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火曜日, 12月 06, 2005

植物発酵エキス(酵素)について

○植物発酵エキス(酵素)

 人体には数千の酵素があるといわれ、そして、酵素は全て遺伝子に書き込まれた情報によって作られ、それらが過不足なく働いて生命活動が維持されるのであるが、最近の研究では酵素の全量が体内生産されるのではなく、相当量が経口的に食物から摂り入れられることがわかってきている。

 その反面、現代人の食生活は加工食品が横行して、そのほとんどは製造過程での過熱によって、熱に弱い酵素は失われる。また、添加された化学合成剤が酵素の働きを阻害していることは十分に考えられることである。効した時代だからこそ、天然醸造の味噌・醤油・食酢など、わが国で古くから利用されてきた伝統的な発酵食品をはじめ、新鮮な野菜や果物、海藻などの自然食品の果たす役割りが強調されるのである。

 そのような認識が進む中で、酵素の働きを念頭に置いた健康食品も市場に供されてきている。たとえば植物総合酵素といわれる健康食品群は、多種類の植物エキスを発酵させ、ペースト状、粉末状、顆粒状に加工したものである。また、飲料タイプにした植物エキス発酵飲料もある。

 相互に同一でない各植物固有の酵素群が多様化し、さらに発酵によってその働きが活性化されるとともに、多種類のアミノ酸、ペプチド、乳酸菌、ビフィズス菌、その他植物性成分が消化吸収されやすい状態で含有されているのが特徴である。

 最近、このような植物性酵素食品に、ガン細胞への直接的な攻撃排除効果ではなく、リンパ球(NK細胞)の活性化という、生体が本来持っている免疫機能を通じてガン細胞を攻撃する作用があることが見出されている。愛媛大学医学部医化学第二教室の奥田拓道らは、植物発酵食品によるアルコール解毒作用、抗アレルギー作用、抗糖尿病作用、抗ガン作用についての研究発表を行っている(第1回日本代替医療学会学術集会、1998年)。特に抗ガン作用については、動物実験ではあるものの、転移を防ぐだけでなく原発巣ののガンも縮小するほどの抗ガン作用があったという点が注文された。発酵食品がNK細胞を活性化し、免疫能を通じてガン細胞を攻撃することを明らかにしている。

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月曜日, 12月 05, 2005

霊芝について

○霊芝

 霊芝は和名をマンネンタケといい、サルノコシカケ科に属する坦子菌類の一品種であるが、梅などの古木10万本に2~3本しか採取できないという希少品種で、めったに人目に触れることがなかった。古代中国では、宮中に霊芝が生じると天下泰平の印として、祝宴を催したと伝えられている。そんなこともあってか、神草とか仙薬、不死草などと呼ばれ、不老長寿の新薬として用いられていた。

 漢方ではその薬効作用に注目しており、李時珍は本草綱目で、赤芝、青芝、黄芝、白芝、黒芝、紫芝の6種をあげ、「久しく食すれば、身を軽くして老いず、年を延ばして神仙となると記し、漢方薬の中で上薬に位置づけている。

 やや古いが1974年に出版された中国薬用真菌(劉波著)によれば、霊芝は健胃、健脳、強壮、利尿に効果があり、症状としては神経衰弱、不眠、急・慢性肝炎、胃潰瘍、気管支炎、胃炎などに優れた効果があると記されている。

 一方、わが国でも霊芝の研究は盛んで、特に人工栽培では1937年(昭和12年)から京都大学で始まり、その後研究を重ねた結果、1971年になって、同大食料研究所所技官であった直井幸雄が世界で初めて霊芝の量産に成功した。それとあいまって、薬理研究も活発化し、多くの臨床例、治験例が報告されるようになった。まだその薬効成分に関しては十分に解明されていないが、その効用については非常に多くの臨床例などで実証されている。

 効用のひとつとして、淤血と血栓を駆除することがあげられる。淤血とは、古血、つまり血の流れが悪くなり、滞ってしまうことをいう。血栓は、血管の中に血液などの固まりが詰まることで、それによって血液の循環をとめてしまうことに繋がる。各種の生活習慣病をはじめ、現代病と言われる多くは、この淤血や血栓が原因となった起こるケースが多い。たとえば、自律神経失調症、更年期障害、腰痛、痔、便秘、頭痛、慢性肝炎、肩こり、イライラ、歯槽膿漏など多数に及び、現代人が悩む病気はほとんど含まれているといってよい。

 こうした淤血を示す徴候としては、①脱毛、②赤ら顔、顔にしみができはじめた、③鼻の頭が赤くなった、④目が充血しがちになり、目がかすむ、⑤首の後ろが重く、時々フラッとする、⑥歯茎の色が悪くなった、⑦耳鳴りがしたり、肩がこる、⑧皮膚の色が黒くなり、つまむと赤色化してなかなか消えない、⑨生理痛・生理不順がひどい、⑩便秘がち、痔を患う、⑪腰痛、⑫、手のしびれ、震え、⑬心臓の付近が時々刺すように痛む、⑭傷あとが治りにくい、⑮喘息や気管支炎でもないのに空咳が出る、⑯皮下脂肪組織をつまむと硬くて痛い、などがあり、いずれも注意する必要がある。

 血栓症は、血管のつまり血液が体の隅々まで送れなくなるもので、その最たるものが脳卒中や心筋梗塞である。ここまでくると命取りになるが、そこまで行かなくとも多くの疾病を引き起こす要因になっている。霊芝はこのような病変に対して、①高血圧を改善する、②低血圧の人の血圧を高める、③動脈硬化の予防作用がある、④高脂血症を改善する、⑤降圧剤の副作用を軽減する、⑥老化を防止する、⑦新薬と併用して降圧作用を高めるなどの働きを持つ。

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日曜日, 12月 04, 2005

クエン酸について

○クエン酸

 クエン酸は、今から200年以上前の1784年、スウェーデンの科学者シェーレにより発見された爽快な酸味を持つ酸である。レモンやライム、グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれており、例えばレモンの大きいもの1個には約4gのクエン酸が含まれている。人の血液中には総量にして0.1g近く含まれ、常に体中を駆け巡っている。

 クエン酸の重要な働きのひとつにキレート作用がある。キレートとはギリシャ語でカニのハサミを意味するケーレーに由来する言葉で、金属のイオンをある化合物の両端に挟み込み、その金属イオン特有の性質を覆い隠す。クエン酸は生体内で、カルシウムやマグネシウム、あるいはアルミニウムなどのミネラルイオンと結合し、イオンとしての作用を表さないようにする働きがあるため、保存血液の抗凝固や大腸ガンの検証時に活躍するマグネシウム塩類下剤に応用されている。また、クエン酸と鉄のキレート化合物であるクエン酸鉄は、アルツハイマー病の治療薬として用いられることもある。それはクエン酸のキレート形成能力と、その無害性によるものである。

 このように、無毒で卓越したキレート作用を持つクエン酸だが、その真価を最大限に発揮するのは、生命維持に欠かすことのできないエネルギーを獲得する場面である。

 体に吸収されたブドウ糖などがエネルギーに変わるのは2つの方式がある。ひとつは解糖作用、もうひとつはクエン酸サイクルである。

 解糖作用は、生体細胞がブドウ糖からエネルギーを獲得する基本的な方法で、空気の存在しない環境で繁殖する微生物や、人間のような高等動物においても血液中の赤血球などは解糖作用でのみエネルギーを得ている。解糖作用は1分子のブドウ糖が2分子の乳酸(またはピルビン酸)に分割され、そのときに現れるエネルギーがATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー化合物に蓄えられる。ATPは単細胞生物の細菌から多細胞生物の人まで、全ての生物体に含まれており、生物は必要に応じてATPを分解して、そのときに放出されるエネルギーをいろいろな生命活動に利用している。

