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土曜日, 10月 08, 2011

注目ファイトケミカル

○フェルラ酸

 フェニルプロペン化物の一種で、植物の細胞壁を形成するリグニンの前駆体として特に米ぬかに多く含まれる。ラジカル消去と活性酸素消去という2つの作用が知られ、食品や化粧品分野での活用、また医薬品原料としても注目されている。1995年に「化学的合成以外の食品添加物」として、20001年には紫外線カットの化粧品原料として認可され、さらに04年6月には食薬区分の改正で非医薬品成分に移行した。

○γ-オリザノール

 米胚芽油や米糠から分離された機能成分で、トリテルペンアルコールのフェルラ酸エステル。米油には1.5~2.9%含有。生長促進・間脳機能調節・抗酸化作用が認められている。物質としてのγ-オリザノールは食薬区分で医薬品成分に指定されている。

○オクタコサノール

 長い炭素鎖を持ったアルコールの一種(オクタコシルアルコール)で、小麦胚芽やアルファルファ、リンゴの皮などに含まれている微量成分。オクタコサノールは運動時におけるスタミナや持久力の向上、酸素利用効率を高めることに有効であることが、米イリノイ大学のトーマス・クレトンによって明らかにされている。筋肉神経性の障害にも有効で、筋萎縮症などの治療にも使われている。

○カプサイシン

 唐辛子の果皮に含まれる辛味成分。体内のエネルギー消費を促進させる働きがあり、結果的に肥満を防止するという効果がある。体内に入ったカプサイシンは中枢神経を介して交感神経を刺激し、副腎皮質からアドレナリンやノルアドレナリンなどの分泌を促すため、エネルギー代謝が盛んになって肝臓や筋肉内のグリコーゲンの分解が促進される。

○イソシオシアナート

 キャベツやカリフラワーなどアブラナ科の野菜に含まれるイソシオシアン酸の一種で、ガンの原因となるDNA損傷を抑える作用がある。また、ブロッコリーに含まれる同類のサルフォラフェインには発ガン物質の影響を抑える作用のあることが知られている。

○ミントポリフェノール

 ペパーミントの葉からミントオイルを除去した抽出物に含まれる成分。花粉症の症状を緩和することが、2003年に岡山大学薬学部のヒト試験で確認されている。

○レスベラトロール

 ブドウ樹が真菌や紫外線から身を守るために産生する抗酸化物質のひとつで、灰色カビ病が発生したときに感染の拡大を防ぐ物質として単離されたポリフェノール。ヒトの体内で悪玉コレステロール(LDL)を減らし、血管の炎症や血栓の形成を抑える働きがあるとされている。また、ガン細胞の成長に必要な新生血管の増殖に際して、腫瘍からの血管成長因子の放出を抑えるという報告もある。

○ゲニポシド酸

 杜仲葉に配糖体として含まれる物質で、血圧を下げる作用がある。ゲニポシド酸が吸収されると副交感神経が刺激され、それにつながる抹消動脈の平滑筋を刺激して血管が拡張する。そのため血流の抵抗が減少し、血圧の上昇が抑制される。

○エラグ酸

 ポリフェノールの一種で、植物に広く分布する黄色の色素成分。ゲンノショウコの茎や葉に多く存在する。エラグ酸には強力な抗酸化作用のあることが明らかにされており、老化防止やガン細胞の増殖抑制に関する研究が行われている。

○グリチルリチン

 マメ科の甘草の根茎に含まれる甘味成分で、トリテルペン配糖体。胃液分泌を抑制する働き、消化器の潰瘍を治癒する働きのあることが早くから認められていたが、最近の研究では免疫抑制活性、肝機能増強作用、解毒作用、鎮静作用なども報告されている。グリチルリチン製剤は肝臓病の治療薬として用いられている。このほか、ショ糖の150倍という強い甘味があるため、味噌や醤油の甘味添加物としても使用されている。

金曜日, 10月 07, 2011

硫化硫黄物

○硫化硫黄物

 ニンニクやタマネギなどユリ科の植物が持つ独特の臭気は硫黄化合物によるものである。硫黄化合物には抗酸化作用があり、老化やガンの予防に有効であることが知られている。また血液の粘度を低める作用もある。

※アリシン

 ニンニクの臭気成分で、前駆物質のアリインが酵素のアリイナーゼで加水分解されて生じる。アリインとアリイナーゼは細胞中では別の場所に存在して反応することはないが、ニンニクを切ると細胞が破壊され、両者が接触して反応が始まりアリシンが生成される。アリシンはヒトの消化管の中でビタミンB1と反応してアリチアミンという物質に変わる。アリチアミンの血中濃度は長時間維持されるため、ビタミンB1の働きが通常より長く持続するという効果がある。

※ジアリルジスルフィド

 硫化アリルの一種で、ニンニクの臭気成分アリシンが変化したもの。血液の凝固を抑制して、血栓ができるのを防ぐ作用がある。

※硫化プロピル

 生タマネギに含まれている辛味成分で、血糖値を下げる作用がある。また、タマネギを刻むと細胞が破壊されて酵素が働き、トリスルフィドという物質に変化する。トリスルフィドは中性脂肪や総コレステロール値を下げ、血栓を予防する働きがある。

