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日曜日, 3月 09, 2008

キャラウェイ

〇キャラウェイ

 セリ科カルム属の1~2年草で、学名はCarum carui。和名はヒメウイキョウ。紀元1世紀に著されたディオスコリデスの薬物誌にも収載されているほど古くから利用されてきた。駆風薬、鎮痛薬、健胃薬のほか、媚薬としても使われた。

 咳や風邪の時に果実(キャラウェイシード)を煎じて飲むと、症状を和らげてくれる。消化促進作用があり、おなかの調子が優れない時にも効果的である。また、母乳の出をよくするハーブとしても知られている。その場合は、果実をそのまま噛んだり、煎じたりして用いる。果実から得られる精油には大腸菌や連鎖球菌に対する抗菌作用が認められている。果実には独特の甘い香りがあり、ザワークラフトに欠かせないスパイス。葉はサラダに用いられる。

土曜日, 3月 08, 2008

クミン

〇クミン

 セリ科クミヌム属の一年草で、学名はCuminum cyninum。原産地はエジプトや地中海東部沿岸、インド。和名はマキン。独特の香りと辛味・苦味のある種子はインド料理に欠かせないスパイスとして知られており、カレーパウダーやチリパウダーの材料となる。また、チーズやケーキ、パンなどの風味づけにも使われる。

 薬用植物としても古くから利用され、古代エジプトの医学古典エーベルス・パピルスにも収載されている。駆風薬や鎮痛薬、覚醒薬として、またミイラを作る際にも使われた。インドの伝承医療アーユルヴェーダでは健胃薬として用いれている。クミンの摂取が膀胱ガンの発症率を低めるというイスラエルの研究報告もあるが、クミンのガンに対する効果についてはまだ明確にされていない。種子に含まれる精油は抗微生物活性をもつ。

金曜日, 3月 07, 2008

コリアンダー

〇コリアンダー

 地中海沿岸を原産とするセリ科コアンドムル属の一年草で、学名はCoriandrum sativum。世界各地で最も親しまれているハーブで、中国では生の葉を香菜と呼び、お粥やスープ料理に使われている。インドでは種子がカレーに欠かせないスパイスとなる。

 コリアンダーの種子は古くから食材や薬用に利用されてきた。紀元前1500年のエジプトですでに登場し、古代ギリシャやローマでは消化薬やワインの香りづけ、肉の保存剤として、中国では長寿薬として用いられてきた。また、精油には健胃作用、刺激作用、鎮静作用、駆虫作用などがあり、リューマチ痛や神経痛を緩和するマッサージオイルとしても使われている。

木曜日, 3月 06, 2008

アニス

〇アニス

 セリ科アニス属の一年草で、学名はPimpinella anisum。地中海東部沿岸地域やエジプトが原産で、古代エジプト時代から薬用や調味料として愛用されてきた伝統的ハーブである。アニスの完熟種子(アニスシード)には特有の甘い香りと味があり、今日でもパンや菓子、スープの香辛料、リキュールの香料などに用いられている。種子はアネトールを主成分とする精油を2~3%含み、これがアニスシード特有の芳香と味のもとになっている。

 精油には細菌繁殖を抑える効果がある。種子を潰して煎じたお茶は消化を促す働きがあり、食欲不振、消化不良、腹痛などの改善に適している。また、母乳の分泌を促す作用があり、種子をお湯に浸すアニスティーはヨーロッパでは古くから授乳期の女性のお茶として知られている。この母乳分泌促進作用は動物実験でも確認されている。アメリカの栄養学者E・ミンデルによると、乳牛にアニスオイルのにおいを嗅がせると牛乳の生産量が増加したという(ハーブバイブル、同朋社)。精油の香りには虫が嫌う成分が含まれており、防虫にも効果的であるとされる。

水曜日, 3月 05, 2008

アンゼリカ

〇アンゼリカ

 セリ科シシウド属の多年草で、学名はAngelica archangelica。和名はヨロイグサ、ヨーロッパトウキ。原産地は北ヨーロッパだが、用途の広いハーブであることから多くの国で栽培されている。根や葉、茎、果実から抽出した精油は薬用として、また、茎はシロップで煮詰めて菓子の飾りに、果実はジンの香り付けなどに用いられる。