 もうひとつのクエン酸サイクルは、酸素を使って栄養素を燃焼させてエネルギーを獲得する方法で、真核細胞内にあるミトコンドリアという小器官で行われている。解糖作用が進行していくと、乳酸が溜まってその部分は酸性になり、ついには解糖作用が停止するが、これは多量の乳酸による酸性化が原因で、解糖系に属する酵素の一部が作用しなくなるためである。しかし、解糖作用の最終生成物(ピルビン酸)をクエン酸サイクルに入れて酸化すれば、解糖作用単独の場合に得られるエネルギーの19倍ものエネルギーを取り出すことができるのである。

 クエン酸サイクルは、解糖作用によってできたピルビン酸を順次、クエン酸、シス-アコニット酸、イソクエン酸、α-ケトグルタン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキザロ酢酸へと少しずつ酸化させることによって、栄養素を完全に燃焼させ、ブドウ糖の持つ全エネルギーの42%をATPの形で利用できるようにする。最後のオキザロ酢酸は、ビルピン酸と反応してクエン酸を再生する。また、この反応の過程で脂肪合成の材料となるNADHのような、生体に必要な物質も作られる。反応産物として出てくるのは、生体には全く無害な水と炭酸ガスのみである。

 この仕組みのキーを握っているのがクエン酸なとであるが、実際にクエン酸を摂取することによって、運動能力の向上、疲労回復、肩こり・腰痛の予防、抗菌・抗ウイルス作用が見出されている。最近は、各種機能性素材とクエン酸が組み合わされ、さまざまな健康食品が登場している。

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土曜日, 12月 03, 2005

スピルリナについて

○スピルリナ

 スピルリナは緑青色をした藍藻の一種で、0.3~0.5mmくらいの大きさだが、ワインのコルク抜きのようにらせん状をしていることから、ラテン語でらせん、ねじれるを意味するスピルリナと言う名前がつけられた。藍藻の多くが淡水に生息しているの対し、スピルリナは高温・高アルカリ・高塩分という厳しい環境下で繁殖するのが大きな生物的特長である。この条件はまた雑菌の繁殖を防ぐのにも役立っている。

 食用としての歴史は古く、16世紀のメキシコ高原に栄えたアステカ王国では、この地に多い塩湖に自生していたスピルリナを常食していたと言う記録も残っている。そのためか、メキシコ政府は1973年にスピルリナを正式に食品として認め、増産を奨励した。

 またアフリカのチャド共和国では、同じく塩湖のチャド湖、ヨアン湖に自生するスピルリナを、一部原住民が昔から常食している。

 本格的な食料化については、1967年の国際応用微生物学会(エチオピアで開催)で注目されてからのことである。その後の研究において、スピルリナに優れた栄養成分が豊富に含まれていること、消化吸収がズバ抜けて高いことがわかった。

 その特徴は、まだタンパク質の含量が60~70%と非常に高く、高タンパク食として大きな価値を持っている。一般にタンパク含有量の高い良質の食品として知られる大豆でも33~35%、牛肉でも18~20%にしかならず、スピルリナはその2倍、3倍の量を含有していることになる。さらにタンパク質の大事な条件である必須アミノ酸については12種類全てを高単位に含んでおり、優れた栄養バランスを保っている。タンパク質は生体の構造や機能にとって中心的な働きをする栄養で、特に必須アミノ酸は体外から摂取しなければならない大切なものである。

 さらに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているため、新陳代謝を円滑にし、体内の酸性、アルカリ性を調整する効用がある。ビタミン類ではプロビタミンAが多く、100g中100~200mg。そのほかにビタミンB1、B2、B6、B12、E、ニコチン産、葉酸、パントテン酸など、ほとんど含有されている。

 またミネラルではカリウムが特に多く、100g中1000~2000mg、カルシウム100~400mg、リン300~700mg、マグネシウム200~300mg、鉄50~100mgとなっている。そのほか、日本人に不足しがちな葉緑素や、カロチノイド、フィコシアニンなどの色素類も含み、全体としてバランスのとれた栄養補助食品となっている。

 こうした優れた栄養成分は、病気治療や予防に役立つことが臨床報告や実験などによって明らかにされている。特に各種の生活習慣病などのように体の老化から起こる疾病は、栄養補給が重要な条件となっており、アミノ酸をはじめビタミンやミネラルなど、多くの栄養をバランスよく含むスピルリナは、優れた効果を持っていることが指摘されている。

 これまでに報告された中では、糖尿病、肝炎、貧血症、高脂血症、慢性膵炎、胃潰瘍、胃炎などの成人病、内臓疾患などに効果を上げた例がある。これらはいずれも栄養補給が治療の重要条件だけに、スピルリナの栄養効果が実証された例といえる。そのほか、老人性白内障や円形脱毛症など、一般に治療困難といわれる症状に著効を示した例もある。

 また、重金属や薬物による副作用の軽減効果も報告されている。数ある健康食品の仲でも、総合的な栄養補給に優れ、健康の維持・増進に適した食品といえる。形状としては粒状、顆粒状のものが主流だが、近年は液状のエキスも開発されている。

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金曜日, 12月 02, 2005

ハナビラタケについて

○ハナビラタケ

 ハナビラタケ(花弁茸)はハナビラタケ科の食用のキノコで、世界に1科1属2種だけが、夏から秋口にかけて関東以北の山間部で針葉樹の根元や切り株に生える。英語名カリフラワー・マッシュルームからもわかるように、葉牡丹のように縮れた花びら状の子実体は、1株の直径が20~40cm、高さ10~30cmにも達するが、絶対数が少なく、しかも人工栽培が非常に困難であることが、健康食品界への登場を遅らせる原因となった。この困難な人工栽培を成功させたのは福島隆一(埼玉県立熊谷農業高校教諭)であるが、この成功によって供給されるようになった試料を用いての生理活性研究が学界にデビューを飾ったのは、1999年3月に徳島市で開催された日本薬学会第119年会である。ポスター発表で、東京薬科大学第一微生物学教室の宿前利郎、大野尚仁らによるハナビラタケ由来のβ-グルカンの構造と活性であった。

 同研究によれば、ハナビラタケのβ(1→3)D-グルカンは43.6g/100g(酵素法による)にも達し、この数字はどんなキノコよりも圧倒的な多さである。

 また、抗ガン活性の実験は、1群10匹、合計130匹のマウスに固型ガン細胞ザルコーマ180を鼠蹊部に皮下注射で移植して行われた。子実体の熱水抽出(4倍画分、1倍画分)、冷アルカリ抽出、熱アルカリ抽出の濃度の異なる試料(500、100、20ug)を7日目、9日目、11日目の3回、腹腔内に注射で投与し、5週間経過後のガン細胞抑制率を調べたものである。結果は2群(熱水抽出画分の100、20ug投与)を除く全てにおいて著しい抗ガン効果を示し、特に熱アルカリ抽出画分100ug投与では、100%のガン退縮を見た。

 引き続いて、注射ではなく、経口投与による抗ガン効果を検討する実験が同研究グループによって行われ、熱水抽出試料を連日50、100、200ug経口投与することによって、抹消血管内の白血球数が未投与グループに比して1.5~2倍にも増えたことが確認されている。

 ハナビラタケの抗腫瘍効果については、最近、臨床治験報告も出されている。移入免疫療法の第一人者として知られる吉田憲史(ヨシダクリニック東京総院長)によると、大腸ガンが肺に転移して一時は余命6ヶ月と診断された59歳の女性で、移入免疫療法によりガンの進行は抑えられていたが、その後両側の頚部リンパ節転移が認められ、腫瘍マーカーCEAも37.5へ上昇した。そこでハナビラタケ1T(100mg)を1日3錠ずつ内服して経過を見たところ、1ヵ月後には頚部リンパ節転移が右側1個となり、2ヵ月後には消滅し、CEAも254へ下降した。免疫力を表すNK細胞活性も当初の17%から40%まで回復。それ以降、ハナビラタケを内服しながら月1回の治療を続けた結果、ガンの進行は認められなかったという。吉田の報告によれば、慰留免疫療法とハナビラタケを組み合わせる治療法は、手術や抗ガン剤によって低下した免疫力を飛躍的に活性化させ、体内ワクチン作用を起こし、ガンと闘う力をよみがえさせる効果があるとしている。