木曜日, 10月 06, 2011

テルペノイド

○テルペノイド

 テルペノイドは柑橘類や香辛野菜などの香りや苦味、辛味成分の成分で、テルペン、イソプレノイドともいう。体内で発ガン物質を無毒化する機能を強化したり、発ガン遺伝子の働きを弱める作用があるとされている。

※リモノイド

 柑橘類の香りや苦味成分の総称で、ミカンの皮に含まれる香り成分のリモネン、グレープフルーツの苦味成分であるリモニンなどがある。いずれも発ガン物質を解毒する作用があるといわれている。

※ショウガオール

 日本産生姜の根に含まれる辛味成分で、抗菌・殺菌・解熱・鎮痛作用がある。また、ヒスタミンを抑制する抗アレルギー効果も認められている。

※ジンゲロン

 生姜の根に含まれる辛味成分で、強力な殺菌作用(チフス菌やコレラ菌)のほか、抗酸化作用も認められている。

※ギンコライド

 イチョウ葉から分離・同定された成分で、テルペノイド一種。これまでの研究で、①血小板凝集作用や血栓の生成阻害作用、②大脳虚血の拮抗阻害作用、③心臓アナフィラキシーに対する拮抗作用、④炎症やアレルギーの阻害作用、⑤角膜再生の活性化作用、⑥中枢神経の覚醒作用、などが明らかにされている。

水曜日, 10月 05, 2011

タンニン

○タンニン

 タンニンは植物の組織内に存在する渋味成分で、、ポリフェノール化合物である。茶葉の種類によって含有量は多少異なるが、分解するとフェノール類が得られる。タンパク質を凝固させる性質があることから皮革のなめしに使われる。タンニンは未熟な柿の果実などに多く含まれている。また緑茶のカテキン、紅茶のテアフラビンもタンニンの一種である。

※カテキン

 水溶性のポリフェノール化合物で、茶葉に含まれている茶カテキンがよく知られている。茶葉の種類によって含有量は多少異なるが、へ平均すると乾燥葉重量の8~15%である。茶カテキンは抗酸化力が非常に強く、発ガン抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の改善、血圧上昇の抑制、血栓予防、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭防止、腸内細菌叢正常化など多岐にわたる分野で研究経過が発表されている。食品分野では、花王が茶カテキンを関与成分にして体脂肪予防でトクホを取得したヘルシア緑茶がヒットし商品になった。

※エピガロカテキンガレート

 茶カテキンの約半量を占めている。1999年にスウェーデンのカロリンスカ研究所がエピガロカテキンガレートがガン細胞の血管新生を阻害させることをインビトロ実験で明らかにし、英国の科学雑誌ネイチャーに掲載された。

※エピカテキンガレート

 茶カテキンの一種で、化学製品から出る内分泌かく乱物質(環境ホルモン)の働きを阻害する作用がある。環境ホルモンは体内で性ホルモンの受容体と結びついて人体に有害な働きをすると考えられているが、エピカテキンガレートは女性ホルモン受容体と結合する性質があるため、内分泌かく乱の結合を邪魔し、結果的に環境ホルンの働きを防ぐことになる(宝酒造バイオ研究所、環境ホルモン学会で発表)。

※テアフラビン

 タンニンの一種で、紅茶に含まれる赤色色素。葉中のカテキン類が発酵の過程で酸化されて生じる。テアフラビンの健康機能性についてはあまり研究が進んでいないが、抗酸化作用が期待される成分であることから、生活習慣病の改善に寄与すると考えられている。

火曜日, 10月 04, 2011

フラボノイド

○フラボノイド

 狭義のフラボノイド類には、構造の違いからフラボノール類(淡黄色)、フラボン類(淡黄色)、フラバノン類(無色)、フラバノノール類(無色)、イソフラボン類(無色)があり、その多くは糖と結合して配糖体として存在している。

※ケルセチン

 フラボノイドの内、フラボノールに分類されるポリフェノール化合物。同類にケンフェロール、ミリセチンなどがある。タマネギやホウレンソウ、ケール、パセリなどに多く含まれ、LDLコレステロールの酸化を抑制することで、動脈硬化を防ぐ作用のあることが知られている。ケルセチンは通常、配糖体のルチンとして存在することが多い。

※ルチン

 ケルセチンに糖のルチノース(グルコース+ラムノース)が結合したフラボノイド配糖体で、ビタミンCの研究過程で発見された抗酸化物質。ビタミンPとも呼ばれる。ソバ(蕎麦)やトマト、アスパラガスに多く含まれている。ルチンは毛細血管の透過性を保ち、血管がもろくなるのを防ぐ。また、血圧を下げる作用があるため、血管補強剤や毛細血管の止血剤として高血圧、脳出血、血圧以上など出血性の疾患に使われている。

※アピイン

 フラボン形色素のアピゲニンに糖のアピオースとグルコースが結合したフラボノイド配糖体で、セロリやパセリの葉に含まれている。神経の鎮静作用がある。

※ヘスペリジン

 フラバン系色素のヘスペレチンに糖のルチノースが結合したフラボノイド配糖体で、温州みかんなどの柑橘類に含まれている。ルチンと同じく、毛細血管の透過性を保ち、血管壁を丈夫にするほか、毛細血管の収縮作用や血圧効果作用がある。

