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日曜日, 9月 11, 2011

多糖類(1)

○デキストリン(dextrin)

 糊精ともいう。デンプンを熱や酸などで加水分解する際に生じる低分子の中間性生物の総称。ご飯を炊いたときにフタに薄くつくオブラート状のものもデキストリンの一種である。デキストリンを酵素で分解し、難消化性部分を分取したものを難消化性デキストリンと呼び、水溶性食物繊維として利用されている。

○グリコーゲン(glycogen)

グリコーゲンは動物の肝臓や筋肉に存在する貯蔵多糖類である。グルコースのみで構成される単一多糖で、構造はデンプンのアミロペクチンに類似している。食事で摂取したデンプンは消化酵素の働きでグルコースとなって肝臓に吸収され、その一部は血液に出てエネルギー源となるが、それ以外はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられる。(通常、肝臓には70g、筋肉に400g)

 肝臓のグリコーゲンは、血液中のグルコース濃度が低下したときなどに分解してグルコースとなり血液中に供給される。筋肉中のグリコーゲンは、筋肉の収縮する時のエネルギー源として使われる。グリコーゲンは動物の死後、急速に分解されてしまうため、一般の食肉中には少ない。牡蠣はグリコーゲンを豊富に含む食品として知られているが、時期により含有量は大きく変化し、マガキは冬、イワガキは夏に最大となる。

土曜日, 9月 10, 2011

少糖類

 少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトース)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能面から関心を集めている。

○スクロース(sucrose)

 ショ糖ともいう。グルコースとフルクトースがα-1.2結合した二糖類で、砂糖の主成分である。果物や花蜜など多くの植物に存在するが、特にサトウキビやサトウダイコンなどに多く含まれている。食事で体内に取り組まれたスクロースは、サッカラーゼという酵素によってグルコースとフルクトースに切断され、小腸で吸収されてエネルギー源となる。

○マルトース(maltose)

 麦芽糖ともいう。2個のグルコースがα-1.4結合した二糖類で、発芽種子、特に麦芽に多く含まれている。甘さはスクロースの3分の1程度。水飴の柔らかな甘味の主成分になっている。デンプンやグリコーゲンを加水分解すると得られる。マルトースは、小腸でマルターゼという酵素によって2個のグルコースに切断され吸収される。

○ラクトース(lactose)

 乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の5分の1程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。

 ラクトースは、小腸でラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症という。

金曜日, 9月 09, 2011

糖アルコール

○糖アルコール

 単糖類のカルボニル基を還元して得られる多価アルコールを総称して糖アルコールという。ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがある。糖アルコールはグルコースと同じ程度の甘さを持つが、生体内での化学反応が進行しにくいためエネルギー源になりにくい。そのため低カロリー甘味料として幅広く利用されている。

※ソルビトール(sorbitol)

 グルコース(ブドウ糖)が還元されてできる六価の糖アルコール。自然界ではナナカマドやプルーンの実、海藻類に多く含まれている。工業的にはグルコースをニッケル触媒下で還元して生産される。甘味度はグルコースとほぼ同じだが、カロリーは3分の2と少なく、血糖値を急激に上昇させたり虫歯の原因にならないので、シュガーレス甘味料として錠果などに広く利用されている。

※マンニトール(mannitol)

 マンノースが還元されてできる六価の糖アルコール。天然に広く存在し、特に干し昆布の表面に付く白粉中に多い。甘味度はグルコースとほぼ同じだが、カロリーは約2分の1と少なく、低カロリー甘味料として利用される。

※キシリトール(xylitol)

 キシロースが還元されてできる五価の糖アルコール。工業的にはトウモロコシの芯などに含まれる多糖キシランを分解してキシロースを得、それをニッケル触媒下で還元して生産される。甘味度はショ糖とほぼ同等。

 キシリトールには虫歯の原因となる酸を抑制する作用があり、欧米では早くから虫歯になりにくい甘味料として利用されてきた。日本では当初、医薬品成分に指定されていたが、1997年に食品添加物としての使用が認められ、キシリトール入りのガムやキャンディ、歯磨きが相次いで登場した。トクホの虫歯になりにくい食品の関与成分の一つにもなっている。

※エリスリトール(erythritol)