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木曜日, 12月 01, 2005

EPA(エイコサペンタエン酸)について

○EPA(エイコサペンタエン酸)

 国際表示はIPA(イコサペンタエン酸)。魚油に多く含まれるn-3系の多価不飽和脂肪酸である。

 EPAが注目されるようになったのは、1970年代にデンマーク・オールボア病院のダイアペルグがエスキモー人を対象にして行った疫学的調査の結果によってである。それによると、魚やアザラシを主食とするエスキモー人(イヌイット)は、肉食中心のデンマーク人に比べて動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病が大幅に少なかった。たとえば、デンマーク人の死亡原因が心筋梗塞だけで40%以上も占めているのに、エスキモー人は発症率が高いはずの60歳以上だけを対象にしても、わずか3.6%でしかなかった。

 その原因がエスキモー人の食生活にあると考えた研究の結果、魚油に含まる脂肪酸のEPAの有効作用にあるとわかったのである。これは同じく魚油に含まれるDHAにも見られる作用で、血液の流動性を高めて血栓の生成を抑え、血管に付着して動脈硬化の原因となる血液中のコレステロール値を下げる働きも明らかにされてきた。

 日本における疫学調査でも、山間部の農民に比して沿岸地域の漁民はイワシなど魚類を2.5倍ほど多く摂取しており、血小板の凝集能(血液の固まりやすさ)は約1/3、また、心筋梗塞や脳梗塞による死亡率が2/3であることなどの調査結果を報告、同研究班はさらに魚油から生成したEPAによる臨床試験(対象者117名)でも、血中EPAの増加と、血中コレステロールの低下、血小板凝集能の抑制が認められることを確認した。

 こうした疾病以外に、EPAにはアトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症などアレルギー疾患に対する予防・治癒効果、あるいは慢性関節炎など炎症性の症状にも効果があることが報告されている。これはEPAやDHAを材料にして体内で作られるエイコサノイドという生理活性物質(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトルエンなど)による作用であると考えられているが、よく似たプロセスでn-6系のリノール酸が体内でアラキドン酸を経て生理活性物質になった場合には、逆に血小板凝集作用が強まり、過剰摂取は成人病を促進することになるばかりか、炎症物質を作ってアレルギー反応を助長する結果を招くことがあることも明らかにされている。こうして、一時期もてはやされた植物油への過信を反省する気運の中で、EPAやDHAへの関心が高まり、また、体内でEPAやDHAに変わるα-リノレン酸などへの関心も高まってきている。

 EPAを多く含むのはハマチ、サンマ、イワシ、マグロなど脂肪の多い魚全般、あるいは筋子などであるが、それは魚類が餌とするプランクトンなどに含まれるα-リノレン酸が体内でEPAに変化して蓄積されるためといわれ、冷たい水の中で体脂肪が凝固してしまうことを防ぐことに寄与していると考えられている。

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水曜日, 11月 30, 2005

たまねぎについて

○たまねぎ

 ユリ科の1、2年草で、原産はイランといわれている。鱗茎が肥大した部分を食用とする。古代エジプトには早く伝わって一般的な食べ物として普及したが、後に、地中海地方からヨーロッパ全域に広がり、中世のドイツやイギリスでは重要野菜として扱われた。1347年に疫病が大流行したときに、ロンドンのたまねぎとニンニクを売っている店では、伝染を免れたと伝えられる。わが国では明治以降に普及した。

 現在、一般的に食べられているのは黄たまねぎ、赤たまねぎ、白たまねぎ、小たまねぎの4種である。黄たまねぎ(ストロングオニオン)は辛味が少なくサラダに利用される。白たまねぎは(マイルドオニオン)は辛味がやや少なく、サラダなどの生食用にされる。小たまねぎ(ペコロス)は黄たまねぎの成長を抑えて育てたもので、ピクルスや煮込み料理などに利用される。

 たまねぎの効能としては①高脂血症によって引き起こされる血漿コレステロールの上昇を抑制し、善玉コレステロールを増やす、②体内にある血圧上昇物質に対抗して上昇を抑えたり、利尿効果によって塩化ナトリウムの排泄を促進して血圧を下げる、③血小板凝集抑制作用があり、血栓をできにくくする(脳梗塞、老人ボケの予防)、④血糖降下作用、⑤去痰作用、⑥発汗作用などが上げられる。

 たまねぎを切ると涙が出るが、これは切断されるとたまねぎが持つ酵素が働き、涙を催す物質が生成されるからだ。これは切った直後よりも、そのまま1時間以上放置した後に強くなる。この辛味成分はアリルプロピルジサルファイドや硫化アリルなどのイオウ化合物で、硫化アリルはビタミンB1の吸収を高め、アリルプロピルジサルファイドは血糖値を下げる作用がある。イオウ化合物は、強い抗ガン作用があることでも注目されている成分である。また、たまねぎの黄色い色素であるケルセチンは高血圧予防に有効であるとされる。

 黄・赤・白・小たまねぎについて、イオウ化合物とケルセチンの含有量を比較すると、イオウ化合物は黄色たまねぎに一番多く、以下、小、赤、白の順で、ケルセチンは小たまねぎがトップで、以下、黄、白、赤の順となる。

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火曜日, 11月 29, 2005

ルイボスティーについて

○ルイボスティー

 ルイボスティーは、アフリカ大陸最南端、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生する針葉樹ルイボスの細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙効を信じて愛飲してきたという。

 1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も勤めたイギリス系のP.F.ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農産物化に成功した。味・香り・色彩ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として、生産、加工、品質管理が政府の肝いりで行われている。わが国の健康茶の中では新顔に属する。

 飲み始めて比較的早くわかる効用として、便秘の改善、便の正常の変化(軟便は固く、固すぎる便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善が挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、数ヶ月の飲用で高血圧、高血糖などが快方に向かった、精神的に安定するといった報告例が多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)らが多くの研究成果を発表している。

 長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出エキスと茶葉粉末を投与することで、いずれの場合も血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは、心臓疾患なと゜へのルイボスティーの寄与を示唆するものである。

 そのほかにも加齢による認知症(ボケ)の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいこととしては愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども確認された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが抗酸化作用ならびに活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用は他の野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。

 ルイボスティーのもうひとつの特徴は、緑茶やコーヒーと違ってカフェインは0、カテキン(タンニン)は微量だが、含有ミネラルは多く、特にリンとカルシウムが飲食物としては理想的な1:1の構成比で、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが人間の体液組成比率と極めて似ていることが挙げられる。このことはルイボスティーが人体になじみやすく、細胞の活性化に寄与しやすいことを示していると考えられている。

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月曜日, 11月 28, 2005

パパイアについて

○パパイア

 パパイアは中南米原産のパパイア科の果樹で、発生はジュラ紀にまで遡ると考えられる。幹は枝分かれせず直立し、中空である。葉は先端部に集中し、その下に実をつける。ハワイ種と、これが改良されたマレー種があり、ハワイ種は高さ20m、果実は楕円形で直径15cm、マレー種は高さ5mまでであるが実は大きく、直径20cmに達するものもある。

 完熟パパイアは生食やトロピカル・ドリンク、ジャムやシロップ漬けなどにされる。未熟パパイアは料理に使われ、キュウリのように野菜として食べられている。

 栄養価で目を引くのはビタミンCの含有量が多いことで、果物の中ではイチゴ、キウイフルーツに次いで多く、中型半個で約80mg含有しており、1日所要量はこれでほぼ満たされることになる。他に疲労回復に有効な酒石酸、リンゴ酸、クエン酸なども豊富に含んでいる。また黄色色素であるカロチノイドの一種クリプトキサンチンもゴマに次いで多い。さらに食物繊維の一種であるペクチンを多く含み、整腸作用と同時に便秘の解消にも有効である。

