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木曜日, 4月 06, 2006

寒天について

○寒天

 テングサの粘物質を煮溶かし冷却して固めるとところてんができるが、これを戸外の天然冷気で凍結乾燥させたものか寒天である。今から約300年前、京都の一旅館主の偶然の発見がその誕生の契機になったといわれている。現在では気候風土から長野県で大半が生産されている。羊羹など菓子の原料やみつ豆の材料のほか、最近研究の培地にも使われている。

 寒天の主成分(約70%)は多糖体のアガロースで、消化酵素で分解されないため栄養はほとんどないが、水溶性食物繊維として機能する。ナトリウムと結びついて血圧を下げる働きがあるほか、腸内でコレステロールや胆汁酸の吸収を阻害し、動脈硬化や虚血性心臓病などの予防効果が実証されている。また、お腹の調子を整える食品としてトクホの関与性分にもなっている。最近では、テレビの健康食品情報番組でダイエット効果が取り上げられたことから女性の間で人気を呼び、寒天ブームが起きている。

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水曜日, 4月 05, 2006

ココアについて

○ココア

 ココアはチョコレート同じく、カカオの木になる果実の種子(カカオ豆)からつくる。カカオ豆を粉砕して殻を取り除き、焙煎、摩砕してから脂肪分(カカオバター)の一部を除去して粉末にしたものがココアパウダーである。何も加えていないココアパウダーを純ココア(ピュアココア)といい、乳製品や砂糖などを加えたものを調整ココアという。

 ココアはミネラルに富んだ飲料である。ナトリウムとマンガン以外の全てのミネラル(銅、カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、リン、カルシウム)が豊富に含まれている。ビタミン類ではビタミンB群が多い。また、コーヒーや紅茶にはない食物繊維を摂取できるのも特徴である。ココアの食物繊維は小麦ふすまなどに含まれている不溶性食物繊維のリグニンで、胆汁酸を吸着して体外に排出する作用がある。

 ココアで注目される機能性成分としてカカオポリフェノールとテオブロミンがある。カカオポリフェノールには抗酸化作用に加え、ストレスへの抵抗性を高める作用がある。ストレス効果については竹田弘志(東京医科大学)がラットによる実験で明らかにしている(1997年、チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム)。テオブロミンはカカオ豆の苦味成分でカフェインと似た作用を持つが、カフェインより穏やかに作用する。集中力や記憶力を高めたり、気分をリラックスさせたりする効果がある。また、血管を拡張する作用があるため血流を良くして体を温める。

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火曜日, 4月 04, 2006

コーヒーについて

○コーヒー

 コーヒーはエチオピアが原産といわれ、10~11世紀初頭にアラビアに伝わり、その後ヨーロッパに知られるようになった。日本には1609年に平戸和蘭商館が開設され伝えられたといわれている。コーヒーの木は大きくアラビア種、カネホラ種、リベリカ種に分けられるが、栽培されているほとんどかアラビア種とカネホラ種である。

 コーヒーの生産地はコーヒーベルトと呼ばれる南北回帰線に挟まれた熱帯地方の高地で、特にブラジルやコロンビアなどの南米地域が盛んで、世界生産量の約半分を占めている。コーヒーの木になる実の種子部分を焙煎したものがコーヒー豆で、その抽出エキスを一般にコーヒーと呼んでいる。

 コーヒーにはカフェイン、クロロゲン酸、タンパク質、炭水化物、ナイアシンなどが含まれている。コーヒーは眠気覚ましの飲料というイメージが強いが、最近では、①脂肪を燃焼させる、②糖尿病を予防する、③肝臓ガンの発症リスクを低下させる、などの作用があることが明らかになってきた。

 コーヒーを飲むと頭がスッキリするのは、苦味成分のカフェインが脳を刺激して興奮状態にさせるためである。また、脂肪を分解する酵素リパーゼを活性化する作用があり、脂肪をより燃焼させやすくする。運動の20~30分前にコーヒーを飲むと、カフェインの脂肪燃焼作用が効果的に働くといわれている。そのほか利尿作用、気管支や冠状血管を拡張させる作用がある。