 果実や清酒など発酵食品に微量に存在する四価の糖アルコール。工業的にはグルコースに酵母を作用させて発酵法で作る。甘味度はショ糖の約80%程度である。エリスリトールは小腸で吸収されるが、その9割以上は代謝されずに尿中に排泄され、残り1割が大腸で発酵をうけて短鎖脂肪酸に代謝される。そのため1gあたりのエネルギー値は0.3kcal(ショ糖の13分の1)と少なく、血糖値の上昇や虫歯の原因とならない。健康甘味料や清涼飲料水に広く利用されている。

※マルチトール(maltitol)

 還元麦芽糖ともいう。グルコースとソルビトールが結合した糖アルコールで、マルトース(麦芽糖)を高圧水素添加により還元して製造される。甘味度はショ糖の80%。生体酵素による分解度が遅く、一部は小腸で消化吸収されるが、大半は大腸へ達して腸内細菌による発酵をうけ、1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーにしかならない。摂取後の血糖値の上昇が低いため糖尿病患者用の甘味料として使われることが多い。ダイエット食品や虫歯になりにくいガムにも利用されている。

※ラクチトール(lactitol)

 還元乳糖もという。ラクトース(乳糖)のグルコース基が還元された糖アルコールで、ラクトースを高圧水素添加により還元して製造される。甘味度はショ糖の約半分以下。難消化性、非う蝕性があり、血糖値の上昇を抑える作用が認められている。

※パラチニット(palatinit)

 パラチノースを還元してつくられる糖アルコール。還元パラチノースともいう。甘味度はショ糖の約30~40%。生体酵素による分解速度が遅く、一部は小腸で消化吸収されるが、大半は大腸に達して腸内細菌による発酵をうけ、1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーにしかならない。常用しても虫歯になりにくいことがヒト試験で証明されており、トクホの虫歯になりにくい食品の関与成分になっている。ガムやチョコレートなどの甘味料として用いられる。

木曜日, 9月 08, 2011

糖質

○糖質

 糖質は、デンプンや砂糖に代表される炭水化物(糖類)と、これに関連する有機化合物の総称で、植物や動物、菌類などに広く存在する物質である。

 炭水化物は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)の3元素からなり、分子の構造が「炭素」と「水」が化合した「Cm(H2O)n」をしていることから、こう呼ばれている。従来は「糖=炭水化物」とされてきたが、糖の中には、多糖類のキチンのように窒素(N)を含み、炭水化物とは異なる構造を持つものも多数存在することがわかってきた。そのため現在は、炭水化物以外の糖も含め、それらを広く糖質として扱っている。

 糖質は脂質・タンパク質と共に三大栄養素の一つであり、主に動物のエネルギー源として利用される。ショ糖やデンプンなど、小腸で消化吸収される糖質1gから得られるエネルギー(熱量)は約4kcalである。これに対し、難消化性オリゴ糖や食物繊維(多糖類)などは消化吸収されずに大腸へ達し、腸内細菌による発酵をうけて短鎖脂肪酸を生産し、0~2kcalのエネルギーとなる。「日本人の食事摂取基準・2005年度版」では、成人が1日に必要とするエネルギー量は、中程度の身体活動レベルで男性が2400~2650kcal、女性が1950~2050kcalとされ、この内、50~70%を糖質(炭水化物)から摂取することを目標量としている。

 糖質は単糖類・少糖類・多糖類に分類される。単糖は分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖で、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)などがある。少糖は単糖が2~10個程度結合したもので、オリゴ糖とも呼ばれる。スクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)などのほか、これらを材料に酵素の働きを利用してできた高分子化合物で、デンプンやグリコーゲンのように生物のエネルギー源になるもの、セルロースやペクチンのように植物の骨格材料として存在するものなど、数多くの種類がある。

 単糖類や少糖類、多糖類には、それぞれに異なった健康機能性がある。食物として摂取した糖質は消化酵素によって最小単位の単糖にまで分解され、小腸壁で吸収される。これらの単糖は門脈を経て肝臓に運ばれ、すべてがグルコースに変えられてエネルギー源となり、一部はグリコーゲン(多糖)に合成されて貯蔵される。また、中性脂肪やアミノ酸に変えられ、貯蔵エネルギーやタンパク質の合成にも利用されている。このほか、一部の単糖はタンパク質などと結合して糖鎖の形になり、血液型の決定や免疫反応、細胞を識別する情報の担い手としても働いている。