※ナリンギン

 フラバノン系色素のナリンゲニンに糖のラムノースが結合したフラボノイド配糖体で、グレープフルーツや夏みかんなどの柑橘類に含まれている。血中の中性脂肪を分解して肥満予防に有効であるとされるがナリンギンはカルシウム拮抗薬(高血圧の薬)や睡眠薬の一部に作用すると、薬効を強くして副作用を引き起こすことが知られており、グレープフルーツジュースなどとこれらの薬剤との併用は避けるべきである。

※ゲニスチン

 イソフラボン系色素のゲニステインが糖と結合した配糖体で、大豆の胚軸に多く含まれている。大豆イソフラボンの一種。

土曜日, 10月 01, 2011

アントシアン

○アントシアン

 アントシアン(anthocyan)は、赤、紫、青色を呈するフラボノイド色素で、多くの植物にアントシアニジン配糖体として存在している。

※アントシアニジン

 フラボノイド色素のアントシアニジンに糖が結合した配糖体。ブルーベリーやサツマイモの皮、黒豆などに青紫の色素成分として存在している。活性酸素の発生を抑制する抗酸化物質として知られているが、ロドプシン(網膜の色素体で、光の刺激を脳に伝える働きをする)の合成を促進して、目の疲労回復や近視予防の効果が認められていることからサプリメント素材として人気を呼んでいる。アントシアニンはまた、肝機能の改善にも有効に働くことが知られている。軽度の肝機能障害に対して、紫芋のジュースが有効に作用したという研究報告がある。

※プロアントシアニジン

 フラボノイドの一種で、ポリフェノール化合物。強い抗酸化作用のあることが知られており、ワイン醸造時に種子も一緒に発酵させる赤ワインに多く含まれていることに着眼し、ブドウの種子から有効成分として分離された。プロアントシアニジンの抗酸化力を調べた研究(キッコーマン)では、緑茶に含まれるカテキンやトコフェロール(ビタミンE)に比して約5倍の相対抗酸化力を持つことを確認したという。この高いフリーラジカル消去作用は、老化・発ガン・生活習慣病・白内障などの誘引とされる活性酸素の発生と、それに伴う過酸化物質の蓄積や栄養成分の過酸化的分解を防ぐことから、栄養補助食品の素材のほか、加工食品(蓄肉・飲料・発酵食品・菓子類・乳製品・調味料など)の酸化防止剤、化粧品素材などに活用されている。

金曜日, 9月 30, 2011

フノラン

○フノラン

 フノラン(funoran)は海藻の布海苔に多く含まれている粘質多糖類で、α-ガラクトースとβ-ガラクトースが交互に鎖状に結びついた構造をしている。

 野田宏行(三重大学)は、高血圧や高脂血症、移植ガンへの効果をマウスを用いて実験し、フノランが血圧効果や動脈硬化指数の大幅な改善、血中ナトリウムの低減、エールリッヒ腹水ガンやザルコーマ180固形ガンなどに対し顕著な発育抑制と延命効果があったことを報告している。また、糖尿病に関しては長村洋一(藤田保健衛生大学)の高血糖マウスに対して布海苔顆粒を投与した実験があり、硫酸基を持つフラノンの分子構造が糖の取り込みを抑制すると推定している。

 フノランは歯の再石灰化を増強するキシリトールの働きを促進させる作用もあり、トクホの「歯を丈夫にするガム」の関与成分としても使われている。

木曜日, 9月 29, 2011

光明石

○光明石

 光明石は岡山県高梁市の阿部鉱山から産出する薄緑色の鉱石で、1956年に偶然発見された。同地はウラン産出地として名高い鳥取・岡山県境の人形峠に近いことから、ここでもウラン鉱脈があるのではないかとの予測のもと、発掘調査が実施された。その結果、ウランの埋蔵は確認されなかったが、調査の副産物のような形で発見されたのが、この石である。

 発掘作業をした人々から腰痛が消えた、手がすべすべになった等の報告がなされたため、調査の案内をした現地の佐藤峰次が、岩石1トンあたり50kg程度含まれる薄緑の石が原因なのではないかと考えて成分分析を依頼したところ、次のような十余種にのぼるミネラル分が検出された。<含有・ミネラル分>塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ケイ酸など

 これらのミネラル分については、マグネシウムとカルシウムに鎮静効果、炭酸に血管拡張・血液循環促進効果、塩化イオンに温熱効果、そして硫化イオンに皮ふを軟化させる効果が認められており、これらの成分があいまって、皮膚スベスベ効果、腰痛解消効果等をもたらしていたわけである。

 佐藤はこの石を、多くの病人の治療を助けたとされる光明皇后(奈良時代)にちなんで光明石と命名し、1968年、当時の厚生省に医薬部外品としての承認申請を出して認められた。現在のところ、医薬部外品としての承認は鉱石では唯一である。

 当初、佐藤が保持していた採掘・販売権は、その後設立された株式会社光明石製造所(本社=東京都足立区)に引き継がれた。また、光明の発音は、命名当時は皇后の名前のとおり、「こうみょう」とされたが、のちに耳になじみやすい「こうめい」と変わり、現在では「こうめいせき」と呼ばれている。