 コーヒーを飲む量が多いほど、糖尿病に罹りにくいという研究結果が相次いで報告されている。男性約4万人、女性約8万人を最長18年間追跡した米国のコホート研究によると、コーヒーを1日6杯以上飲む人はコーヒーを飲まない人よりも糖尿病の発症率が大幅に低下することが分かった(2004年)。また、フィンランド国立公衆衛生研究所などで行われた男女約1万4600人を対象にした調査では、コーヒーを1日10杯以上飲む人の糖尿病の発症率は女性で79%、男性では55%減少した(2004年)。国内の研究では、九州大学の研究グループがコーヒーの摂取が食後の血糖値の上昇を抑えるという研究結果を発表している。コーヒーが糖尿病の発症を抑える機序は明らかではないが、コーヒーの香り成分であるクロロゲン酸が血糖値の調整に働いている可能性があるという。また、カフェインがインスリンの分泌を促しているとも考えられている。

 辻一郎(東北大学)らのグループは、コーヒーが肝臓ガンのリスクを低減するという調査結果を発表している(2005年、日本疫学会)。男女約6万1千人に対して7~9年間の追跡調査をした結果、コーヒーを1日1杯以上飲む人の肝臓ガンになる危険性は全く飲まない人の6割程度だった。また、厚生労働省の研究班(主任研究者・津金昌一国立がんセンター予防研究部長)はコーヒー摂取と肝臓ガンの発症率の関係をまとめた研究結果を発表している(2005年)。男女約9万人を対象に1990年から約10年間追跡調査をした結果、1日5杯以上飲む人はほとんど飲まない人に比べ発症率が1/4であった。コーヒーの中の何の成分が肝臓ガンの発症を抑制するのかまだはっきりしていないが、抗酸化作用のあるクロロゲン酸が抗ガン物質として注目されている。

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月曜日, 4月 03, 2006

ブナハリタケについて

○ブナハリタケ

 エゾハリタケ科のキノコ。ブナの倒木や立ち枯れに群生する扇状の食用キノコで、東北地方ではカノカとも呼ばれ、甘い芳香と歯ざわりのよさで昔から珍重されてきたが、最近では深山幻のキノコと呼ばれるほど採れなくなっている。

 そのブナハリタケの人工栽培が1998年にキリンによって成功し、健康機能性の面でも注目のキノコとなった。現在、ブナハリタケの機能性として分かっているのは、①血圧降下作用、②血糖値効果作用、③脳機能改善、④発ガンプロセス抑制作用である。

 キリンが行った血圧降下作用のヒト試験では、血圧が正常高値血圧、および低中リスクの軽症抗血圧の60人(30~59歳)を対象にもプラセボ摂取群とブナハリタケエキス摂取群の2グループに分けた。エキス摂取群の1日あたりのブナハリタケエキス摂取量は564mgで摂取期間は8週間。その結果、2週目頃からエキス摂取群に血圧の低下がみられ、8週間後には軽症高血圧(140~159mg)の人で平均10mmHg下がり、プラセボ群と比較して有意な差が認められた。この血圧降下作用はブナハリタケエキスに含まれているイソロイシンチロシンによるものだということが分かっている。イソロイシンチロシンはアミノ酸のイソロイシンとチロシンが結合したジペプチドで、血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡを生成する酵素の働きを阻害する作用がある。イソロイシンチロシンを配合した飲料「ビー・フラット」(キリンビバレッジ)は血圧が高めの人の食品としてトクホ表示の許可を得ている。

 ブナハリタケは糖尿病にも有効だとされる。空腹時の血糖値が105~140mg/dlの10人に、ブナハリタケ乾燥粉末を毎日1g食べてもらったヒト試験では、4週間後には10名全ての空腹時血糖値が摂取前に比べて低下したという結果が得られている。さらに、マウスを使ったⅡ型糖尿病モデルの動物実験で、ブナハリタケの摂取によってインスリン抵抗性が改善され、糖尿病の進行を抑えることが確認された。このほか、最近の研究では脳機能を改善する作用があることも分かってきている。

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日曜日, 4月 02, 2006

ブロッコリーについて

○ブロッコリー

 イタリアでキャベツの変種であるカリフラワーを品種改良して作ったアブラナ科の野菜で、第2次世界大戦後ヨーロッパ各地に広まり、日本で一般化したのはここ30年足らずのことである。