 少糖は主に甘味料の成分として利用されるが、近年新たに開発される各種オリゴ糖の中には、腸内の有用細菌を増殖させる作用や血糖値低下作用、歯の抗う蝕作用を持つものがある。

 また多糖類の内、セルロースやペクチンなどはヒトの消化液では分解されず、消化も吸収もされないことから長らく栄養的に重要視されていなかったが、近年、これらの難消化性多糖類にコレステロールの上昇を抑制する作用や血糖値の上昇を抑える作用、腸の蠕動運動を活発化して排便を促進させる作用のあることがわかり、食物繊維として一躍注目されるようになった。

水曜日, 9月 07, 2011

ハーブティー(3)

○フィールドポピーティー

 フィールドポピーはケシ科の一年草で、学名はPapaver rhoeas。ドイツやフランスの麦畑や道路端に焔のような真っ赤な色で咲くので、コーンポピー(麦のケシ)とも呼ばれている。この花びらを乾燥させたつくるフィールドポピーティーには鎮静作用があり、飲むと”安眠が約束される”といわれている。アヘンを含むケシとは別種なので、危険も心配もなく、従って栽培はまったく自由。のどの痛みや咳にも効果がある。

○サフラワーティー

 サフラワーはキク科の一年草で、学名はCarthamus tinctorius。日本では紅花として知られている。古くから優れた染料や薬として利用されてきた花弁がハーブティーとしても利用される。花は咲き始めは黄色だが、しだいに橙色から紅色に変わる。橙色の頃に花柄ごと切り取って干し、乾燥したところで花びらだけを抜き取ってお茶のように用いる。サフランと同様の明るい黄色で、香りもよく似たハーブティーができ、効能もそれに似て鎮静・鎮痛・通経などである。

火曜日, 9月 06, 2011

ハーブティー(2)

○サフランティー

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、学名はCrocus sativus。真っ赤な花柱はパエリヤやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われる。此花の雌しべの先(柱頭)だけを摘み取り乾燥させたものがハーブのサフランで、カップに3~6本入れて湯を注ぐだけで明るい黄色のサフランティーができあがる。香りは婦人薬の中将湯に似ており、効果も同じように血の道症・不眠・イライラ・肩こり・のぼせ・頭痛などの不定愁訴に効き、駆お血作用があるとされる。

○ミントティー

 ミントはシソ科の多年草で、日本ではハッカ(薄荷)という。葉に精油成分(メントール)が含まれ、古くから発汗・解熱・健胃の生薬として用いられたきたほか、胃腸薬や各種内服用製剤、軟膏などにも広く利用されている。精油成分のやや少ないペパーミント(学名はMentha piperita)やスペアミント(学名はMentha spicata)などの種類が、スッキリした清涼が好まれてハーブティーに利用される。中世ヨーロッパでは、紅茶は特権階級のもので一般庶民が飲むことは禁じられていたが、ハーブティーは飲用を許されていたので、人々はミントティーやカモマイルティーをそれぞれ、”サンタマリア・ティー”とか”ノートルダム・ティー”などと称して飲んでいたという。

○ハイビスカスティー

 ハイビスカスはアオイ科の常緑低木で多くの種類があるが、ハーブティーに使われるのはアフリカ原産のサブダリハ(学名Hibiscus sabdariffa)と呼ばれる種類である。これはハワイや沖縄などで観賞用にゴージャスな赤い花を咲かす種類とは異なり、花は小さく貧弱だが、その花(というより萼)を干したものを使う。お茶のように入れると、爽やかな酸味と鮮やかな紅色の飲料となる。疲労回復、造血作用などの効用があり、欧米ではスポーツ選手に愛飲者が多い。クセがないので誰にでも喜ばれ、シャーベットやゼリーにも使われるほか、東南アジアでは葉も一種にサラダや漬物(日本の梅干や赤ジソのように)として利用されている。

日曜日, 9月 04, 2011

ハーブティー(1)

○ローズティー

 ローズティーには、①バラの花の実を利用したローズヒップティーといわれるもの、②中国産の球塊(メイグァイ)という日本のハマナスに似たバラの花弁や、西洋の大型のバラの花弁を乾かしてお茶の葉のようにして飲むもの、③紅茶や中国茶に花弁を混ぜ合わせて、その香りを移して飲むもの、の3種類がある。