 医薬部外品承認により表記が認められている効果は、①疲労回復、②冷え性、③神経痛、④リウマチ、⑤肩のこり、⑥腰痛、⑦産前産後の冷え、⑧痔の8つの症状に対する効能効果である。この効果を最大限引き出すため、同製造所では採掘された光明石を破砕し、風呂に浸して使用する形にして供給・販売しており、現在、ここからの原料供給を受けた数社の販社が、独自商品の開発を含めて市場展開を行っている。

 光明石を浸した湯は、前記のように豊富なミネラル分を含むことから、入浴すると天然温泉と同等の、またはそれに近い効能を得られる。そのため、家庭用のほか各地のスパやホテル、旅館、学校などの浴場にも導入され、光明石人口温泉の表示のもと、広く利用されるようになっている。

水曜日, 9月 28, 2011

CMO

○CMO

 CMOはcetyl myristoleate(セチルミリストレイン酸エステル)の略。不飽和脂肪酸のミリストレイン酸のエステル化合物で、関節炎に対してグルコサミンやコンドロイチン硫酸を凌ぐ効果があると米国で注目された物質である。ミリストレイン酸はn-5系の脂肪酸だが、従来のn-3、n-6、n-9系の主要に扱ってきた栄養学ではまだ代謝の機構について十分に研究されていない。

 CMOが哺乳類の生体に存在することは、1971年に米国国立衛生研究所(NIH)の研究員だったH・ディールによってスイスアルビノマウスの体内から発見されたが、その後、牛や鯨のほか、他のげっ歯類の動物でも確認されている。ヒトは進化の系統樹からみるとげっ歯類から遠くないため、ヒトの身体でも重要な役割をしている可能性があるという。

 ディールは当時、各種動物に作用する消炎剤の研究をしていたが、その研究の一環として人工的に関節炎を起こさせるためフロイントアジュバント(熱処理したバクテリア)を動物に注射していた。その際、スイスアルビノマウスだけが炎症を起こさなかったことに気づき、炎症から身体を保護している物質としてCMOを特定した。予想通り炎症の保護をしていると推測できる結果が得られたのである。この消炎作用についてディールは、、哺乳類全体に適応できる手法として米国特許を取得している。

火曜日, 9月 27, 2011

米糠アラビノキシラン

○米糠アラビノキシラン

 アラビノキシラン(arabinoxylane)は多糖のアラビナン(構成糖はアラビノース)とキシラン(構成糖はキシロース)からなるヘミセルロース(半繊維素)で、小麦フスマの成分として知られているが、米糠やトウモロコシなどにも多く含まれている。小麦フスマはそのまま食物繊維素材として利用されることが多いが、米糠から分離されたアラビノキシランは酵素反応によって得られる誘導体がつくられており、免疫賦活物質として研究が活発に行われている。

 米糠アラビノキシランは誘導体は、大和薬品がアメリカの免疫学者マンドゥ・ゴーナムらの協力を得て開発したもので、米糠のヘミセルロースを素材に、シイタケ菌(DAIWA-A95菌)の培地濾液中に含まれる炭水化物培養分解複合酵素を反応させるという修飾方法がとられ、これによってヘミセルロース本来の複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活活性を与えることに成功したものだ。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は1995年のことで、以後本格的な基礎・臨床試験が開始され、多くの動物実験やガン患者への経口投与などを通じて、顕著なNK細胞活性の向上や、リンパ球のT細胞、B細胞の活性が高まることが報告されている。ゴーナムらはさらに、HIV感染症(エイズ)に対して米糠アラビノキシラン誘導体が有効性を示すとする基礎実験結果を報告して注目された(96年7月、第11回国際エイズ会議)。また国内でも大学や医療機関で糖尿病・慢性肝炎に対する効果試験が行われている。

月曜日, 9月 26, 2011

β-グルカン

○β-グルカン

 グルコース(ブドウ糖)を構成糖とする単一多糖類を総称してグルカンという。植物や動物、キノコ類、酵母に多く存在している。グルカンの代表はデンプン、グリコーゲン、セルロースである。

 グルカンは多数のグルコースが結合(脱水縮合)したものだが、結合する炭素の位置や結合の仕方の違いよって性質の異なるものとなる。例えばデンプンは食べると消化吸収されてエネルギー源になるが、セルロースは食べても消化吸収されない。これはグルコース同士の結合の違いからくるものである。グルコースの結合には、ヒドロキシ基(水酸基)が下にくるα型と、上にくるβ型とがある。また、結合している炭素の位置によって「1.4結合」や「1.6結合」などと示される。デンプンはα-1.4結合のα-グルカン、セルロースはβ-1.4結合のβ-グルカンである。

 β-グルカンはキノコ類に多く含まれ、抗腫瘍活性が認められていることから抗がんキノコの主要成分として重要である。これまでに、シイタケ子実体から得られたレンチナン、カワラタケ培養菌糸体からのクレスチン、スエヒロタケ培養の培地生産物であるシゾフィランが抗ガン剤として医薬品になっている。レンチナンとシゾフィランは、β-1.3結合した主鎖とβ-1.6結合の側鎖からなるβ-グルカンである。クレスチンは、β-グルカンにタンパク質が結合した複合糖質である。