 食用部分は花蕾(つぼみ)が中心であるが、何よりもビタミンCが100g中120mgと多く、これはレモンの搾り汁の2倍強、野菜類ではトップクラスの芽キャベツ(160mg)に迫る数字である。この豊富なビタミンCがウイルスに対する抵抗力を強め、ストレスに強い体を作ると共に鬱血による肩こりや倦怠感を檜前氏、貧血を改善し、みずみずしい美肌を作り、皮膚の色素沈着を抑制する働きをする。また、体の細胞をしっかりと結びつける役目を持つコラーゲンの合成を促すので、ガン細胞の増殖を抑えるともいわれている。

 そのほかビタミンA・B群・E、ミネラルも特別多くはないがバランスよく含まれており、茎の部分もつぼみに劣らず栄養豊富なので捨てずに利用したい。また量を食べてもカロリーはリンゴの2/3程度なので、ダイエット食にも好適である。

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土曜日, 4月 01, 2006

延命草について

○延命草茶

 延命草はシソ科ヤマハッカ属の植物で、北海道から九州に至る山地の日当たりの良い乾いた場所に群生し、1~1.5mの高さに育って秋には薄紫色の小花に穂状につける。和名はヒキオコシであるが、これは一度倒れた人でも、この草の汁を飲ませると引き起こすことができることにちなんでの命名だといわれる。同類の植物で同じように用いられるものにクロバナヒキオコシがあるが、特に両者を区別することなく、一般には延命草の名で呼ばれることが多い。この馴染み深い延命草の名前も、かつて弘法大師が瀕死の病人をこの草で助けたところからきているという。その名からもわかるように、古くから胃弱、食欲不振、腹痛、胃腸カタル、胃痙攣、胆石、日射病などに効用がある民間薬として広く利用されてきたが、中国でも同属の冬凌草という植物が同様の目的で利用されている。

 延命草はその茎と葉に薬効成分が含まれているので、開花前に茎と葉を刈り取り、青さを残すように天日乾燥させる。乾燥中に葉が落ちやすいが、特に葉には有効成分が多いので注意しなくてはならない。こうした干し上げたものは保存し、必要なときに煎じて服用したり、粉末状にして飲むことが行われてきた。全草にわたり極めて苦味が強いため、お茶代わりに毎日飲むよりは、特定の症状の改善を目的として飲まれるのが通例で、10~15gを煎じた煎じ汁か、粉末の場合は1回に0.5g程度が適量とされる。

 薬効植物の苦味は研究者の注目するところであるが、延命草の苦味成分はテルペン系のエンメイン、プレクトランチン、オリドニンなどで、いずれも薬理試験で抗菌作用と抗腫瘍作用が認められているが、新井正(千葉大学)がエンメインに制ガン作用があることを認めた動物実験を発表し、高い関心を持って迎えられたことは記憶に新しい。また富士薫(京都大学化学研究所)はクロバナヒキオコシの苦味成分を分離して腹水ガンのネズミを用いて制ガン作用を確認、その成分がトリコラブダールであることを発表している。中国では、中国科学院昆明植物研究所で同属の冬凌草を用いた研究がなされ、そこでも制ガン作用を認めているが、京都大学の実験結果はそれよりもさらに高い効果を示したということである。

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金曜日, 3月 31, 2006

紅景天について

○紅景天

 紅景天は、原産地のチベットでは海抜3500~5000mという高地に自生しているベンケイソウ科の野生多年生草木である。茎や花など地表に出ている部分は10cm程度と小型であるが、根や根茎が薬効部分として利用される。紅景天の効用については、8世紀頃のチベット医学経典・四部医典と晶珠本草にその記録が多く残されており、滋養強壮、養肺清熱、止血解毒、滋補元気などと記されている。また、中国高等植物図鑑にも紅景天の植物を高く評価している。

 紅景天の薬効について科学的な研究に取り組んでいるのは旧ソ連と中国である。1970年代に、旧ソ連は宇宙飛行士を無重力・無酸素という未知の環境に適応させるための薬剤を開発するにあたって、紅景天に注目し詳細な研究を行った。それによると、紅景天の有効成分は紅景天ケトンとアグリコン、チロソールで、優れた滋養強壮効果があることが新明し、実際に宇宙飛行士の保健食品として使用されていた。80年代になると中国でも紅景天についての研究が始まり、紅景天が高麗人参やエゾウコギよりも強壮作用を有することが明らかになり、の成分、薬理作用、臨床応用、毒性などに関する研究が飛躍的に進んだ。日本では、京都薬科大学の基礎研究によって、紅景天に含まれるグリコシド(配糖体)がアトピーに効果があること、また、シミ・ソバカスの原因となるメラニンの生成を抑えることなどが明らかにされている。