 パパイアの最も大きな特色は、消化酵素を豊富に保有することで、果実はもとより葉や根に至るまで広く分布している。その代表的なものはタンパク分解酵素パパインであり、パパインが自生する地では、古くから肉を葉にくるんで焼くことで、タンパク分解酵素が作用して肉が軟らかく美味しくなることを調理法として用いている。

 台湾第二の都市の高尾で一番人気のある「木瓜500」というドリンクは、オレンジ色に熟したパパイアをミキサーにかけて牛乳500ccを加え、氷と一緒にミックスした飲料だが、余り消化のよくない冷たい牛乳がパパイアの酵素で消化吸収しやすくなり、ビタミンCの補給源ともなって、食後に飲めば、肉、魚、チーズ、卵、豆などのタンパク質や脂肪の消化をも高める。高タンパク食に合ったデザートとして最適であり、また暑いときのスタミナドリンクとして、特に若い女性に愛好されている。ただ、パパインの効果は熟しすぎると余り望めないので注意したい。

 パパイアは穏やかな抗菌力のあることも知られており、障害された局所の修復を促進する力もあるので、傷ややけどは葉で包んだり、スライスした果肉を当てたりして手当てする。アメリカの著名な美容家のバージニア・トーマスは、パパイアの酵素が、肌荒れや紫外線で痛んだ肌の手入れに効果的であると発表している。パパイアとスペアミンと、スイートミントなどのハッカ成分を加えた温湿布によって肘や膝、肌の硬い部分の角質を酵素の力で分解し、古い角質を治療し、新鮮で軟らかい皮膚に改善して、赤ちゃんのようなすべすべの肌を取り戻すという。

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日曜日, 11月 27, 2005

高麗人参について

○高麗人参

 高麗人参は中国東北部から朝鮮半島にかけて自生しているウコギ科の多年草で、朝鮮人参ともいい、和名を御種人参という。一般の食用人参はセリ科に属し、これとは全く異なる植物である。

 中国最古の医学書・神農本草経では、高麗人参を上薬に分類し、「五臓を補い...。久しく服すれば身を軽くして、長寿延命す」と、その効能を述べている。つまり、心・肺・肝・腎・脾に作用して、その活動を活発にするのをはじめ、様々な効果を発揮し、長期に連用すれば命が長引くというわけである。

 高麗人参の作用には優れた2面性があり、たとえば「最初は精神的に興奮しても結果的にはへばって、ファイトを失う」というタイプにも、逆に「初めからやる気が起きず、ファイトも湧かない」というどちらのタイプにも効果を発揮する。これは高麗人参には鎮静作用と興奮作用という全く逆の作用を併せ持つ有効成分が含まれているためで、ジンセノサイドという人参サポニンは大脳を鎮静させる作用がある反面、体の細胞や臓器の働きを活発にして体調を整える作用もある。そのため、心身症や不定愁訴症候群、慢性肝炎(肝炎の患者はすぐにカッとなったりイライラする人が多い)などに対して鎮静作用が期待される。

 人参サポニンについては多岐の薬効薬理試験が実施されているが、愛媛大学医学部の研究グループは、インスリン作用物質として人参サポニン以外にもアデノシン、ピログルタミン酸などを明らかにし、さらに紅参(人参を蒸してから熱風乾燥したもの)に血管を弛緩させる物質として、アルギニル-フルクトシル-グルコース(AFG)を見出している。この事実は、紅参が抹消循環改善作用を有し、冷え性などを改善する可能性を示している。

 さらに肉体的抗疲労作用とともに精神的な疲労にも有効で、作業効率を向上させることが科学的にも明らかになっている。また、人間の体を正常な方向へ誘導する正常化作用、すなわち化学物質による刺激や微生物汚染、精神的ストレスなどに対して体に働きかけてホルモンのバランスを保ち、とくに副腎皮質ホルモンの分泌を調整することによって、体の抵抗力を強め、病気に対抗する力をつける効用もある。こうした代謝機能の正常化作用には、もうひとつの側面、つまり、疲れた五臓を活発化させ、その結果、性的機能を回復させる効果もある。

 そのほか、具体的な効能としては、健胃・整腸・胸痛・嘔吐・低血圧・冷え性・貧血・病後の滋養回復・疲労回復・スタミナ増強・老化防止・自律神経失調症の治療など、多くの臨床例が報告されている。

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土曜日, 11月 26, 2005

クロレラについて

○クロレラ

 クロレラは、生命誕生から間もない、ほぼ30億年前から地球上に生息している淡水産の緑藻である。大きさは2~10ミクロンほどで人間の赤血球よりも小さい存在だが、驚異的な増殖能力と生命力を持っている。

 クロレラが発見されたのは1890年、オランダの学者バイリンクによってである。その食料源としての研究は、第一次大戦中のドイツで始まり、以来、第二次大戦中へと引き継がれるが、いずれも敗戦によって研究活動は一時的にストップ。この間に、ノーベル医学賞受賞者でガン研究の権威であるオット・ワールブルグが初めて生物学研究の対象の一つとしたことがきっかけとなって、第二次大戦後、アメリカとドイツを中心にイギリス、フランス、イスラエル、インドなど世界の学者が競ってクロレラの研究に取り組むようになった。

 日本でも古くから注目を集め、1951年に米国カーネギー研究所の勧めを受けた東大の田宮博が徳川生物学研究所で着手。1959年には日本クロレラ研究所が設立され、クロレラの大量培養→製品開発→市販へと発展してきた。

 当初は、NASA(米国航空宇宙局)が宇宙開発に利用する計画を進めていたこともあって、宇宙食とも言われていたが、現在は良質のタンパク質を含む健康食品として広く知られるようになっている。その成分をみると、タンパク質50%、炭水化物20%、葉緑素5%、そのほかにミネラル類、ビタミンA・B1・B2・B6・C、パントテン酸、葉酸、核酸など、豊富な栄養を含んでいる。

 クロレラは増殖→細胞分裂の過程で葉緑体も分裂し、クロレラエキスが多量に生じる。このクロレラ独自の成分であるクロレラエキスこそ、人間の健康を維持し、病気の治療に役立つ物質とされている。

 クロレラの優れた特徴となっているこのエキス成分はまだ完全に解明されていないが、細胞を賦活化する作用が認められており、アメリカ老化防止研究所所長のデビット・スチーブンブロックは、著書「長生きを見つけた」の中で、このエキス成分を「クロレラグロスファクター(CGF)」と呼び、アミノ酸、ペプチド、ポリサッカライド、ビタミン、核酸類などが複合されたものであろうと推察し、その抗老化作用に言及している。また、日本での小学生への投与試験(長崎医科大学)では、伸長、握力、背筋力の発達に効果があることを認めている。

 さらに愛知教育大学の福井四郎がクロレラ研究の過程で解明した効用を列記すると

 ①クロレラは酸性体質を弱アルカリ性に変える唯一の物質である。酸性体質は成人病の元凶であり、弱アルカリ性体質のほうが疲れにくく、病気にかかりにくい。次に細胞の働きを活発にする。クロレラエキスにより細胞の新陳代謝が盛んになり、体全体が若々しくなり、病気の予防や治療を促進する。②細菌やウイルスに対する抵抗力が強まり、伝染病などの病気の予防に効果がある。③クロレラエキスの成分の一つ、S-ヌクレオチドペプチドが赤血球の回復に役立つので、解毒効果がある。④造血作用を活発化する作用があり、貧血などに有効なほか、コレステロール値も下げる。⑤肝臓、腎臓の働きをよくする。⑥タンパク質の合成を盛んにする。スタミナ増強、疲労回復などに効果を発揮する。⑦脂肪代謝を正常化し、肥満の予防になる。

 また、重金属や合成洗剤中毒に対する解毒作用が実験で判明したほか、胃潰瘍、水虫、糖尿病、心臓病、脳卒中、生理不順などに対する効果も報告されており、体質を強化する健康食品、保健食品としての価値は高い。なお、クロレラの細胞壁が吸収を妨げることが指摘されてから、細胞壁を破砕したものも広く市場に出されるようになっている。