 薬用として使う場合には抽出液を飲んだり、患部に塗ったりする。消化や健胃の効果がよく知られているほか、呼吸器疾患にも良いとされ、痰を取り除く。アンゼリカには体を温める作用があり、お茶などに混ぜて飲むと血行をよくし、手足の冷えを緩和してくる。民間療法ではリューマチの塗り薬としても利用されてきた。大量に摂取すると血圧や心拍数、呼吸が乱れるので注意が必要。妊娠中は避けたほうがよい。

火曜日, 3月 04, 2008

アンティチョーク

〇アンティチョーク

 アンティチョークは地中海沿岸のエジプトから南ヨーロッパ地方に分布するキク科の多年草で、学名はCynara scolymus。アザミの仲間で和名はチョウセンアザミ。成長すると2mほどになり大型の紫色の花をつける。花の付け根の膨らんだ花托は独特の風味と食感があり、フランスやイタリアでは古くから高級野菜として珍重されている。

 アザミの仲間のハーブは肝臓疾患の症状を和らげる効果のあることが知られており、ヨーロッパの薬草組織療法では、アンティチョークには肝臓の解毒作用を助ける効果があるほか、肝臓組織の再生にも有効であるとされたきた。20世紀に入ると、多くの生物学者らによってアンティチョークの薬理研究が行われ、今日では苦味成分を中心とした多種の有効成分が見いだされている。それによると、アンティチョークの効果を決定つける成分として、苦味成分のシナリンやフラボノイド、セスキルペンラクトン系のシナロピクリンのほか、イヌリン、キナ酸カフェオイルが単離されている。

 アンティチョークの葉の苦味値は15000単位と報告され、苦味成分の含有量が最も高い数値を示すのは開花直前と果実の成熟時とされている。その成分中の苦味成分シナリンには、胆汁の分泌を促進し、血液中の脂肪代謝を活性化することによって血液中のコレステロール値を正常に戻す効果があるとされている。また軽い利尿作用があるほか、胃のもたれや膨満感を解消し、上腹部の痙攣症状の緩和にも効果のあることが臨床試験において確認されている。今日、ドイツの薬品業界ではこのシナリンがアンティチョーク調剤の品質基準を測る指標とみなされている。アンティチョーク調剤には主として糖衣錠や圧搾エキスがある。

月曜日, 3月 03, 2008

まこも(真菰)

〇まこも(真菰)

 マコモはイネ科マコモ族の草木で、中国南部から東南アジア一帯で水田に栽培されている。わが国ではコモ、コモガヤ、カツミ、、チマキグサと呼ばれ、古くはマコモの実を粥に炊いて食べていたこともあるという。中国では、新芽にマコモ黒穂菌が寄生して細いタケノコ状になったものが中華料理に利用される。マコモは神仏に供せられるケースもよく見かれられる。例えば東京の神田明神では毎年6月にマコモで編んだ輪の中をくぐらせている。出雲大社ではマコモの上を歩かせて、1年間の無病息災を願う行事が古くから引き継がれている。こうした例はマコモの持つ薬効や生命力、食料としての価値を経験で知っていたことによるものであろう。

 その効用について古くは本草綱目などにも記載されている。マコモの根は、「無毒、止小便、止瀉、利腸胃」に、種実は「止瀉、利五臓、利大小便」に、中心茎は「滋人歯、止渇、胸中浮熱風気、水痢」に有効性があるという。これを現代風に解釈して、高血圧・糖尿病・肝炎など卓効があることを示した文献もある(和漢薬1974年、医歯薬出版)。マコモを使った動物実験によると、①腸内の大腸菌を減らし、慢性疾患などに予防効果が認められた。②脳血管障害の予防効果が示唆された、③補体(血漿中の免疫作用をもつタンパク質)の活性が62~82倍となり、免疫力あるいは抵抗力の賦与などに役立つことが示された、などが報告されている。