 紅景天に含まれる有効成分は、これまでの研究から約40種類が認められている。脂質、タンパク質、必須アミノ酸、各種ビタミン、有機酸、ミネラルなど基本的な成分に加え、ロシアチャウスク医科大学が発見した成分は、長期に続く緊張状態下で筋肉と大脳を正常化させ免疫機能を高める作用がある。このように、紅景天には中枢神経システムと内分泌システムを整え、免疫力を高める作用があり、これまでに分かっている効用は、老化防止や疲労回復、高血糖・ガン・ウイルス感染・肝臓病・白血病・酸素不足にも有効であるとされる。特に酸素不足を防ぐについては、海抜4000m以上の模擬環境下で行った実験で、紅景天を飲んだ人は、飲まなかった人に比べて運動能力が13.2%も高いという結果が出ている。そのため、チベットでは古くから高山病の薬としても使われている。

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木曜日, 3月 30, 2006

マツタケについて

○まつたけ

 松茸。キシメジ科のキノコで、秋に赤松林やツガ林などの地上に生える。国内生産量は近年極端に減っており、市場に出回っているものの80~90%は韓国、北朝鮮、カナダ、中国、モロッコ、メキシコ、アメリカ、ブータンなどから入ってくる輸入物である。

 「匂いまつたけ、味シメジ」の言葉通り、珍重される独特の香り成分は、桂皮酸メチルエステル、オクテノール、メチルオルシナートなどで、これらは食用増進や消化酵素の分泌を促す作用がある。成分的にはビタミンB2とナイアシンが豊富で、B1も100g中に0.1mgと、生シイタケと同量である。B2とナイアシンは口内炎、角膜炎をはじめとする皮膚炎の予防、抵抗力の強化、神経障害の予防などの働きがある。

 カロチンはないが、ビタミンDを4ug含むので、体内のカルシウムの働きを助け、骨にカルシウムが吸収されやすくするのに役立つ。その上、農林水産省食品総合研究所蛋白質研究室の研究によると、まつたけからガン細胞のみを選択して殺す蛋白質が発見されたという。まつたけ抗腫瘍タンパク質(MAP)と名づけられたこのタンパク質は、正常な細胞は生かして、ガン細胞だけを選択的に攻撃する性質を持っているという。まつたけは高価なのが難点だが、旬には少しでも味わう価値がありそうである。

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水曜日, 3月 29, 2006

グレープフルーツについて

○グレープフルーツ

 ミカン科の常緑高木の果実で、18世紀に西インド諸島のバルバドス等で発見された。その後アメリカに渡り、アリゾナ、カルフォルニアなどで大々的に栽培されるようになった。柑橘類でありながら、グレープの名があるのは、果実がブドウのように房状につくことに由来している。

 みずみずしさが身上で、水分が89.6%もあり、豊富な果汁と適度の甘み、酸味、ほどよい苦味が混ざり合って、爽やかな風味を出しているのが特質である。

 ビタミンCが豊富なことと、このCの吸収を良くするビタミンPクエン酸にも富むので、吸収されやすく生理作用も高い。疲労を回復し、心身ともに爽やかにする。歯茎から出血しやすい人やタバコを吸う人は、毎朝半分ないし1個を食べると良い。四季を問わずほとんど年中出回っているので、手軽に入手できる。

 ところで、グレープフルーツ独特の苦味はナリンギンという配糖体によるものだが、最近、これがカルシウム拮抗薬(高血圧の薬)や睡眠薬の一部に作用すると、薬効を強くしてしまうことがわかった。ナリンギンが肝臓の酵素の一部に働きかけるために起こる反応だといわれているが、降圧剤などとグレープフルーツを一緒に摂ることは避けたほうが良い。

