が明らかになった。
チャウルムグラ油(大風子油)はこれまで治療のなかったハンセン病に対して非常に有効で、とくに初期治療に優れていた。今日、サルファ剤が開発されてからはあまり用いられなくなった。
種子成分のヒドノカルプス酸やチャウルムグラ酸などの脂肪酸にはレプラ菌やムグラ菌に対して抗菌作用が認められている。ただし、副作用も強く、内服では嘔吐や腹心、眩暈、腹痛などの反応が現れ、注射液では局所痛が強く、全身的な症状が出る。
漢方でもハンセン病に丸薬として用いるほか、軟膏などに配合して外用薬として用いる。外用薬では疥癬や梅毒などの皮膚疾患にも応用される。
東南アジアやインドなどで栽培されているイイギリ科の常緑高木ダイフウシノキ(Hydnocarpus anthelmintica)の種子を用いる。大風というのはハンセン病(癩病)のことである。
インドには古くからチャウルムグラ(H.wightiana)の種子を食べるとハンセン病が改善するという言い伝えがあり、それが元代に中国に伝えられ、明代には同属植物が大風子と名付けられてハンセン病の治療に盛んに用いられるようになった。ヨーロッパには1854年に英国の医師によってハンセン病に有効であることが紹介され、1920年にはオーストリアの植物学者ロックによってその基原植物が明らかになった。
チャウルムグラ油(大風子油)はこれまで治療のなかったハンセン病に対して非常に有効で、とくに初期治療に優れていた。今日、サルファ剤が開発されてからはあまり用いられなくなった。
種子成分のヒドノカルプス酸やチャウルムグラ酸などの脂肪酸にはレプラ菌やムグラ菌に対して抗菌作用が認められている。ただし、副作用も強く、内服では嘔吐や腹心、眩暈、腹痛などの反応が現れ、注射液では局所痛が強く、全身的な症状が出る。
漢方でもハンセン病に丸薬として用いるほか、軟膏などに配合して外用薬として用いる。外用薬では疥癬や梅毒などの皮膚疾患にも応用される。
土曜日, 11月 09, 2013
大棗
○大棗(たいそう)
ヨーロッパ南部からアジア西南部が原産とされているクロウメモドキ科の落葉高木ナツメ(Zizphus jujuba var.inermis)の半熟果実を用いる。ナツメの枝には刺はないか、あるいは少ないが、この母種といわれるサネブトナツメ(Z.jujuba)には刺が多い。このサネブトナツメの果実は小さくて酸味が強く、核が大きいので食用にはならないが、種子は生薬の酸棗仁である。
ナツメは中国では紀元前よりモモやアンズとともに重要な五果のひとつとして栽培され、日本にも奈良時代に渡来した。ナツメの名前の由来は初夏に芽が出ることによるとされ、また茶の湯の道具のナツメは器の形がナツメの実に似ているためといわれる。日本でもよく庭に植えられているが、中国では子供の誕生にこの樹を植えて、嫁ぐときに持参するという風習がある。
果実は熟すと甘くなり、生のままでも食べられているが、中国では薫製にした烏棗や砂糖に漬けた密棗などの菓子もよく親しまれている。薬用には成熟しきらずに赤くなった頃に採取し、そのままあるいは湯通しして用いる。加工により色が変化するため紅棗や黒棗に区別される。薬用には主として紅棗を用いる。虫やカビがつきやすいので保管には注意が必要である。
ナツメの成分には糖類、有機酸、トリテルペノイド、サポニンが含まれ、また水浸液に多量のc-AMP、c-GMPが存在することが注目されている。薬理作用としては抗アレルギー、抗潰瘍、抗ストレスのほか、細胞内のc-AMPを増加させる作用などが報告されている。
漢方では脾胃を補い、精神を安定させ、刺激の強い薬性を緩和する効能があり、食欲不振、下痢、動悸、ヒステリーなどに用いる。中国ではアレルギー性紫斑症や血小板減少症の治療効果に関して研究されている。ただし、過量に用いると便秘や腹部膨満感を生じることもある。
ヨーロッパ南部からアジア西南部が原産とされているクロウメモドキ科の落葉高木ナツメ(Zizphus jujuba var.inermis)の半熟果実を用いる。ナツメの枝には刺はないか、あるいは少ないが、この母種といわれるサネブトナツメ(Z.jujuba)には刺が多い。このサネブトナツメの果実は小さくて酸味が強く、核が大きいので食用にはならないが、種子は生薬の酸棗仁である。
ナツメは中国では紀元前よりモモやアンズとともに重要な五果のひとつとして栽培され、日本にも奈良時代に渡来した。ナツメの名前の由来は初夏に芽が出ることによるとされ、また茶の湯の道具のナツメは器の形がナツメの実に似ているためといわれる。日本でもよく庭に植えられているが、中国では子供の誕生にこの樹を植えて、嫁ぐときに持参するという風習がある。
果実は熟すと甘くなり、生のままでも食べられているが、中国では薫製にした烏棗や砂糖に漬けた密棗などの菓子もよく親しまれている。薬用には成熟しきらずに赤くなった頃に採取し、そのままあるいは湯通しして用いる。加工により色が変化するため紅棗や黒棗に区別される。薬用には主として紅棗を用いる。虫やカビがつきやすいので保管には注意が必要である。
