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土曜日, 10月 01, 2011

アントシアン

○アントシアン

 アントシアン(anthocyan)は、赤、紫、青色を呈するフラボノイド色素で、多くの植物にアントシアニジン配糖体として存在している。

※アントシアニジン

 フラボノイド色素のアントシアニジンに糖が結合した配糖体。ブルーベリーやサツマイモの皮、黒豆などに青紫の色素成分として存在している。活性酸素の発生を抑制する抗酸化物質として知られているが、ロドプシン(網膜の色素体で、光の刺激を脳に伝える働きをする)の合成を促進して、目の疲労回復や近視予防の効果が認められていることからサプリメント素材として人気を呼んでいる。アントシアニンはまた、肝機能の改善にも有効に働くことが知られている。軽度の肝機能障害に対して、紫芋のジュースが有効に作用したという研究報告がある。

※プロアントシアニジン

 フラボノイドの一種で、ポリフェノール化合物。強い抗酸化作用のあることが知られており、ワイン醸造時に種子も一緒に発酵させる赤ワインに多く含まれていることに着眼し、ブドウの種子から有効成分として分離された。プロアントシアニジンの抗酸化力を調べた研究(キッコーマン)では、緑茶に含まれるカテキンやトコフェロール(ビタミンE)に比して約5倍の相対抗酸化力を持つことを確認したという。この高いフリーラジカル消去作用は、老化・発ガン・生活習慣病・白内障などの誘引とされる活性酸素の発生と、それに伴う過酸化物質の蓄積や栄養成分の過酸化的分解を防ぐことから、栄養補助食品の素材のほか、加工食品(蓄肉・飲料・発酵食品・菓子類・乳製品・調味料など)の酸化防止剤、化粧品素材などに活用されている。

金曜日, 9月 30, 2011

フノラン

○フノラン

 フノラン(funoran)は海藻の布海苔に多く含まれている粘質多糖類で、α-ガラクトースとβ-ガラクトースが交互に鎖状に結びついた構造をしている。

 野田宏行(三重大学)は、高血圧や高脂血症、移植ガンへの効果をマウスを用いて実験し、フノランが血圧効果や動脈硬化指数の大幅な改善、血中ナトリウムの低減、エールリッヒ腹水ガンやザルコーマ180固形ガンなどに対し顕著な発育抑制と延命効果があったことを報告している。また、糖尿病に関しては長村洋一(藤田保健衛生大学)の高血糖マウスに対して布海苔顆粒を投与した実験があり、硫酸基を持つフラノンの分子構造が糖の取り込みを抑制すると推定している。

 フノランは歯の再石灰化を増強するキシリトールの働きを促進させる作用もあり、トクホの「歯を丈夫にするガム」の関与成分としても使われている。

木曜日, 9月 29, 2011

光明石

○光明石

 光明石は岡山県高梁市の阿部鉱山から産出する薄緑色の鉱石で、1956年に偶然発見された。同地はウラン産出地として名高い鳥取・岡山県境の人形峠に近いことから、ここでもウラン鉱脈があるのではないかとの予測のもと、発掘調査が実施された。その結果、ウランの埋蔵は確認されなかったが、調査の副産物のような形で発見されたのが、この石である。

 発掘作業をした人々から腰痛が消えた、手がすべすべになった等の報告がなされたため、調査の案内をした現地の佐藤峰次が、岩石1トンあたり50kg程度含まれる薄緑の石が原因なのではないかと考えて成分分析を依頼したところ、次のような十余種にのぼるミネラル分が検出された。<含有・ミネラル分>塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、ケイ酸など

 これらのミネラル分については、マグネシウムとカルシウムに鎮静効果、炭酸に血管拡張・血液循環促進効果、塩化イオンに温熱効果、そして硫化イオンに皮ふを軟化させる効果が認められており、これらの成分があいまって、皮膚スベスベ効果、腰痛解消効果等をもたらしていたわけである。

 佐藤はこの石を、多くの病人の治療を助けたとされる光明皇后(奈良時代)にちなんで光明石と命名し、1968年、当時の厚生省に医薬部外品としての承認申請を出して認められた。現在のところ、医薬部外品としての承認は鉱石では唯一である。

 当初、佐藤が保持していた採掘・販売権は、その後設立された株式会社光明石製造所(本社=東京都足立区)に引き継がれた。また、光明の発音は、命名当時は皇后の名前のとおり、「こうみょう」とされたが、のちに耳になじみやすい「こうめい」と変わり、現在では「こうめいせき」と呼ばれている。

 医薬部外品承認により表記が認められている効果は、①疲労回復、②冷え性、③神経痛、④リウマチ、⑤肩のこり、⑥腰痛、⑦産前産後の冷え、⑧痔の8つの症状に対する効能効果である。この効果を最大限引き出すため、同製造所では採掘された光明石を破砕し、風呂に浸して使用する形にして供給・販売しており、現在、ここからの原料供給を受けた数社の販社が、独自商品の開発を含めて市場展開を行っている。

 光明石を浸した湯は、前記のように豊富なミネラル分を含むことから、入浴すると天然温泉と同等の、またはそれに近い効能を得られる。そのため、家庭用のほか各地のスパやホテル、旅館、学校などの浴場にも導入され、光明石人口温泉の表示のもと、広く利用されるようになっている。

水曜日, 9月 28, 2011

CMO

○CMO

 CMOはcetyl myristoleate(セチルミリストレイン酸エステル)の略。不飽和脂肪酸のミリストレイン酸のエステル化合物で、関節炎に対してグルコサミンコンドロイチン硫酸を凌ぐ効果があると米国で注目された物質である。ミリストレイン酸はn-5系の脂肪酸だが、従来のn-3、n-6、n-9系の主要に扱ってきた栄養学ではまだ代謝の機構について十分に研究されていない。

 CMOが哺乳類の生体に存在することは、1971年に米国国立衛生研究所(NIH)の研究員だったH・ディールによってスイスアルビノマウスの体内から発見されたが、その後、牛や鯨のほか、他のげっ歯類の動物でも確認されている。ヒトは進化の系統樹からみるとげっ歯類から遠くないため、ヒトの身体でも重要な役割をしている可能性があるという。

 ディールは当時、各種動物に作用する消炎剤の研究をしていたが、その研究の一環として人工的に関節炎を起こさせるためフロイントアジュバント(熱処理したバクテリア)を動物に注射していた。その際、スイスアルビノマウスだけが炎症を起こさなかったことに気づき、炎症から身体を保護している物質としてCMOを特定した。予想通り炎症の保護をしていると推測できる結果が得られたのである。この消炎作用についてディールは、、哺乳類全体に適応できる手法として米国特許を取得している。

火曜日, 9月 27, 2011

米糠アラビノキシラン

○米糠アラビノキシラン

 アラビノキシラン(arabinoxylane)は多糖のアラビナン(構成糖はアラビノース)とキシラン(構成糖はキシロース)からなるヘミセルロース(半繊維素)で、小麦フスマの成分として知られているが、米糠やトウモロコシなどにも多く含まれている。小麦フスマはそのまま食物繊維素材として利用されることが多いが、米糠から分離されたアラビノキシランは酵素反応によって得られる誘導体がつくられており、免疫賦活物質として研究が活発に行われている。

 米糠アラビノキシランは誘導体は、大和薬品がアメリカの免疫学者マンドゥ・ゴーナムらの協力を得て開発したもので、米糠のヘミセルロースを素材に、シイタケ菌(DAIWA-A95菌)の培地濾液中に含まれる炭水化物培養分解複合酵素を反応させるという修飾方法がとられ、これによってヘミセルロース本来の複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活活性を与えることに成功したものだ。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は1995年のことで、以後本格的な基礎・臨床試験が開始され、多くの動物実験やガン患者への経口投与などを通じて、顕著なNK細胞活性の向上や、リンパ球のT細胞、B細胞の活性が高まることが報告されている。ゴーナムらはさらに、HIV感染症(エイズ)に対して米糠アラビノキシラン誘導体が有効性を示すとする基礎実験結果を報告して注目された(96年7月、第11回国際エイズ会議)。また国内でも大学や医療機関で糖尿病・慢性肝炎に対する効果試験が行われている。

月曜日, 9月 26, 2011

β-グルカン

○β-グルカン

 グルコース(ブドウ糖)を構成糖とする単一多糖類を総称してグルカンという。植物や動物、キノコ類、酵母に多く存在している。グルカンの代表はデンプン、グリコーゲン、セルロースである。

 グルカンは多数のグルコースが結合(脱水縮合)したものだが、結合する炭素の位置や結合の仕方の違いよって性質の異なるものとなる。例えばデンプンは食べると消化吸収されてエネルギー源になるが、セルロースは食べても消化吸収されない。これはグルコース同士の結合の違いからくるものである。グルコースの結合には、ヒドロキシ基(水酸基)が下にくるα型と、上にくるβ型とがある。また、結合している炭素の位置によって「1.4結合」や「1.6結合」などと示される。デンプンはα-1.4結合のα-グルカン、セルロースはβ-1.4結合のβ-グルカンである。

 β-グルカンはキノコ類に多く含まれ、抗腫瘍活性が認められていることから抗がんキノコの主要成分として重要である。これまでに、シイタケ子実体から得られたレンチナン、カワラタケ培養菌糸体からのクレスチン、スエヒロタケ培養の培地生産物であるシゾフィランが抗ガン剤として医薬品になっている。レンチナンとシゾフィランは、β-1.3結合した主鎖とβ-1.6結合の側鎖からなるβ-グルカンである。クレスチンは、β-グルカンにタンパク質が結合した複合糖質である。

 抗腫瘍効果が高いといわれているアガリクス・ブラゼイ・ムリル(姫マツタケ)には中性多糖、酸性複合多糖、タンパク多糖、核酸成分などが存在している。中性多糖はβ-1.6グルカンやキシログルカン、酸性複合多糖はガラクトグルカンのウルナイド、タンパク多糖はペプチドグルカン、核酸成分はリボヌクレオチドタンパクである。

 このように、一つのキノコの中にもこれだけ多くの多糖が含まれており、それらの作用もまた違ってくる。伊藤均(三重大学医学部)の研究によると、マウスを使って抗腫瘍効果を検討した実験では、β-1.6グルカンが最も高い抑制率を示したという。また宿前利郎(東京薬科大学)の報告では、サルノコシカケ科やシメジ科、ハラタケ科のキノコに多く含まれるβ-1.3グルカンには、経口投与によっても顕著な抗腫瘍活性が認められたとしている。

日曜日, 9月 25, 2011

植物ガム

 植物ガムは、植物の種子や樹皮に含まれる細胞膜の粘脂物で種子ガムと樹液ガムがある。種子ガムはグァーガム、マメ科イナゴマメの種子から得られるローカストビーンガム、マタタビ科タラの種子から得られるタラガムなどがある。樹液ガムにはアラビアガム、アオギリ科カラヤの幹から得られるカラヤガム、マメ科トラガントの幹から得られるトランガントガムなどがある。

○グアガム

 インドやパキスタンに生育するマメ科植物グァーの種子から採られる植物ガムで、ガラクトースとマンノースからなる高分子多糖類である。グアガムは水溶性の食物繊維として、便通や便性の改善などの整腸作用のほか、血糖値上昇抑制作用、コレステロールの低減作用などが古くから知られている。ただ粘度が高く、一般の食品に配合すると味や物性の面で問題があるため、微生物の酵素で加水分解して低分子化し、粘度を下げて利用されている。トクホの「おなかの調子を整える食品」の関与成分の一つである。

○アラビアガム

 アフリカのスーダンやナイジェリアに生育するマメ科の潅木アカシア・セネガルの樹液から得られる植物ガムで、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、グルクロン酸などを主成分とする粘質多糖類である。グアガムに比べると粘度が非常に低いため、アイスクリームの安定剤など食品加工業界で幅広く使われている。アラビアガムは難消化性なので食物繊維としての機能性もあるが、生理作用の研究は少なく、便量の増加による整腸作用や腸内環境の改善などが報告されている程度である。

○サイリウム

 インド産のオオバコ科の植物ブロンドサイリウムの種皮から得られる植物ガムで、正式にはサイリウムガムという。キシロース、アラビノース、ラムノース、ガラクツロン酸からなる粘性多糖を主成分に、ペクチンやヘミセルロースなどが含まれている。食物繊維としての機能は整腸作用や血糖値の安定、コレステロール低下作用、ダイエット効果などが報告されている。

○微生物ガム

 糖を基質として微生物が発酵生産するガム類を総称して微生物ガムという。多くは食品添加物として使われているが食物繊維としての機能もある。デキストランはショ糖に乳酸菌を作用させて作られる増粘性の多糖で、医薬品に利用されている。カードランはエチレングリコールにグラム陰性細菌を作用して生産されるゲル化性の多糖で、食物繊維を約90%含む。キサンタンガムはグルコース基質としてグラム陰性細菌によって生産される増粘性の多糖で、食物繊維としてコレステロール低下作用が報告されている。プルランはデンプンを基質にして黒酵母によって生産される低粘度の多糖で、食物繊維を約80%含んでいる。

土曜日, 9月 24, 2011

水溶性食物繊維(3)

○難消化性デキストリン

 難消化性デキストリンは、デンプンの加水分解物であるデキストリンを酵素で分解し、難消化性部分を分離生成した低分子の水溶性食物繊維である。デキストリンに水を加えて溶解し、アミラーゼによる加水分解、脱色・脱塩などの処理をして得られる。

 生理機能としては整腸作用のほか、血糖値の上昇抑制、コレステロールの低下作用が認められている。また、口腔内で唾液アミラーゼの作用を受けにくいため虫歯菌にも利用されない。難消化性デキストリンは水によく溶け、低粘性・低甘味で食品本来の味やテクスチャーを損ねることがないため、飲料や菓子、練り製品、スープなど多くの食材に幅広く用いられている。トクホの「おなかの調子を整える食品」での許可実績が圧倒的に多く、2005年2月にスタートした。

○イヌリン

 イヌリンはキク科植物のダリア、ゴボウ、キクイモなどの塊茎に含まれる貯蔵物質で、フルクトースが20~30個程度結合した多糖類の一種である。消化酵素ではほとんど消化されないため食物繊維として利用されるほか、脂肪と似た食感が得られることから、洋菓子類などで脂肪摂取量を低減した製品に応用されている。イヌリンはこれまで植物の根から抽出されるのが一般的だったが、酵素を使って砂糖から直接製造する技術も開発されている。