 マコモを素材とした健康食品には、葉や茎を乾燥させ粉末化したものや、納豆菌を加えて発酵させた後に乾燥・粉末化したものなどがある。

日曜日, 3月 02, 2008

エスピニェイラ・サンタ

〇エスピニェイラ・サンタ

 わが国で漢方薬に使われる生薬は200種ほどだが、「ブラジル産薬用植物事典」(橋本梧郎著)には2168種も収載されている。そのような生薬の宝庫の国から送り届けられてきたのがエスピニェイラ・サンタ(意味は聖女の棘)という薬用植物である。現地で別名「神の棘」「救命の木」などと呼ばれるこの植物はブラジル(特に南部地方)に自生するニシシギ科の灌木で、互生する葉は我が国のヒイラギに似て鋭い棘をもつ。古くから原住民の間で、、胸やけや吐き気を伴う胃酸過多や腸内異常発酵の防止、利尿や緩下剤、虚弱体質の改善などの目的で愛用されてきた。

 近年の研究では内臓の腫れ、肝炎、肝機能障害、膀胱炎、静脈瘤、子宮筋腫、子宮ガンなどへの効果が見いだされているが、なによりも顕著なのは即効性を持つ鎮痛薬としての働きである。向精神薬への関心が高いといわれる現地においてもこのエスピニェイラ・サンタの鎮痛作用はモルヒネやコカインに匹敵するとまで評価されており、胃痙攣、頭痛、神経痛などに葉の煎じ液を飲むだけで劇的な効果を示すという。さらに特徴的なのは単に麻酔性の鎮痛効果ではなく、痛みの原因となる潰瘍などの疾患を修復する作用を併せ持つことである。従って、切り傷、可能、皮膚病などに葉や樹皮の粉末を外用することもお行われてきた。

 ペインクリニック(痛みの療法)への関心が日毎に高まりを見せるわが国にとって、上記のような薬効は座視できるものではない。最近のわが国での実験によれば、ラットを拘束ゲージに入れて浸水を浸すことで生ずるストレス性胃潰瘍に対し、エスピニェイラ・サンタ(以下、ESと省略)のエタノール抽出エキス(500mg/kg)経口投与群は未投与群に比して43.4%も潰瘍発生を抑えた。さらに、ラットに塩酸とエタノールを強制的に投与して胃潰瘍を起こさせた潰瘍モデルに対して、ES抽出エキスの使用性画分、水溶性画分はいずれも潰瘍治療薬であるセトラキサートと同等、またはそれ以上の潰瘍発生抑制効果を示し、その抗潰瘍活性成分がβ-シトステロール及びその誘導体であることも突き止められている。

 また、マウスに刺激性の強いホルマリンを注射すると、最初は直接的な痛みのため(この痛みを一相反応といい、モルヒネで抑えられる)、次いで炎症による痛み(これは二相反応で、アスピリンで抑制できる)のために患部を舐めるしぐさを繰り返すが、この一、二相反応に対してES(とくに脂溶性画分)が優れた鎮痛効果を示すことが確認されており、その活性本体の有効成分がフリーデラン-3-β-オールという物質であることが解明されている。

土曜日, 3月 01, 2008

ヤムいも

〇ヤムいも

 漢方で滋養・強壮・強精・止瀉薬とされる山薬は、我が国が自生するヤマノイモの一種だが、ヤムイモも同じくヤマノイモ科に属し、フィリピンをはじめとする東南アジアで広く自生している。フィリピンではUBEの名があるが、わが国ではヤムいもという通称以外に、根茎を切ると鮮やかな赤紫色を呈するところからパープル・ヤム、乾燥後に微粉末にした健康食品素材を特にパープル・ワイド・ヤムと呼んでいる。

 原産地フィリピンでは一般的に食材として茹でたり焼いたりスプレッド状にして食べられているほか、粉末にしてケーキ、タルト、シャーベットなどにも用いられる。栄養的には炭水化物(粉末で87%)と食物繊維(同約10%)が中心で、カルシウム(100g当たり28.9mg)と鉄(同10.7mg)の含有量が多いのが特徴だ。