 抗腫瘍効果が高いといわれているアガリクス・ブラゼイ・ムリル(姫マツタケ)には中性多糖、酸性複合多糖、タンパク多糖、核酸成分などが存在している。中性多糖はβ-1.6グルカンやキシログルカン、酸性複合多糖はガラクトグルカンのウルナイド、タンパク多糖はペプチドグルカン、核酸成分はリボヌクレオチドタンパクである。

 このように、一つのキノコの中にもこれだけ多くの多糖が含まれており、それらの作用もまた違ってくる。伊藤均(三重大学医学部)の研究によると、マウスを使って抗腫瘍効果を検討した実験では、β-1.6グルカンが最も高い抑制率を示したという。また宿前利郎(東京薬科大学)の報告では、サルノコシカケ科やシメジ科、ハラタケ科のキノコに多く含まれるβ-1.3グルカンには、経口投与によっても顕著な抗腫瘍活性が認められたとしている。

日曜日, 9月 25, 2011

植物ガム

 植物ガムは、植物の種子や樹皮に含まれる細胞膜の粘脂物で種子ガムと樹液ガムがある。種子ガムはグァーガム、マメ科イナゴマメの種子から得られるローカストビーンガム、マタタビ科タラの種子から得られるタラガムなどがある。樹液ガムにはアラビアガム、アオギリ科カラヤの幹から得られるカラヤガム、マメ科トラガントの幹から得られるトランガントガムなどがある。

○グアガム

 インドやパキスタンに生育するマメ科植物グァーの種子から採られる植物ガムで、ガラクトースとマンノースからなる高分子多糖類である。グアガムは水溶性の食物繊維として、便通や便性の改善などの整腸作用のほか、血糖値上昇抑制作用、コレステロールの低減作用などが古くから知られている。ただ粘度が高く、一般の食品に配合すると味や物性の面で問題があるため、微生物の酵素で加水分解して低分子化し、粘度を下げて利用されている。トクホの「おなかの調子を整える食品」の関与成分の一つである。

○アラビアガム

 アフリカのスーダンやナイジェリアに生育するマメ科の潅木アカシア・セネガルの樹液から得られる植物ガムで、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸などを主成分とする粘質多糖類である。グアガムに比べると粘度が非常に低いため、アイスクリームの安定剤など食品加工業界で幅広く使われている。アラビアガムは難消化性なので食物繊維としての機能性もあるが、生理作用の研究は少なく、便量の増加による整腸作用や腸内環境の改善などが報告されている程度である。

○サイリウム

 インド産のオオバコ科の植物ブロンドサイリウムの種皮から得られる植物ガムで、正式にはサイリウムガムという。キシロース、アラビノース、ラムノース、ガラクツロン酸からなる粘性多糖を主成分に、ペクチンやヘミセルロースなどが含まれている。食物繊維としての機能は整腸作用や血糖値の安定、コレステロール低下作用、ダイエット効果などが報告されている。

○微生物ガム

 糖を基質として微生物が発酵生産するガム類を総称して微生物ガムという。多くは食品添加物として使われているが食物繊維としての機能もある。デキストランはショ糖に乳酸菌を作用させて作られる増粘性の多糖で、医薬品に利用されている。カードランはエチレングリコールにグラム陰性細菌を作用して生産されるゲル化性の多糖で、食物繊維を約90%含む。キサンタンガムはグルコース基質としてグラム陰性細菌によって生産される増粘性の多糖で、食物繊維としてコレステロール低下作用が報告されている。プルランはデンプンを基質にして黒酵母によって生産される低粘度の多糖で、食物繊維を約80%含んでいる。

土曜日, 9月 24, 2011

水溶性食物繊維(3)

○難消化性デキストリン

 難消化性デキストリンは、デンプンの加水分解物であるデキストリンを酵素で分解し、難消化性部分を分離生成した低分子の水溶性食物繊維である。デキストリンに水を加えて溶解し、アミラーゼによる加水分解、脱色・脱塩などの処理をして得られる。

 生理機能としては整腸作用のほか、血糖値の上昇抑制、コレステロールの低下作用が認められている。また、口腔内で唾液アミラーゼの作用を受けにくいため虫歯菌にも利用されない。難消化性デキストリンは水によく溶け、低粘性・低甘味で食品本来の味やテクスチャーを損ねることがないため、飲料や菓子、練り製品、スープなど多くの食材に幅広く用いられている。トクホの「おなかの調子を整える食品」での許可実績が圧倒的に多く、2005年2月にスタートした。

○イヌリン

 イヌリンはキク科植物のダリア、ゴボウ、キクイモなどの塊茎に含まれる貯蔵物質で、フルクトースが20~30個程度結合した多糖類の一種である。消化酵素ではほとんど消化されないため食物繊維として利用されるほか、脂肪と似た食感が得られることから、洋菓子類などで脂肪摂取量を低減した製品に応用されている。イヌリンはこれまで植物の根から抽出されるのが一般的だったが、酵素を使って砂糖から直接製造する技術も開発されている。

○フルクタン

 フルクトースが多数結合した単一多糖で、食品ではラッキョウに多くて含まれている。水溶性食物繊維として機能性があり、便通改善、コレステロールの低下、利尿作用などがある。福井県農業試験所と同加工食品研究所は、ラッキョウ球根部からフルクタンを抽出する技術を開発し健康食品として製品化したほか、フルクタン入り食パンやパスタなども製造している。