 最近、女性の間で人気が高いローズヒップティー(rosehip tea)は、バラ科のドッグローズ(dog rose、学名はRosa camina)の実(ヒップ)を干して砕き、お湯を注いでつくるハーブティーである。ドイツなど北ヨーロッパで冬の間ビタミンC不足から起きる病気を防ぐ(経験上)ため愛飲していたもので、”北国のレモン”ともいわれる。ドイツではこのバラの実にカルカーデ(ハイビスカス)を配合して飲んでいる。

○カモマイルティー

 カモマイルはヨーロッパ原産のキク科シカギク属の一年草で、学名はMatricaria recutita。カモミール(仏)、カミツレ(蘭)ともいう。小さな花を摘んで乾燥させハーブティーとして利用する。カモマイルには大型のジャーマン種と小型のローマン種という異なる種があるが、効能もよく似ているため普通は問題とされない。独特の香りが好悪を分けるが、風邪の初期(喉や鼻の痛み)には非常によく効き、昔から”医者の草”と呼ばれ、医療用ハーブとしても長い歴史がある。

 発汗を促し、頭痛など各種の痛みを和らげるなど効能が多いが、女性に特有の諸症状にもよく効くので、ドイツでは”ムッテル(母)のクロイター(薬草)”と呼ばれる。北欧系女性の金髪が美しいのは、このティーでリンスするからだとも言われている。他の多くのハーブ同様、お茶やコーヒーとは逆に鎮静作用があり、就寝前に飲むと睡眠誘導効果もあるので、グッドナイト・ティーという別名もある。

土曜日, 9月 03, 2011

色々な健康茶(3)

○南天茶

 南天はメギ科の常緑灌木で、別名を南天竹、南天燭という。生薬名は南天実。”難を転じて福にする”という縁起から広く親しまれ、例えば赤飯に南天の葉が添えられているのは、「食中毒の心配はありません」ということからである。

 主な成分はナンジニン、アセトン、ベルベリンで、果実にはアルカロイドのドメスチンが含まれている。ドメスチンは咳止め作用のある成分として知られている。効用と用い方は、①痛風、脚気(根を煎じて飲む)、②咳、扁桃腺炎、口内炎、咽頭炎(葉と実を濃く煎じて飲む)、③疲れ目、視力強化、白内障(果実を煎じて飲む)、④やけど、腫れ物、蜂刺され(葉の生汁を塗る)、⑤食あたり、魚の中毒(葉を噛んでいると毒物を吐く)などである。

苦丁茶

 苦丁茶は中国の南部、及び西部で保健茶として飲用されている茶で、独特の苦味と清涼感を特徴とする。中国でも茶の中では生産量が少なく、大変貴重な高級茶とされる。場所によって、モクセイ科、オトギリソウ科、モチノキ科、ムラサキ科、バラ科などさまざまな植物の葉を用いて作られている。

 四川省産の苦丁茶には、清熱、降圧、防暑の効あり、雲南省の苦丁茶には、防暑、消炎、増智、抗疲労等の効ありとされる。また四川省さんなどのLigustrum属植物を基原とする苦丁茶中には、モノテルペンやフェニルエタノイド配糖体が含まれ、特にモノテルペン配糖体にはコレステロールの吸収や生合成に関与するACATという酵素の阻害作用があることが報告されており、血中脂質改善効果が期待されている。

金曜日, 9月 02, 2011

色々な健康茶(2)

○露草茶(つゆくさちゃ)

 ツユクサはツユクサ科の一年草で、別名はボウシバナ、アイバナ、ホタルグサ。ツユクサの青い色素は、友禅や絞り染めの下絵を書くのに用いられる。花、茎、葉、根の全てが薬用になり、主な成分としては青色素のデルフィニジン、コンメリニン、タンニンなどが含まれる。その効用は、①心臓病、腎臓病、下痢、むくみ、尿閉塞、発熱、喘息、神経痛(全草を煎じて飲む)、②動悸、息切れ、胎毒、肥満(葉と茎と葉で青汁を作って飲む)、③咽頭炎、扁桃腺炎(煎じ汁でうがいをする)、④結膜炎(絞り汁で目を洗う)、痔(花弁を揉んで貼る)、腫れ物、毒虫指され、口内炎(花と葉の搾り汁をつける)などとされる。