 ヤムイモで特に注されるのは、赤紫色の色素成分であるアントシアニン(ポリフェノール)をはじめとするファイトケミカル(植物微量成分)が多く含まれていることである。ポリフェノールはタンニンやカテキン、フラボノイドなどを含めた総称だが、ヤムイモ(エキス・パウダー)の総ポリフェノール含量は9.31%にも及ぶ。アントシアニンは目の疲労回復や近視予防効果で知られる物質だが、体内で活性酸素の生成を抑制することを通じて発ガン・動脈硬化・心疾患・炎症性疾患を予防し、老化現象にブレーキをかける働きのあることが最近の数多くの研究で明らかにされている。

 また、前述の山薬やヤマノイモの滋養強壮効果は、サポニンの働きに加えてネバネバ成分であるムチン(ムコ多糖体)がタンパク質の効率的な代謝を促すことによるとされているが、ヤムイモにもサポニンのようにステロイド核をもついくつかの物質が見いだされており、その一つがジオスゲニンである。ジオスゲニンハDHA(デヒドエピアンドロステロン。副腎で作られるホルモンで、若さを保つホルモンとして知られる)の前駆体となる物質で、女性ホルモンの失調によって生ずる月経前症候群、子宮内膜症、過敏性乳房、不定愁訴、骨粗鬆症、更年期障害(高血圧、のぼせ)、乳ガンなどを防ぐことに寄与するとされている。卵巣を摘出したマウスにジオスゲニンを投与することによって、乳房上皮の発達が確認されたという実験結果が報告されている。

火曜日, 2月 26, 2008

黄精

〇黄精

 中国原産のユリ科の多年草で、本来の黄精のほか、同類に嚢糸黄精、熱河黄精、滇黄精、巻葉黄精などの種類があり、それぞれ形状や性質、分布は多少異なるが、いずれも1本の直立する茎(40~80cm)から葉柄のない葉(ときに非常に短い葉柄を持つ)が輪生もしくは互生し、5~6月に葉腋から数個の筒状の花が垂れ下がって咲く。日本各地の丘陵や林に生えているのは同類の鳴子百合で、黄精の代わりとして用いられることがある。薬用成分が含まれているのは地下茎(根茎)で、ショウガの根のように節くれ立ちながら横に伸びている。これを掘り起こして洗い、蒸したり煮たりした後で乾燥させたものが漢方薬に用いられる。

 根茎の主成分は粘質多糖類で、薬用成分としては、カルボン酸、アスパラギン酸、ホモセリン、ジアモノ酪酸、ジギタリス配糖体などが含まれており、①抗菌作用(結核菌やチフス菌に有効)、②真菌(白癬菌など)に対する抑制作用、③血圧降下作用、④痛風の改善、などが実験的に認められている。古来、漢方では「気を益し、心配を潤し、筋骨を強める」とされており、長期にわたる闘病で衰弱した体力を賦活させ、病後の食欲不振や倦怠感、筋骨の衰弱などを補い、精力をつけ、産後の肥立ちを良くするとされてきた。

 肺結核のような消耗性の患者に対しては黄精エキスがよいとされている。エキスは、蒸して日干しした旺黄精に5倍量の水を加えて24時間とろ火で煎じた後、濾過した液を常にかき混ぜながら濃縮させると、黄精の重量のほぼ1/5のエキスが採れる。これを1回10ml位ずつ、1日4回をめどに服用する。また水虫などの真菌症に対しては、粉砕した黄精をアルコールに1~2日漬けたあと過熱してアルコール分を蒸散させ、3倍量の水を加えて濾過してから、さらに薄い糊状になるまで煮詰めたものを患部に塗って用いると卓効があるとされている。

月曜日, 2月 25, 2008

甘草

〇甘草

 甘草はマメ科の多年草で、根茎が甘味料や漢方の解毒・消炎薬として広く用いられている。医学の原点といわれる「ヒポクラテス全集」にもその効用が述べられており、洋の東西を問わずその価値は高く評価されている。漢方の古典傷寒論には一味処方として紹介され、「急を暖め、諸悪を和し、百薬の毒を消す」とされている。甘草は種類が多く、漢方で用いられのはシベリアや蒙古、中国東北部に産すウラル甘草と呼ばれるものである。日本で見られるのはユリ科に属する野生の植物で、漢方の甘草とは異なる種類である。