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火曜日, 3月 28, 2006

紅豆杉について

○紅豆杉

 中国雲南省の山岳地帯(標高4000mの厳寒地)に自生する紅豆杉は、イチイ科に属する樹木で、2億年前(中生代)から生き残ってきた地球に現存する最古の樹木とされている。平均樹齢は3000年以上、幹周5.6m、樹高21m(平均値、中国科学院調査)の巨木である。

 近年の研究では、高山や砂漠など過酷な環境に生きる生物ほど、その生命を支えるための特殊な機能物質を体内に豊富に持っていることが明らかにされているが、紅豆杉もまたその例にもれない。万里の長城の建造で知られる秦の始皇帝は不老不死を願ったことでも有名だが、その時代、紅豆杉が塩とともに不老の仙薬に名を連ねていたことが近年明らかにされた。

 紅豆杉が現代に蘇る契機となったのは、1956年にアメリカの化学者ルーカスが、紅豆杉の抽出物質に抗ガン作用があることを発見したことによる。そして71年には同じくヴァニが、抗ガン物質の一つを単離してタキソールと名づけた。その後、合成方が模索されて注射薬ができ、94年には抗ガン剤としてFDA(アメリカ食品違約局)が認可している。日本でも97年に抗ガン剤(保険の適用は卵巣ガン・乳がん・子宮ガン・肺ガン)として認可、今では世界50数カ国で使われている。

 一方、薬剤としてではなく、天然剤としての紅豆杉についても、その薬理研究が進んでいる。富山医科薬科大学和漢研究所の門田重利は、日本薬学第122回年会(2002年)で、紅豆杉のガン細胞に対する作用木序を明らかにした発表を行っている。また、金沢医科大学の平井圭一は、紅豆杉の天然成分が、①正常細胞を傷つけず、ガン細胞だけを狙い撃ちして増殖を阻害し、死滅させる選択的抗ガン性がある、②特異な直接攻撃でガン細胞を自然死(アポトーシス)させる、③免疫賦活作用を併せ持つ、という研究成果を第41回日本癌治療学会(2003年)で発表している。

 紅豆杉にはまた、花粉症などのアレルギーに対しても顕著な改善作用のあることが、北里大学の岡野哲郎らの研究グループによって明らかにされている。実験は、まず最初にマウスを使ってスギ花粉(抗原)に反応する実験用の細胞を調整し、この細胞群にスギ花粉抗原とともに紅豆杉茶を入れ、ヒスタミンやEPOの放出量を調べた。紅豆杉茶は3種類の濃度を用意し、対照には麦茶を用いた。結果は、ヒスタミンの場合も、RPOの場合も、紅豆杉茶の濃度を濃くするほど放出が大幅に減少し、EPOでは紅豆杉茶10ulの濃度でゼロになるという結果を得ている。

 また、この実験と平行して、スギ花粉のメッカである東京・奥多摩の診療所と、花粉が比較的少ない都心の港区の病院患者を対象として、紅豆杉茶の飲用による花粉症改善の臨床試験も行われている。その結果、花粉が少ない都心での病院では、くしゃみを除く全症状(鼻水、鼻閉、鼻・のど・目の痒み、涙目)で、ほぼ100%の改善効果が得られたという。

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月曜日, 3月 27, 2006

アスタキサンチンについて

○アスタキサンチン

 カロチノイドというと一般には植物性色素が多く知られるが、アスタキサンチンは主に海産物に豊富に含まれる赤色色素である。サケやイクラ、鯛やキンキ、エビ、カニなどの呈する赤色は全てアスタキサンチンによるものである。

 アスタキサンチンはこれまで、着色用の食品添加物として使われることが多かったが、1980年代後半に、アスタキサンチンの抗酸化作用はビタミンEやβ-カロチンの数100~1000倍近くもあるという研究報告がなされ、にわかに注目を集める機能性素材となった。また、長い間、アスタキサンチンの原料素材の探索が続けられていたが、近年になって、ヘマトコッカス藻を原料とする大量生産技術が確立したことから、一挙に商品開発が活発化している。

 アスタキサンチンの抗酸化作用の研究では、これまでに免疫賦活、動脈硬化改善、抗ガン、抗糖尿病、美白効果などが報告されている。

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日曜日, 3月 26, 2006

いちじくについて

○いちじく

 クワ科の落葉低木の果実(花嚢)で、アラビア半島が原産。世界各地で栽培されるが、ポルトガル、イタリアが多い。日本ではカリブ系、スミナル系、インターメディア系などが江戸時代の17世紀前半に渡来したが、蓬来と呼ばれていた在来種もある。