○萩茶(はぎちゃ)

 ハギはマメ科の亜灌木植物で、良く芽を出すことか生芽の別名がある。ススキと共に秋を代表とする草で、秋の七草の一つに数えられている。葉を刻んで乾燥させたものを煎じて常飲すると、めまい、のぼせ、ノイローゼ、咳、腫れ物などに効用がある。

○雪の下茶(ゆきのしたちゃ)

 ユキノシタはユキノシタ科の常緑多年草で、生由来は雪の下にあっても青々としているところからきている。別名は鴨脚草。生薬名の虎耳草は葉の形が虎の耳に似ていることから。主な成分としてベルゲニン、クロロゲン酸などの配糖体を含んでいる。その効用は幅広く、①心臓病、腎臓病、むくみ(生葉20枚位を煎じてお茶代わりに飲む)、②咳、風邪(葉を10gと甘草2gを煎じて飲む)、③顔面神経痛(キャベツ、大根の葉タンポポの青汁に加えて少量を毎日飲む)、④小児病、百日咳、ひきつけ(葉の絞り汁を飲む)、⑤のぼせ、めまい(葉の青汁を盃に1杯ずつ飲む)などとされている。

木曜日, 9月 01, 2011

色々な健康茶(1)

○女郎花茶(おみなえし茶)

 オミナエシ(女郎花)はオミナエシ科の多年草で、日当たりの良い草原に自生する。血眼草という別名もある。秋の七草の一つである。根を煎じて飲む。含有成分にはオレアノール酸を含み、大阪大学薬理学部が敗醤根(オミナエシの根の生薬名)の制ガン作用について研究発表をしている。その効用は①制ガン作用のほか、鼻血、むくみ、肺脳腫、胆のう炎、婦人のお血、こしけ、腫れ物(根の煎じ汁を服用する)、②眼病、充血(根の煎じ液で洗眼するとよい、血眼草ともいわれるのはこのため)などとされる。

○薊茶(あざみ茶)

 アザミ(薊)はキク科の多年草で、葉や総苞には棘がある。触れると痛い目にあい、”欺かれる”ことからこの名がついた。別名はチジリソウ。根を煎じて飲む。主な成分としてクロロゲン酸を含み、これはコーヒー豆中でカフェインと結合している物質である。効用は胃腸病、浮腫、夜尿症のほか、化膿性疾患(根と葉をつぶして患部に貼ると痛み止めになる)などである。

○撫子茶(なでしこ茶)

 ナデシコはナデシコ科の多年草で、別名はカワラナデシコ。秋の七草の一つである。主な成分として、根にトリテルペノイドのギプソゲニン酸という配糖体が含まれている。効用は、①むくみ、生理不順(種子10gを水400mlを水40mlで半分になるまで煎じて1日3回飲む)、②膀胱炎(全草を刻んで煎じて飲む)などとされる。

水曜日, 8月 31, 2011

色々な菌株(4)

○ヤクルト菌

 ヤクルト本社が保有する乳酸菌で、正式な菌名はラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(Lactobacillus casei Shirota)。1930年年に代田稔(京都帝国大学医学部微生物学教室)が世界で初めて培養に成功した人腸乳酸菌で、35年には同菌を使用した乳酸菌飲料ヤクルトが発売されている。ヤクルト菌には、腸の蠕動運動を高める、有害菌の増殖を抑える、免疫力を維持する働きが認められている。

○K-1菌

 亀田製菓が2001年に、日本で初めて米から分離して開発した植物性乳酸菌。正式な名称は菌名はラクトバチルス・カゼイ・カメダ1株(Lactobaciluss casei KAMEDA-1)。日本人の食生活をモデル化した腸内栄養成分で増殖し、胃液に耐えて腸まで届くことが実験で確かめられており、植物性食品を多くとってきた日本人の胃腸によくフィットするのが特徴である。