クロレラの商品一覧

金曜日, 11月 25, 2005

ルンブルクス・ルベルス(LR)について

○ルンブルクス・ルベルス(LR)

 中国ではミミズを蚯蚓とか地龍と呼び、薬物として扱ってきた歴史がある。ミミズは毛足網貧毛目に属する環形動物で、その仲間は体調0.5mmから4.5mの長さに達するものまで、世界中に11科、約1700種が分布し、日本だけで300種近くが棲むといわれている。北半球にはツリミミズ科に属するものが多く、南半球にはフトミミズ科のものが多い。

 そのうち、薬用となるミミズは特定の種類であるが、あらゆる植物や動物、キノコ類、鉱物類を渉猟して薬効を見出し、それらを生薬のリストに取り入れたいった古代中国の先人は、ミミズにも熱い視線を注いできたわけである。1世紀末から2世紀初めにかけて記述された中国最古の薬物書・神農本草経には、すでに白頸蚯蚓の名で収載され、婦人病、虫下しの薬物とされている。また、11世紀の宋時代の薬物書・図経本草には地龍の名で登場し、各種の効用が記され、近年それらの効用を裏付ける有効成分も明らかにされてきている。それは以下のようなものだ。

 ①解熱作用として、ミミズにはルンブロフェブリンという成分が含まれ、胃を荒らさない解熱剤となる。②鎮痛作用として、ミミズには貴重な金を含む塩化窒素化合物が2種類含まれ、鎮痛効果をもたらす。金には痛みを止める効果があり、鍼灸でも痛みの治療には金針を用いる。③鎮痙作用として、ミミズは筋肉痙攣を鎮める作用のある多量のカルシウムを含んでいる。④利尿作用として、ミミズに含まれる多量のカリウムが利尿を促進する。

 このほか、抗炎症作用や鎮咳作用のほか、図経本草には、脳溢血によって起きる中風の後遺症を改善する特効薬は地龍であると記載されている。中風によって運動神経が麻痺して半身不随になるのは、運動を司る小脳を脳出血で固まった血が圧迫するためだが、この地流が麻痺を改善するという記述は、その中に血栓を溶かすことができる強力な有効成分が含まれていることを示している。そして。その1000年後の日本において、フトミミズの一種から副作用の全くない血栓溶解酵素ルンブロキナーゼが国立宮崎医科大学で見出され、この記載の正しさが立証されたのである。

 現在、脳卒中などの血栓を溶かす薬物としては、ウロキナーゼやt-pAなどかあるが、こられは直接血栓を溶かすのではなく、体内でプラスミン(線溶活性酵素)を作り出す間接的な補助剤に過ぎない。また効果は短時間で、作用が弱いという欠点もある。さらにこの薬は内服できず、点滴注射や脳内に直接注入という方法がとられるため、投与量が多過ぎると逆に血管を傷つけたり、出血時に血液が止まらないという副作用を持ち、非常に高価であるという欠点もある。

 これに対してフトミミズ由来のルンブロキナーゼは、血栓を直接溶かす作用を持ち、口から服用しても分解せず、効果が長時間持続し、しかも値段が安いという、夢のような長所を持っている物質なのである。こうした特徴が評価され、ルンブロキナーゼは、①血栓溶解、②高血圧の改善、高脂血症の改善、④糖尿病の改善、⑤製造法という5つの日本特許が認められ、米・英・ECなど世界23カ国の国際特許を得ている。

 このように、非常に幅広い健康効果が実証されているミミズだが、健康食品として利用されるようになったのは最近のことである。それは、漢方処方にも配合されて幅広く病気治療に使われてきた生薬・地龍(日本産は材料として、「カッショクツリミミズ」の体内の土砂を取り除き、丸ごと乾燥させたもの。古くから高熱の特効薬として、また鎮痙、利尿、解毒剤として使われたきた)は、薬事法に基づく食薬区分で、医薬品成分に収載されているために、食品としての使用ができなかったからである。

 現在、わが国で健康食品に使用することができるのは、欧米などで食用にされてきた赤ミミズ(レッドウォーム、学名はルンブルクス・ルベルス)で、漢方生薬の広地龍の材料となる参環毛ミミズと同じ仲間のフトミミズ化に属し、ニュージーランドやアフリカ中部の原住民の高タンパク食品と頻用してされてきた種類である。米国でタンパク源として、ペットフードにも盛んに利用されている。

 ルンブルクス・ルベルス(LR)食品は、このレッドウォームを原料として、厳しい品質管理のもとに滅菌処理をして精製粉末化され、カプセルの形で供される機能性食品である。それ単独でも所期の目的である血栓溶解・血行促進といった食効が得られることは既に多くの研究で明らかにされているが、さらに幅広い食効や保健効果を求めて、他の伝統的な健康食品との組み合わせも行われている。

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木曜日, 11月 24, 2005

ウコンについて

○ウコン

 ウコン(鬱金)は熱帯アジア原産のショウガ科ウコン属の多年草で、春(初夏)にピンクの花を咲かせる春ウコンと、秋(晩夏)に白い花の咲く秋ウコンの2種類がある。いずれも地上部は芭蕉に似た形状で高さ1.5mほどになり、生姜に似た大きな根茎を持ち、ときにそこから出たひげ根の先端が肥大根となる。掘り上げた生の根茎を切ってみるとどちらも高い芳香性があるが、内部の色に違いがあり、春ウコンが鮮やかな黄色であるのに対し、秋ウコンは橙色を帯びる。乾燥した粉末をみても、この差は歴然としている。また、春ウコンにはやや辛味と苦味があるが、秋ウコンには苦味は感じられない。優れた薬効を発揮する生薬として用いられるのは春ウコンの根茎であるが、両者の区別がはっきりしたのは近年の研究成果である。従来カレー粉の原料として利用されてきたのは主に秋ウコンで、特有の味と香りはターメリックと呼ばれる香辛料が主役となっている。また、各種食品の黄色の着色剤としても用いられる。

 中国薬草書の古典、本草網目には、このウコンに関して、鬱金と姜黄の2つの記述があり、鬱金については「...血を止め、悪血を破る。血淋、尿血、金瘡を治す」とされ、姜黄については「...気を下し、血を破り、風熱を除き、血塊を治し...」としたあとで、「功力(効力)は鬱金より烈し(強し)」と述べている。また伝統的に中国では、春ウコンの根茎を姜黄と呼んでいたことも考え合わせると、ここで述べられた姜黄が春ウコンであると解釈するのが妥当であると考えられている。

 日本では、既に平安時代中期に中国から渡来し、慶長年間(1596~1610)に沖縄(琉球)特産の薬草として珍重され、砂糖とともに重要物産として専売制を布いて大々的に栽培され、次いで九州南部でも生産されるようになって、健胃薬、通経薬、利胆薬、産後の下血、血尿、体内の鬱血を解消する駆?血薬として広く用いられ、平胃酸、猪苓湯などの方剤としても盛んに利用された。近年、伝統的生薬を見直す機運の中で改めて脚光を浴び、糸川秀治(東京薬科大学)らによる成分分析や作用の解明が進められるとともに、前記のような春ウコン、秋ウコンの区別なども明らかにされたきたものである。

 黄色い色素であるクルクミンや精油成分についての薬理試験では、肝臓の解毒機能促進、胆汁分泌促進、胆道結石除去、利尿、強心、抗出血、抗菌、抗潰瘍、血中コレステロールの抑制作用などが明らかにされている。適応症としては肝炎、胆道炎、黄疸、胃炎、生理不順、高血圧、低血圧、動脈硬化など多くを数えるが、近年は特に慢性C型肝炎を含む肝臓病、がん、糖尿病への効能に期待が寄せられ、老化や万病の元といわれる活性酸化やその除去作用、抗酸化作用にも関心が高まるようになった。同じショウガ科に属するガジュツも、薬効に富む植物としてよく知られている。