ナツメの成分には糖類、有機酸、トリテルペノイド、サポニンが含まれ、また水浸液に多量のc-AMP、c-GMPが存在することが注目されている。薬理作用としては抗アレルギー、抗潰瘍、抗ストレスのほか、細胞内のc-AMPを増加させる作用などが報告されている。
漢方では脾胃を補い、精神を安定させ、刺激の強い薬性を緩和する効能があり、食欲不振、下痢、動悸、ヒステリーなどに用いる。中国ではアレルギー性紫斑症や血小板減少症の治療効果に関して研究されている。ただし、過量に用いると便秘や腹部膨満感を生じることもある。
金曜日, 11月 08, 2013
大青葉
○大青葉(たいせいよう)
クマツヅラ科のマキバクサギ(Clerodendron cyrtophyllum)、タデ科のアイ(Polygonum tinctorium)、アブラナ科のホソバタイセイ(Isatis tinctoria)やタイセイ(I.indigotica)、キツネノマゴ科のリュウキュウアイ(Strobilanthes cusia)などの葉や枝葉を用いる。
日本ではアイの全草を藍草という。マキバクサギの根は大青根、ホソバタイセイやタイセイ、リュウキュウアイなどの根は板藍根、アイの果実は藍実という。これらから精製された藍色の色素は青黛という。いずれも藍染の原料として知られているが、化学染料の出現とともに栽培がすたれてきている。
成分には配糖体のインジカンがほぼ共通して含まれ、抗菌・抗ウイルス作用が認められている。漢方では清熱涼血・解毒の効能があり、高熱や発疹などを伴う感染症、例えば麻疹、流感、肝炎、脳炎、急性腸炎、肺炎、丹毒などの疾患に用いる。
感冒で高熱、頭痛、咽頭痛などのみられるときには羗活・柴胡などと配合する(清瘟解毒丸)。上気道炎や扁桃炎などには板藍根・草河車などと配合する(感冒退熱冲剤)。日本の民間では藍草を発熱、外傷、月経不順、痔などに用いる。
クマツヅラ科のマキバクサギ(Clerodendron cyrtophyllum)、タデ科のアイ(Polygonum tinctorium)、アブラナ科のホソバタイセイ(Isatis tinctoria)やタイセイ(I.indigotica)、キツネノマゴ科のリュウキュウアイ(Strobilanthes cusia)などの葉や枝葉を用いる。
日本ではアイの全草を藍草という。マキバクサギの根は大青根、ホソバタイセイやタイセイ、リュウキュウアイなどの根は板藍根、アイの果実は藍実という。これらから精製された藍色の色素は青黛という。いずれも藍染の原料として知られているが、化学染料の出現とともに栽培がすたれてきている。
成分には配糖体のインジカンがほぼ共通して含まれ、抗菌・抗ウイルス作用が認められている。漢方では清熱涼血・解毒の効能があり、高熱や発疹などを伴う感染症、例えば麻疹、流感、肝炎、脳炎、急性腸炎、肺炎、丹毒などの疾患に用いる。
感冒で高熱、頭痛、咽頭痛などのみられるときには羗活・柴胡などと配合する(清瘟解毒丸)。上気道炎や扁桃炎などには板藍根・草河車などと配合する(感冒退熱冲剤)。日本の民間では藍草を発熱、外傷、月経不順、痔などに用いる。
木曜日, 11月 07, 2013
大豆黄巻
○大豆黄巻(だいずおうけん)
マメ科のダイズ(Glycine max)の種子を発芽させ、1cmくらいのもやしになったものを用いる。ダイズはアメリカをはじめ、ブラジル、中国、アルゼンチンなど世界各地で栽培され、ダイズもやしは中華料理、韓国料理で多く利用されている。
ダイズの種皮の色には淡黄、茶、緑、黒色などがあり、一般に黄色い黄大豆がダイズとしてよく知られているが、通常、薬用には黒大豆(クロマメ)が用いられ、大豆黄巻もクロマメもやしを用いる。
大豆黄巻の作り方は、まずダイズの外にしわができるまで水に浸した後、ざるの上に湿った状態のままで置いて発芽させる。次いで殻が落ちないように風通しのよいところで半乾きにした後日干しして乾燥させてできあがる。そのうち清水に浸したものを特に清水黄巻という。種子にはソヤサポニンやゲニスチン、ビタミンCなどが含まれる。
漢方では解表・解暑・利水消腫の効能があり、夏の感冒や脚気などによる発熱や下痢、胸苦しい、体が重いなどの症状に用いる。とくに夏季の常用薬として知られ、また全身性の浮腫や関節の腫痛にも用いる。
金匱要略では虚労で体力が低下し、さらに風邪に冒されたときの諸症状に用いる薯蕷丸の中に大豆黄巻が配合されている。古くは朱砂や鉛などの配合された石薬による薬害の解毒に特効があるとされていた。
マメ科のダイズ(Glycine max)の種子を発芽させ、1cmくらいのもやしになったものを用いる。ダイズはアメリカをはじめ、ブラジル、中国、アルゼンチンなど世界各地で栽培され、ダイズもやしは中華料理、韓国料理で多く利用されている。