 K-1菌には、整腸作用のほか、細胞の突然変異を抑える抗変異原性のあることが、同社と東京農業大学菌株保存室の共同研究で明らかにされている(日本農芸化学会2001年度大会で発表)。同研究によると、K-1菌は5種類の発ガン物質・変異原性物質を無毒化する働きに優れている。特定されたのは①4NQO(胃ガン、大腸ガンを誘発するガン原生物質)、②Trp-P1(肉や魚のコゲに含まれる変異原性物質)、③Trp-P2(同)、④2-AA(発ガン物質)、⑤MNNG(胃ガン、大腸ガンを発生させる発ガン物質)で、同菌が腸内でこれらと反応すると無毒化され、大腸ガンを予防する可能性があるという。K-1菌は、同社の「植物性乳酸菌ヨーグルト」に使われている。

火曜日, 8月 30, 2011

色々な菌株(3)

○LC1菌

 ネスレ中央研究所(スイス、ローザンヌ)で単離されたプロバイオティクス乳酸菌。正式な菌名はラクトバチルス・ジョンソニーLC1(Lactobacillus johnsonii LC1)。LC1菌は経口摂取によって腸壁に接着し、病原菌の物理的排除、抗菌物質の分泌、免疫細胞の活性化などに働く。胃のピロリ菌抑制にも有効である。同菌を使用したヨーグルトLC1を販売している。また、東京農業大学との共同でアレルギー症改善に関する研究も進めている。

○ロイテリ菌

 スウェーデンのバイオガイア社が保有する乳酸菌で、正式な菌名はラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)。腸内でロイテリンという抗生物質を生産し、大腸菌やサルモネラ菌、ブドウ状球菌などの有害菌の繫殖を抑える作用がある。日本ではチチヤス乳業がライセンス契約により、自社の「ロイテリ菌ヨーグルト」に使用している。同社は広島大学歯学部付属病院の二川浩樹らのグループと共同で、ロイテリ菌の虫歯予防効果についての研究を行い、虫歯菌の発育を阻止する作用があることを明らかにしている。

月曜日, 8月 29, 2011

色々な菌株(2)

○L-92乳酸菌

 カルピスが開発したアレルギー改善作用のある乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・アシドフィルスCK92株(Lactobacillus acidophilus CK92)。同社が保有する2000種以上の菌の中から、アレルギーに関与する”Th1/Th2バランス”の改善効果が高い菌とした選び出された。ヒト試験による花粉症に対する改善作用に加え、ダニやハウスダストなどによる通年性アレルギー性鼻炎にも改善効果のあることが確認されている。「インターバランスL-92」シリーズとして、同社の清涼飲料水や乳酸菌飲料、サプリメントに使われている。

○LGG菌

 フィンランドのバリオ者が保有する乳酸菌で、1985年にゴルバッハ(Gorbach)とゴルディン(Goldin)の2人の医学者によって発見された。正式な名称はラクトバチルス・ラムノーサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)。GGは発見者2人の頭文字からとられている。1997年に同社が、LGG菌によって乳幼児のアトピー性皮膚炎の症状が抑えられたという研究結果を発表し、乳酸菌の新機能としてアレルギー改善作用が世界的に注目され始めた。日本ではタカナシ乳業がライセンス契約により、自社のヨーグルトに使用している。同社は東京農業大学と共同で、アトピー性皮膚炎とT細胞との関連に着目してLGG菌の研究を進めており、LGG菌由来の物質がマウスT細胞の異常増殖を強力に抑えるという発表を行っている(2005年2月)。

日曜日, 8月 28, 2011

色々な菌株(1)

○LG21菌

 明治乳業が東海大学医学部の古賀泰裕らとの共同開発で開発した乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・ガッセリOLL2716(Lactobacillus gasseri OLL2716)。経口投与によるヒト試験を実施し、同菌が胃のピロリ菌を減少させることを確認している。LG21菌は同社が保有する約200種類のラクトバチルス属乳酸菌から選ばれたもので、①低栄養条件下でも増殖力が強いこと、②乳酸生産力が高いこと、③胃上皮細胞への接着が可能なこと、④耐酸性が優れていること、⑤人体に安全であることの5項目を満たし、さらにピロリ菌を減らす効果が最も高かった菌である。同社の「プロビオヨーグルトLG21」に使われており、機能性ヨーグルトとして人気がある。