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水曜日, 11月 23, 2005

琉球もろみ酢について

○琉球もろみ酢

 醸造酢は、原料の糖質をまずアルコール発酵させたあと、さらに酢酸発酵させることによってその酸味を醸成することが製法の基本である。その糖質を得る原料として、主に穀物(米・麦・トウモロコシなど)や果実(ブドウ・リンゴなど)が用いられるが、この原料の違いや発酵菌の種類が、できた醸造酢の風味はもとより、その健康効果を大きく左右することになる。

 琉球もろみ酢は、沖縄の特産品である泡盛がベースであるところに第一の特徴がある。

 泡盛の醸造には伝統的に精選されたタイ米が使われてきていることも特色の一つだが、中でも特筆すべきは、アルコール発酵から後発酵まで、一貫して発酵菌に黒麹菌が使われることである。

 その結果、一般の食酢の場合には酸味の主成分が酢酸であるのと異なり、琉球もろみ酢ではクエン酸が主体となる。そしてこのクエン酸が、琉球もろみ酢の特徴的な健康効果である運動能力の向上、疲労回復、結石の抑制、肩こり・腰痛の予防、抗菌・抗ウイルス作用といった働きをもたらすのである。

 体内でグルコース(ブドウ糖)や脂肪酸がエネルギーに換わるのには、無酸素状態でその化学的エネルギーを開放する解糖系と、もっと遥かに多くのエネルギーを生むクエン酸回路(ATP回路)という反応系(有酸素状態で行われる)があるが、クエン酸を起点に一巡しながらエネルギーを生む目的物質であるアデノシン-3-リン酸(ATP)を産生するこの反応は、細胞内のミトコンドリアという小器官で行われるため、そこへ自由に入っていけるクエン酸が直接的な活力源として寄与できると考えられるのである。

 琉球もろみ酢に、非常に多彩かつ豊富にアミノ酸が含まれていることも高い機能性がもたらされる一因だが、これはその醸造にタイ米と黒麹菌が用いられるためと考えられている。

 すなわち、黒麹菌を加えて熟成したもろみ(諸味・醪)から泡盛を蒸留したあと、もろみをさらにゆっくりと熟成させる過程で、米に含まれていたタンパク質が、機能性を持つ多様なアミノ酸に細かく分解され製品に含まれるのである。このタンパク質の分解力は発酵菌の種類によってそれぞれ差があるが、黒麹菌が作用した琉球もろみ酢では必須アミノ酸を含む18種のアミノ酸が分析されている。

 天然醸造酢は原料と菌の合作であり、醸造法や環境因子も考慮に入れると大変バラエティーを持つわけで、その機能性の全貌が見えたわけではない。したがって実際の飲用効果と成分との対応が完全にはとれないが、琉球もろみ酢に特に顕著な元気の回復や、体の抵抗性を高めるという働きは、多量に含まれるクエン酸によるところが大きいと考えられる。しかしこの場合でも、それが発酵菌による天然醸造によって醸し出されたもので合成された成分でないこと。また他の成分との複雑な相互関係による結果であることは容易に理解できるであろう。

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火曜日, 11月 22, 2005

キチン・キトサンについて

○キチン・キトサン

 キチンは、カニ・エビ・シャコ・オキアミなどの甲殻類の外皮や昆虫の外皮、キノコなど菌類の細胞壁の主成分を構成するアミノ酸重合体。19世紀の初頭に発見され、ギリシャ語で、封筒の意味を持つキチンと名づけられた。非常に堅固な構造をしていて水に溶けないが、このキチンを熱した濃いアルカリ溶液に浸漬しておくと、その分子(N-アセチルグルコサミン)からアセチル基が脱落してアミノ基に入れ替わったキトサンに変わり、希有機酸には溶けるようになる。

 キチンとキトサンを総称をしてキチン質と呼ぶ場合がある。

 キチンは植物のセルロースと同様、地球上に無尽蔵に存在する物質だが、硬い構造のために利用されることもなかった。しかし1970年頃、未利用生物資源の活用を巡ってアメリカで注目されるようになり、ほぼ10遅れて日本でも、毎年大量に排出される缶詰用ベニズワイガニの殻の再利用が研究開発の対象となってからは、多方面で基礎研究と技術開発が進み、たちまち畜産・漁業用の飼料、殺虫・殺菌剤、汚水処理などのほか、化粧品の溶剤、各種の網やラップ、さらに医療用に人工皮膚、手術用縫合糸などへと、その用途を広げた。

 その幅広い応用範囲の中に、健康食品・機能性食品として活用法がある。現在、年間1200トンほど生産されているといわれるキチン・キトサンのうち、健康食品としての利用は約3%ほどであるが、20世紀最後最大の天与の物質といわれるほどに、幾多の顕著な効果が報告されている。

 平野茂博(鳥取大学農学部)を中心とする研究グループや、奥田拓道(愛媛大学医学部)らの研究が注目されているが、キチン・キトサンが特定の臓器(心臓や肺)の病変を直接直す物質ではなく、身体のもつ自然治癒力、すなわち免疫力を高めて自らの疾患を治していくのを助ける作用があるということについては広く認められてきており、ガン、肝炎、糖尿病、腎臓病、アレルギー性疾患、高コレステロール血症(高脂血症)、神経痛、腰痛、白内障、慢性便秘、四十肩・五十肩など、非常にバラエティーに富む多くの治癒例が医療関係者から報告され、それぞれの作用機序が基礎研究者によって明らかにされてきている。

 例を示すと、奥田らは、キチン・キトサンが食塩の摂り過ぎによる高血圧を抑制することを確かめて話題を集めた。これは、血圧を高くする原因物質が従来いわれていたように食塩の成分のうちのナトリウムではなく、塩素であることを突き止めたもので、これだけでも常識を打ち破る貴重な成果であるが、この原因物質の塩素(マイナスに荷電)をキチン・キトサン(プラスに荷電)が腸内で吸着して体外へ排出してしまうために、血圧への悪影響は出なくなるというのである。すなわち、食塩制限のため不自由な食生活をしていた高血圧患者でも、キチン・キトサンを摂取することで、普通の食事をしながら治療を続ける道が開けたことになる。

 キチン・キトサンは塩素だけでなく、同じくマイナスに荷電した胆汁酸と結合した糞中に排泄される。この排泄によって体内の胆汁酸が不足し、コレステロールから胆汁酸への転換が肝臓で進む結果、血液コレステロールが低下する。

 キチン・キトサンはまた、小腸内で食品に含まれる脂肪に結合し、膵臓リパーゼが働けないようにして、脂肪の腸管吸収を阻害する。このようは肥満予防に連なる。

 さらにキチン・キトサンは、NK細胞やLAK細胞(ともにガン細胞を殺す作用を持つ)の働きを上昇させ、人のガンに対する抵抗力を強める可能性を持つ。

 なお、キチン・キトサンを加えた有機肥料を畑の中にすき込む事で土壌改良をし、さらにキチン・キトサンの誘導剤を散布することで、化学肥料や農薬に頼らない野菜類やお茶の生産に成功している例も数多く報告されている。

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月曜日, 11月 21, 2005

ハタケシメジについて

○ハタケシメジ

 ハタケシメジ(畑占地)は、味は天下一品とされるホンシメジと同属であり風味が優れているため、様々な方法で人工栽培が試みられたが成功しなかった。しかし、ついに念願の人工栽培技術が確立(王子森林資源研究所)して大量生産に成功、機能性が期待される健康食品の一因に加わることになった。ホンシメジはマツタケのように土中の生きた根に共生する菌根菌であるのに対し、同属でありながらハタケシメジは土中に埋もれて腐朽の進んだ木片に繁殖する腐生菌としての性質を持っていたことが、人工栽培の成功につながったのである。

 他の多くのキノコ類に抗ガン作用が見出されていることを受けて、ハタケシメジの機能性研究もその抗ガン活性の検証から着手され、1998年の日本癌学会総会において、その効果に関する学会発表がなされた。「ハタケシメジに含まれる抗腫瘍活性多糖の分離・精製とその構造」である。