○フルクタン

 フルクトースが多数結合した単一多糖で、食品ではラッキョウに多くて含まれている。水溶性食物繊維として機能性があり、便通改善、コレステロールの低下、利尿作用などがある。福井県農業試験所と同加工食品研究所は、ラッキョウ球根部からフルクタンを抽出する技術を開発し健康食品として製品化したほか、フルクタン入り食パンやパスタなども製造している。

○ポリデキストロース

 米ファイザー社が開発した水溶性食物繊維で、グルコース、ソルビトール、クエン酸を89:10:1の割合で混合し、高温真空化で重合反応させて得られる合成多糖である。ヒトの消化酵素で分解されずに大腸へ達し、腸内細菌にも利用されにくいためエネルギー量は1gあたり約1kcalと低い。便量の増加、消化管通過時間の短縮、便性の改善などが認められている。ポリデキストロースを配合した機能性飲料「ファイブミニ(大塚製薬)」は、日本における食物繊維ブームの火付け役であり、トクホ商品にもなっている。

金曜日, 9月 23, 2011

水溶性食物繊維(2)

○カラギーナン

 カラギーナンは、寒天と同じ紅藻類のキリンサイ(ミリン科)、トチャカ(スギノリ科)、オキツノリ(オキツノリ科)の細胞間質に存在する粘質多糖で、D-ガラクトースと硫酸を主成分とする酸性多糖である。

 ゲル化剤としてプリンやジャムに、増粘剤としてケチャップなどに利用されているほか、練歯磨やシャンプーにも配合されている。食物繊維としての機能は血中コレステロールの上昇抑制、血液の凝固防止、胃潰瘍の改善などが知られている。

○アルギン酸

 アルギン酸は、渇藻類の昆布やワカメ、ヒジキなどの細胞間質に存在するヌメリ成分で、マンヌロン酸とグルロン酸の2種類のウロン酸がβ-1.4結合した粘質多糖類である。褐藻類を薄いアルカリ液で煮て、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムとして抽出される。水に溶かすと粘度の高い液体となり、食品の安定剤としてアイスクリームやジャム、ゼリーに使われている。

 アルギン酸を分解する酵素はアルギナーゼで、細菌や海中に生息する生物には存在するが、ヒトの消化液には含まれていないため難消化性の食物繊維として機能する。

 アルギン酸の生理作用としては、便量の増加、排便の促進などの整腸作用、コレステロールの上昇抑制作用がある。また、アルギン酸カリウムは腸内でナトリウムを吸着して糞中に排泄させ、血圧上昇を抑制する働きがある。このほか、アルギン酸ナトリウムの分子を小さくして粘度を低くした低分子アルギン酸はコレステロールの吸収を抑えることがヒト試験で明らかにされており、清涼飲料水に配合されてトクホ製品になっている。

木曜日, 9月 22, 2011

不溶性食物繊維

○セルロース

 セルロースは植物の細胞壁の主成分で、自然界に最も多く存在する単一多糖類である。ヒトはセルロースを分解する酵素(セルラーゼ)を持たないため小腸で消化吸収されることはなく、もっぱら食物繊維として機能性を発揮する。セルロースは日常の食事で摂取する食物繊維の大部分を占めており、特に穀類の外皮に多く含まれている。セルロースの生理作用としては、便量の増加や便秘改善などの整腸作用、悪臭物質や有害物質を減らして腸内環境を改善する作用がある。

○小麦ふすま

 小麦フスマは小麦の皮や胚芽の混合物で、小麦を精白したときにカスとして出る。成分の約60%は多糖で占められ、その内の2/3はヘミセルロース(アラビナンとキシランからなるアラビノキシラン)である。

 小麦フスマの生理作用としては大腸ガン(結腸ガン)の予防効果が知られているが、このほかにも腸内有用菌(ビフィズス菌)の増殖、コレステロール上昇抑制、血圧上昇抑制、ナトリウム排泄促進などの効果が報告されている。小麦フスマには繊維以外に、フィチン酸やセレン、フェノール、ステロール、ビタミンEといった抗酸化成分も含まれている。食品としてはシリアルやビスケットとして供せられる。

○リグニン

 リグニンは、セルロースやヘミセルロースと共に植物の細胞壁を形成している高分子化合物である。セルロースやヘミセルロースは多糖類だが、リグニンは芳香族炭化水素重合体(ポリフェノールの重合物)である。木材乾燥物に約30%も含まれていることから木質素とも呼ばれている。リグニンを多く含む食品はカカオ、ピーナッツ、緑豆などの豆類である。カカオマス(カカオの胚乳を焙煎しペースト状にしたもの)にはリグニンが9.8%(セルロースは3.4%、ヘミセルロースは4.2%)含まれており、これを原料とするチョコレートは1.5~4%のリグニンを含有している。ココア飲料にも多い。

 リグニンはヒトの消化酵素で分解されないためほとんど吸収されない。また大腸の腸内細菌でも発酵・分解されにくいので、便のかさを増やし便性を改善して整腸効果を発揮する。さらに胆汁酸を吸着して体外へ排出する働きがあり、血中コレステロールの増加を抑制する作用がある。このほか発ガン物質として結合した大腸ガンを抑えるという報告もある。

水曜日, 9月 21, 2011

水溶性食物繊維(1)

○ペクチン

 ペクチンは果実や野菜類など多くの植物に含まれる天然物質で、細胞間の接着剤として、また組織の安定剤として機能している。ガラクツロン酸(ウロン酸の一種)が鎖状にα-1.4結合したペクチン酸(複合多糖)が主成分で、植物組織中ではセルロースなどと結合し、水に不要のプロトペクチンとして存在している。未熟な状態の果実に含まれているプロトペクチンは、成熟するに従って酵素の作用をうけペクチン酸に変わる。プロトペクチンを水や希酸で加熱すると水溶性のペクチンになる。

 ペクチンはゲル化(液体をゼリー状にする)作用、保水性、粘性に優れているため、ジャムのゲル化剤、マヨネーズの乳化剤、ケチャップの増粘剤など食品加工で幅広く使われている。また微生物培養地、、胃腸薬などにも利用されている。

 食物繊維としてペクチンの生理作用は、上記のゲル化能、保水性、粘性により、糖質の消化吸収を遅らせて血糖値の上昇を穏やかにし、インスリンの分泌を節約する作用、胆汁酸の吸収を阻害してコレステロールを低減する作用などが知られている。大腸に達したペクチンは腸内細菌による発酵をうけ、その大部分が分解されて短鎖脂肪酸となり1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーとなる。

○こんにゃくマンナン

 グルコマンナンともいう。コンニャクイモの塊茎に含まれる天然物質で、グルコースとマンノースがβ-1.4結合した複合多糖である。こんにゃくマンナンに水と消石灰を加えて加熱すると、凝固して食用コンニャクとなる。

 コンニャクマンナンは保水性が高く、水を吸収すると膨潤して容積を増す。また、粘性の高い水溶液をつくる性質がある。ヒトの消化酵素では分解されないため、高容積・高粘度の状態で腸管を通過し、その過程で食物繊維としての機能を発揮する。生理作用としてコレステロールの低減、糖尿病の予防、腸の老廃物や有害物質の排出、肥満防止などが知られている。

火曜日, 9月 20, 2011

クロム

○クロム

 クロムは18世紀にシベリアで発見された元素で、元素記号Cr。銀白色の金属である。常温で安定しており、空気中、水中で錆びない。3価クロムと6価クロムとがあるが、食品中を含めて自然界に存在するクロムはほとんどが3価クロムであり、ヒトにとって必須微量元素のひとつである。ちなみに6価クロムは人為的に作られたものが多く、生体への作用は3価クロムとは全く異なり、強酸化作用があって毒性が強い。

 ヒトが摂取したクロムは主に小腸で吸収されるが、吸収率は低く、0.5~2%程度とみられている。したがって、生体内に存在するクロムの量は極微量であり、また加齢とともに減少する唯一のミネラルである。生体内では、糖質代謝、コレステロール代謝、結合組織体者、タンパク質代謝の維持に関与しており、インスリンを活性化して、糖尿病や高脂血症を予防する効果がある。

 厚労省の「日本人の栄養所要量・食事摂取基準策定検討委員会」がまとめた基準(2005年版=平成17~21年の5年間使用)によると、クロムの推奨摂取利用は1日あたり・男性18~49歳40ug、50~69歳35ug、70歳以上30ug、女性18~69歳30ug、70歳以上で25ugとなっている。多く含まれている食品としては、可食部100gあたりで、干しひじき270ug、わかめ(乾)100ug、マイワシ(丸干し)76ug、アナゴ48ug、あさり45ug、ベーコン39ugなどがある。

 前記のように食品中の含有量が微量で体内への吸収率も低いことから、クロムは現代人には不足しがちなミネラル分のひとつに数えられている。クロムが不足すると、インスリン活性・感受性の低下、窒素代謝異常、体重減少、抹消神経障害、昏迷、角膜障害などが起こることがわかっている。とくにインスリン活性・感受性の低下は生活習慣病の一つである糖尿病の発症と密接につながっており、現代人にとってその対策が焦眉の課題となっている。というのも、日本人の糖尿病の95%はいわゆる「Ⅱ型」、つまりインスリン非依存型であり、インスリンは分泌されているにもかかわらず、活性が弱かったり、インスリンと結合する細胞のインスリン受容体の働きが悪くなったりするのが原因とみられている。これらはインスリン抵抗性と呼ばれ、血中にインスリンが相当量あるのにブドウ糖が細胞内に取り込まれず、血糖値が高いという状態(=Ⅱ型糖尿病)を引き起こす大きな要因ともなっている。

 一方、細胞内にインスリン抵抗性を改善する成分「GTF(グルコース・トレランス・ファクター=ブドウ糖耐性因子)」が存在する。GTFは1957年、米農務省人間栄養研究所理事であったウォルター・メルツ博士が豚の肝臓中から発見した物質で、博士はその核心をなす物質がクロムであることを確認した。クロムが不足すると、生体はこのGTFを作れなくなり、インスリン抵抗性を高める結果となる。逆にいえば、GTFは十分に足りている状態であればインスリン抵抗性は弱められ、糖尿病改善に大きな効果があると考えられたが、合成にはいたらなかった。

 その後、米ウィスコンシン大学フランク・マオ博士(内分泌学)らの研究チームがGTFの組織の詳細を解明、2000年には最先端のバイオテクノロジー活用により安定したGTFを作り出す技術が開発された。

 健康食品としてのクロムの最新製品は、このGTF技術を作ったもので、特に最近注目されているのがクロムフェリンである。これは、牛の初乳に含まれる微量のタンパク質ラクトフェリンにクロム酵母を結合させたもので、体内に取り込まれるとGTFに転換され、インスリン活性・感受性を高める働きをする。アメリカFDAの認可を受け、すでにアメリカ、オーストラリア、ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、マレーシア、韓国、中国、台湾、日本などにおける臨床データで約80~90%の改善例が報告されているという。こうした新タイプの健康食品の開発は、糖尿病改善に新たな展望をもたらすことにもつながると目され、期待が集まっている。

日曜日, 9月 18, 2011

ミネラル

○ミネラル

 ミネラル(mineral)は、鉱物を意味する英語のマイン(mine)からきた言葉で、無機質といわれる。人体を構成する物質は60%が水(細胞内液、組織間液、血漿)、35^36%が有機化合物(タンパク質・脂質・糖質)で、ミネラル(無機質)は4~5%にすぎない。しかもその約半分は骨の主要成分であるカルシウムで、他の生体金属元素は遥かに少ない。にもかかわらず、それらは生体内の浸透圧の調整、体内物質の輸送、酸・塩基平衡、筋肉の維持機能、酵素の補助因子など、生命活動に不可欠の物質として存在しており、健康維持の上でも重要な栄養素であることが広く認められている。

 食品に含まれるミネラルは精製・加工の段階で失われることが多い。その一方で、加工食品に添加されるリンやナトリウムなどのミネラルは過剰摂取の傾向があり、現代の食生活ではミネラル類の摂取がアンバランスな状態になりやすいとも指摘されている。

 ミネラルは必須ミネラル(日々の食事から摂らなければならないもの)と非必須ミネラルに分けられ、現在、29種のミネラルが必須とされている。この内、生体内での存在量や必要量、食事からの摂取量が多いものを必須主要ミネラル、それ以外のものを必須微量ミネラルと呼んで区別している。

 なお、厚生労働省の健康増進法施行規則第16条では、亜鉛、カリウム、カルシウム、クロムセレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、、要素、リンの12種を栄養成分として定めている。

土曜日, 9月 17, 2011

ビタミン

○ビタミン

 糖質・脂質・タンパク質などが生体内で十分に機能するために必要な有機化合物の総称。生体内で合成できないか、きわめて合成されにくいため、食品などから摂取しなければならない。ビタミンという名称は、1911年にポーランドのC・フンクが米ぬかのエキスから白米病に有効な物質を遊離して、それが炭素・水素・窒素からなるアミノ化合物のアミン(amine)であると考え、生命(vita)に必要なアミン、すなわちビタミン(vitamine)と命名したことに始まる。

 1910年に農芸化学者の鈴木梅太郎が、精米時に捨てられる米糠に脚気を防ぐ成分が含まれていることを発見、その物質をオリザニンと名付けた。これがビタミンB1の発見である。ついで米国のE・マッカラムやH・スティーンボックらは牛乳やバターなど油脂分の中にも有効成分の存在を認め、前記のオリザニンを含むこれら未知の成分を脂溶性A「」「水溶性B」と名付けた。

 さらに1918年、米国のL・メンデルらはオレンジの酸性水溶性エキスに壊血病を防ぐ成分を発見、その翌年に英国のJ・ドラモンドがこれを「水溶性C」と名付けると共に、これらをビタミンと総称し、それぞれA・B・Cと符号をつけて呼ぶことを提案した。以後、順次発見されていく過程でアルファベット符号がつけられてきたが、後にそれがビタミンでないと判明したり、あるいは別の物質名で呼ばれることになったりしたことから、現在認められている13種類のビタミン類(脂溶性のビタミンA・D・E・K、水溶性のB1B2・B6・B12・C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)のアルファベット符号は飛び飛びである。また、これらのほかにビタミン様作用物質と呼ばれる有機化合物という。