○KW乳酸菌

 キリンビールフロンティア技術研究所が昭和女子大学大学院生活機構研究かと共同で開発した乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・パラカゼイKW3110(Lactobacillus paracasei KW3110)。ヒトによる摂取試験で花粉症の改善効果が確認されている。花粉症アレルギーには、2タイプのヘルパーT細胞(Th1とTh2)が関係しており、アレルギー状態のときは両者のバランス崩れ、Th1が減少し、Th2が上昇するといわれている。

 KW乳酸菌は、グループ企業の小岩井乳業が保有する100種類以上の乳酸菌の中から、”Th1/Th2バランス”の改善効果が高い菌として選び出された。小岩井乳業の「小岩井KW乳酸菌ヨーグルト」、キリンウェルネスフーズの健康食品「ノアレ」、キリンビバレッジの清涼飲料水「体質水」などに使われている。

土曜日, 8月 27, 2011

酢酸菌

○酢酸菌

 エタノール(エチルアルコール)を酸化させて酢酸を生成することでエネルギーを獲得している好気性細菌(バクテリア)の総称で、自然界では花や果実に多く存在している。アルコールと酸素から酢酸を生産する代謝を酢酸発酵という。酢酸は食酢の主成分である。

 食酢は穀類や果実を原料に、酵母によるアルコール発酵で酒をつくり、その後、酢酸菌でアルコールを分解する2段階発酵で作られる。だが、酢酸発酵は好気性で酸素を必要とする。酢の醸造に使われる酢酸菌はアルコールの分解能が高いアセトバクター属(Acetobacter)の菌で、アセトバクター・アセチ(A.aceti)やアセトバクター・シューゼンバチイ(A.schuezenbachii)がある。酢酸菌はまた、ソルビトール(糖アルコール)を原料としたビタミンCの生産や、ココナッツ果汁から作られるナタ・デ・ココにも使われている。

金曜日, 8月 26, 2011

麹菌

○麹菌

 麹をつくる際に使用されるカビ(黴)で、コウジカビともいう。わが国で使われているのは子嚢菌類のアスペルギルス属(Aspergillus)のカビである。分生子(胞子)の色の違いから黄麹菌、黒麹菌、白麹菌がある。一方、他のアジア圏ではリゾープス属(Rhizopus)やムコール属(Mucor)のカビが使われている。

※黄麹菌

 分生子(胞子)の色が黄色のためこう呼ばれる。わが国で最も多く使われている麹菌で、デンプン分解酵素(α-アミラーゼなど)やタンパク質分解酵素(プロテアーゼなど)の生産性が高い。清酒や味噌、醤油、味醂など、ほとんどの発酵食品に使われるアスペルギルス・オリゼ(A.oryzae)、主に醤油の醸造に使われるアスペルギルス・ソーヤ(A.aojae)がある。A・オリゼは酵素剤の製造にも古くから使われている。1909年、科学者の高嶺譲吉によって小麦フスマから抽出されたタカヂアスターゼは、工業的につくられた世界初酵素剤である。

※黒麹菌

 分生子の色が黒色のためこう呼ばれる。代表的なものに沖縄で泡盛の製造に使われているアスペルギルス・アワモリ(A.awamori)がある。クエン酸の産生能が高く、もろみが酸性状態で維持されるので雑菌の繁殖防止につながり、高温地域での酒造りに適している。泡盛醪の残渣からつくられる琉球もろみ酢はクエン酸を大量に含んだ健康飲料である。

※白麹菌

 黒麹菌の変異株で、分生子の色が白色に近いためこう呼ばれる。九州地方で焼酎製造に使われているアスペルギルス・カワチ(A.kawachii)、アスペルギルス・シロウサミ(A.shirousamii)がある。

木曜日, 8月 25, 2011

○麹

 麹は、米や麦、豆などの穀物、その副産物のフスマやなどにカビの一種である麹菌を繁殖させたもので、デンプンを糖化(分解)させる作用を持つ。原料となる穀物の違いで、米麹、麦麹、豆麹があり、酒類のほか、味噌醤油の醸造にも使われる。

 清酒や焼酎、ビールなどのアルコール発酵に使われる酵母(サッカロミセス・セレビシュ)は、デンプンなどの多糖類をそのまま利用することができない。例えば、清酒造りでは蒸米が原料となるが、デンプンを小糖類に分解する酵素が必要である。この役割を担っているのが麹である。ビールの醸造では、原料となる麦を水に浸けて発芽させることで酵素活性を高め、マルトース(麦芽糖)にまで分解された麦芽を利用する。一般に、清酒や焼酎などアジアの酒造りでは麹が、ビールやウイスキーなどヨーロッパの酒造りには麦芽が使われている。