ダイズの種皮の色には淡黄、茶、緑、黒色などがあり、一般に黄色い黄大豆がダイズとしてよく知られているが、通常、薬用には黒大豆(クロマメ)が用いられ、大豆黄巻もクロマメもやしを用いる。
大豆黄巻の作り方は、まずダイズの外にしわができるまで水に浸した後、ざるの上に湿った状態のままで置いて発芽させる。次いで殻が落ちないように風通しのよいところで半乾きにした後日干しして乾燥させてできあがる。そのうち清水に浸したものを特に清水黄巻という。種子にはソヤサポニンやゲニスチン、ビタミンCなどが含まれる。
漢方では解表・解暑・利水消腫の効能があり、夏の感冒や脚気などによる発熱や下痢、胸苦しい、体が重いなどの症状に用いる。とくに夏季の常用薬として知られ、また全身性の浮腫や関節の腫痛にも用いる。
金匱要略では虚労で体力が低下し、さらに風邪に冒されたときの諸症状に用いる薯蕷丸の中に大豆黄巻が配合されている。古くは朱砂や鉛などの配合された石薬による薬害の解毒に特効があるとされていた。
水曜日, 11月 06, 2013
代赭石
○代赭石(たいしゃせき)
中国各地に産する赤鉄鉱(Hematite)の一種で、多少粘土を混有したものである。日本では新潟県の佐渡に産する。成分は主に酸化鉄(Fe2O3)からなり、ケイ酸(SiO2)やアルミニウム化合物(Al2O3)なども含み、またマンガン、マグネシウム、カルシウム、さらに微量のチタンや砒素を含むことがある。
全体が赤褐色色をしており、触ると赤褐色の粉末がつく。表面に金槌で打ったような多数の凹凸があり、釘頭代赭ともいわれる。赭とは赤色のことで、中国の山東省代州から良質のものが出るため代赭石の名がある。イボデといわれ、多数のこぶ上の突起があり、質が硬く、紫赤色の光沢があるものがよいとされている。
中国では代赭石の粉末を硫酸バリウムの代用として胃腸透視に用いている。ただし微量の砒素を含むため、マウスに長期間服用させると砒素中毒がおきるという報告がある。
漢方では重鎮安神あるいは平肝熄風薬のひとつであり、胃気上逆や肝陽上亢の治療に用いる。嘔吐やゲップ、シャックリ、喘息症などには旋覆花・半夏などと配合する(旋覆花代赭石湯)。高血圧などによる眩暈や頭暈、耳鳴り、動悸などには竜骨・牡蠣などと配合する(鎮肝熄風湯)。
また血熱妄行による鼻血や吐血には粉末を単独で服用したり、外傷の出血には粉末を塗布する。また温性の瀉下剤の紫円には巴豆の激しい作用を緩和するために代赭石が配合されている。
中国各地に産する赤鉄鉱(Hematite)の一種で、多少粘土を混有したものである。日本では新潟県の佐渡に産する。成分は主に酸化鉄(Fe2O3)からなり、ケイ酸(SiO2)やアルミニウム化合物(Al2O3)なども含み、またマンガン、マグネシウム、カルシウム、さらに微量のチタンや砒素を含むことがある。
全体が赤褐色色をしており、触ると赤褐色の粉末がつく。表面に金槌で打ったような多数の凹凸があり、釘頭代赭ともいわれる。赭とは赤色のことで、中国の山東省代州から良質のものが出るため代赭石の名がある。イボデといわれ、多数のこぶ上の突起があり、質が硬く、紫赤色の光沢があるものがよいとされている。
中国では代赭石の粉末を硫酸バリウムの代用として胃腸透視に用いている。ただし微量の砒素を含むため、マウスに長期間服用させると砒素中毒がおきるという報告がある。
漢方では重鎮安神あるいは平肝熄風薬のひとつであり、胃気上逆や肝陽上亢の治療に用いる。嘔吐やゲップ、シャックリ、喘息症などには旋覆花・半夏などと配合する(旋覆花代赭石湯)。高血圧などによる眩暈や頭暈、耳鳴り、動悸などには竜骨・牡蠣などと配合する(鎮肝熄風湯)。
また血熱妄行による鼻血や吐血には粉末を単独で服用したり、外傷の出血には粉末を塗布する。また温性の瀉下剤の紫円には巴豆の激しい作用を緩和するために代赭石が配合されている。
土曜日, 11月 02, 2013
金曜日, 11月 01, 2013
大蒜
○大蒜(たいさん)
西アジア原産とされるユリ科の多年草ニンニク(Allium sativum)の鱗茎を用いる。ニンニクは前漢の時代に長騫がインド(西域)から中国に持ち帰ったものといわれ、かつては胡蒜とか葫といわれていた。日本にも古くから朝鮮を経由して伝来し、古事記や日本書紀などにも蒜の文字がみられる。
独特の強い臭気を有し、香辛料ではガーリックとしてさまざまな料理に用いられている。ちなみに和名のニンニクは仏教語の忍辱と書き、強烈な臭いに耐え忍ぶことを意味するとか、僧侶の隠語などという説がある。
臭気や辛味のある野菜のことを葷というが、ニラ、ヒル、ラッキョウ、ネギなどとともに五葷(五辛)のひとつとされ、仏教では食べることが禁じられている。その影響もあってか日本料理ではあまり利用されず、戦後になって洋風料理や中華料理などの普及とともに、身近な食品になった。