 ビタミンは必要量はわずかだが必須の栄養素である。水溶性のビタミンは摂り過ぎた分は排泄されるが、脂溶性のものは過剰症が心配される。

金曜日, 9月 16, 2011

UC-Ⅱ

○UC-Ⅱ(非変性天然Ⅱ型コラーゲン)

 UC-Ⅱは英語名(Undenatured Type2 collagen)から名づけられたもので、その名のとおり、天然成分から抽出した、もとの自然の形が変性させられていないタイプのⅡ型コラーゲンである。Ⅱ型コラーゲンとは19種あることが知られるコラーゲンファミリーの中のひとつで、従来からよく知られているⅠ型コラーゲンとはアミノ酸配列が異なる。Ⅰ型が主に皮膚や腱に含まれるのに対して、Ⅱ型は軟骨や硝子体に多く含まれている。

 最近、関節の健康はもとより、美容・アンチエイジングに関与することが知られてきているⅠ型コラーゲンだが、健康食品等の形に加工する際、高温・化学処理等が行われると、もともと持っていた自然の活性が失われ、体内で消化吸収されにくくなってしまう。この欠点をカバーする形で開発されたのでUC-Ⅱであり、アメリカのインターヘルス社が登録商標を有する。多くのコラーゲン関連の健康食品がサメの軟骨などを原料としているに対し、若い鶏の胸骨から作られている点も大きな特徴といえる。

 開発に大きな功績があったのは、デビット・トレンザム博士で、博士を中心としたハーバード大学医学部グループならびにその他の研究機関が1993~1998年にヒト臨床実験を行い、効果を確認している。

木曜日, 9月 15, 2011

タンパク質

○タンパク質

 タンパク質はほとんどの生物の細胞に含まれる高分子窒素有機化合物で、糖質・脂質と共に三大栄養素の一つである。糖質や脂質は主にエネルギー源として利用されるが、タンパク質は筋肉、皮膚、臓器などを構成する基本物質として、また酵素やホルモン、免疫抗体、遺伝子などの生理活性物質としても機能している。タンパク質はアミノ酸が多数連結したポリペプチド鎖からできている。使われるアミノ酸は約20種だが、結合の配列順序が無数にあり、生成されるタンパク質も無数に近い。食品に含まれるタンパク質はヒトの体内でペプシンなどの消化酵素によりアミノ酸にまで分解される。そして、これらが材料となりDNAの遺伝情報に基づいて新たなタンパク質(体タンパク質)がつくられる。

 タンパク質には、アミノ酸だけが結合した単純タンパク質(アルブミン、グロブリン、グリテリン、プロラミン、プロタミンなど)、単純タンパク質が糖や脂質など他の物質と結合している複合タンパク質、熱や酸などで変性された誘導タンパク質(各種ペプチド類、ゼラチンなど)がある。タンパク質は生命活動によって体内で分解・再合成を繰り返すことで僅かずつは消費されるので、毎日必要量を補わなければならない。「日本人の食事摂取基準・2005年度」では、タンパク質の1日推奨量を成人男性で60g、女性で50gとしている。またタンパク質比率は男女とも20%未満、70歳以上は25%未満を目標量としている。

水曜日, 9月 14, 2011

脂肪酸

 脂肪酸は脂質を構成する基本成分で、8~22個程度の炭素が鎖状に結合して末端にカルボキシ基を持つ化合物(カルボン酸)である。炭素の数や結合の仕方の違いによって性質や機能の異なるさまざまな脂肪酸が存在する。脂肪酸は2炭素単位で生合成されるため、ほとんどの脂肪酸の炭素数は偶数個である。炭素数が6個以下のものを短鎖脂肪酸、8~12個のものを中鎖脂肪酸、14個以上のものを長鎖脂肪酸という。また、炭素数18個以上のものをまとめて高級脂肪酸ともいう。脂肪酸の構造は炭素(C)が鎖状につながり、それぞれの炭素に2個の水素(H)が結合した形をしているが、なかには炭素同士が二重に結合する箇所を持つものがある。二重結合を持たない脂肪酸を飽和脂肪酸、持つものを不飽和脂肪酸といい、性質や機能が大きく異なっている。

○飽和脂肪酸

 炭素原子は他の原子と結びつく手が4本、水素原子には1本ある。飽和脂肪酸では炭素原子は前後の炭素原子と手を結び合って、余った残り2本の手で上下に1個ずつの水素と手を結び合い、すべて炭素原子に水素が結合している。飽和では”水素をもうこれ以上受け入れることができない”という意味である。

 飽和脂肪酸は融点が高いため、常温で固体である。融点は炭素数が増えるに従って高くなる。ヒトよりも体温の高い牛や豚などの体内では液状になるものもあるが、ヒトの体内では凝固しやすく、血液の粘度が増して血行を悪くさせる。飽和脂肪酸を多く摂りすぎると、血中のコレステロールや中性脂肪が増えて動脈硬化の原因となる。「日本人の食事摂取基準・2005年度版」では、飽和脂肪酸エネルギー比率(総エネルギーに占める飽和脂肪酸の割合)の目標値を男女とも4.5~7%未満としている。

 飽和脂肪酸にはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などがある。これらは動物性脂肪やパーム油、ヤシ油などに含まれているが、含有量が多いのはパルミチン酸とステアリン酸である。また、ヒトの体内でも合成される。

○不飽和脂肪酸

 炭素と炭素が2本の手でつながることを二重結合といい、この結合を持つ脂肪酸を不飽和脂肪酸という。二重結合が一つの単価不飽和脂肪酸、2つ以上の多価不飽和脂肪酸がある。不飽和脂肪酸はいずれも炭素数が18個以上の長鎖脂肪酸だが、二重結合があるために融点が低く、常温で液状である。不飽和脂肪酸の融点は二重結合の数が増えるに従って低くなる。オリーブオイルに含まれるオレイン酸(炭素数18、二重結合数1)の融点は14℃だが、魚油に含まれるDHA(炭素数22、二重結合数6)の融点はマイナス78℃である。

 飽和脂肪酸は血漿コレステロール濃度を上昇させるが、不飽和脂肪酸は低下させる作用を持つ。また、生理活性物質(プロスタグランジン、ロイコトリエン)の合成材料になるものもあり、生体にとって重要な物質である。その反面、不飽和脂肪酸は酸化されやすいため過酸化脂質を生成して動脈硬化や発ガン、老化の原因物質となる指摘もある。

火曜日, 9月 13, 2011

脂質

○脂質

 脂肪や油など、水に溶けにくく有機媒体に溶けやすい性質を持ち、脂肪酸(カルボン酸)を基本成分とする物質を総称して脂質という。脂質は糖質・タンパク質と共に三大栄養素の一つで、最も効率の良いエネルギー源として、また生体膜の構成成分としても重要である。脂質の内、リン脂質や糖脂質は生体膜の構成成分として、ステロールは胆汁酸やステロイドホルモンの材料として機能している。また、一部の脂肪酸は生理活性物質(プロスタグランジンなど)の合成材料になる。

 肉や魚など食品に含まれる脂質の90%以上は脂肪で、脂肪1gから得られるエネルギー(熱量)は約9kcalと、糖質やタンパク質の2倍以上である。日本人の脂肪エネルギー比率(総エネルギーにしめる脂肪の割合)は昭和20年代の10%以下から、現在では約26%(平成16年国民栄養調査)になっており、脂肪の摂りすぎによる肥満や冠動脈性心疾患の増加が指摘されている。「日本人の食事摂取基準・2005年度版」では、脂肪エネルギー比率を男女とも29歳までは20~30%、30~69歳は20~25%、70歳以上は15~25%を目標量としている。

月曜日, 9月 12, 2011

多糖類(2)

○セルロース

 エネルギー源にはならないが食物繊維として重要。繊維素ともいう。植物の細胞壁の主成分として自然界に最も多く存在する単一多糖類である。構造はグルコースが直鎖状にβ-1.4結合している。

 人ではセルロースを分解する酵素を持たないため、消化吸収してエネルギー源として直接利用することはできないが、腸内では食物繊維として機能性を発揮する。牛や馬などの草食動物には胃の中にセルロースを分解する微生物を持っているため、エネルギー源として利用できる。

ヘミセルロース

 半繊維素ともいう(ヘミはギリシャ語で”半分”を意味する)。セルロースやリグニンと共に植物の細胞壁を構成している多糖類である。構成糖の違いからキシラン、アラビナン、ガラクタン、マンナンなどがある。キシラン(構成糖はキシロース)は、木材、藁、トウモロコシの芯などの主成分。アラビナン(構成糖はガラクトース)はアラビアゴムや大豆に含まれている。ガラクタン(構成糖はガラクトース)は果実の表皮に多く含まれ、マンノースを構成とするマンナンは硬い表皮を持つ種子や果実に多い。多くの植物では、これらの単一多糖がさらに別の単糖類と結合した複合多糖類として存在している。ヘミセルロースは穀類、豆類、小麦フスマなどに多く含まれ、不溶性食物繊維としてセルロースと似た作用がある。また免疫賦活などに有効な機能性物質としても注目度が高い。

日曜日, 9月 11, 2011

多糖類(1)

○デキストリン(dextrin)

 糊精ともいう。デンプンを熱や酸などで加水分解する際に生じる低分子の中間性生物の総称。ご飯を炊いたときにフタに薄くつくオブラート状のものもデキストリンの一種である。デキストリンを酵素で分解し、難消化性部分を分取したものを難消化性デキストリンと呼び、水溶性食物繊維として利用されている。

○グリコーゲン(glycogen)

グリコーゲンは動物の肝臓や筋肉に存在する貯蔵多糖類である。グルコースのみで構成される単一多糖で、構造はデンプンのアミロペクチンに類似している。食事で摂取したデンプンは消化酵素の働きでグルコースとなって肝臓に吸収され、その一部は血液に出てエネルギー源となるが、それ以外はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられる。(通常、肝臓には70g、筋肉に400g)

 肝臓のグリコーゲンは、血液中のグルコース濃度が低下したときなどに分解してグルコースとなり血液中に供給される。筋肉中のグリコーゲンは、筋肉の収縮する時のエネルギー源として使われる。グリコーゲンは動物の死後、急速に分解されてしまうため、一般の食肉中には少ない。牡蠣はグリコーゲンを豊富に含む食品として知られているが、時期により含有量は大きく変化し、マガキは冬、イワガキは夏に最大となる。

土曜日, 9月 10, 2011

少糖類

 少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトース)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能面から関心を集めている。

○スクロース(sucrose)

 ショ糖ともいう。グルコースとフルクトースがα-1.2結合した二糖類で、砂糖の主成分である。果物や花蜜など多くの植物に存在するが、特にサトウキビやサトウダイコンなどに多く含まれている。食事で体内に取り組まれたスクロースは、サッカラーゼという酵素によってグルコースとフルクトースに切断され、小腸で吸収されてエネルギー源となる。

○マルトース(maltose)

 麦芽糖ともいう。2個のグルコースがα-1.4結合した二糖類で、発芽種子、特に麦芽に多く含まれている。甘さはスクロースの3分の1程度。水飴の柔らかな甘味の主成分になっている。デンプンやグリコーゲンを加水分解すると得られる。マルトースは、小腸でマルターゼという酵素によって2個のグルコースに切断され吸収される。

○ラクトース(lactose)

 乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の5分の1程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。

 ラクトースは、小腸でラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症という。

金曜日, 9月 09, 2011

糖アルコール

○糖アルコール

 単糖類のカルボニル基を還元して得られる多価アルコールを総称して糖アルコールという。ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがある。糖アルコールはグルコースと同じ程度の甘さを持つが、生体内での化学反応が進行しにくいためエネルギー源になりにくい。そのため低カロリー甘味料として幅広く利用されている。

※ソルビトール(sorbitol)

 グルコース(ブドウ糖)が還元されてできる六価の糖アルコール。自然界ではナナカマドやプルーンの実、海藻類に多く含まれている。工業的にはグルコースをニッケル触媒下で還元して生産される。甘味度はグルコースとほぼ同じだが、カロリーは3分の2と少なく、血糖値を急激に上昇させたり虫歯の原因にならないので、シュガーレス甘味料として錠果などに広く利用されている。

※マンニトール(mannitol)

 マンノースが還元されてできる六価の糖アルコール。天然に広く存在し、特に干し昆布の表面に付く白粉中に多い。甘味度はグルコースとほぼ同じだが、カロリーは約2分の1と少なく、低カロリー甘味料として利用される。

※キシリトール(xylitol)

 キシロースが還元されてできる五価の糖アルコール。工業的にはトウモロコシの芯などに含まれる多糖キシランを分解してキシロースを得、それをニッケル触媒下で還元して生産される。甘味度はショ糖とほぼ同等。

 キシリトールには虫歯の原因となる酸を抑制する作用があり、欧米では早くから虫歯になりにくい甘味料として利用されてきた。日本では当初、医薬品成分に指定されていたが、1997年に食品添加物としての使用が認められ、キシリトール入りのガムやキャンディ、歯磨きが相次いで登場した。トクホの虫歯になりにくい食品の関与成分の一つにもなっている。

※エリスリトール(erythritol)

 果実や清酒など発酵食品に微量に存在する四価の糖アルコール。工業的にはグルコースに酵母を作用させて発酵法で作る。甘味度はショ糖の約80%程度である。エリスリトールは小腸で吸収されるが、その9割以上は代謝されずに尿中に排泄され、残り1割が大腸で発酵をうけて短鎖脂肪酸に代謝される。そのため1gあたりのエネルギー値は0.3kcal(ショ糖の13分の1)と少なく、血糖値の上昇や虫歯の原因とならない。健康甘味料や清涼飲料水に広く利用されている。

※マルチトール(maltitol)

 還元麦芽糖ともいう。グルコースとソルビトールが結合した糖アルコールで、マルトース(麦芽糖)を高圧水素添加により還元して製造される。甘味度はショ糖の80%。生体酵素による分解度が遅く、一部は小腸で消化吸収されるが、大半は大腸へ達して腸内細菌による発酵をうけ、1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーにしかならない。摂取後の血糖値の上昇が低いため糖尿病患者用の甘味料として使われることが多い。ダイエット食品や虫歯になりにくいガムにも利用されている。

※ラクチトール(lactitol)

 還元乳糖もという。ラクトース(乳糖)のグルコース基が還元された糖アルコールで、ラクトースを高圧水素添加により還元して製造される。甘味度はショ糖の約半分以下。難消化性、非う蝕性があり、血糖値の上昇を抑える作用が認められている。