○ポリデキストロース

 米ファイザー社が開発した水溶性食物繊維で、グルコース、ソルビトール、クエン酸を89:10:1の割合で混合し、高温真空化で重合反応させて得られる合成多糖である。ヒトの消化酵素で分解されずに大腸へ達し、腸内細菌にも利用されにくいためエネルギー量は1gあたり約1kcalと低い。便量の増加、消化管通過時間の短縮、便性の改善などが認められている。ポリデキストロースを配合した機能性飲料「ファイブミニ(大塚製薬)」は、日本における食物繊維ブームの火付け役であり、トクホ商品にもなっている。

金曜日, 9月 23, 2011

水溶性食物繊維(2)

○カラギーナン

 カラギーナンは、寒天と同じ紅藻類のキリンサイ(ミリン科)、トチャカ(スギノリ科)、オキツノリ(オキツノリ科)の細胞間質に存在する粘質多糖で、D-ガラクトースと硫酸を主成分とする酸性多糖である。

 ゲル化剤としてプリンやジャムに、増粘剤としてケチャップなどに利用されているほか、練歯磨やシャンプーにも配合されている。食物繊維としての機能は血中コレステロールの上昇抑制、血液の凝固防止、胃潰瘍の改善などが知られている。

○アルギン酸

 アルギン酸は、渇藻類の昆布やワカメ、ヒジキなどの細胞間質に存在するヌメリ成分で、マンヌロン酸とグルロン酸の2種類のウロン酸がβ-1.4結合した粘質多糖類である。褐藻類を薄いアルカリ液で煮て、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムとして抽出される。水に溶かすと粘度の高い液体となり、食品の安定剤としてアイスクリームやジャム、ゼリーに使われている。

 アルギン酸を分解する酵素はアルギナーゼで、細菌や海中に生息する生物には存在するが、ヒトの消化液には含まれていないため難消化性の食物繊維として機能する。

 アルギン酸の生理作用としては、便量の増加、排便の促進などの整腸作用、コレステロールの上昇抑制作用がある。また、アルギン酸カリウムは腸内でナトリウムを吸着して糞中に排泄させ、血圧上昇を抑制する働きがある。このほか、アルギン酸ナトリウムの分子を小さくして粘度を低くした低分子アルギン酸はコレステロールの吸収を抑えることがヒト試験で明らかにされており、清涼飲料水に配合されてトクホ製品になっている。

木曜日, 9月 22, 2011

不溶性食物繊維

○セルロース

 セルロースは植物の細胞壁の主成分で、自然界に最も多く存在する単一多糖類である。ヒトはセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持たないため小腸で消化吸収されることはなく、もっぱら食物繊維として機能性を発揮する。セルロースは日常の食事で摂取する食物繊維の大部分を占めており、特に穀類の外皮に多く含まれている。セルロースの生理作用としては、便量の増加や便秘改善などの整腸作用、悪臭物質や有害物質を減らして腸内環境を改善する作用がある。

○小麦ふすま

 小麦フスマは小麦の皮や胚芽の混合物で、小麦を精白したときにカスとして出る。成分の約60%は多糖で占められ、その内の2/3はヘミセルロース(アラビナンとキシランからなるアラビノキシラン)である。

 小麦フスマの生理作用としては大腸ガン(結腸ガン)の予防効果が知られているが、このほかにも腸内有用菌(ビフィズス菌)の増殖、コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、ナトリウム排泄促進などの効果が報告されている。小麦フスマには繊維以外に、フィチン酸やセレン、フェノール、ステロール、ビタミンEといった抗酸化成分も含まれている。食品としてはシリアルやビスケットとして供せられる。

○リグニン

 リグニンは、セルロースやヘミセルロースと共に植物の細胞壁を形成している高分子化合物である。セルロースやヘミセルロースは多糖類だが、リグニンは芳香族炭化水素重合体(ポリフェノールの重合物)である。木材乾燥物に約30%も含まれていることから木質素とも呼ばれている。リグニンを多く含む食品はカカオ、ピーナッツ、緑豆などの豆類である。カカオマス(カカオの胚乳を焙煎しペースト状にしたもの)にはリグニンが9.8%(セルロースは3.4%、ヘミセルロースは4.2%)含まれており、これを原料とするチョコレートは1.5~4%のリグニンを含有している。ココア飲料にも多い。

 リグニンはヒトの消化酵素で分解されないためほとんど吸収されない。また大腸の腸内細菌でも発酵・分解されにくいので、便のかさを増やし便性を改善して整腸効果を発揮する。さらに胆汁酸を吸着して体外へ排出する働きがあり、血中コレステロールの増加を抑制する作用がある。このほか発ガン物質として結合した大腸ガンを抑えるという報告もある。

水曜日, 9月 21, 2011

水溶性食物繊維(1)

○ペクチン

 ペクチンは果実や野菜類など多くの植物に含まれる天然物質で、細胞間の接着剤として、また組織の安定剤として機能している。ガラクツロン酸(ウロン酸の一種)が鎖状にα-1.4結合したペクチン酸(複合多糖)が主成分で、植物組織中ではセルロースなどと結合し、水に不要のプロトペクチンとして存在している。未熟な状態の果実に含まれているプロトペクチンは、成熟するに従って酵素の作用をうけペクチン酸に変わる。プロトペクチンを水や希酸で加熱すると水溶性のペクチンになる。