水曜日, 8月 24, 2011

色々な茸食品(5)

○雪割茸(ゆきわりだけ)

 セリカの阿魏の根茎に、新種の菌糸を植えつけて栽培される比較的新しいキノコである。傘の直径が5~15cmの扁半球形で裏側は扇形をしており、表面は光沢があり肉は白色。茎の長さは2~6cm、太さは1~3.5cmほどである。原産地の中国では山鮑茸、白霊茹と呼ばれている。わが国では、雪のように白いことから雪割茸と命名された。

 ハマグリの形に似ているため、ハマグリ茸ともいわれる。香りがよく柔らかで栄養価が高いことから広く食用に供されており、ステーキやすき焼きにしても美味と人気がある。豊富なβ-グルカンを含み(100g中23.7mg)、抗がん活性も期待されている。

○編笠茸(あみがさたけ)

 アミガサタケ科の茸で、学名はmorchella esculenta。中国名は羊肚菌。春に林や草地に発生する。頭部が卵上の円錐形で、表面に網目状のでこぼこがある。傘は灰褐色から黄褐色で高さは7~15cm位。内部は空洞になっている。味がよく、バター炒めやスープなどに使われ、ヨーロッパでもよく食べられているキノコである。漢方では消化不良や息切れ、去痰の生薬として用いられている。

火曜日, 8月 23, 2011

色々な茸食品(4)

○鼈茸(すっぽんたけ)

 スッポンタケ科のキノコで、学名はPhallus impudicus。中国名は白鬼筆。夏から秋にかけて林に生える。幼菌は白い卵形をしており、それを破って円錐形の頭部と円柱形の柄部が伸張する。長さ10~15cm。頭部の表面は暗褐色の悪臭のする粘液におおわれている。この粘液でハエなどの虫を呼び寄せ、胞子を運ばせる。漢方ではリューマチの生薬として用いられている。

○鬼燻(おにふすべ)

 ホコリタケ科のキノコで、学名はLasiosphaera fenzlii。中国名は馬勃。夏から秋にかけて草地や林に発生する。子実体は球形又は偏球形で、経が10~20cm、大きいものは50cmくらいになる。漢方では慢性扁桃炎、咽喉炎、鼻血、咳などの生薬として用いられる。

○一夜茸(ひとよたけ)

 ヒトヨタケ科のキノコで、学名はCoprinus atramentarius。中国名は墨汁鬼傘。春から秋にかけて芝生、畑地、公園などに発生する。名前が示すように夜間に成長し、明け方には溶解する。成熟すると黒く変色し、傘の周辺部から液化していく。アルコールと一緒に食べると悪酔症状や発汗症状が出る。漢方では、消化を助ける、去痰、腫毒を消す生薬として用いられている。

日曜日, 8月 21, 2011

色々な茸食品(2)

○松塊(まつほど)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPoria cocos
中国では玉霊、茯霊という。マツ、ヒマヤラスギ、カシ、ウルシなどの根に寄生し、伐採後3~6年を経た根の周囲に不定形塊上の菌核を形成する。この菌核を乾燥したのが漢方薬の茯苓で、外面は暗褐色から赤褐色、内部は白色から薄紅色、質は固いがもろく、無味無臭でやや粘着性がある。

 多糖体のパキマラン(β-1.3-グルカン)が主成分で、そのほかエルゴステロール(ビタミンD前駆体)、アデニン(核酸関連物質)などが含まれている。利尿、抗潰瘍作用、血糖降下作用血糖降下作用、交感神経の興奮作用、強心作用などがある。

○雷丸菌(らいがんきん)

 サルノコシカケ科のキノコで、学名はPolyporus mylittae。中国名は雷実、雷矢。竹の根茎やシュロなどの枯れた樹の根に寄生して育つ。表面は褐色から黒色で、直径1~3cmの塊上の菌核をつくる。この菌核を乾燥させたものは雷丸と呼ばれ、中国の四川、雲南、湖北、広西、貴州などがある。成分にタンパク分解酵素と大量のマグネシウムを含む。漢方では腸内の条中、回虫の駆除に用いられてきた。