※パラチニット(palatinit)

 パラチノースを還元してつくられる糖アルコール。還元パラチノースともいう。甘味度はショ糖の約30~40%。生体酵素による分解速度が遅く、一部は小腸で消化吸収されるが、大半は大腸に達して腸内細菌による発酵をうけ、1gあたり約2kcal(ショ糖の半分)のエネルギーにしかならない。常用しても虫歯になりにくいことがヒト試験で証明されており、トクホの虫歯になりにくい食品の関与成分になっている。ガムやチョコレートなどの甘味料として用いられる。

木曜日, 9月 08, 2011

糖質

○糖質

 糖質は、デンプンや砂糖に代表される炭水化物(糖類)と、これに関連する有機化合物の総称で、植物や動物、菌類などに広く存在する物質である。

 炭水化物は、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)の3元素からなり、分子の構造が「炭素」と「水」が化合した「Cm(H2O)n」をしていることから、こう呼ばれている。従来は「糖=炭水化物」とされてきたが、糖の中には、多糖類のキチンのように窒素(N)を含み、炭水化物とは異なる構造を持つものも多数存在することがわかってきた。そのため現在は、炭水化物以外の糖も含め、それらを広く糖質として扱っている。

 糖質は脂質・タンパク質と共に三大栄養素の一つであり、主に動物のエネルギー源として利用される。ショ糖やデンプンなど、小腸で消化吸収される糖質1gから得られるエネルギー(熱量)は約4kcalである。これに対し、難消化性オリゴ糖や食物繊維(多糖類)などは消化吸収されずに大腸へ達し、腸内細菌による発酵をうけて短鎖脂肪酸を生産し、0~2kcalのエネルギーとなる。「日本人の食事摂取基準・2005年度版」では、成人が1日に必要とするエネルギー量は、中程度の身体活動レベルで男性が2400~2650kcal、女性が1950~2050kcalとされ、この内、50~70%を糖質(炭水化物)から摂取することを目標量としている。

 糖質は単糖類・少糖類・多糖類に分類される。単糖は分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖で、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)などがある。少糖は単糖が2~10個程度結合したもので、オリゴ糖とも呼ばれる。スクロース(ショ糖)やマルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)などのほか、これらを材料に酵素の働きを利用してできた高分子化合物で、デンプンやグリコーゲンのように生物のエネルギー源になるもの、セルロースやペクチンのように植物の骨格材料として存在するものなど、数多くの種類がある。

 単糖類や少糖類、多糖類には、それぞれに異なった健康機能性がある。食物として摂取した糖質は消化酵素によって最小単位の単糖にまで分解され、小腸壁で吸収される。これらの単糖は門脈を経て肝臓に運ばれ、すべてがグルコースに変えられてエネルギー源となり、一部はグリコーゲン(多糖)に合成されて貯蔵される。また、中性脂肪やアミノ酸に変えられ、貯蔵エネルギーやタンパク質の合成にも利用されている。このほか、一部の単糖はタンパク質などと結合して糖鎖の形になり、血液型の決定や免疫反応、細胞を識別する情報の担い手としても働いている。

 少糖は主に甘味料の成分として利用されるが、近年新たに開発される各種オリゴ糖の中には、腸内の有用細菌を増殖させる作用や血糖値低下作用、歯の抗う蝕作用を持つものがある。

 また多糖類の内、セルロースやペクチンなどはヒトの消化液では分解されず、消化も吸収もされないことから長らく栄養的に重要視されていなかったが、近年、これらの難消化性多糖類にコレステロールの上昇を抑制する作用や血糖値の上昇を抑える作用、腸の蠕動運動を活発化して排便を促進させる作用のあることがわかり、食物繊維として一躍注目されるようになった。

水曜日, 9月 07, 2011

ハーブティー(3)

○フィールドポピーティー

 フィールドポピーはケシ科の一年草で、学名はPapaver rhoeas。ドイツやフランスの麦畑や道路端に焔のような真っ赤な色で咲くので、コーンポピー(麦のケシ)とも呼ばれている。この花びらを乾燥させたつくるフィールドポピーティーには鎮静作用があり、飲むと”安眠が約束される”といわれている。アヘンを含むケシとは別種なので、危険も心配もなく、従って栽培はまったく自由。のどの痛みや咳にも効果がある。

○サフラワーティー

 サフラワーはキク科の一年草で、学名はCarthamus tinctorius。日本では紅花として知られている。古くから優れた染料や薬として利用されてきた花弁がハーブティーとしても利用される。花は咲き始めは黄色だが、しだいに橙色から紅色に変わる。橙色の頃に花柄ごと切り取って干し、乾燥したところで花びらだけを抜き取ってお茶のように用いる。サフランと同様の明るい黄色で、香りもよく似たハーブティーができ、効能もそれに似て鎮静・鎮痛・通経などである。

火曜日, 9月 06, 2011

ハーブティー(2)

○サフランティー

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、学名はCrocus sativus。真っ赤な花柱はパエリヤやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われる。此花の雌しべの先(柱頭)だけを摘み取り乾燥させたものがハーブのサフランで、カップに3~6本入れて湯を注ぐだけで明るい黄色のサフランティーができあがる。香りは婦人薬の中将湯に似ており、効果も同じように血の道症・不眠・イライラ・肩こり・のぼせ・頭痛などの不定愁訴に効き、駆お血作用があるとされる。

○ミントティー

 ミントはシソ科の多年草で、日本ではハッカ(薄荷)という。葉に精油成分(メントール)が含まれ、古くから発汗・解熱・健胃の生薬として用いられたきたほか、胃腸薬や各種内服用製剤、軟膏などにも広く利用されている。精油成分のやや少ないペパーミント(学名はMentha piperita)やスペアミント(学名はMentha spicata)などの種類が、スッキリした清涼が好まれてハーブティーに利用される。中世ヨーロッパでは、紅茶は特権階級のもので一般庶民が飲むことは禁じられていたが、ハーブティーは飲用を許されていたので、人々はミントティーやカモマイルティーをそれぞれ、”サンタマリア・ティー”とか”ノートルダム・ティー”などと称して飲んでいたという。

○ハイビスカスティー

 ハイビスカスはアオイ科の常緑低木で多くの種類があるが、ハーブティーに使われるのはアフリカ原産のサブダリハ(学名Hibiscus sabdariffa)と呼ばれる種類である。これはハワイや沖縄などで観賞用にゴージャスな赤い花を咲かす種類とは異なり、花は小さく貧弱だが、その花(というより萼)を干したものを使う。お茶のように入れると、爽やかな酸味と鮮やかな紅色の飲料となる。疲労回復、造血作用などの効用があり、欧米ではスポーツ選手に愛飲者が多い。クセがないので誰にでも喜ばれ、シャーベットやゼリーにも使われるほか、東南アジアでは葉も一種にサラダや漬物(日本の梅干や赤ジソのように)として利用されている。

日曜日, 9月 04, 2011

ハーブティー(1)

○ローズティー

 ローズティーには、①バラの花の実を利用したローズヒップティーといわれるもの、②中国産の球塊(メイグァイ)という日本のハマナスに似たバラの花弁や、西洋の大型のバラの花弁を乾かしてお茶の葉のようにして飲むもの、③紅茶や中国茶に花弁を混ぜ合わせて、その香りを移して飲むもの、の3種類がある。

 最近、女性の間で人気が高いローズヒップティー(rosehip tea)は、バラ科のドッグローズ(dog rose、学名はRosa camina)の実(ヒップ)を干して砕き、お湯を注いでつくるハーブティーである。ドイツなど北ヨーロッパで冬の間ビタミンC不足から起きる病気を防ぐ(経験上)ため愛飲していたもので、”北国のレモン”ともいわれる。ドイツではこのバラの実にカルカーデ(ハイビスカス)を配合して飲んでいる。

○カモマイルティー

 カモマイルはヨーロッパ原産のキク科シカギク属の一年草で、学名はMatricaria recutita。カモミール(仏)、カミツレ(蘭)ともいう。小さな花を摘んで乾燥させハーブティーとして利用する。カモマイルには大型のジャーマン種と小型のローマン種という異なる種があるが、効能もよく似ているため普通は問題とされない。独特の香りが好悪を分けるが、風邪の初期(喉や鼻の痛み)には非常によく効き、昔から”医者の草”と呼ばれ、医療用ハーブとしても長い歴史がある。

 発汗を促し、頭痛など各種の痛みを和らげるなど効能が多いが、女性に特有の諸症状にもよく効くので、ドイツでは”ムッテル(母)のクロイター(薬草)”と呼ばれる。北欧系女性の金髪が美しいのは、このティーでリンスするからだとも言われている。他の多くのハーブ同様、お茶やコーヒーとは逆に鎮静作用があり、就寝前に飲むと睡眠誘導効果もあるので、グッドナイト・ティーという別名もある。

土曜日, 9月 03, 2011

色々な健康茶(3)

○南天茶

 南天はメギ科の常緑灌木で、別名を南天竹、南天燭という。生薬名は南天実。”難を転じて福にする”という縁起から広く親しまれ、例えば赤飯に南天の葉が添えられているのは、「食中毒の心配はありません」ということからである。

 主な成分はナンジニン、アセトン、ベルベリンで、果実にはアルカロイドのドメスチンが含まれている。ドメスチンは咳止め作用のある成分として知られている。効用と用い方は、①痛風、脚気(根を煎じて飲む)、②咳、扁桃腺炎、口内炎、咽頭炎(葉と実を濃く煎じて飲む)、③疲れ目、視力強化、白内障(果実を煎じて飲む)、④やけど、腫れ物、蜂刺され(葉の生汁を塗る)、⑤食あたり、魚の中毒(葉を噛んでいると毒物を吐く)などである。

苦丁茶

 苦丁茶は中国の南部、及び西部で保健茶として飲用されている茶で、独特の苦味と清涼感を特徴とする。中国でも茶の中では生産量が少なく、大変貴重な高級茶とされる。場所によって、モクセイ科、オトギリソウ科、モチノキ科、ムラサキ科、バラ科などさまざまな植物の葉を用いて作られている。

 四川省産の苦丁茶には、清熱、降圧、防暑の効あり、雲南省の苦丁茶には、防暑、消炎、増智、抗疲労等の効ありとされる。また四川省さんなどのLigustrum属植物を基原とする苦丁茶中には、モノテルペンやフェニルエタノイド配糖体が含まれ、特にモノテルペン配糖体にはコレステロールの吸収や生合成に関与するACATという酵素の阻害作用があることが報告されており、血中脂質改善効果が期待されている。

金曜日, 9月 02, 2011

色々な健康茶(2)

○露草茶(つゆくさちゃ)

 ツユクサはツユクサ科の一年草で、別名はボウシバナ、アイバナ、ホタルグサ。ツユクサの青い色素は、友禅や絞り染めの下絵を書くのに用いられる。花、茎、葉、根の全てが薬用になり、主な成分としては青色素のデルフィニジン、コンメリニン、タンニンなどが含まれる。その効用は、①心臓病、腎臓病、下痢、むくみ、尿閉塞、発熱、喘息、神経痛(全草を煎じて飲む)、②動悸、息切れ、胎毒、肥満(葉と茎と葉で青汁を作って飲む)、③咽頭炎、扁桃腺炎(煎じ汁でうがいをする)、④結膜炎(絞り汁で目を洗う)、痔(花弁を揉んで貼る)、腫れ物、毒虫指され、口内炎(花と葉の搾り汁をつける)などとされる。

○萩茶(はぎちゃ)

 ハギはマメ科の亜灌木植物で、良く芽を出すことか生芽の別名がある。ススキと共に秋を代表とする草で、秋の七草の一つに数えられている。葉を刻んで乾燥させたものを煎じて常飲すると、めまい、のぼせ、ノイローゼ、咳、腫れ物などに効用がある。

○雪の下茶(ゆきのしたちゃ)

 ユキノシタはユキノシタ科の常緑多年草で、生由来は雪の下にあっても青々としているところからきている。別名は鴨脚草。生薬名の虎耳草は葉の形が虎の耳に似ていることから。主な成分としてベルゲニン、クロロゲン酸などの配糖体を含んでいる。その効用は幅広く、①心臓病、腎臓病、むくみ(生葉20枚位を煎じてお茶代わりに飲む)、②咳、風邪(葉を10gと甘草2gを煎じて飲む)、③顔面神経痛(キャベツ、大根の葉タンポポの青汁に加えて少量を毎日飲む)、④小児病、百日咳、ひきつけ(葉の絞り汁を飲む)、⑤のぼせ、めまい(葉の青汁を盃に1杯ずつ飲む)などとされている。

木曜日, 9月 01, 2011

色々な健康茶(1)

○女郎花茶(おみなえし茶)

 オミナエシ(女郎花)はオミナエシ科の多年草で、日当たりの良い草原に自生する。血眼草という別名もある。秋の七草の一つである。根を煎じて飲む。含有成分にはオレアノール酸を含み、大阪大学薬理学部が敗醤根(オミナエシの根の生薬名)の制ガン作用について研究発表をしている。その効用は①制ガン作用のほか、鼻血、むくみ、肺脳腫、胆のう炎、婦人のお血、こしけ、腫れ物(根の煎じ汁を服用する)、②眼病、充血(根の煎じ液で洗眼するとよい、血眼草ともいわれるのはこのため)などとされる。

○薊茶(あざみ茶)

 アザミ(薊)はキク科の多年草で、葉や総苞には棘がある。触れると痛い目にあい、”欺かれる”ことからこの名がついた。別名はチジリソウ。根を煎じて飲む。主な成分としてクロロゲン酸を含み、これはコーヒー豆中でカフェインと結合している物質である。効用は胃腸病、浮腫、夜尿症のほか、化膿性疾患(根と葉をつぶして患部に貼ると痛み止めになる)などである。

○撫子茶(なでしこ茶)

 ナデシコはナデシコ科の多年草で、別名はカワラナデシコ。秋の七草の一つである。主な成分として、根にトリテルペノイドのギプソゲニン酸という配糖体が含まれている。効用は、①むくみ、生理不順(種子10gを水400mlを水40mlで半分になるまで煎じて1日3回飲む)、②膀胱炎(全草を刻んで煎じて飲む)などとされる。

水曜日, 8月 31, 2011

色々な菌株(4)