古代エジプト時代、ピラミッド造成のときに人夫の体力回復に用いられたといわれ、ギリシャ時代には虫下し、咳止め、浮腫の治療に、また世界各地で疫病除け、悪霊除けにとしても扱われた。
ニンニクの鱗茎にはイオウ化合物のアリイン、スコルニジンのほか、ビタミンB1、ゲルマニウムやセレンが含まれている特徴がある。アリインは無味無臭であるが、細胞が破壊されると同時に含まれているアリナーゼという酵素によって分解され、刺激性の強い臭気のあるアリシンが生じる。アリシンは強い殺菌防腐作用があり、さらにビタミンB1と容易に結合してアリチアミンという化合物を作る。
アリチアミンは腸から容易に吸収され、ビタミンB1分解酵素によっても分解されず、ビタミンB1作用を有する安定な化合物である。このアリチアミンはとても苦く、臭気も強い。これをモデルとして化学的に合成したビタミンB1誘導体がアリナミンである。またスコルニジンといわれる無臭のニンニク有効成分結晶性物質も医薬品(オキソレジン)として応用されている。最近では、アリシンを加熱してできるアホエンに強い抗酸化作用や抗血小板凝集作用、記憶力向上作用のあることが注目されている。
一方、ニンニクには食欲増進、健胃、整腸、緩下剤、体温上昇、疲労回復などの作用が知られている。ただしニンニクを空腹時に食べると、胃液の分泌が亢進して酸度が上昇し、胃を荒らす恐れがあり、さらに一度に多く食べると、赤血球を破壊して貧血を招くこともある。また、腸内細菌のバランスを崩し、ビタミンB6欠乏症を起こすことも指摘されている。
漢方では健胃・駆虫・消腫の効能があり、食滞や腹痛、下痢、寄生虫症、皮膚化膿症などに用いる。ちなみに中国の本草書などでは大蒜に強壮作用があるという記述はみられない。一般に漢方処方として用いられることは余りなく、専ら民間療法として用いられている。
民間では冷え性、低血圧、慢性疾患、寄生虫症、腰痛、風邪の予防などにニンニクを食べたり、扁桃炎や円形脱毛症、腫れ物、いんきんたむしなどにすりつぶした汁を塗布する。ニンニクを熱灰の中に埋めて蒸し焼きにするなどの加熱処理をすると食べやすくなる。
そのほかニンニク酒や醤油漬け、蜂蜜漬けなども利用されている。またニンニクを厚さ2~3mmに薄くスライスし、その上から灸をすえるというニンニク灸もよく知られている。近年、アメリカ国立癌研究所では、癌や生活習慣病を予防する可能性がある食品のリストの上位にニンニクを位置づけている。
西アジア原産とされるユリ科の多年草ニンニク(Allium sativum)の鱗茎を用いる。ニンニクは前漢の時代に長騫がインド(西域)から中国に持ち帰ったものといわれ、かつては胡蒜とか葫といわれていた。日本にも古くから朝鮮を経由して伝来し、古事記や日本書紀などにも蒜の文字がみられる。
独特の強い臭気を有し、香辛料ではガーリックとしてさまざまな料理に用いられている。ちなみに和名のニンニクは仏教語の忍辱と書き、強烈な臭いに耐え忍ぶことを意味するとか、僧侶の隠語などという説がある。
臭気や辛味のある野菜のことを葷というが、ニラ、ヒル、ラッキョウ、ネギなどとともに五葷(五辛)のひとつとされ、仏教では食べることが禁じられている。その影響もあってか日本料理ではあまり利用されず、戦後になって洋風料理や中華料理などの普及とともに、身近な食品になった。
古代エジプト時代、ピラミッド造成のときに人夫の体力回復に用いられたといわれ、ギリシャ時代には虫下し、咳止め、浮腫の治療に、また世界各地で疫病除け、悪霊除けにとしても扱われた。
ニンニクの鱗茎にはイオウ化合物のアリイン、スコルニジンのほか、ビタミンB1、ゲルマニウムやセレンが含まれている特徴がある。アリインは無味無臭であるが、細胞が破壊されると同時に含まれているアリナーゼという酵素によって分解され、刺激性の強い臭気のあるアリシンが生じる。アリシンは強い殺菌防腐作用があり、さらにビタミンB1と容易に結合してアリチアミンという化合物を作る。
アリチアミンは腸から容易に吸収され、ビタミンB1分解酵素によっても分解されず、ビタミンB1作用を有する安定な化合物である。このアリチアミンはとても苦く、臭気も強い。これをモデルとして化学的に合成したビタミンB1誘導体がアリナミンである。またスコルニジンといわれる無臭のニンニク有効成分結晶性物質も医薬品(オキソレジン)として応用されている。最近では、アリシンを加熱してできるアホエンに強い抗酸化作用や抗血小板凝集作用、記憶力向上作用のあることが注目されている。
一方、ニンニクには食欲増進、健胃、整腸、緩下剤、体温上昇、疲労回復などの作用が知られている。ただしニンニクを空腹時に食べると、胃液の分泌が亢進して酸度が上昇し、胃を荒らす恐れがあり、さらに一度に多く食べると、赤血球を破壊して貧血を招くこともある。また、腸内細菌のバランスを崩し、ビタミンB6欠乏症を起こすことも指摘されている。