 ペクチンはゲル化(液体をゼリー状にする)作用、保水性、粘性に優れているため、ジャムのゲル化剤、マヨネーズの乳化剤、ケチャップの増粘剤など食品加工で幅広く使われている。また微生物培養地、、胃腸薬などにも利用されている。

 食物繊維としてペクチンの生理作用は、上記のゲル化能、保水性、粘性により、糖質の消化吸収を遅らせて血糖値の上昇を穏やかにし、インスリンの分泌を節約する作用、胆汁酸の吸収を阻害してコレステロールを低減する作用などが知られている。大腸に達したペクチンは腸内細菌による発酵をうけ、その大部分が分解されて短鎖脂肪酸となり1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーとなる。

○こんにゃくマンナン

 グルコマンナンともいう。コンニャクイモの塊茎に含まれる天然物質で、グルコースとマンノースがβ-1.4結合した複合多糖である。こんにゃくマンナンに水と消石灰を加えて加熱すると、凝固して食用コンニャクとなる。

 コンニャクマンナンは保水性が高く、水を吸収すると膨潤して容積を増す。また、粘性の高い水溶液をつくる性質がある。ヒトの消化酵素では分解されないため、高容積・高粘度の状態で腸管を通過し、その過程で食物繊維としての機能を発揮する。生理作用としてコレステロールの低減、糖尿病の予防、腸の老廃物や有害物質の排出、肥満防止などが知られている。

火曜日, 9月 20, 2011

クロム

○クロム

 クロムは18世紀にシベリアで発見された元素で、元素記号Cr。銀白色の金属である。常温で安定しており、空気中、水中で錆びない。3価クロムと6価クロムとがあるが、食品中を含めて自然界に存在するクロムはほとんどが3価クロムであり、ヒトにとって必須微量元素のひとつである。ちなみに6価クロムは人為的に作られたものが多く、生体への作用は3価クロムとは全く異なり、強酸化作用があって毒性が強い。

 ヒトが摂取したクロムは主に小腸で吸収されるが、吸収率は低く、0.5~2%程度とみられている。したがって、生体内に存在するクロムの量は極微量であり、また加齢とともに減少する唯一のミネラルである。生体内では、糖質代謝、コレステロール代謝、結合組織体者、タンパク質代謝の維持に関与しており、インスリンを活性化して、糖尿病や高脂血症を予防する効果がある。

 厚労省の「日本人の栄養所要量・食事摂取基準策定検討委員会」がまとめた基準(2005年版=平成17~21年の5年間使用)によると、クロムの推奨摂取利用は1日あたり・男性18~49歳40ug、50~69歳35ug、70歳以上30ug、女性18~69歳30ug、70歳以上で25ugとなっている。多く含まれている食品としては、可食部100gあたりで、干しひじき270ug、わかめ(乾)100ug、マイワシ(丸干し)76ug、アナゴ48ug、あさり45ug、ベーコン39ugなどがある。

 前記のように食品中の含有量が微量で体内への吸収率も低いことから、クロムは現代人には不足しがちなミネラル分のひとつに数えられている。クロムが不足すると、インスリン活性・感受性の低下、窒素代謝異常、体重減少、抹消神経障害、昏迷、角膜障害などが起こることがわかっている。とくにインスリン活性・感受性の低下は生活習慣病の一つである糖尿病の発症と密接につながっており、現代人にとってその対策が焦眉の課題となっている。というのも、日本人の糖尿病の95%はいわゆる「Ⅱ型」、つまりインスリン非依存型であり、インスリンは分泌されているにもかかわらず、活性が弱かったり、インスリンと結合する細胞のインスリン受容体の働きが悪くなったりするのが原因とみられている。これらはインスリン抵抗性と呼ばれ、血中にインスリンが相当量あるのにブドウ糖が細胞内に取り込まれず、血糖値が高いという状態(=Ⅱ型糖尿病)を引き起こす大きな要因ともなっている。

 一方、細胞内にインスリン抵抗性を改善する成分「GTF(グルコース・トレランス・ファクター=ブドウ糖耐性因子)」が存在する。GTFは1957年、米農務省人間栄養研究所理事であったウォルター・メルツ博士が豚の肝臓中から発見した物質で、博士はその核心をなす物質がクロムであることを確認した。クロムが不足すると、生体はこのGTFを作れなくなり、インスリン抵抗性を高める結果となる。逆にいえば、GTFは十分に足りている状態であればインスリン抵抗性は弱められ、糖尿病改善に大きな効果があると考えられたが、合成にはいたらなかった。

 その後、米ウィスコンシン大学フランク・マオ博士(内分泌学)らの研究チームがGTFの組織の詳細を解明、2000年には最先端のバイオテクノロジー活用により安定したGTFを作り出す技術が開発された。