○ヤクルト菌

 ヤクルト本社が保有する乳酸菌で、正式な菌名はラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(Lactobacillus casei Shirota)。1930年年に代田稔(京都帝国大学医学部微生物学教室)が世界で初めて培養に成功した人腸乳酸菌で、35年には同菌を使用した乳酸菌飲料ヤクルトが発売されている。ヤクルト菌には、腸の蠕動運動を高める、有害菌の増殖を抑える、免疫力を維持する働きが認められている。

○K-1菌

 亀田製菓が2001年に、日本で初めて米から分離して開発した植物性乳酸菌。正式な名称は菌名はラクトバチルス・カゼイ・カメダ1株(Lactobaciluss casei KAMEDA-1)。日本人の食生活をモデル化した腸内栄養成分で増殖し、胃液に耐えて腸まで届くことが実験で確かめられており、植物性食品を多くとってきた日本人の胃腸によくフィットするのが特徴である。

 K-1菌には、整腸作用のほか、細胞の突然変異を抑える抗変異原性のあることが、同社と東京農業大学菌株保存室の共同研究で明らかにされている(日本農芸化学会2001年度大会で発表)。同研究によると、K-1菌は5種類の発ガン物質・変異原性物質を無毒化する働きに優れている。特定されたのは①4NQO(胃ガン、大腸ガンを誘発するガン原生物質)、②Trp-P1(肉や魚のコゲに含まれる変異原性物質)、③Trp-P2(同)、④2-AA(発ガン物質)、⑤MNNG(胃ガン、大腸ガンを発生させる発ガン物質)で、同菌が腸内でこれらと反応すると無毒化され、大腸ガンを予防する可能性があるという。K-1菌は、同社の「植物性乳酸菌ヨーグルト」に使われている。

火曜日, 8月 30, 2011

色々な菌株(3)

○LC1菌

 ネスレ中央研究所(スイス、ローザンヌ)で単離されたプロバイオティクス乳酸菌。正式な菌名はラクトバチルス・ジョンソニーLC1(Lactobacillus johnsonii LC1)。LC1菌は経口摂取によって腸壁に接着し、病原菌の物理的排除、抗菌物質の分泌、免疫細胞の活性化などに働く。胃のピロリ菌抑制にも有効である。同菌を使用したヨーグルトLC1を販売している。また、東京農業大学との共同でアレルギー症改善に関する研究も進めている。

○ロイテリ菌

 スウェーデンのバイオガイア社が保有する乳酸菌で、正式な菌名はラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)。腸内でロイテリンという抗生物質を生産し、大腸菌やサルモネラ菌、ブドウ状球菌などの有害菌の繫殖を抑える作用がある。日本ではチチヤス乳業がライセンス契約により、自社の「ロイテリ菌ヨーグルト」に使用している。同社は広島大学歯学部付属病院の二川浩樹らのグループと共同で、ロイテリ菌の虫歯予防効果についての研究を行い、虫歯菌の発育を阻止する作用があることを明らかにしている。

月曜日, 8月 29, 2011

色々な菌株(2)

○L-92乳酸菌

 カルピスが開発したアレルギー改善作用のある乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・アシドフィルスCK92株(Lactobacillus acidophilus CK92)。同社が保有する2000種以上の菌の中から、アレルギーに関与する”Th1/Th2バランス”の改善効果が高い菌とした選び出された。ヒト試験による花粉症に対する改善作用に加え、ダニやハウスダストなどによる通年性アレルギー性鼻炎にも改善効果のあることが確認されている。「インターバランスL-92」シリーズとして、同社の清涼飲料水や乳酸菌飲料、サプリメントに使われている。

○LGG菌

 フィンランドのバリオ者が保有する乳酸菌で、1985年にゴルバッハ(Gorbach)とゴルディン(Goldin)の2人の医学者によって発見された。正式な名称はラクトバチルス・ラムノーサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)。GGは発見者2人の頭文字からとられている。1997年に同社が、LGG菌によって乳幼児のアトピー性皮膚炎の症状が抑えられたという研究結果を発表し、乳酸菌の新機能としてアレルギー改善作用が世界的に注目され始めた。日本ではタカナシ乳業がライセンス契約により、自社のヨーグルトに使用している。同社は東京農業大学と共同で、アトピー性皮膚炎とT細胞との関連に着目してLGG菌の研究を進めており、LGG菌由来の物質がマウスT細胞の異常増殖を強力に抑えるという発表を行っている(2005年2月)。

日曜日, 8月 28, 2011

色々な菌株(1)

○LG21菌

 明治乳業が東海大学医学部の古賀泰裕らとの共同開発で開発した乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・ガッセリOLL2716(Lactobacillus gasseri OLL2716)。経口投与によるヒト試験を実施し、同菌が胃のピロリ菌を減少させることを確認している。LG21菌は同社が保有する約200種類のラクトバチルス属乳酸菌から選ばれたもので、①低栄養条件下でも増殖力が強いこと、②乳酸生産力が高いこと、③胃上皮細胞への接着が可能なこと、④耐酸性が優れていること、⑤人体に安全であることの5項目を満たし、さらにピロリ菌を減らす効果が最も高かった菌である。同社の「プロビオヨーグルトLG21」に使われており、機能性ヨーグルトとして人気がある。

○KW乳酸菌

 キリンビールフロンティア技術研究所が昭和女子大学大学院生活機構研究かと共同で開発した乳酸菌。正式な名称はラクトバチルス・パラカゼイKW3110(Lactobacillus paracasei KW3110)。ヒトによる摂取試験で花粉症の改善効果が確認されている。花粉症アレルギーには、2タイプのヘルパーT細胞(Th1とTh2)が関係しており、アレルギー状態のときは両者のバランス崩れ、Th1が減少し、Th2が上昇するといわれている。

 KW乳酸菌は、グループ企業の小岩井乳業が保有する100種類以上の乳酸菌の中から、”Th1/Th2バランス”の改善効果が高い菌として選び出された。小岩井乳業の「小岩井KW乳酸菌ヨーグルト」、キリンウェルネスフーズの健康食品「ノアレ」、キリンビバレッジの清涼飲料水「体質水」などに使われている。

土曜日, 8月 27, 2011

酢酸菌

○酢酸菌

 エタノール(エチルアルコール)を酸化させて酢酸を生成することでエネルギーを獲得している好気性細菌(バクテリア)の総称で、自然界では花や果実に多く存在している。アルコールと酸素から酢酸を生産する代謝を酢酸発酵という。酢酸は食酢の主成分である。

 食酢は穀類や果実を原料に、酵母によるアルコール発酵で酒をつくり、その後、酢酸菌でアルコールを分解する2段階発酵で作られる。だが、酢酸発酵は好気性で酸素を必要とする。酢の醸造に使われる酢酸菌はアルコールの分解能が高いアセトバクター属(Acetobacter)の菌で、アセトバクター・アセチ(A.aceti)やアセトバクター・シューゼンバチイ(A.schuezenbachii)がある。酢酸菌はまた、ソルビトール(糖アルコール)を原料としたビタミンCの生産や、ココナッツ果汁から作られるナタ・デ・ココにも使われている。

金曜日, 8月 26, 2011

麹菌

○麹菌

 麹をつくる際に使用されるカビ(黴)で、コウジカビともいう。わが国で使われているのは子嚢菌類のアスペルギルス属(Aspergillus)のカビである。分生子(胞子)の色の違いから黄麹菌、黒麹菌、白麹菌がある。一方、他のアジア圏ではリゾープス属(Rhizopus)やムコール属(Mucor)のカビが使われている。

※黄麹菌

 分生子(胞子)の色が黄色のためこう呼ばれる。わが国で最も多く使われている麹菌で、デンプン分解酵素(α-アミラーゼなど)やタンパク質分解酵素(プロテアーゼなど)の生産性が高い。清酒や味噌、醤油、味醂など、ほとんどの発酵食品に使われるアスペルギルス・オリゼ(A.oryzae)、主に醤油の醸造に使われるアスペルギルス・ソーヤ(A.aojae)がある。A・オリゼは酵素剤の製造にも古くから使われている。1909年、科学者の高嶺譲吉によって小麦フスマから抽出されたタカヂアスターゼは、工業的につくられた世界初酵素剤である。

※黒麹菌

 分生子の色が黒色のためこう呼ばれる。代表的なものに沖縄で泡盛の製造に使われているアスペルギルス・アワモリ(A.awamori)がある。クエン酸の産生能が高く、もろみが酸性状態で維持されるので雑菌の繁殖防止につながり、高温地域での酒造りに適している。泡盛醪の残渣からつくられる琉球もろみ酢はクエン酸を大量に含んだ健康飲料である。

※白麹菌

 黒麹菌の変異株で、分生子の色が白色に近いためこう呼ばれる。九州地方で焼酎製造に使われているアスペルギルス・カワチ(A.kawachii)、アスペルギルス・シロウサミ(A.shirousamii)がある。

木曜日, 8月 25, 2011

○麹

 麹は、米や麦、豆などの穀物、その副産物のフスマやなどにカビの一種である麹菌を繁殖させたもので、デンプンを糖化(分解)させる作用を持つ。原料となる穀物の違いで、米麹、麦麹、豆麹があり、酒類のほか、味噌醤油の醸造にも使われる。

 清酒や焼酎、ビールなどのアルコール発酵に使われる酵母(サッカロミセス・セレビシュ)は、デンプンなどの多糖類をそのまま利用することができない。例えば、清酒造りでは蒸米が原料となるが、デンプンを小糖類に分解する酵素が必要である。この役割を担っているのが麹である。ビールの醸造では、原料となる麦を水に浸けて発芽させることで酵素活性を高め、マルトース(麦芽糖)にまで分解された麦芽を利用する。一般に、清酒や焼酎などアジアの酒造りでは麹が、ビールやウイスキーなどヨーロッパの酒造りには麦芽が使われている。

水曜日, 8月 24, 2011

色々な茸食品(5)

○雪割茸(ゆきわりだけ)

 セリカの阿魏の根茎に、新種の菌糸を植えつけて栽培される比較的新しいキノコである。傘の直径が5~15cmの扁半球形で裏側は扇形をしており、表面は光沢があり肉は白色。茎の長さは2~6cm、太さは1~3.5cmほどである。原産地の中国では山鮑茸、白霊茹と呼ばれている。わが国では、雪のように白いことから雪割茸と命名された。

 ハマグリの形に似ているため、ハマグリ茸ともいわれる。香りがよく柔らかで栄養価が高いことから広く食用に供されており、ステーキやすき焼きにしても美味と人気がある。豊富なβ-グルカンを含み(100g中23.7mg)、抗がん活性も期待されている。

○編笠茸(あみがさたけ)

 アミガサタケ科の茸で、学名はmorchella esculenta。中国名は羊肚菌。春に林や草地に発生する。頭部が卵上の円錐形で、表面に網目状のでこぼこがある。傘は灰褐色から黄褐色で高さは7~15cm位。内部は空洞になっている。味がよく、バター炒めやスープなどに使われ、ヨーロッパでもよく食べられているキノコである。漢方では消化不良や息切れ、去痰の生薬として用いられている。

火曜日, 8月 23, 2011

色々な茸食品(4)

○鼈茸(すっぽんたけ)

 スッポンタケ科のキノコで、学名はPhallus impudicus。中国名は白鬼筆。夏から秋にかけて林に生える。幼菌は白い卵形をしており、それを破って円錐形の頭部と円柱形の柄部が伸張する。長さ10~15cm。頭部の表面は暗褐色の悪臭のする粘液におおわれている。この粘液でハエなどの虫を呼び寄せ、胞子を運ばせる。漢方ではリューマチの生薬として用いられている。

○鬼燻(おにふすべ)

 ホコリタケ科のキノコで、学名はLasiosphaera fenzlii。中国名は馬勃。夏から秋にかけて草地や林に発生する。子実体は球形又は偏球形で、経が10~20cm、大きいものは50cmくらいになる。漢方では慢性扁桃炎、咽喉炎、鼻血、咳などの生薬として用いられる。

○一夜茸(ひとよたけ)

 ヒトヨタケ科のキノコで、学名はCoprinus atramentarius。中国名は墨汁鬼傘。春から秋にかけて芝生、畑地、公園などに発生する。名前が示すように夜間に成長し、明け方には溶解する。成熟すると黒く変色し、傘の周辺部から液化していく。アルコールと一緒に食べると悪酔症状や発汗症状が出る。漢方では、消化を助ける、去痰、腫毒を消す生薬として用いられている。

日曜日, 8月 21, 2011

色々な茸食品(2)

○松塊(まつほど)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPoria cocos
中国では玉霊、茯霊という。マツ、ヒマヤラスギ、カシ、ウルシなどの根に寄生し、伐採後3~6年を経た根の周囲に不定形塊上の菌核を形成する。この菌核を乾燥したのが漢方薬の茯苓で、外面は暗褐色から赤褐色、内部は白色から薄紅色、質は固いがもろく、無味無臭でやや粘着性がある。

 多糖体のパキマラン(β-1.3-グルカン)が主成分で、そのほかエルゴステロール(ビタミンD前駆体)、アデニン(核酸関連物質)などが含まれている。利尿、抗潰瘍作用、血糖降下作用血糖降下作用、交感神経の興奮作用、強心作用などがある。

○雷丸菌(らいがんきん)

 サルノコシカケ科のキノコで、学名はPolyporus mylittae。中国名は雷実、雷矢。竹の根茎やシュロなどの枯れた樹の根に寄生して育つ。表面は褐色から黒色で、直径1~3cmの塊上の菌核をつくる。この菌核を乾燥させたものは雷丸と呼ばれ、中国の四川、雲南、湖北、広西、貴州などがある。成分にタンパク分解酵素と大量のマグネシウムを含む。漢方では腸内の条中、回虫の駆除に用いられてきた。

土曜日, 8月 20, 2011

色々な茸食品(1)

○貝殻茸

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はLenzites betulina。中国名は樺褶孔。広葉樹の枯れ木、枯れ枝に発生して木部を分解腐朽する。灰色または灰褐色の傘は半円形ないし貝殻状で薄く、幅10cm止まり、厚さは1cmたらすである。表面は年輪上の紋が入り、肉は白く革質。サルノコシカケ科でありながら傘の裏に管孔はなく、襞が並んでいる。専ら薬用に供され、腰腿の疼痛、手足の麻痺によいとされ、漢方の生薬に用いられている。