漢方では健胃・駆虫・消腫の効能があり、食滞や腹痛、下痢、寄生虫症、皮膚化膿症などに用いる。ちなみに中国の本草書などでは大蒜に強壮作用があるという記述はみられない。一般に漢方処方として用いられることは余りなく、専ら民間療法として用いられている。
民間では冷え性、低血圧、慢性疾患、寄生虫症、腰痛、風邪の予防などにニンニクを食べたり、扁桃炎や円形脱毛症、腫れ物、いんきんたむしなどにすりつぶした汁を塗布する。ニンニクを熱灰の中に埋めて蒸し焼きにするなどの加熱処理をすると食べやすくなる。
そのほかニンニク酒や醤油漬け、蜂蜜漬けなども利用されている。またニンニクを厚さ2~3mmに薄くスライスし、その上から灸をすえるというニンニク灸もよく知られている。近年、アメリカ国立癌研究所では、癌や生活習慣病を予防する可能性がある食品のリストの上位にニンニクを位置づけている。
木曜日, 10月 31, 2013
大戟
○大戟(たいげき)
中国、朝鮮半島、日本各地に分布するトウダイグサ科の多年草タカトウダイ(Euphorbia pekunensis)の根を用いる。そのほか中国南西部に分布するアカネ科の多年草コウガタイゲキ(Knoxia valerianodes)の根も大戟として扱われている。一般に大戟の正常条は京大戟とされているが、実際には紅芽大戟が広く使用されており、日本に輸入されているのも紅芽大戟のみである。
タカトウダイには有毒成分であるオイフォルビンなどの成分が含まれ、茎中の乳液に触れると皮膚炎や結膜炎が生じ、誤飲すれば咽喉腫脹、嘔吐、下痢、血中に入れば眩暈、痙攣などをひきおこす。
漢方では逐水・消腫・軟堅の効能があり、浮腫や腹水、胸水、皮膚化膿症、瘰癧(頸部リンパ腺腫)などにもちいる。とくに峻下逐水薬として知られ、瀉下作用と利尿作用を有している。腎炎の浮腫、肋膜炎の胸水、肝硬変の腹水などに甘遂・芫花などと配合する(控涎丹・舟車丸)。
また瘟疫による嘔吐や下痢、咽喉痛などに山慈姑などと配合する(紫金錠)。ただし作用が激しく、有毒であるため慎重に投与し、民間療法としては用いないほうがよい。
中国、朝鮮半島、日本各地に分布するトウダイグサ科の多年草タカトウダイ(Euphorbia pekunensis)の根を用いる。そのほか中国南西部に分布するアカネ科の多年草コウガタイゲキ(Knoxia valerianodes)の根も大戟として扱われている。一般に大戟の正常条は京大戟とされているが、実際には紅芽大戟が広く使用されており、日本に輸入されているのも紅芽大戟のみである。
タカトウダイには有毒成分であるオイフォルビンなどの成分が含まれ、茎中の乳液に触れると皮膚炎や結膜炎が生じ、誤飲すれば咽喉腫脹、嘔吐、下痢、血中に入れば眩暈、痙攣などをひきおこす。
漢方では逐水・消腫・軟堅の効能があり、浮腫や腹水、胸水、皮膚化膿症、瘰癧(頸部リンパ腺腫)などにもちいる。とくに峻下逐水薬として知られ、瀉下作用と利尿作用を有している。腎炎の浮腫、肋膜炎の胸水、肝硬変の腹水などに甘遂・芫花などと配合する(控涎丹・舟車丸)。
また瘟疫による嘔吐や下痢、咽喉痛などに山慈姑などと配合する(紫金錠)。ただし作用が激しく、有毒であるため慎重に投与し、民間療法としては用いないほうがよい。
水曜日, 10月 30, 2013
大薊
○大薊(だいけい)
中国の各地、日本の各地に自生しているキク科の多年草ノアザミ(Cirsium japonicum)の全草あるいは根を用いる。一方、小薊というのはキク科のアレチアザミ(Breea segetum)の根または全草である。
日本の市場では、日本で採取されたノアザミをアザミ根と称して販売している。中国の市場では、大薊としてアレチアザミやその他の植物も混じっており、また地域によって根を用いるか、全草を用いるかも異なっている。
大薊には清熱涼血・止血作用の効能があり、鼻血、喀血、血便、血尿、不正性器出血などに用いる。とくに熱証の出血に効果があり、単味で濃く煎じた液や生の絞った汁を服用する。
小薊、荷葉、側柏葉などとともに強火で炒め炭化させ、粉末として十灰散は各種出血に用いる代表的な止血薬である。また絞った汁は外傷性出血のほか、火傷や化膿などの外用薬としても用いる。日本の民間では利尿や健胃薬として煎じて服用したり、葉の汁を腫れ物や乳腺炎、湿疹などに外用する。
中国の各地、日本の各地に自生しているキク科の多年草ノアザミ(Cirsium japonicum)の全草あるいは根を用いる。一方、小薊というのはキク科のアレチアザミ(Breea segetum)の根または全草である。
日本の市場では、日本で採取されたノアザミをアザミ根と称して販売している。中国の市場では、大薊としてアレチアザミやその他の植物も混じっており、また地域によって根を用いるか、全草を用いるかも異なっている。