 肝臓の根から抽出されるグリチルリチンは味噌や醤油などの甘味添加物として利用されているが、1977年の国際細胞生物学会議で動物実験による制ガン作用が発表されて大きな反響を呼び、世界的に注目された。以来、甘草あるいはグリチルリチンに関する研究が世界各地で行われるようになった。特に注目されたのは肝臓病に対する効果である。日本人に多いウイルス性肝炎は慢性化してしまうと幹細胞が破壊され、肝硬変から肝臓ガンへ進行する危険性が高くなるが、グリチルリチンには肝臓の機能を高めて解毒作用を助けるだけでなく、肝細胞の粘膜を強化し、細胞が破壊されないように保護する働きがある。そのため、グリチルリチン製剤は肝臓病の治療薬として用いられている。このほか、①抗胃潰瘍作用、②電解質ホルモン様作用(細胞の活動を正常にする)、③抗炎症作用、④抗アレルギー作用、⑤解毒作用、などが認められたため、胃潰瘍やアレルギー性皮膚疾患などの治療にも利用されている。

 これに加えて、制ガン作用も注目される。動物実験で殺虫剤のBHCや発ガン物質のPCBなどを混ぜた餌を与えたマウスには肝障害や肝臓ガンが発生したが、同時にグリチルリチンを混ぜた餌を与えたマウスに肝障害、肝臓ガンともに発生しなかった。グリチルリチンの制ガン作用についての詳細はまだ分かっていないが、細胞膜を修復し強化する作用が関連し、細胞の解毒作用が増して抵抗力が強まるからではないかと考えられている。

金曜日, 2月 22, 2008

夕顔

〇夕顔

 夕顔はウリ科の蔓性一年草で、夏の夕方に清楚な白い花をつけ、翌朝にはしぼむとことからこの名がある。はかない花の姿とは裏腹に蔓は6m以上にも達する旺盛さで、開花後3週間前後で収穫できる果実は6~7kgにも達する。果肉は紐状にそぎ取って乾燥し、カンピョウ(干瓢)とする。

 カンピョウは江戸時代には高尚な食べ物として微妙な風味と歯ざわりが好まれる一方、妊産婦の滋養食品(栄養的にはカルシウム、リン、鉄分の含有量が多い)として漢方薬的に扱われた。さらに利尿・解毒の効もあり、特に太りすぎの女性に好適といわれる。

 近年、夕顔で最も注目されているのは食物繊維の多いことで(乾燥100g中に30.1g)、水溶性と不溶性繊維のバランスもよい。食物繊維腸内有用菌であるビフィズス菌を増やして腸内環境を改善、整腸作用を発揮するとともに血中コレステロールの上昇を抑制し、発ガン因子となる生体異物の分解と体外排出の促進などの効果が認められている。夕顔の食物繊維は膨潤性が非常に高いのでダイエット食品としても好適で、前記の効用と合わせて注目され、粉末状に加工された健康食品も登場して、伝統食品に2度目のスポットを当てることとなった。

木曜日, 2月 21, 2008

ベリー

〇ベリー

 イチゴやブルーベリー、クランベリー、ラズベリーなど、キイチゴ類・コケモモ類・スグリ類の小果類を総称としてベリーと呼ぶ。いずれも豊富に含まれる多彩なフラボノイドが抗酸化物質として働くことから、その健康機能性が注目されている。

 キイチゴ類はバラ科の落葉低木で、花が咲いた後、子房壁が肉質に膨らみ集合果をつける。ラズベリー、ブラックベリーなどがよく知られている。ブラックベリーの果実は黒く、甘味は少ないが、ベリー類の中では最もビタミンEを多く含み、葉酸の含有量も多い。コケモモ類はツツジ科の常緑低木で、ブルーベリー、クランベリー、コケモモなどがある。スグリ類はユキノシタ科の落葉低木で、グーズベリーやブラックカラント(カシス)などがよく知られている。グーズベリーは直径1~3cmの淡い緑色の液果をつけるが、これにはビタミンC・E、カロチンなどの抗酸化物質が豊富に含まれている。ブラックカラントはグーズベリーと同じような液果が房状につくが、色は濃い紫である。これは抗酸化色素であるフラボノイドによるものである。