○釣鐘茸

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はFomes fomentarius。中国名は木蹄。春から秋に広葉樹の枯れた幹に群生する。鐘型、まんじゅう型をした傘の経は5~30cm、厚さは3~15c位。表面は灰褐色で環紋と環溝がある。漢方では食道ガン、胃ガン、子宮ガンや子供の消化不良の生薬として用いられる。

○えぶりこ

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はFomitopsis offcinalis、中国名は苦白蹄。北海道、シベリア、北米、カナダ、ヨーロッパ北部、中国東北などに分布し、針葉樹の幹に寄生する木材腐朽性のキノコである。蝦夷草木譜には「蝦夷人の腹の諸病に用いる」と記載されており、アイヌ民族が腹痛や疝気、眼病などの鎮痛薬として用いていたことが知られている。エブリコは北海道松前地区の方言とされる。

金曜日, 8月 19, 2011

ボスウェリア・セラータ

○ボスウェリア・セラータ

 ボスウェリア・セラータは、アラビア半島南端のイエメン、オマーン及びアフリカ・ソマリアなどで自生するカンラン科ボスウェリア属の木の樹脂の濃縮エキス(乳香)である。

 木の幹に小刀等で傷をつけると、粘着性の樹液が滲み出てくる。樹液は空気に触れると白濁し、固まる。最初の採取分には不純物が含まれるため黒ずんでいるが、2度目、3度目と採取を重ねていくにしたがって、薄黄色の透明な固まりになる。これが乳香である。

 乳香は紀元前のエジプトでは宗教儀式に用いられ、ローマ時代には香料、医薬品などにも用途が広がった。シバの女王がローマやギリシャへの輸出用産物としていたとの記録もある。また、インドの伝統的医学であるアーユルベータでは、関節炎やリウマチの治療用として古くから用いられている。主成分のボスウェリン酸には抗炎症作用があり、これが関節炎等を改善するものと推察される。

 現在ではアロマセラピー用に使われることが多いが、古来から香料と薬とは合い通じるものがあり、オマーン人の間では腹下しの治療薬として用いられるなどしている。国内では健康食品の副素材の一つとして配合される例が多く、グルコサミンと相性がいい等として、関節の健康増進を目的とした使われ方がされている。

木曜日, 8月 18, 2011

西洋ニワトコ

○西洋ニワトコ

 スイカズラ科の落葉性木本エルダー(Sambucus nigra)で、西洋ニワトコ、elder、bore tree、pipe tree、black elderなどの別名がある。茎、葉、花が利用される。

 原産地のヨーロッパのほか、北アフリカ、アジア西部、アメリカに分布する。秋に実をつける。花は芳香があり色は淡い黄白色のミズキのような散房状。果実は黒く熟す。森や荒地に生息するほか、庭木や生け垣などに生育、西洋では庶民にはなくてはならないハーブだったことから、「庶民の薬箱」、「万能の薬箱」などと呼ばれている。また、、エルダーには魔法使いが住んでいて、家に植えると幸福を招くとか、その木を切ると災いを招くなどの言い伝えがある。

 ギリシャ時代より花と果実が発汗剤として用いられ、強壮、不老長寿、インフルエンザや風邪の解熱薬、利尿剤として使用され、現在でもお茶として用いられている。果実は発酵させて、ワインとしても生産されている。成分はフラボノイド、芳香族酸、トリテルペンなどを含む。

火曜日, 8月 16, 2011

珊瑚草

○珊瑚草

 アカザ科の一年草で、正式名称はアッケシソウといい、発見地の北海道厚岸の因んだ名称であるが、群生地が多い北海道ではサンゴ草の名で親しまれている。

 海岸の塩水をかぶる砂地に自生する草丈15~20cmの一年草で、多肉の緑色をした枝や葉には秋には美しい紅紫色に染まる。本草書の古典である李時珍の「本草綱目」には、鹸草、貝原益軒の「大和本草」など日本の文献には三枝、塩草、福草などの名が見られる。

 珊瑚草には、鉄、カルシウム、マグネシウムなどミネラル類が豊富に含まれており、群生地の近くで暮らし人々の間では、通じをよくし、肌をきれいにする薬草としていわれてきた。全草を粉末にした健康食品がある。

土曜日, 7月 12, 2008

サラシア

〇サラシア

 サラシアは、インド、スリランカをはじめタイやインドネシアなど東南アジアおよびブラジルなどの熱帯地域に広く分布する。高さ2~3mに成長するサラシア属デチンムル科の植物。サラシア・オブロンガ、サラシア・レティキュラータ、サララシア・ブリノイデスなどがあり、土地によっては、ポンコランチ、コタラヒムブツなどと呼ばれている。

 古代インド医学のアーユルヴェーダでは、その根を現代の病名でいうところのリウマチ、喘息、虫さされなどに活用していた。日本では、サラシア・オブロンガの根部に含まれる成分が、血糖値の上昇を抑制し、αグルコシダーゼ阻害活性を持つことや糖尿病の神経障害をを引き起こすアルドース還元酵素を阻害する活性作用を有することが、動物実験で確認された90年代半ば以降、健康食品素材として注目されるようになった。

 京都薬科大学などの研究では、サラシア・レティキュラータ熱水抽出エキスに糖尿病モデルラットの血糖値降下作用などが確認されている。吉川雅之(京都薬科大学)によって特定された成分(略称:ダスデス・特許成分)には、食物の糖の吸収を抑えることからメタボリックシンドロームに対する作用が注目されている。

日曜日, 6月 08, 2008

コタラヒム

〇コタラヒム

 スリランカ原産のデンチムル科の樹木で、学名はSalacia reticulete(サラシア・レティキュラータ)。原産国スリランカの現地ではアーユルヴェーダ医学に基づき、糖尿病に効果のある薬木としてこの名前で呼ばれ利用されてきた。

 京都薬科大学・吉川正樹の研究によると、コタラヒムは糖尿病治療薬のα-グルコシダーゼ阻害剤と同様の作用を持ち、その有効成分はコタラノール、サラシノールという硫黄を含む糖質であることが同定されており、糖尿病の予防・改善に効果のあることが認められている。

 現在、わが国の健康食品市場では、「コタラヒム」「コタラヒムブツ」と「サラシア」の商品名が使用され流通している。コタラヒム、コタラヒムブツは樹木・樹皮を利用した製品が多くみられる。

月曜日, 5月 26, 2008

大麦

〇大麦

 かつては麦飯として日常的に食べられていた大麦だが、現在では健康を意識した食材として利用されるケースが多い。大麦はイネ科の単子葉類で、米に比べると食物繊維の量が圧倒的に多いのが特徴だ。大麦(七部つき押麦)には、10.3g(100g当たり)の食物繊維が含まれるが、玄米は3gと1/3である。精白米では0.5gしか含まれない。つまり大麦は白米に比べ20倍もの食物繊維を含んでいるわけである。食物繊維は腸の働きを活発にし、便秘の改善、下痢を抑えるという効果がある。

 大麦は精白の仕方によって丸麦、押麦、白麦に分けられる。丸麦は大麦をそのまま精白したもので、もっぱら味噌や醤油などの加工品に使われている。押麦は丸麦を平たく押したもので、麦とろご飯として食べられることが多い。麦を常食するには押麦を白米に混ぜて炊くのが一般的だ。白麦は丸麦を2つ割りにしてから精白し、平たく押したもので押麦よりも食べやすい。また最近では、精白した丸麦を押さずに白米と同じ比重になるように加工した米粒麦というものもある。これは、白米と混ぜて炊くときに麦だけが浮き上がらないので便利である。

土曜日, 5月 24, 2008

そば

〇そば

 ソバはタデ科の一年草で、原産地はアジア北・中部とされ、歴史的には早くからインド北部、東アジア各地へ伝播し、普通種とダッタン種の2種があり、わが国で栽培されているのは普通種である。

 わが国ではソバに薬効を認める基盤は早くからあり、「本朝食鑑」(人見必大撰、1697年)には「気味甘く微寒にして毒なし。気を下し、腸胃のしわい積滞を寛にす。水腫、白濁、泄痢、腹痛、上気を治し、あるいは気盛んにして湿熱あるものによろし」と述べられている。

 寒性なので胃弱の場合には不適とされながら、長寿の食物として好んで常食もされてきた。古くは麦飯のように脱穀したソバを米麦に混ぜたそば飯だったが、粉末にして丸めたそば団子に続いて、ウドンを真似たそば切りが登場したのは江戸時代(17世紀)以降である。

 ソバが栄養価の高い食品であることはよく知られている。全粒中の成分の内、約12%はタンパク質である。70%を占める炭水化物は他の穀類のデンプンより糖化度が高い。そして何よりも特徴的なのはルチンである。ルチンは抗酸化物質として注目されているフラボノイド(植物の色素成分)の一つで、血管の強化作用があり高血圧によいとされている。また、体内でケルセチンに変化して抗腫瘍効果を発揮したり、認知症の改善にも寄与することが明らかになっている。

金曜日, 5月 23, 2008

EPA(イコサペンタエン酸)

EPA(イコサペンタエン酸)

 かつてはエイコサペンタエン酸と呼ばれていたが、近年、イコサペンタ塩酸に改められた。但し略称のEPAはそのまま使われている。炭素数20個、二重結合5カ所のn-3系不飽和脂肪酸で、融点はマイナス54℃。イワシやタラなどの魚油に多く含まれる。血液中の中性脂肪やコレステロール濃度の低下作用、血小板凝集能の抑制作用などが認められている。

 EPAが注目されるようになったのは、1970年代にデンマーク・オールボア病院のダイアベルグがイヌイット(エスキモー人)を対象に行った疫学的調査の結果によってである。それによると、魚やアザラシを主食とするイヌイットはは肉食中心のデンマーク人に比べて動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの生活習慣病が大幅に少なかった。例えばデンマーク人の死亡原因が心筋梗塞だけで40%以上も占めているのに、イヌイットは発症率が高い60歳以上だけを対象にしても3.6%でしかなかった。その原因がイヌイットの食生活にあると考えて研究の結果、魚肉油に含まれるEPAの有効作用にあるとわかったのである。

 最近の研究では、横山光弘(神戸大学)らが日本人約2万人を対象にし大規模臨床試験(5年間の追跡調査)で、EPA薬の摂取により心臓病のリスクが19%減少したという試験結果を発表している(2005年、米国心臓協会学術集会)。EPAは健康食品素材としても広く使われており、(財)日本健康栄養食品協会による「イコサペンタ塩酸(EPA)含有精製魚油加工食品規格基準(1986年8月公示、96年6月一部改正)」がある。

木曜日, 5月 22, 2008

フコキサンチン

〇フコキサンチン

 フコキサンチンはワカメやヒジキ、昆布類などの褐藻類に含まれる赤褐色のカロテノイド色素である。カロテノイドはニンジンのβ-カロチン、トマトのリコピンなどをはじめとして自然界に幅広く存在する黄色~赤色系の天然色素で、酸素と結合しやすいという特徴を有する。ヒトの体内ではいわゆるフリーラジカル(活性酸素)と結びつき、これを無害化する。しかし、動物はこの有効な働きをする物質を自身の体内では生産することができず、食物として摂取しなければならない。栄養面でのカロテンの有用性が注目されている。カロテノイドの一種であるフコキサンチンにも、この作用が備わっている。

 こうした働きに加えて、最近の研究では、フコキサンチンにはエネルギー消費速度を刺激して脂肪燃焼を促し、内臓脂肪を減少させる作用があることがわかってきた。マウスを使った実験によると、フコキサンチンを投与したマウスは体重が5~10%減少したとの報告もある。フコキサンチンは、腹部や肝臓などの内臓脂肪を構成する白色脂肪細胞内への、ある種のたんぱく(ミトコンドリア内の脱共役たんぱく)の発現を増加させる働きがあるとみられている。このたんぱくは脂肪の酸化およびエネルギーの熱への変換を促すことにより、白色脂肪細胞を減少させる。白色脂肪細胞は過剰に摂取された炭水化物や脂肪を中性脂肪形で蓄えるための細胞で、今話題のメタボリックシンドロームの主因とされているものであり、これを減らすことができれば健康増進効果は大きい。白色脂肪細胞を減らす機能性食品への注目度は上昇基調にある中で開発されている。

 食事療法のみの被験者とフコキサンチンを併用した被験者とを比較した新陳代謝実験では、フコキサンチンを併用した被験者のほうが代謝は18.2%高かったという結果も出ている。

 健康食品市場には、フコキサンチンの抗酸化作用・脂肪細胞減少効果を生かした製品など、すでに多く流通しているが、その中でザクロ種子油との相乗作用で脂肪細胞の形成を抑制するなど、フコキサンチンの機能性との組み合わせによる効果を狙った製品開発が注目を集めている。ザクロ種子油には、新しい血管の形成を阻害すること脂肪細胞への血流量を抑制し、血液を介した脂肪の供給を低減させて脂肪細胞の新たな形成を遅らせたり、抑制したりする作用が認められている。ザクロ種子油とフコキサンチンとの相乗効果は臨床実験でも確認されており、16週間の飲用で平均6.5kgの体重減少、5.3kgの体脂肪減少が見られたことが報告されている。

火曜日, 5月 20, 2008

カリフラワー

〇カリフラワー

 アブラナ科のキャベツの仲間で、花のように見える花蕾部分を食用とする。花蕾の色によってホワイト、オレンジ、ムラサキの種類がある。

 カリフラワーはビタミンCの含有量が多く(100g中、生で81mg、茹でたものは53mg)、これはトマトの3倍以上に当たる。レモンの搾り汁100gといえばコップ半分くらいだが、これを飲んで得られるビタミンCは50mgである。タバコ1本吸えば約25mgのビタミンCが破壊されともいわれ、またポーリング理論として知られるビタミンCの大量摂取によるウイルス感染予防には少なくとも1日1g(1000mg)位は必要とされているから、レモン汁をコップに10杯以上も飲み干さなければならない計算である。

 日本人の食事摂取基準20005年度版では、ビタミンCの1日推奨量を100mg(成人)としている。従ってノルマ達成のためならレモンの搾り汁をコップ1杯飲めばよいわけであるが、それならカリフラワーをたっぷりと美味しく食べたほうが賢明であろう。蕾の部分よりも白い芯(茎)のほうが倍近いビタミンCを含んでいるので、塩漬けなど調理を工夫してなるべく残さずに利用するとよい。