大薊には清熱涼血・止血作用の効能があり、鼻血、喀血、血便、血尿、不正性器出血などに用いる。とくに熱証の出血に効果があり、単味で濃く煎じた液や生の絞った汁を服用する。
小薊、荷葉、側柏葉などとともに強火で炒め炭化させ、粉末として十灰散は各種出血に用いる代表的な止血薬である。また絞った汁は外傷性出血のほか、火傷や化膿などの外用薬としても用いる。日本の民間では利尿や健胃薬として煎じて服用したり、葉の汁を腫れ物や乳腺炎、湿疹などに外用する。
月曜日, 10月 28, 2013
大黄
○大黄(だいおう)
中国などに分布するタデ科の多年草ダイオウ類の根茎を用いる。ダイオウはおもに中国西北部の海抜2000~3000mの高山に自生し、ギシギシとよく似た植物であるが草丈は2mにも及ぶ。
中国、朝鮮産のダイオウの基原植物にはショウヨウダイオウ(Rhcum palmatum)、ヤクヨウダイオウ(R.offcinale)、タングートダイオウ(R.tanguticum)、チョウセンダイオウ(R.coreanum)などがある。日本産のダイオウには、シベリア原産で江戸時代に渡来したカラダイオウ(R.undulatum)というのがあり、奈良県で古くから栽培されていた。このカラダイオウの根茎は、とくに和大黄という。現在では、武田薬品が信州八ヶ岳山麓で50年の年月をかけて開発した大黄の品種を信州大黄と呼んで、さかんに北海道で栽培が行われている。
大黄は古くから世界中で用いられた下剤であり、中国の神農本草経、インドのチャラカ本草、欧州のギリシャ本草にも記載されている。大黄はその薬効が激しいため将軍という別名もあり、とくに有名な四川省のものを川軍という。また生のものを生軍というのに対し、酒と混ぜて加熱し後に乾燥したものを酒軍という。
大黄の断面には多数の放射状に走る旋紋があり、これを錦紋大黄といい、旋紋のみられないものを品質の劣る土大黄として区別する。ちなみに和大黄はこの土大黄色ひとつである。一般に錦紋系の重質品である西寧大黄が良品とされているが日本では江戸時代からおもに雅黄といわれる軽質品が輸入されている。
大黄の下剤成分としてセンノシド類が知られており、センノシドは腸内細菌によってレイン・アンスロンという活性成分に変換されて大腸で効果を発現する。またアントラキノン類の抗菌・抗炎症作用、リンドレインの抗炎症作用、ラタンニンの血清BUN低下作用なども明らかにされている。
漢方では通便・清熱・瀉火・活血化瘀の効能があり、熱性疾患、興奮症状、瘀血、腹部腫瘤、無月経などに用いる。大黄の瀉下成分は熱に不安定であるため30分以上煎じるとその効果は激減するため、下剤として用いるときには一般に後から煎じる。一方、清熱・活血薬として用いるときには長時間煎じる方が効果は強くなり、、瀉下作用は緩和される。
また酒軍にして用いれば瀉下作用は弱まり、抗炎症作用や駆瘀血作用が強くなる。ただし大黄には子宮収縮作用があり、また母乳に移行するため、妊娠中や授乳中の服用は控えるべきとされている。
中国などに分布するタデ科の多年草ダイオウ類の根茎を用いる。ダイオウはおもに中国西北部の海抜2000~3000mの高山に自生し、ギシギシとよく似た植物であるが草丈は2mにも及ぶ。
中国、朝鮮産のダイオウの基原植物にはショウヨウダイオウ(Rhcum palmatum)、ヤクヨウダイオウ(R.offcinale)、タングートダイオウ(R.tanguticum)、チョウセンダイオウ(R.coreanum)などがある。日本産のダイオウには、シベリア原産で江戸時代に渡来したカラダイオウ(R.undulatum)というのがあり、奈良県で古くから栽培されていた。このカラダイオウの根茎は、とくに和大黄という。現在では、武田薬品が信州八ヶ岳山麓で50年の年月をかけて開発した大黄の品種を信州大黄と呼んで、さかんに北海道で栽培が行われている。
大黄は古くから世界中で用いられた下剤であり、中国の神農本草経、インドのチャラカ本草、欧州のギリシャ本草にも記載されている。大黄はその薬効が激しいため将軍という別名もあり、とくに有名な四川省のものを川軍という。また生のものを生軍というのに対し、酒と混ぜて加熱し後に乾燥したものを酒軍という。
大黄の断面には多数の放射状に走る旋紋があり、これを錦紋大黄といい、旋紋のみられないものを品質の劣る土大黄として区別する。ちなみに和大黄はこの土大黄色ひとつである。一般に錦紋系の重質品である西寧大黄が良品とされているが日本では江戸時代からおもに雅黄といわれる軽質品が輸入されている。
大黄の下剤成分としてセンノシド類が知られており、センノシドは腸内細菌によってレイン・アンスロンという活性成分に変換されて大腸で効果を発現する。またアントラキノン類の抗菌・抗炎症作用、リンドレインの抗炎症作用、ラタンニンの血清BUN低下作用なども明らかにされている。