 キノコの抗ガン作用研究にとって画期的なこの学会発表は、ハタケシメジの実験を基礎としたものであった。その実験はハタケシメジの熱水抽出画分(F-1)ならびにそれをアルコール沈殿させた画分(F-2)を調整し、それぞれ0.5%、0.1%に希釈して、0.3mlを15週齢の雌マウスに腹腔内投与、2時間経過後に腹腔浸出細胞(主にマクロファージ)を採取してC3高原を定量するというものであった。

 その結果、C3抗原(抗原抗体反応によって活性化される血清タンパク酵素系で、溶血・溶菌反応に必須の物質)が最高15倍にも上昇することが観察された。この現象は、マグロファージが強く活性化したことを意味する。

 次いでザルコーマ180固型ガンを5週齢の雌マウス12匹(642群)に移植、そのうちの1群にハタケシメジの熱水抽出画分(10mg/kg)を10日間連続して投与(注射)した。その結果、対照群(6匹)は全て罹患し、そのうち3匹は35日までに死んだが、投与群(6匹)は100%健全であった。

 その後行われた第2弾の実験が先の学会発表になるのであるが、上記F-2画分をイオン交換クロマト法、ゲル濾過法で8シュルイの画分に精製し、ザルコーマ180固型ガンを移植した5週齢の雌マウスに、腹腔内投与(注射)及び胃ゾンデによる経口投与を行った。経口投与実験は、将来これが健康食品として提供されるためには、実際問題としてぜひとも必要なものである。その結果、移植4週間後の生存率は精製した2画分で100%、ガン完全消失率も90%という好成績を見たのである。また、経口投与でも46%と高い腫瘍抑制率を示した。

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日曜日, 11月 20, 2005

核酸(DNA・RNA)について

○核 酸

 核酸が発見されたのは1869年、スイスの化学者ミーシャーによる。動植物全ての細胞(特にその核)に含まれる高分子有機化合物で、酸性を示すことから核酸と名づけられ、以後、遺伝的性質に関与する物質として研究された。今世紀前半には遺伝子DNAとRNAが含まれていることが明らかにされ、1953年にはJ・ワトソン(米国)とF・クリック(英国)がその分子構造を明らかにして、1962年にノーベル生理・医学賞を受賞している。この頃からアメリカではヘルスフードへの応用が模索され始めて、1976年にはアメリカの開業医B・フランクが臨床経験を踏まえて、核酸を多く含む食品の摂取が有益であることを発表して話題をさらった。

 数年後にはわが国にも紹介されたが、当時用いられていたのは低分子の核酸であったために大きい効果が得られず、大きな市場を形成するまでには至らなかった。しかし基礎的研究は続行され、現在主流を占める鮭の白子から精製されるような高分子の核酸の登場によって、高い評価を得ることになったのである。

 生物の細胞は、細胞壁に包まれた細胞質の中に浮かぶ核があり、その中に染色体という物体があるが、これはすべての遺伝情報を保持したDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)とタンパク質とならなっている。人の例を述べると、1個の受精卵がまず2つに分裂するが、そのとき遺伝子も全く同じものが複製され、分かれたほうの核に組み込まれる。2つは4つに、8つにと倍々に増えていき、ついには60兆個もの細胞となって1個の肉体が完成するのであるが、その全ての、細胞がその人に固有の同じ遺伝子を持っているのである。遺伝子DNAには、その人の生命活動に関わる一切の遺伝子暗号が書き込まれており、RNAはそれに基づいて特定のアミノ酸からタンパク質を合成するとき、細胞内にその場所を作ったり、必要な遺伝情報をDNAからそこへ運んだり、あるいは細胞内のアミノ酸を集める役割をする。

 人体では脳や心臓の細胞などを除く全ての細胞が常に新陳代謝して入れ替わり、約200日で全身の細胞が新しく生まれ変わるために、たくさんの核酸を消費している。その核酸は肝臓で生合成(デノボ合成)されるか、食品中の核酸から再合成(サルベージ合成)する形で補われる。ところが20歳を過ぎると肝臓でのデノボ合成機能が衰えるため、食品による核酸補給への依存度が高まってくる。しかし、普通の食品の中に含まれる核酸成分は低分子なので、腸内で消化されてしまってサルベージ合成の役に立ちにくいのである。

 その点、鮭の白子や酵母などの核酸は高分子であるから最後まで分解されてしまうことなく、低分子の状態で吸収されて各細胞に運ばれ、再合成の原料になることができる。このことを逆に考えれば、核酸の補給が不自由分だと細胞の新陳代謝が遅くなり、それだけ組織や器官の老化が促進されるということである。

 人体では、紫外線や外傷の害を受けやすい皮膚や毛髪、あるいは生殖器官は特に新陳代謝が盛んで、したがって核酸を多く消費するのであるが、核酸食を十分に摂っていると皮膚や髪の若々しさが保たれる。性的機能が高まるという経験的事実は、上記のような考え方の妥当性を裏付けるものといえよう。

 また、核酸は塩基とリン酸からなるヌクレオチドが多数連なったものであるが、小腸内でヌクレオチドから、さらにヌクレオシド(塩基に糖が結合したもの)にまで分解され吸収される。これらのヌクレオシドの中のアデノシンは、脂肪細胞内の脂肪合成を促進すると同時に、脂肪分解を抑制するインスリン様作用を持つ。また、ノルアドレナリンの細動脈収縮を阻止するα-ブロッカー様作用も併せ持っている。かなわち成人糖尿病を改善し、抹消循環をスムーズにして、肩こりや冷え性をよくする可能性を持つ物質である。

 もう一つ見逃せないのは、活性酸素の被害への対応である。農薬や食品添加物、大気汚染など種々の原因で体内に発生する活性酸素が、老化現象をはじめ動脈硬化など多くの疾病の原因となり、細胞内に入って核酸を酸化し、DNAの遺伝情報を損傷する恐れがあることが、近年随所で指摘されている。核酸は、そのようなダメージを受けた細胞を修復するための貴重な材料物質としても、有効に作用すると考えられているのである。

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土曜日, 11月 19, 2005

にんにくについて

○にんにく

 ニンニク(大棗)はユリ科の多年生草木で、4~10個程度の鱗片からなる鱗茎を食用とする。古代エジプト時代から香辛料や強壮剤として使われ、約2000年前にインド、中国を経て、日本に伝わってといわれる。したがって古くからその効用が知られており、漢方では発汗、解熱、呼吸器病、喘息、百日咳。健胃、下痢、吐潟などに効くとされている。

 ニンニクの有効成分については、1936年にわが国でスコルジニンが発見され、抽出に成功したのをきっかけに、科学的解明が大きく前進した。1940年代にはアメリカとスイスの学者によってアリイン、アリシンが発見され、ニンニクの効能が証明されるに至った。スコルジニンはニンニク臭と無関係な成分で、強壮効果を発揮する基である。その作用は強力な酸化還元作用によって、体内に入った栄養物を完全に燃焼させてエネルギーにする働きがある。その結果、体組織を若返らせ、新陳代謝を盛んにするので強壮、疲労回復、食欲増進、解毒等に効力を発揮する。

 アリインは硫化アリルの一種で、ニンニク中のアリイナーゼという酵素によって加水分解されるとアリシンに変わる。アリシンはニンニク臭の素となっている物質で、強い抗菌作用を持っており、チフス菌やコレラ菌をはじめ寄生虫や原虫、抵抗力の強い結核菌やライ菌にまで作用することが確かめられている。このアリシンが体内でビタミンB1と結合するとアリチアミンというビタミンB1化合物になるが、ビタミンB1分解酵素のチアミナーゼの作用を受けないため、活性持続型ビタミンB1とした体内で有効に働くようになる。ビタミンB1は糖質の代謝を助ける働きをするが、不足すると疲労感や不眠、イライラ感が生じる。ニンニクを食べると疲労が回復するのは、このアリチアミンという化合物の作用によるものである。