日曜日, 5月 18, 2008

スイートコーン

〇スイートコーン

 スイートコーンはイネ科トウモロコシの甘味種で、その未熟種子を食用にする。完熟種子は穀類に分類される。スイートコーンは野菜として扱われる。原産地はペルーで、日本にはポルトガル人によって16世紀中頃に渡来したが、栽培されるようになったのは明治以降である。全国各地で栽培されているが、特に北海道が多い。

 古くからゴールデン種とシルバー種に加え、甘味の強いバイカラー種が品種改良され、現在はこれが主流となっている。黄色と白の粒が混じり合った姿をしており、果皮が柔らかく甘みが強い。スイートコーンの雌穂を若採りしたものはベビーコーン(ヤングコーンともいう)で、中国料理などに使われている。

 スイートコーンの実100g中、カロテン53ug、ナイアシン2.3mg、ビタミンC8mg、カリウム290mg、食物繊維3gなどが主成分。ビタミンCも多い。整腸・便秘・動脈硬化などに食効があるとされ、また糸状の毛を乾燥させてお茶代わりに煎じて飲むと、利尿・強心・膀胱炎・腎臓病に著効があり、昔から民間薬として広く親しまれてきた。

土曜日, 5月 17, 2008

スプラウト

〇スプラウト

 植物の新芽を英語でスプラウトというが、最近、各野菜の新芽が健康野菜としてスーパーの店頭に並び出した。ブロッコリーやマスタードなどの新芽があり、目新しさも手伝ってちょっとしたブームになっている。

 スプラウト人気の発端は、米国のジョンズ・ポプキンス大学の研究者らがブロッコリーの新芽に優れた抗ガン作用があると発表したことによる。発芽3日目の新芽には、成長したブロッコリーの20~50倍のサルフォラフェインという抗ガン成分があるという。また、スプラウト類は全般に植物性タンパク質やビタミン、ミネラル、食物繊維に富み、ローファット、ノンコレステロールというのが健康志向の強い米国人に受けたようだ。

 スプラウト野菜はブロッコリーのほか、小豆やソバ、クローバー、レンズ豆、ラディッシュ、ヒマワリ、レッドキャベツ、マスタード、クレス、小麦など種類が多彩だ。サンドウィッチの具やサラダ、スープの具材など食べ方の自由度も高い。家庭でも栽培できるようにスプラウトの栽培キットも販売されている。

金曜日, 5月 16, 2008

そら豆

〇そら豆

 初夏の味覚の一つでとして親しまれているソラ豆だが、これは夏野菜のソラ豆の若莢が未熟なうちに収穫したもので、茹でて食べる。エダ豆と異なり、豆は莢から出して茹でる。ソラ豆が北部アラビアで栽培されたのは有史以前だが、日本へは江戸時代初期に中国から到来したといわれる。莢が天を向いて直列するところから「空豆」と名付けられたもので、豆の形が蚕の繭に似ていることから蚕豆ともいわれる。

 枝豆に匹敵するタンパク質(生100g中10.9g)と糖質(同15.5gでエダ豆の約2倍)が含まれており、タンパク質のアミノ酸組成も非常に優秀で高い栄養効果が期待できる。また、スタミナの元といわれるアスパラギン酸や旨味成分のグルタミン酸が豊富なので、夏へ向けて体力をつけるのにふさわしい食品であるといえる。ミネラルやビタミンB群も豊富で、特にB2は0.2mgと多い。過酸化脂質の生成を防いで血管の若さを保つのに役立つ。ソラ豆の脂質には比較的レシチンも多いので、Bと共に働いて血中の悪玉コレステロールが増えるのを防ぐ。このほか利尿、便通改善効果もある。

木曜日, 5月 15, 2008

オクラ

〇オクラ

 オクラはアオイ科の一年草で1~2mに育ち、夏に黄色い大きな花の後、断面が五角の星型の莢をつけるが、この若い実が食用になる。原産地はアフリカで、エジプトでは紀元前から栽培されてきた歴史があり、現在は世界各地で栽培されている。オクラはアフリカの現地語を起源とする英名。

 オクラを細かく刻むと納豆のようにネバネバの糸を引くが、これはペクチンという食物繊維と糖タンパクのムチンが含まれているためである。野菜のネバネバに強壮効果があるといわれるのは、ペクチンの整腸作用(便秘にも下痢にも効能がある)と、ムチンがたんぱく質の消化吸収を助けるためと考えられる。オクラはまたカルシウムが100g中92mgと、たとえばマイワシ(70mg)のような魚よりも豊富で、平均的にカルシウム不足をきたしている日本人には好適な野菜といえる。ビタミンB1・B2も十分に含まれているので、ネバネバが苦手という人はスープ仕立てにする(ペクチンなどがスープに溶けてしまうのでネバネバはなくなり、とろみのあるスープになる)か、天ぷらなどで工夫して夏場の暑気負け回復のために大いに食べたいものである。

水曜日, 5月 14, 2008

さやえんどう(莢豌豆)

〇さやえんどう(莢豌豆)

 マメ科エンドウ属のエンドウ豆は、ギリシャ・ローマ時代から栽培され品種も多いが、野菜種としては若い莢を食べるサヤエンドウと、未成熟の実を食べるグリーンピースがある。

 サヤエンドウのうち、もっともポピュラーなのはキヌサヤ(絹莢)で、若莢を早採りしたもの。莢が擦れる音が衣ずれの音に似ていることからこの名がついた。このほか、関西でよくつかわれる大型のオランダ大莢、アメリカ産のスナップエンドウがある。スナップエンドウは実が大きくなっても莢が堅くならないため、実と莢を一緒に食べることができる。

 サヤエンドウは栄養バランスが良く、タンパク質は100g3.1gとグリーンピースの半分くらいであるが、遊離アミノ酸が野菜の中で最も多い。カルシウムは35mg、リンは63m含まれている。カロテンも560ugと多めで、これは日本カボチャ(730ug)には及ばないもの青ピーマン(400ug)を上回っている。ビタミンCも豆類の中では飛び抜けて多く、100g60mg含み、Cの補給にはもってこいの食材といえる。風邪の予防、老化防止、利尿のほか、シミやソバカス、高血圧症、胃腸疾患、糖尿病の口乾などに効用がある。サヤエンドウは入手しやすいので常用したい野菜の一つ。油炒めなどにするとたっぷり量も摂れ、熱を加えることで色が鮮やかとなり、食卓に彩りを添える。

火曜日, 5月 13, 2008

えだ豆(枝豆)

〇えだ豆(枝豆)

 えだ豆は大豆の若莢(わかさや)を未熟な内に収穫したもので、茹でて食べる。大豆と同じくタンパク質が豊富に含まれており(100g中11.7g)、これは鶏卵にも匹敵する量である。比較的糖質が少ない代わりに良質の脂肪が含まれ、この脂肪分はニンジンカボチャのカロテンの吸収を助けるという働きもある。

 夏のビールのつまみとして定番のえだ豆だが、豊富に含まれる含流アミノ酸のメチオニンにはアルコールから肝臓を守る働きがあり、つまみとしても理にかなっているわけである。また新陳代謝を促進し自律神経の調整をするビタミンB1も多く(100g中0.31mg)、肩こり・便秘・倦怠感・神経炎・むくみなどを予防する。

 枝豆にはこのほか、大豆には全く入っていないビタミンCが27mgも含まれており、暑さで消耗する夏場には最適である。加えてカロテンを大豆の40倍も含み、皮膚・粘膜の抗菌力を増し、目を守るという意味でも、夏の野菜として是非摂りたいものである。このほか大豆と同じくサポニンが含まれ、体内の過酸化脂質を抑えてこれてロールを下げる働きをする。

月曜日, 5月 12, 2008

香酢(改訂版)

〇香酢(改訂版)

 香酢は中国江蘇省南部の鎮江でつくられる黒酢の一般的な呼称だが、黒酢といっても日本のものとは製法も原材料も異なっている。原料はもち米と麦ふすまで、もち米を蒸して酒を仕込み、これにもみ殻を加えて甕で自然発酵させる。この発酵の仕方を酢酸分層発酵法といい、甕の中を撹拌したり中身を別の甕に入れ替えて熟成させる。

 熟成の時間によって呼称が変わるのも香酢の特徴で、3年以上熟成させたものが高級香酢とされ、これに対して1年未満のものは陳醋と呼ばれ、一般酢(大衆酢)とされる。新年や祝日、特別の行事や珍客をもてなすときは老陳醋が振る舞われるという。香酢の良し悪しは主原料のもち米、水、麹に左右されるが、発酵・熟成の過程での作業時間(年月)、温度管理、容器の選定などによっても違いが生じるといわれる。特に陶製の甕は不思議な力を持っており、長年にわたって使われた甕の内部の小さな穴には菌や発酵微生物など、いわば自然の力がすみつき、穴から出て一時も休むことなく活動している。これが発酵や熟成に欠かせない神秘的な力を発揮するといわれている。

 香酢の特徴はアミノ酸の含有量が多いことだが、香酢の健康機能性でカギを握っているのはアミノ酸が数個連なっているペプチドと考えられており、今後の研究成果が待たれている。また最近になってメラノイジンという新しい成分が発見された。これは香酢を3年間熟成させると生成されるポリフェノールの一種で、胃や十二指腸の粘膜に作用して健胃・整腸効果を発揮することが報告されている。

日曜日, 5月 11, 2008

卵タンパク質

〇卵タンパク質

 卵タンパク質は卵白タンパク質と卵黄タンパク質に分けられ、鶏卵では、卵白の約10%、卵黄の約15%がタンパク質である。卵白は脂質をほとんど含まないため、牛乳の約3倍という高濃度のタンパク質水溶液になっており、40種類以上のタンパク質が含まれている。その内、約54%は単純タンパク質のオボアルブミンで、それ以外にはオボログロブリン、オボトランスフェリン、オボムコイド、オボスタチン、オボムシン、リゾチームなどが含まれている。卵黄タンパク質の大部分はリポタンパク質(LDL、HDL、リポビテリン)である。

※複合タンパク質

 アルブミンやグロブリンなどの単純タンパク質に糖や脂質などが結合したもので、糖タンパク質、リンタンパク質、核タンパク質、色素タンパク質などがある。

 糖タンパク質は糖質が結合したもので、ムチン、オボムコイド(卵白)など。リンタンパク質はリン酸と結合し、カゼイン(牛乳)、ビテリン(卵黄)など。リポタンパク質は脂質と結合したもので、各種リポタンパク質、リポビテリンなど。核タンパク質はヒストンやプロラミンが核酸と結合したもので、プロタミン(魚の白子)、ヌクレオヒストン(細胞核)など。色素タンパク質はヘム色素などと結合しているもので、ヘモグロビン(血液)、ミオグロビン(筋肉)などがある。

土曜日, 5月 10, 2008

ハーブティー

〇ハーブティー

 ハーブティーは、ドイツではクロイターティー(薬草のお茶)、フランスではティザーヌ(薬草を煎じる)といい、いずれも薬草茶という把え方をしているが、日本では健康のためというよりも趣味性・嗜好性が強く、一種のファッションとして利用される傾向がないわけでもない。ハーブティーの中には、フラワーティー(花茶)として知られるものもあり、花茶は別に分類する考えもあるが、今日ではハーブティーの中に含めたほうが合理的と考えられている。

 ハーブティーはさまさまな種類のものを容易に購入できるようになったが、自分で栽培したり採集した材料が作る人も多い。アルファルファ、カミツレ、ミント、ベニバナなどは種子や苗を入手しやすいし、初めての人でもわずかなスペースやプランターで栽培できる。全草(根を除いて地上部の全部)を用いるものは花の咲き始める頃、満開のものがよい。また、実を用いるものもあるが、これはウイキョウのように完熟した実を使うものもあるし、キササゲのように成熟しきらないものが適したものもあり、ハーブの種類によって使い方が異なるので注意が必要である。

 作り方の基本は、全草を用いるときは、よく水洗したのち水気を切って、広げて日陰で乾かす(ものによっては軽く蒸してから乾燥させるものもある)。花の場合は、採取後、素早く日向で干し上げる。いずれも乾燥させてから細かく切って瓶などに密閉して保存すればよい。また根を用いるときは、よく洗ってから小さく刻み、それを天日で乾燥させる。保存のコツは緑茶と同じく湿気を避けることである。

 ハーブティーの入れ方は自由だが、花の姿を楽しみたいカミツレ、ベニバナ、ハイビスカス、サフランなどはカップに花弁や花2~3個を入れた上から熱湯を注ぐ。香りを求める葉や実の場合は、茶こしに入れて熱湯を注ぐとよい。オオバコのように成分が出にくいものの場合は、ポットに入れて熱湯を注いで5分くらい置いたり、火にかけてひと煮立ちさせてもよい。

金曜日, 5月 09, 2008

ダイジン(大豆イソフラボン)

〇ダイジン(大豆イソフラボン)

 ダイズインともいう。イソフラボン系色素のダイゼイン(daidzein)と糖のグルコースが結合したフラボノイド配糖体で、大豆の胚軸、葛の根に含まれている。大豆イソフラボンとも呼ばれ、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をすることが知られている。女性に多い骨粗鬆症は女性ホルモンの分泌量と関係しており、中高年になって女性ホルモンの分泌が減少すると骨量も減少することが発症の原因。イソフラボンを摂取すること手骨量の減少が抑えられ、骨粗鬆症の予防につながる。

 また、男性ホルモンの過剰で起きる前立腺ガンに対してもイソフラボンの摂取が予防につながるとされている。大豆イソフラボンは骨からカルシウムが溶け出すことを防ぐ機能がヒト試験で証明され、トホクの関与成分にもなっている。また、大豆イソフラボンを含む健康食品に関しては、(財)日本健康栄養食品協会による「大豆イソフラボン食品規格基準」(2000年11月公示)がある。

※ゲニスチン

 イソフラボン系色素のゲニステイン(genistein)が糖と結合した配糖体で、大豆の胚軸に億含まれている。大豆イソフラボンの一種。

木曜日, 5月 08, 2008

苦丁茶

〇苦丁茶

 苦丁茶は中国の南部、および西部で保健茶として飲用されている茶で、独特の苦みと清涼感を特徴とする。中国でも茶の中では生産量が少なく、大変貴重な高級茶とされる。場所によって、モクセイ科、オトギリソウ科、モチノキ科、ムラサキ科、バラ科などさまざまな植物の葉を用いて作られる。