漢方では通便・清熱・瀉火・活血化瘀の効能があり、熱性疾患、興奮症状、瘀血、腹部腫瘤、無月経などに用いる。大黄の瀉下成分は熱に不安定であるため30分以上煎じるとその効果は激減するため、下剤として用いるときには一般に後から煎じる。一方、清熱・活血薬として用いるときには長時間煎じる方が効果は強くなり、、瀉下作用は緩和される。
また酒軍にして用いれば瀉下作用は弱まり、抗炎症作用や駆瘀血作用が強くなる。ただし大黄には子宮収縮作用があり、また母乳に移行するため、妊娠中や授乳中の服用は控えるべきとされている。
金曜日, 10月 25, 2013
大茴香
○大茴香(だいういきょう)
中国南部、台湾、ベトナム北部に分布するシミキ科(モクレン科)の常緑小高木ダイウイキョウ(Illicium verum)の成熟果実を用いる。単に茴香といえばセリ科のウイキョウ(Foeniculum vulgare)の果実、小茴香(フェンネル)のことである。
ダイウイキョウの果実は星型に8つに割れており、別名八角あるいは八角茴香という。一般に未熟な果実を乾燥させ、そのままあるいは粉末にして香辛料にする。茴香やアニスに似た風味と苦味があるため、大茴香とかスターアニスともいわれる。日本などに自生するシキミとよく似た植物であり、ダイウイキョウはトウシキミとも呼ばれる。
シキミはアニサチンやシキミニンなどの痙攣毒を含み有毒である。かつてスターアニスと称してシキミの実がドイツに輸入され、中毒事件を起こしたことがある。ダイウイキョウは中華料理には欠かせないスパイスで、東坡肉などの肉や内臓の煮込みによく入れられる。
果実にはアネトールを主成分とする精油を含み、そのほかピネン、リモネン、フェランドンなどが含まれる。アネトールには芳香があり、健胃・消化、駆風作用が知られている。漢方で温裏・理気・止痛の効能があり、冷えによる嘔吐や腹痛、食欲不振などに用いる。ちなみに市販のウイキョウ油はほとんどが大茴香であり、歯磨きなどの賦香料、アネトール原料として利用されている。
近年、抗インフルエンザウイルス剤・タミフルの原料としてトウシキミの成熟果実から抽出されたシキミ酸が利用されていることで大茴香が品不足となり、話題となった。
中国南部、台湾、ベトナム北部に分布するシミキ科(モクレン科)の常緑小高木ダイウイキョウ(Illicium verum)の成熟果実を用いる。単に茴香といえばセリ科のウイキョウ(Foeniculum vulgare)の果実、小茴香(フェンネル)のことである。
ダイウイキョウの果実は星型に8つに割れており、別名八角あるいは八角茴香という。一般に未熟な果実を乾燥させ、そのままあるいは粉末にして香辛料にする。茴香やアニスに似た風味と苦味があるため、大茴香とかスターアニスともいわれる。日本などに自生するシキミとよく似た植物であり、ダイウイキョウはトウシキミとも呼ばれる。
シキミはアニサチンやシキミニンなどの痙攣毒を含み有毒である。かつてスターアニスと称してシキミの実がドイツに輸入され、中毒事件を起こしたことがある。ダイウイキョウは中華料理には欠かせないスパイスで、東坡肉などの肉や内臓の煮込みによく入れられる。
果実にはアネトールを主成分とする精油を含み、そのほかピネン、リモネン、フェランドンなどが含まれる。アネトールには芳香があり、健胃・消化、駆風作用が知られている。漢方で温裏・理気・止痛の効能があり、冷えによる嘔吐や腹痛、食欲不振などに用いる。ちなみに市販のウイキョウ油はほとんどが大茴香であり、歯磨きなどの賦香料、アネトール原料として利用されている。
近年、抗インフルエンザウイルス剤・タミフルの原料としてトウシキミの成熟果実から抽出されたシキミ酸が利用されていることで大茴香が品不足となり、話題となった。
月曜日, 10月 21, 2013
鼠李子
○鼠李子(そりし)
日本では北海道、本州、九州、四国に分布するクロウメモドキ科の落葉低木クロウメモドキ(Rhamnus japonica)の果実を用いる。中国産はチョウセンクロツバラ(R.davurica)の果実である。ウメモドキに似て、果実が黒くなるためクロウメモドキの名がある。
クロウメモドキの果実にはケンフェロール、エモジン、クリソファノールなどが含まれ、いずれも大腸刺激性の瀉下作用がある。漢方では通便・清熱・消癥の効能があり、水腫や腹部脹満感、腹部腫塊、齲歯の痛みなどに用いる。
日本の民間療法ではもっぱら鼠李子を緩下剤として用いている。鼠李子の新鮮なものを服用すると嘔吐を催すので、採取後1年以上経ったものを使用する。クロウメモドキの同属植物として北米産のカスカラサグラダ(R.purshiana)、ヨーロッパ産のラムヌス・フラングラ(R.frangula)、中央アジア産のラムヌス・カタルチカ(R.cathartica)などがあり、いずれも緩下作用のある薬用植物として有名である。