 にんにくにはまた、抗ガン食品としても優れた効果のあることがわかり、大きな関心を呼んでいる。アメリカと中国が共同で行った疫学調査によると、にんにくを年間1.5kg以上摂っている人は、ほとんど食べない人に比べて、イガの発生率が半分以下という結果が報告されている。にんにくとがん予防に関する研究はまだ始まったばかりだが、前出のアリシンにはNK細胞の活性を高める作用があることや、にんにくに含まれるイオウ化合物(ジアリルスルフィド、アリルメチルトリスルフィドなど)には、発ガン物質の毒性を消す解毒酵素の働きを活性化したり、加熱によってストレスが加わる生成される自己防御物質アリキシンに、発ガンを抑制する作用のあることがマウスの実験によって明らかにされている。

 1990年、アメリカの国立がん研究所(NCI)は植物性食品に含まれる抗ガン成分を研究するプロジェクトを発足させたが、その中で最も重要性が高い食品としてピラミッドの頂点に位置づけられたのがニンニク(ガーリック)であった。このようにニンニクは今、古くからの強壮・強精という顔に加えて、抗ガン・抗酸化食品という新たな役割も担おうとしている。

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金曜日, 11月 18, 2005

プラセンタエキスについて

○プラセンタエキス

 哺乳動物では、受精卵が子宮内壁に着床すると同時に胎盤(プラセンタ)が形成され始める。そして、胎児はそれを通じて母体から酸素や栄養の補給を受けると同時に、体内に生じた老廃物を排出するのであるから、いわば胎盤は胎児にとって、肝臓・腎臓・肺臓の役割を併せ持つ臓器であるということができる。胎盤はその科にも造血、タンパク合成、有害物質の解毒作用を持つばかりか、ホルモンを分泌して母体の排卵や子宮の収縮を抑制したり、乳腺を発達させたり、子宮頚管や骨盤軟骨部を柔らかくし、分娩に際しては、子宮の収縮や乳汁の分泌を促進させる働きを持つ。

 このように、体内で生命を育て上げるという絶妙な働きを持つ胎盤への関心は古くからあり、約1400年前の薬物書「本草拾遺」には、人胞と胞衣の名で、また16世紀に李時珍が編纂した「本草網目」には紫河車の名で記録されている。これは肉食動物はもちろん、本来は肉を全く食べない牛や馬のような草食動物さえ、出産直後に必ず胎盤をきれいに食べてしまうという事実に注目した結果である。江戸時代ではわが国でも紫河車を取材とした混元丹や牛車肉や紫河車丸などが用いられた。いずれも「虚を補う」もので、全身の衰弱、肺結核、貧血、気管支炎、喘息、子宮や卵巣の発育不全、神経衰弱などに用いられたのであるが、もちろん同時に不老長寿、若返り、強壮・強精が期待されたことは言うまでもない。

 胎盤の効用に光が当てられた最初は、旧ソ連オデッサ医科大学のフィラトフが組織療法に用いたことであるが、わが国では戦中から戦後にかけて1960年代以降、多くの大学研究室や民間研究機関でテストが開始され、胎盤に含まれる水溶性成分、脂溶性成分の解明、臨床研究、さらに成分抽出法の改良が行われた。酵素分解処理や凍結融解処理など各種の処理法によって違いはあるが、各種のアミノ酸、ペプタイド、ミネラル、ビタミン、酵素類、糖類などからなる生理活性物質が分析されており、さらに未知の低分子有機物の存在が推定されている。

 次々に明らかにされた効用は非常に多岐にわたっており、末梢神経促進作用、細胞賦活作用、活性酸素除去作用、抗炎症作用、抗疲労作用、発育促進、造血機能の活性化、細菌感染に対する抵抗力増強、乳汁分泌の亢進、自律神経の調整作用などが認められているが、最近は抗アレルギー作用も明らかにされて花粉症や皮膚炎への対応が期待されているほか、発ガン抑制作用の研究(国立遺伝研究所)にも新たに感心が寄せられている。

 プラセンタエキスは、既に慢性肝炎、胃・十二指腸潰瘍、更年期障害などを適応症とする医薬品(注射薬)として認定されているほか、経口的に摂りやすいエキス類も各種提供されており、肌の若返りを目指す化粧品への活用も盛んに行われている。

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木曜日, 11月 17, 2005

玄米について

○玄米

 玄米は久しく忘れられた存在であったが、近年、加工食品の氾濫、食事の欧米化による弊害が指摘される中で、日本人の主食である米の栄養価が再検討されるに及び、健康回復の決め手として注目されるようになった。

 玄米も白米も同じイネ(稲)であることはいうまでもないが、精米の過程でさまざまな有用物を取り除いてしまったのが白米であるといえよう。稲は外側から順に籾殻、果皮・種皮・糊粉層からなる米糠、胚乳という構造になっており、胚乳には発芽部分である胚芽(米胚芽)がついている。このうち、籾殼のみを取り除いたのが玄米、米糠と胚芽を取り除いて胚乳だけになったのが白米である。また、精米法を工夫して、胚芽を残しながら米糠部分だけを取り除いて胚芽米もある。

 胚乳がほぼデンプンだけであるのに対し、米胚芽にはビタミンB群、ビタミンE、K、ミネラルが豊富に含まれている。また米糠には良質なタンパク質、脂質、植物繊維類が豊富だ。果皮と種皮層には脂肪、タンパク質、植物繊維(セルロース)など、糊粉層には脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをそれぞれ含んでいる。植物繊維は胃や腸の蠕動を活発にし、便秘の予防に役立つほか、腸内でビタミンを合成する働きがあり、現代人に不足がちな成分として重要性が見直されている。このような意味から、玄米を「完全食品」と定義する人も多い。

 そこで白米偏食によって起こる障害であるが、便秘、貧血、不眠、思考力の低下、物忘れ、脚気、自律神経失調症、動脈硬化、肩凝り、慢性疲労のほか、ガンの原因にもなる、と報告されている。なかでも脚気は、江戸時代以降に白米を多く摂るようになったことからビタミンB1が不足して急増したもので、明治時代には日本人の国民病とまでいわれていた疾患である。

 一食に白米を茶わんで2~3膳食べる人が栄養のバランスをとるには、食べきれないほどの副食品を食べる必要があるが、玄米ならばその必要はない。逆にいえば、それほど玄米には各種栄養素がバランスよく含まれているのである。玄米の効用についてまとめてみると、次のようになる。

 ①玄米の外皮のセルロース(植物繊維)が腸壁を刺激し、胃や腸の働きを活性化し、消化吸収を早める。そのため便秘の解消や慢性胃腸病の回復などに効果がある。②血圧を正常に戻し、コレステロールを減少する作用がある。白米は酸性食品だが、玄米は胚芽中のビタミン、ミネラルが豊富で、体内で吸収されると血液をアルカリ性にするアルカリ性食品である。これによって、血糖値が正常に保たれ、ストレスに対する抵抗力がつき、高血圧、動脈硬化に効果がある。また、鉄分をはじめとするミネラルがレバーに匹敵するほど多く、造血機能を高め、貧血の予防・治療にも有効である。③心臓病や痔、あるいは虚弱体質といわれる人にも有効である。また、玄米食をゆっくり食べると過食をしなくなるので、栄養過多にようる糖尿病、肝臓病にも有利に働く。

 玄米は通常、白米と同じように炊いて食べるが、精白米に比べると硬いため圧力釜を利用することが多いが、最近は玄米を簡単に炊くことができる家庭用炊飯器も売られている。普通の炊飯器を使う場合は二度炊きして炊き上げる工夫が必要だ。このほか、普通の土鍋を使い、玄米と一緒に入れて炊くと炊飯中に玄米が発芽し、やわらかく炊き上がるという特殊なセラミック製品も出ている。どうしても玄米の堅さが気になるという人は玄米粥にして食するという方法もある。また最近では、玄米の全粒を微粉末にした製品もあり、さまざまな料理に活用することが可能だ。