 春から夏にかけて緑色の果実(いちじくの場合は花嚢という)を結び、内側に淡紅色の小花を無数につける。花は外から見えないので無花果の名がある。

 主成分は糖で約10%(乾果は6%)含まれ、ビタミン、ミネラル類も少量ずつまんべんなく含んでいる。このほかペクチンという食物繊維があり、腸の働きを活発にし、便秘にも効果的。さらに各種分解酵素が含まれているので、その薬効も多様である。

 いちじくにはまた抗炎症作用があり、喉の痛み、痔疾にも卓効がある。葉の煎じ汁を痔の患部に塗布すると一層効果的。果肉や葉から出る白色の乳液に含まれるペプチドは血圧抑制作用があり、外用ではイボ取りに用いる。果肉には血を清める作用があるといわれ、鼻血や吐血、気血などによく、肺結核の喀血などにも効用があるとされてきた。

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金曜日, 3月 24, 2006

シャンピニオンエキスについて

○シャンピニオンエキス

 フランスで17世紀始めに栽培が始められたハラタケ科のシャンピニオン(英語名=マッシュルーム)は、その優れた風味とともに、ビタミンB2を多く含む食材として各国の食膳をにぎわせているが、その成分を抽出したシャンピニオンエキスが経口摂取できる消臭素材として開発され、広く上市されるようになった。

 食物や体調や、加齢などによって、いわゆる腸内悪玉菌が増殖すると、町内異常発酵による悪臭ガスが腸壁から吸収された不快な体臭や口臭の原因となるほか、発生した有害物質が老化現象などの原因になると指摘されている。

 シャンピニオンエキスはこの腸内異常発酵を抑制する結果、口腔内の臭い、呼気(吐く息)、体臭、便臭を非常によく消臭するとともに、血中への腐敗成分(アンモニア、メルカプタン、硫化水素、インドール、スカトール、クレアチニンなど)の吸収を少なくして、慢性腎不全や高アンモニア血症の進行を阻止する作用のあることが報告されている。

 シャンピニオンエキスは現在、飲料・菓子・健康食品・一般食品(スープ・味噌汁など)、病院の総合栄養流動食・治療用食品などの形で広く供されているほか、ペットフードの分野でも利用が始まり、近年では欧米へも盛んに輸出されるようになった。

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水曜日, 3月 22, 2006

カイアポ芋について

○カイアポ芋

 カイアポ芋は、南米ブラジルの中央に広がるブラジル高原西方のカイアポという山地に自生する白甘藷の一種で、南米の白芋とも称されている。栄養価に優れていることから、インディオの間では健康維持のために、数千年も前から好んで食されていたといわれている。その優れたパワーは、西暦1500年頃、南米に一台帝国を築いたインカ帝国の発展にも多いに寄与したと伝えられている。

 カイアポ芋は、高麗人参などと同様に、土壌に含まれるミネラルや有効成分を満遍なく吸収してしまうため、一度栽培・収穫した土地では、数年以上栽培ができない。

 最近になって、カイアポ芋には、インスリンの分泌や効き目を高め、糖尿病の血糖値を下げる糖の働きがあることが明らかになり、動物実験でも、①インスリン分泌の促進、②インスリン作用の改善などが実証されている。糖尿病の3大合併症といわれる網膜障害、腎臓障害、末梢神経障害に対して、血糖を下げることによる効果が期待されている。

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火曜日, 3月 21, 2006

チェストツリーについて

○チェストツリー

 チェストツリーは、ヨーロッパから中央アジアを原産とするクマツヅラ科の落葉低木で、ヨーロッパでは古くから女性のためのハーブとして使われてきた。チェストツリーの果実に含まれる成分には、女性のホルモン機能を整える作用のあることが古くから経験的に知られており、月経不順の改善薬として有効である。ドイツでは、チェストツリーに黄体ホルモンの分泌を促す作用のあることが認められ、PMS(月経前症候群)の治療薬になっている。