日本では北海道、本州、九州、四国に分布するクロウメモドキ科の落葉低木クロウメモドキ(Rhamnus japonica)の果実を用いる。中国産はチョウセンクロツバラ(R.davurica)の果実である。ウメモドキに似て、果実が黒くなるためクロウメモドキの名がある。
クロウメモドキの果実にはケンフェロール、エモジン、クリソファノールなどが含まれ、いずれも大腸刺激性の瀉下作用がある。漢方では通便・清熱・消癥の効能があり、水腫や腹部脹満感、腹部腫塊、齲歯の痛みなどに用いる。
日本の民間療法ではもっぱら鼠李子を緩下剤として用いている。鼠李子の新鮮なものを服用すると嘔吐を催すので、採取後1年以上経ったものを使用する。クロウメモドキの同属植物として北米産のカスカラサグラダ(R.purshiana)、ヨーロッパ産のラムヌス・フラングラ(R.frangula)、中央アジア産のラムヌス・カタルチカ(R.cathartica)などがあり、いずれも緩下作用のある薬用植物として有名である。
金曜日, 10月 18, 2013
蘇葉
○蘇葉(そよう)
中国原産のシソ科の一年草シソ(Perilla frutescens var.acuta)やチリメンジソ(P.frutescens var.crispa)の葉を用いる。シソの種子は紫蘇子、茎は紫蘇梗という。日本にも古くに伝わり、野生化しているものもある。
紫蘇には特有のペリラアルデヒドのにおいがあり、香りが強いものほど良品である。シソはアントシアニン系の赤い色素、シアニンの有無によって赤ジソ系と青ジソ系に分けられ、青ジソは大葉ともいわれて刺身のつまや薬味として、赤ジソの葉は梅干しの着色などに利用されている。
薬用には赤ジソを用い、とくにシソの変種で葉の緑がギサギザでシワの多いチリメンジソが用いられる。シソの紫色の葉に含まれるアントシアニン色素は梅のクエン酸などで酸化されると赤紅色に変化するが、梅干しが赤色なのはこのためである。ちなみに梅とシソを漬けた梅干しは日本独特の保存食である。
葉の成分にはアントシアン色素や精油のペリラアルデヒド、ピネン、リモネン、ペリラケトンなどが含まれ、抗菌・解熱作用や鎮静作用が知られている。また、シソの葉エキスにはロスマリン酸などが含まれ、免疫を活性化させるTNFを抑制し、ヒスタミンの遊離を抑制する作用があり、花粉症などのアレルギー症状に対する効果が認められている。
漢方では解表・理気・解魚毒・安胎の効能があり、感冒や咳嗽、喘息、腹満、流早産、魚毒による症状などに用いる。蘇葉の発汗作用は麻黄や桂皮に比べると弱いが、理気作用、つまり胸の痞えや悪心、嘔吐などを改善する作用もあり、胃腸型の感冒にしばしば応用される。蘇葉の理気作用は食欲不振のほか妊娠悪阻にも効果がある。
また魚介類による中毒や蕁麻疹にも効果があり、このため刺身のつまに青ジソが添えられているといわれている。また陰嚢湿疹に蘇葉の煎じた液を外用すると効果がある。
中国原産のシソ科の一年草シソ(Perilla frutescens var.acuta)やチリメンジソ(P.frutescens var.crispa)の葉を用いる。シソの種子は紫蘇子、茎は紫蘇梗という。日本にも古くに伝わり、野生化しているものもある。
紫蘇には特有のペリラアルデヒドのにおいがあり、香りが強いものほど良品である。シソはアントシアニン系の赤い色素、シアニンの有無によって赤ジソ系と青ジソ系に分けられ、青ジソは大葉ともいわれて刺身のつまや薬味として、赤ジソの葉は梅干しの着色などに利用されている。
薬用には赤ジソを用い、とくにシソの変種で葉の緑がギサギザでシワの多いチリメンジソが用いられる。シソの紫色の葉に含まれるアントシアニン色素は梅のクエン酸などで酸化されると赤紅色に変化するが、梅干しが赤色なのはこのためである。ちなみに梅とシソを漬けた梅干しは日本独特の保存食である。
葉の成分にはアントシアン色素や精油のペリラアルデヒド、ピネン、リモネン、ペリラケトンなどが含まれ、抗菌・解熱作用や鎮静作用が知られている。また、シソの葉エキスにはロスマリン酸などが含まれ、免疫を活性化させるTNFを抑制し、ヒスタミンの遊離を抑制する作用があり、花粉症などのアレルギー症状に対する効果が認められている。
漢方では解表・理気・解魚毒・安胎の効能があり、感冒や咳嗽、喘息、腹満、流早産、魚毒による症状などに用いる。蘇葉の発汗作用は麻黄や桂皮に比べると弱いが、理気作用、つまり胸の痞えや悪心、嘔吐などを改善する作用もあり、胃腸型の感冒にしばしば応用される。蘇葉の理気作用は食欲不振のほか妊娠悪阻にも効果がある。
また魚介類による中毒や蕁麻疹にも効果があり、このため刺身のつまに青ジソが添えられているといわれている。また陰嚢湿疹に蘇葉の煎じた液を外用すると効果がある。
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