水曜日, 2月 20, 2008

庭梅種子

〇庭梅種子

 庭梅は(中国名は郁李)は中国北部原産のバラ科の落葉低木で、日本には江戸時代に渡来し、花が美しいため観賞用として栽培されてきた。種子は郁李仁と呼ばれ、漢方では潤腸・利水消腫の効能があり、便秘や排尿減少、浮腫に用いられている。庭梅はサクランボ大の果実をつけるが、これを摘み取り果肉を除去し、核の殻を割って種子を取り出す。種子は6×4mm位で、小さなアーモンドの形をしている。

 種子の成分は青酸配糖体のアミグダリンのほか、サポニン、シトステロール、ビタミンB1などが含まれる。郁李仁は麻子仁(麻の実)よりもやや強い潤下作用があり、以下のように他の生薬類と組み合わせて利用する。①高齢者や産後の慢性の便秘には柏子仁・桃仁などと配合する(五仁丸)、②顔面及び手足の浮腫には防巳・青皮などと配合する(郁李仁湯)、③脚気の浮腫にはヨクイニン・杏仁などと配合して用いる(三仁丸)。なお、庭梅の根(郁李根)は歯の治療薬として知られており、歯痛や歯肉炎にはこれを煎じた液でうがいする。現在、郁李根の市場品には大李仁と小李仁の2種類がある。ただし大李仁は主にバラ科のユスラウメ(山桜桃)の種子であり、薬用には小李仁(庭梅)が正品とされている。

火曜日, 2月 19, 2008

発芽大麦

〇発芽大麦

 大麦はイネ科の単子葉類で、種実が食用となる。かつては日常的に食べられていたが、現在では味噌や醤油の原料として、また麦芽としてビールの醸造に使われることのほうが多い。種実を水に浸けて発芽させたものを発芽大麦という。

 大麦には食物繊維が多く含まれており、押麦(七分つき)100g当たりの食物繊維量は10.3gで、玄米(同3g)の3倍以上である。この点に着目して、腫瘍性大腸炎の患者用食品が作られている。キリンビールは発芽大麦から調整した食物繊維素材を使い、軽症から中等症の腫瘍性大腸炎患者の便の性情を整える食品「発芽大麦GBF」を開発。厚生労働省の個別評価型病者用食品(特別用途食品)として販売している。

月曜日, 2月 18, 2008

青汁

〇青汁

 カロリー偏重の栄養学ではあまり重要視されてこなかった野菜類が生理活性物質の宝庫であると再評価され、食卓に積極的に取り入れられるようになってからかなりの年月が経過した。しかし実際には種類の選択範囲が限られること必要量を満たすには相当量の食材を要すること、常に新鮮なものを調達するには手間暇がかかることなどが負担になっていることは否めない。また、調理時の過熱などによって成分の損失もある。このようなマイナス面を補うとともに、家庭で調理する以上のメリットを持たせることを目指したものが青汁である。

 いわば青いジュースであるが、ジュースという言葉には果汁のイメージが強い。それよりも緑ないし緑黄色の植物固有の有効成分を余さずに搾ったからこその青汁である。現在、供給されている青汁製品には、植物の細胞内に含まれた成分を十二分に搾り取り、しかも成分の経時変化を防ぐために、一般家庭のジューサーではできない細胞壁破砕や瞬間密封などが施されいるものもある。

 青汁はもともと、粗食に耐えなければならなかった戦後まもなく、岡山県倉敷市の医師・遠藤藤二郎によって学校給食や病院食用に考案されたのが最初であるとされる。それて健康づくりの重要な鍵を握るものとして次第に全国へ広がり、愛飲者によって材料や製法が工夫されていったのであるが、やがて青汁を飲み続けて病気を克服したという事例報告が相次ぎ、研究活動も盛んになったといういきさつがある。