 PMSは、下腹部や頭痛、イライラといった不快症状を呈するが、この原因は黄体ホルモンのプロゲステロンの不足によるものと考えられている。チェストツリーは、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモンの生成を増加させ、その結果、プロゲステロンの分泌を高めることによって、ホルモンバランスを正常化させる。

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月曜日, 3月 20, 2006

しじみエキスについて

○シジミエキス

 シジミ(蜆)の強肝効果については江戸中期(天明元年)の食品国家に「シジミよく黄疸を治し酔いを解す」と記されたことを知れば、そこに医食同源の典型を見る思いの人も多いに違いない。肝臓への効用は医学会でも広く認めるところだが、赤いビタミンの異名を持つビタミンB12(造血・脳細胞の活性化・手足の痺れ改善)が62ugと群を抜いて多い。カルシウム・亜鉛・胴などミネラルにも大きな数字が並ぶ。タンパク質はアミノ酸のバランスがよく、アミノ酸スコアは95。特に高血圧改善や肝臓の解毒作用の亢進、心不全への効果が期待できるタウリンが注目される。

 日常的には味噌汁がほとんどだが、風味のみならず味噌の栄養価も加味されるうえに、食膳に暖かさや懐かしさがあふれて心が和みも食事全体の消化吸収率もぐっと高まる。

 水溶性のエキス成分を採るには、鮮度のよいシジミに同量の水を加えて1~2時間ほど弱火で似たあと汁を濾し、それを半量に煮詰めればよい。それを1回に盃1杯くらいずつ、1日3回ほど飲めば、体力回復、肝機能強化、貧血改善、母乳の出をよくする。肌のシミ取りによいとされるが、その効能が確かなことは、市販のシジミエキスが長い人気を保っていることか何よりの証拠である。

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日曜日, 3月 19, 2006

クランベリーについて

○クランベリー

 クランベリーはブルーベリーと同じツツジ科の常緑低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯である。秋の始めに1~1.5cmの赤い球状の液果を結ぶ。果汁は酸味が強いが、アメリカではクリスマスや祝宴などに食べられる七面鳥料理のクランベリーソースとして利用されることから、よく知られている果実でもある。

 ネイティブアメリカンの間では、古くから尿路感染症の治療にクランベリーの果汁が使われてきた。クランベリーがこうした感染症に効果があることは、現在では多くの研究成果により医学的にも明らかにされている。

 1994年にハーバード大学部で行われた研究によると、クランベリー果汁には尿中のバクテリアと白血球の増加を抑える効果があることが認められている(女性153人を対象にした2重盲検法による試験結果)。また、97年にウェーバー州立大学で行われた研究によると、クランベリー果汁の粉末を使って、尿路感染症の再発防止効果が確かめられている。

 クランベリーが尿路感染症に効果があるのは、古くは、クランベリーが尿を強い酸性にして細菌を増殖しないようにするからだと考えられていた。また、クランベリー果汁に含まれる安息香酸の作用だという説も唱えられたが、現在では、クランベリーのフィトケミカル成分・プロアントシアニジンによる細菌接着阻害作用によるものであることが解明されつつある。このことから、クランベリーには尿路感染予防だけでなく、歯周病や歯肉炎の改善効果、さらにはピロリ菌感染の予防も有効ではないかとする研究も報告され始めた。

 クランベリーを使った食品としては、クランベリージュースの他、果汁エキスを加えたヨーグルト、ジャム、評価などが販売されており、消費者の人気も高い。

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土曜日, 3月 18, 2006

マリアアザミ(シリマリン)について

○マリアアザミ(シリマリン)

 キク科のオオヒレアザミで、一般にマリアアザミと呼ばれているこのハーブは、ヨーロッパでは古くから種子を含む全草に強壮、利胆、利尿効果が認められており、肝臓の民間薬として用いられてきた。生活習慣病をはじめとする諸病の根底に肝機能不全があることが指摘されているが、マリアアザミはまさにそこへ焦点を絞って登場したハーブのニューフェイスである。

 種子に含まれるシリマリンが肝機能を改善することが知られており、ドイツやイタリアの製薬メーカーなどでの研究から、有効成分がフラボノリグナンに分類される化合物群であり、特に重要な作用を持つフラボノイドとして、シリビン、シリジアニン、シリクリスチンの3種が単離された。