 健康食品としてのクロムの最新製品は、このGTF技術を作ったもので、特に最近注目されているのがクロムフェリンである。これは、牛の初乳に含まれる微量のタンパク質ラクトフェリンにクロム酵母を結合させたもので、体内に取り込まれるとGTFに転換され、インスリン活性・感受性を高める働きをする。アメリカFDAの認可を受け、すでにアメリカ、オーストラリア、ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、マレーシア、韓国、中国、台湾、日本などにおける臨床データで約80~90%の改善例が報告されているという。こうした新タイプの健康食品の開発は、糖尿病改善に新たな展望をもたらすことにもつながると目され、期待が集まっている。

日曜日, 9月 18, 2011

ミネラル

○ミネラル

 ミネラル(mineral)は、鉱物を意味する英語のマイン(mine)からきた言葉で、無機質といわれる。人体を構成する物質は60%が水(細胞内液、組織間液、血漿)、35^36%が有機化合物(タンパク質・脂質・糖質)で、ミネラル(無機質)は4~5%にすぎない。しかもその約半分は骨の主要成分であるカルシウムで、他の生体金属元素は遥かに少ない。にもかかわらず、それらは生体内の浸透圧の調整、体内物質の輸送、酸・塩基平衡、筋肉の維持機能、酵素の補助因子など、生命活動に不可欠の物質として存在しており、健康維持の上でも重要な栄養素であることが広く認められている。

 食品に含まれるミネラルは精製・加工の段階で失われることが多い。その一方で、加工食品に添加されるリンやナトリウムなどのミネラルは過剰摂取の傾向があり、現代の食生活ではミネラル類の摂取がアンバランスな状態になりやすいとも指摘されている。

 ミネラルは必須ミネラル(日々の食事から摂らなければならないもの)と非必須ミネラルに分けられ、現在、29種のミネラルが必須とされている。この内、生体内での存在量や必要量、食事からの摂取量が多いものを必須主要ミネラル、それ以外のものを必須微量ミネラルと呼んで区別している。

 なお、厚生労働省の健康増進法施行規則第16条では、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、、要素、リンの12種を栄養成分として定めている。

土曜日, 9月 17, 2011

ビタミン

○ビタミン

 糖質・脂質・タンパク質などが生体内で十分に機能するために必要な有機化合物の総称。生体内で合成できないか、きわめて合成されにくいため、食品などから摂取しなければならない。ビタミンという名称は、1911年にポーランドのC・フンクが米ぬかのエキスから白米病に有効な物質を遊離して、それが炭素・水素・窒素からなるアミノ化合物のアミン(amine)であると考え、生命(vita)に必要なアミン、すなわちビタミン(vitamine)と命名したことに始まる。

 1910年に農芸化学者の鈴木梅太郎が、精米時に捨てられる米糠に脚気を防ぐ成分が含まれていることを発見、その物質をオリザニンと名付けた。これがビタミンB1の発見である。ついで米国のE・マッカラムやH・スティーンボックらは牛乳やバターなど油脂分の中にも有効成分の存在を認め、前記のオリザニンを含むこれら未知の成分を脂溶性A「」「水溶性B」と名付けた。

 さらに1918年、米国のL・メンデルらはオレンジの酸性水溶性エキスに壊血病を防ぐ成分を発見、その翌年に英国のJ・ドラモンドがこれを「水溶性C」と名付けると共に、これらをビタミンと総称し、それぞれA・B・Cと符号をつけて呼ぶことを提案した。以後、順次発見されていく過程でアルファベット符号がつけられてきたが、後にそれがビタミンでないと判明したり、あるいは別の物質名で呼ばれることになったりしたことから、現在認められている13種類のビタミン類(脂溶性のビタミンA・D・E・K、水溶性のB1・B2・B6・B12・C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)のアルファベット符号は飛び飛びである。また、これらのほかにビタミン様作用物質と呼ばれる有機化合物という。

 ビタミンは必要量はわずかだが必須の栄養素である。水溶性のビタミンは摂り過ぎた分は排泄されるが、脂溶性のものは過剰症が心配される。

金曜日, 9月 16, 2011

UC-Ⅱ

○UC-Ⅱ(非変性天然Ⅱ型コラーゲン)

 UC-Ⅱは英語名(Undenatured Type2 collagen)から名づけられたもので、その名のとおり、天然成分から抽出した、もとの自然の形が変性させられていないタイプのⅡ型コラーゲンである。Ⅱ型コラーゲンとは19種あることが知られるコラーゲンファミリーの中のひとつで、従来からよく知られているⅠ型コラーゲンとはアミノ酸配列が異なる。Ⅰ型が主に皮膚や腱に含まれるのに対して、Ⅱ型は軟骨や硝子体に多く含まれている。

 最近、関節の健康はもとより、美容・アンチエイジングに関与することが知られてきているⅠ型コラーゲンだが、健康食品等の形に加工する際、高温・化学処理等が行われると、もともと持っていた自然の活性が失われ、体内で消化吸収されにくくなってしまう。この欠点をカバーする形で開発されたのでUC-Ⅱであり、アメリカのインターヘルス社が登録商標を有する。多くのコラーゲン関連の健康食品がサメの軟骨などを原料としているに対し、若い鶏の胸骨から作られている点も大きな特徴といえる。

 開発に大きな功績があったのは、デビット・トレンザム博士で、博士を中心としたハーバード大学医学部グループならびにその他の研究機関が1993~1998年にヒト臨床実験を行い、効果を確認している。