 青汁には糖質やタンパク質などカロリーとなる栄養成分のほか、ビタミン、ミネラル、酵素、葉緑素、食物繊維が含まれ、これらすべての複雑な相互作用によって疾病の予防につながるが、その作用機序の解明はまだ緒についたばかりである。しかし、事実を積み重ねていく開発姿勢によって青汁の製法のみならず、利用する原料植物の吟味も慎重に行われたきた。現在、その主要原料としては、ケールと大麦若葉が多く使われている。また最近では食べる青汁と銘打った錠剤タイプの製品もある。

土曜日, 2月 16, 2008

砂糖

〇砂糖

 砂糖は甘味調味料として広く料理に使われるほか、菓子類の材料となったり、各種飲料の甘味成分としても利用される。佐藤には甘味料としての働き以外に、防腐作用(砂糖漬け、ジャム)、デンプンの老化防止作用(羊羹など)、油脂の酸化防止作用(バターケーキ)などもある。砂糖は人のエネルギー源(約4kcal)として重要である。また、脳に安定をもたらす働きがあるとされている。砂糖の主成分はショ糖(ブドウ糖と果糖が結合した二糖類)で、95~99%を占めている。

 砂糖は熱帯地域に生育するサトウキビ(甘蔗)、温帯の比較的寒冷地で栽培されているサトウダイコン(甜菜、ビート)を原料として作られる。世界の生産量ではサトウキビから約6割、残りがサトウダイコンからのものである。わが国では、沖縄や鹿児島でサトウキビから、北海道でサトウダイコンからの生産が行われている。

 砂糖は大きく含密糖と分密糖に分けられる。サトウキビから搾った糖液にはショ糖のほかミネラルやビタミンが含まれているが、この液をそのまま煮詰めて固めたものが含密糖である。代表的なものに沖縄の黒砂糖(黒糖)がある。黒砂糖にはカリウム1100mg(白糖は2mg)、カルシウム240mg(同1mg)、ビタミンB20.07mg(同0mg)、葉酸10ug(同0ug)など、分密糖に比べて微量栄養素が豊富に含まれている。

 分密糖は、糖液をイオン交換樹脂膜に通して不純物を取り除き、ショ糖だけにしたものを結晶化せたもので、精製糖とも呼ばれている。ショ糖純度がほぼ100%に近いザラメ糖、純度が95~97%の車糖がある。ザラメ糖は結晶の大きい白ザラメ糖、結晶の小さいグラニュー糖があり、グラニュー糖からは角砂糖、氷砂糖、顆粒糖などが作られている。車糖にはショ糖純度が97%の上白糖、96%の中白糖、95%程度の三温糖があり、調味料として最も多く使われている砂糖である。このほか、スクロースを酸で加水分解してグルコースとフルクトースの混合物にした転化糖がある。溶解度が高く、甘味はスクロースの1.3倍あり、安価に製造できるため砂糖に代わる甘味料として需要が増えている。

 これらの工業的に製造される砂糖に対し、香川県や徳島県で伝統的製法で作られている砂糖に和三盆がある。サトウキビの煮汁から室温で自然結晶させたものを手搾りで分密、手摘みで微細化するために粒が細かくなり、口当たりがよい。味が良いため高級和菓子などに用いられている。

金曜日, 2月 15, 2008

豆鼓

〇豆鼓

 塩納豆ともいう。納豆(糸引き納豆)は大豆を納豆菌で発酵させて作られるが、豆鼓は大豆を麹菌で発酵させ、塩を加えて作られる。中国の伝統的な食材の1つで、中華料理の調味料として幅広く活用されている。わが国では、最初に中国から製法を伝えた僧たちがそれぞれの寺で作ったので寺納豆と呼ばれ、大徳寺納豆がよく知られている。また、浜名湖半の名物である浜名納豆が有名だ。