 多様な有効性が明らかにされているが、最も注目される肝機能の改善にはシリマリンの有効成分が細胞膜の過酸化脂質の発生を抑えていることが考えられ、これについては体内で合成される抗酸化物質であるグルタチオンの生成を促進する作用が実験的に明らかにされている。体内に発生するフリーラジカルが、様々な老化現象、認知症、ガン、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの元凶であることが次々に明らかにされてきている現在、シリマリンの抗酸化作用への期待が高まり、人気を博しているのも不思議ではない。

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金曜日, 3月 17, 2006

すっぽんについて

○すっぽんエキス

 スッポン料理は、強精・強壮に特効のある料理として世界に知られている。中国では3000年前の周時代に王室の膳に供えられ、以来滋養強壮・不老不死の保健食として珍重されていた。特に中国料理のスープでは漢方薬としての効用が認められ、鯉の生き血と並んで、強精の用をなしている。また、フランス料理でもスッポンのコンソメが一級の料理とされ、スープの主要素材として栄養を逃すことなく料理されている。

 スッポンはカルシウムやタンパク質、特に必須アミノ酸やビタミンが豊富で、栄養価が高く、動物でありながらその脂肪は植物性油脂と同じ不飽和脂肪酸で、リノール酸を多く含んでいる。

 その栄養的特徴は、まずタンパク質にある。タンパク質は生物細胞(血液、筋肉、皮膚、骨髄、角質、腱、爪など)を形成する主要物質であり、成長期に不足すると体位の成長に支障をきたすだけでなく、血管が充分に発育せず、加齢とともに脳卒中を誘発する要因にもなる。その点、すっぽんのタンパク質はアミノ酸が豊富で、すっぽんエキスの分析によると、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、グリシン、アラニンなど18種にも及ぶアミノ酸組成は良好である。

 次に、カルシウムの含有率が高い。これはすっぽんの硬組織部分にのみならず、血液をアルカリ性に保ち、心筋の収縮を活発にする作用がある。さらに、神経の働きにも影響し、ストレスへの対応には欠かせないものである。

 そのほか、ビタミン類ではB1、B2、B6、葉酸、パントテン酸などを含み、ミネラル類では鉄分とナトリウムが特に多く、造血作用を活発にする効果が期待できる。

 さらに、前期のようにスッポン油は動物でありながら不飽和脂肪酸を多く含んでいる。不飽和脂肪酸は結腸コレステロールの増加や血管への沈着を防ぎ、動脈硬化・脳卒中の予防に効果がある。また、すっぽんにはコレステロールも含まれているが、コレステロールは①胆汁の合成素材として、②細胞膜をつくる構成成分の一つとして、③性ホルモンや副腎皮質ホルモンが体内で合成されるときの素材として、など重要な役割も持っている。このコレステロールがホルモンを合成するときに、すっぽん肉などに含まれる酵素活性ビタミン群の働きが加わり、精力増強に効果を発揮すると考えられている。

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木曜日, 3月 16, 2006

舞茸(マイタケ)について

○舞茸(マイタケ)

 その昔、山中で発見した人が喜んで舞い踊ったことから舞茸の名を与えられたといわれるマイタケは、人工栽培技術も確立して食材としての認知度はつとに高いが、近年は薬用キノコとして日本のサプリメント市場に歓迎されている。

 同じサルノコシカケ科に属する霊芝やカラワタケと同時に行われた子実体由来のβ(1-3)-D-グルカンによるマウスの抗腫瘍活性試験で、非常に高い腫瘍完全退縮率を得た報告もなされていたが、その後、難波宏彰(神戸薬科大学)らはMD-フラクションと名づけた精製ペプチドグルカン(タンパク多糖複合体)を用い、ザルコーマ180担ガンマウスに対して腫瘍増殖抑制率86.6%という好結果を得、それがT細胞など免疫細胞の活性化によることを突き止めた。乳ガン、肝ガンなどの快癒や改善に関する、医療現場からの報告も続いている。

 同じく難波らの研究による後天性免疫不全症候群(エイズ)への活用研究は米国で注目され、多くの医師や研究者による臨床研究も報告され、マイタケの評価を高めることとなった。また、作用気序の全体は明らかではないが、血圧降下作用、血糖抑制作用、高コレステロール血症の改善、抗アレルギー作用、便秘の改善、ダイエット効果などの実例報告も多い。

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