 大豆はさまざまな健康効果を発揮する食材だが、その発酵物である豆鼓も、本場中国では解熱・消炎・解毒・鎮静・健胃整腸・鎮咳などの効果があるとされてきた。最豆鼓近このに糖尿病の予防効果のあることが北海道大学農学部などの研究で明らかにされた。豆鼓がα-グルコシダーゼ(消化酵素)の働きを阻害して、血糖値の上昇を抑える作用のあることがヒト試験で証明され、豆鼓エキスを関与成分としたお茶がトクホ商品として開発・販売されている。

木曜日, 2月 14, 2008

テンペ

〇テンペ

 テンペは蒸煮した大豆をテンペ菌で発酵させたインドネシアの伝統食品である。テンペ菌はクモノスカビの一種で、ハイビスカスやバナナの葉などに付着している糸状菌のリゾープス・オリゴスポラスである。わが国の糸引き納豆と作り方が似ていることから、インドネシアの納豆とも呼ばれている。

 日本にテンペが紹介されたのは1950年以前だが、全国的な普及はせず、一部の地域でわずかに生産されているに過ぎなかった。ところが近年の健康志向の高まりで健康食として脚光を浴びるようになり、2003年ごろから一挙に話題の食品となった。

 栄養面ではタンパク質、リノール酸などの不飽和脂肪酸、ビタミン類、ミネラル類、イソフラボン・大豆サポニンなど納豆とほぼ同じ成分が含まれているが、テンペはビタミンKの含有量が格段に少なく、ナイアシンや食物繊維が多めである。また、納豆同様に大豆のタンパク質が発酵によって消化されやすくなっている。地元インドネシアでは古くから、テンペは赤痢や下痢によいとされているが、これはテンペの持つ強い抗菌作用によるものと考えられている。

 テンペは納豆のように糸を引かず、臭いもなく味も淡白なので、納豆が苦手な人にも奨められる大豆発酵食品である。インドネシアでは薄くスライスして油で揚げて食べることが多いが、日本ではカレーやグラタンの具、サラダ、炊き込みご飯、揚げ物、ケーキなど、さまざまな料理法が工夫されている。

火曜日, 2月 12, 2008

酒粕

〇酒粕

 酒粕は清酒醸造の副産物で、もろみ(醪)から清酒を搾った残滓である。清酒は以下のように作られる。蒸米、麹、水に酵母を入れてモロミを作り、この中で麹による米の糖化(デンプンを少糖にまで分解)と、酵母によるアルコール発酵を同時に進行させる。20日程度でアルコール分が18%前後に達すると発酵が終了する。

 発酵中に麹の酵素作用や酵母の代謝作用により、モロミに清酒独特の香味成分が生成される。清酒はこのモロミを圧搾して得られるもので、搾った後に残ったものが酒粕である。酒粕には未分解の蒸米や酵母、麹が含まれ、アルコール分は約8%である。食材としては奈良漬や粕汁、魚の粕漬けなどに利用される。

 奥田拓道(愛媛大学医学部)らは酒粕中の生理活性物質とその医学的効果の研究において、酒粕がガン患者の急激な痩せを改善し、食欲を増進させ、患者の闘病体力の維持に役立つという研究結果を報告している。

 ガンによる急激な痩せは、ガン細胞から出るトキソホルモン-Lという毒素が脂肪細胞に作用して、脂肪細胞中の脂肪を分解したり、脳の満腹中枢を刺激して常時満腹感を覚えさせ食欲を低下させることが原因だとされている。奥田らはマウスを使った実験から、酒粕に含まれるグルコサミンなどの物質がトキソホルモン-Lの働きを阻害し、急激な痩せを防止する効果のあることを明らかにした。

 奥田らはまた、酒粕中にデンプンの消化酵素であるα-アミラーゼの作用を妨げる物質が含まれていることも発見している。この物質によってデンプンの分解速度が遅くなり、インスリンが余り上昇しなくなることから血糖が脂肪細胞に取り込まれず、結果として脂肪の蓄積が少なくなると報告している。また、酒粕中にはインスリンに似た働きをする物質があり、この反対作用のホルモンの働きを弱めて脂肪の分解を抑制することも明らかにしている。