 四川省産の苦丁茶には、清熱、降圧、防暑の効あり、雲南省産の苦丁茶には、防暑、消炎、増知、抗疲労等の効ありとされる。また、四川省産などのLigustrum属植物を期源とする苦丁茶には、モノテルペンやフェニルエタノイド配糖体が含まれ、特にモノテルペン配糖体にはコレステロールの吸収や生合成に関与するACATという酵素の阻害作用があることが報告されており、血中脂質改善作用が期待されている。

水曜日, 5月 07, 2008

サワーサップ茶

〇サワーサップ茶

 サワーサップ(sour sop)は熱帯アメリカに自生するバンレイシ科の小高木で、和名はトゲバンレイシ。椿の葉を大きくしたような直径19~15cmの光沢のある革質の葉を持ち、細かな棘に包まれた実をつける。サワーサップ茶はこの葉を用いる。原産地の一つである南米ギアナの原住民が、激しい運動を伴う狩猟などに出掛ける前や、豪雨にあって体が冷え切った時にサワーサップの葉を煎じて飲む習慣を持っていたのは、経験的にその強心効果(心臓の収縮増強作用)を知っていたためのと考えられている。

 サワーサップ茶の強心効果が臨床的に認められたのは1985年のことで、成人病を専門とする日本人医師・石垣健一によってである。石垣は、4人の糖尿病患者(高血圧症、高脂血症症、冠動脈症などを併発)に対し、サワーサップの乾燥葉の微粉末g入りのティーバッグに熱湯を注ぎ、濃い番茶のようになるで十分にエキスを浸出させたものを14日間飲用させ、体重変化、血圧、空腹時血糖、血清コレステロール、血清中性脂肪、動脈硬化指数、心電図、副作用の各項目を記録・分析し、あらゆる項目で好結果を得た。心拍数の増加や血圧上昇などの副作用は何一つ認められなかった。

 また、日本化成の研究グループはサワーサップの葉から抽出した精製度の高い粗エキスを用いた動物実験によって、非常に高い心臓収縮増強作用があることを確認している。しかもこの効果は、粗エキスを実験動物の十二指腸内に投与した場合でも発揮されることが実証されたという。現在よく用いられている心不全の治療薬であるニトログリセリンは口腔粘膜からしか吸収されないという弱点があるが、サワーサップにはそれを解決する可能性も期待されている。

月曜日, 5月 05, 2008

マテ茶

〇マテ茶

 マテ茶は、南米パラグアイ、ブラジル西部が原産のモチノキ科の常緑低木イェルバマテ(yerba mate)の葉・茎を用いた健康茶である。南米土着のインディオたちが400年以上も健康茶として飲み続けてきたもので、今ではブラジルをはじめ南米各地で愛飲されている。カフェインが少ないので飲みすぎても胃を刺激せず、子供向きのドリンクにも格好である。

 成分として注目されているのはマテ茶に特有のマテインというアルカロイドで、自律神経を刺激して心身を活動的にし、健胃・整腸作用、肥満防止が期待できるという。一方、神経の興奮を抑制する働きもあり、ストレスによるイライラや二日酔いにも効果を表す。このほかの機能性の研究では、ノーベル医学賞受賞のB・A・ウーサイによる造血作用、美肌作用、消化液の分泌促進作用、グリコーゲン産生と疲労回復効果などに関する報告がある。また、川上美智子(シオン短期大学)は、マテ茶に含まれるタンニンがデンプン分解酵素アミラーゼの作用を阻害して体脂肪を減少させ、便秘を解消すると発表している。活性酸素を消去するSOD活性も高い。

土曜日, 5月 03, 2008

目薬の木茶

〇目薬の木茶

 目薬の木はカエデ科の落葉高木で、イチョウと同じく雌雄異体。日本各地に群生地があるが、多くは山形・岩手以南の本州、四国、九州の深山に分布し、特に福島県とその隣接する県に多い。地方によって千里眼の木、長者の木、三つ花、花楓(ただし同名の別種がある)などの異名がある。

 江戸時代初期に、この木の樹皮を煎じて点眼ないし洗眼薬とし、やに目、ただれ目、かすみ目、鳥目、そこひなどの眼病に用いていた記録があるが、歴史的にはすでに安土桃山時代に活用が始まったと考えられている。以来、文字通り、目薬の木として広く活用され、ごく一部の寺社では1950年代の半ばまで自家製の目薬として販売していたといわれるが、ほとんど知られることはなかった。

 60年代に入って、星薬科大学の伊澤一男が薬用植物の採集過程でこの木の存在を知ったことが契機となり、同大生薬学教室で成分研究に着手した。その後「薬草カラー図鑑」(伊澤一男、主婦の友社)にこの木が収載され認知度が高まる中で、同大の篠田正人らが肝障害に対するメグスリノキの薬理試験と題する学術発表を行って、強制的に肝障害を起こさせたモルモットにメグスリノキのアルコール抽出エキスを用いて改善が見られたことを報告した。同教室の成分分析試験では、樹皮にはα-アミリン、β-システロール、ロドデンドロン、カテキンなどが、木部にはβ-システロール、クマリン誘導体のスコポレチン、エピーロトデンドリンなどが、葉にはβ-アミリン、ケルセチンなどが確認されている。

 目薬の木の成分と種々の眼病、肝障害の改善作用についてはまだ十分に解明はされてはいないが、煎じ液を用いてかすみ目、やに目、老眼、仮性近視、結膜炎、花粉症の涙目などが改善した例、漢方薬との併用による緑内障の眼圧低下、肝炎や蕁麻疹の改善例など、多彩なケースが報告されるようになっている。

金曜日, 5月 02, 2008

健康茶

〇健康茶

 各種の薬草・薬木を使った健康茶は世界各地に伝承されている。中国は広大な国土に多種類の植物があり、まさに薬草の宝庫といってもいいが、それらは実や葉であったり、時には木の皮であったりするが、その地方の人々が古くから健康のために飲用している薬草類が各地にある。その中には漢方薬として使われているものも多い。

 本来、茶とはツバキ科の「茶」の葉を抽出したものだが、茶と同じように湯に浸してのこところから「〇〇〇茶」と呼ばれることが多い。茶の栽培は、気候条件や地形などが適した場所でないと良質のものができないため、茶の木が育たなかった地域では、身近にある植物を利用して茶の代わりに使ったのが始まりではないかと考えられる。

 中国をはじめ、世界各地にさまざまな健康茶がある。わが国では柿の葉茶やハブ茶など1種類の植物からつくられた健康茶のほか、ハトムギ・クコ・オオバコ・カキドオシ・よもぎ・明日葉・紫蘇・延命草・どくだみなど各種の野草をその土地の風土に合わせてブレンドしたものも多く伝わっている。これらの健康茶は茶そのものを使っていないので、カフェインも含まれていないから寝る前に飲んでもよい。また、各種の薬草にはそれぞれに多様な有効成分が含まれており、日常の健康維持・増進に手軽に利用できる格好の健康食品ともいえる。最近ではエキス加工技術の進歩によって、これまでお茶として飲まれるだけだったものが、粉末やカプセルとしても製品化され、より健康食品食が強まっている。

木曜日, 5月 01, 2008

ビール酵母

〇ビール酵母

 ビールの醸造に使われる酵母はサッカロミセス属(Sachatomyces)の単細胞微生物で、発酵槽でホップを加えた麦汁(麦芽を粉にして煮たもの)に入れると、麦汁の糖分(麦芽糖)をアルコールと炭酸ガスに変えてビールをつくり始める。この過程で酵母の中ではアミノ酸やビタミン、核酸などの栄養素も大量につくられる。発酵が終わり、発酵槽の底に沈殿した酵母を取り出し、洗浄して乾燥させたものがビール酵母で、ビール1リットル当たり約1g得られる。

 乾燥ビール酵母に含まれる栄養成分組成は、アミノ酸が約50%、食物繊維が30%、残りがビタミンミネラル、核酸などである。アミノ酸は必須アミノ酸を中心に18種類、ビタミン類はビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸など、B群が豊富である。ミネラル類でカリウム、リン、カルシウムが多い。

 このような豊富に栄養成分を含む乾燥ビール酵母は、早くから胃腸症状の改善に効果のあることが認められ、医薬品(エビオスなど)の原料として使われてきたが、栄養補給効果が高いことからダイエット食品として人気がある。

水曜日, 4月 30, 2008

ガジュツ(莪朮)

〇ガジュツ(莪朮)

 ガジュツはインド原産のショウガ科の多年草で、紫ウコンとも言われる。

 南アジア一帯で広く栽培され、日本では沖縄、屋久島、種子島で良質品を産する。里芋に似た直径4~5cmの卵型の根茎の断面は淡黄色、中央部が淡い紫色を帯び、特有の芳香と強い苦みを持っているが、それを薄く切って乾燥させ粉末にしたものが生薬として用いられる。その形と顕著な薬効とによって、わが国では古くから弘法大師の石芋とも呼ばれていた。中国薬物書の古典本草綱目には、主治として消化器病、感染症、神経症、血の道症、腫瘍、小児喘息などが挙げられ、古今の彼我の文献には健胃、駆風、鎮痛、駆お血、通経薬として薬効顕著であることが紹介されている。ガジュツを主剤とした漢方薬もあり、それだけに有効成分とその薬理作用に関する研究も活発に行われてきた。

 全量の約1~1.5%に当たる精油成分からは多くのモノテルペン類(シネオールやカンファーなど)、セスキテルペン類(アズレンなど)、クルクミン類など微量成分を含めると100種近くが見い出され、それらの作用機序が解明されてきた。芳香性があるため飲んだ時にの中がすっきりとし、特有の苦味(モノテルペン類の配糖体)が刺激となって胃液の分泌を促し、同時に精油成分のシネオールも唾液や胃液の分泌を促すので消化力が高まるという健胃効果をもたらす。シネオールには胆汁の分泌を促す作用もあり、消化を助けるとともに血中コレステロールを下げる働きもする。また強い殺菌・防腐作用があり、同様の作用はカンファーにも認められている。カンファーはカンフル剤の主成分で強心作用がある。

 このような多様な成分の相乗効果によって生ずるガジュツの効果については数多くの報告がなされている。糸川秀治(東京薬科大学)はマウスによる実験で、ガジュツのエキスに抗腫瘍作用、肝障害の発生を抑える作用があることを認めている。また、水野修一(国立小倉病院)は臨床試験によって、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性委縮性胃炎の元凶と見られているヘリコバクター・ピロリがガジュツの投与によって胃内から消滅することを確認している。奥田拓道(愛媛大学医学部)らの研究グループは、アルコール抽出分画にアレルギー物質となるロイコトリエン生成に関わる5-リポシゲナーゼを抑制することを見出しており、これはガジュツが抗アレルギー作用を有すると考えられることから、今後の臨床的成果が待ちれる。

 中国では、抽出液の注射で子宮ガン・皮膚ガン・口唇ガンなどに著効を見たという報告が多い。また、慢性肝炎・膵炎、胃潰瘍、不整脈、高血圧、高血糖といった重篤な疾患以外にも、ニキビ、シミ、口臭、便秘、肩こり、腰痛、冷え性、脱毛症、夜尿症などの日常的な不調に対する効果も多数公表されるとともに、ウコンとの併用による相乗的な効果も報告されてきている。

火曜日, 4月 29, 2008

〇鉄

 元素記号はFe。成人の体内には4~4.5g存在している。その内、約70%は血液中のヘモグロビン、筋肉中のミオグロビン、酵素のチトクロームやカタラーゼにヘム鉄として含まれ、機能鉄として酸素の運搬や酸化還元反応、解毒作用に関与している。残りの30%は鉄貯蔵タンパク質(フェリチン、ヘモデシリン)に非ヘム鉄として組み込まれ、肝臓に蓄えられている。動物性食品に含まれる鉄の多くはヘム鉄(二価鉄)だが、穀類や野菜などの植物性食品に含まれる鉄は非ヘム鉄(三価鉄)の形態をとっている。鉄は十二指腸で二価鉄の状態で吸収される。そのため植物性食品の三価鉄は胃酸で二価鉄に還元されなければ吸収されない。この時、ビタミンCとの共存下で吸収率が高めることが知られている。ホウレン草は鉄とビタミンCの両方を含む食品であり、鉄の摂取源として理想的である。鉄が欠乏すると貧血、運動機能や認知機能の低下を招く。

 食事摂取機銃05年版では、の推奨量は1日当たり男性は18~69歳で7.5mg、70位以上で6.5mg、女性は18歳以上(月経あり)で10.5mg、同(月経なし)で6.5mg、上限量は成人男性で45~55mg、成人女性で40~45mgとしている。また保健機能食品制度では、鉄を1日摂取量当たり2.25~10mg含む食品には鉄の機能を表示することができる。

※ヘム鉄

 赤血球のヘモグロビン(色素タンパク質)に含まれる二価鉄。食品ではレバーや赤身肉、カツオなどの動物性食品に多く含まれている。植物性食品に含まれる三価鉄に比べ、吸収率が高い。トクホの関与成分にもなっており、貧血気味の人に適した食品として清涼飲料やゼリーなどがある。

月曜日, 4月 28, 2008

α-リポ酸

〇α-リポ酸

 2004年3月の食薬区分改正で食品にも使えるようになったα-リポ酸は、別名をチオクト酸といい、ドイツでは糖尿病合併症予防の治療薬として、アメリカでは肝臓疾患治療に利用されてきたビタミン様物質である。その作用は大きく2つあり、糖の代謝促進と抗酸化作用である。食事から摂取した糖質は体内で解糖の最終産物であるピルビン酸に変化してミトコンドリアに運ばれ、そこでα-リポ酸によってアセチルCoAに転化し、TCA回路(クエン酸回路)で代謝される。

 α-リポ酸の体内量が少なくなると、糖がエネルギーとして代謝されず肥満の原因となる。一方、抗酸化作用はビタミンC・Eの400倍の強さを持つといわれているが、その酸化物質としての特異性は、細胞膜の脂肪性領域と水溶性領域の両方で働くことができることである。つまり、水溶性ビタミンや脂溶性ビタミンのようにその作用が限定されず、さらに分量が小さいので体の隅々まで浸透しやすい。α-リポ酸は治療目的で使用する場合の摂取量は1日当たり600mgとされているが、サプリメントとして摂取場合は、メーカー推奨量が1日100mg程度ある。

土曜日, 4月 26, 2008

クエン酸

〇クエン酸

 クエン酸はレモンやライムなど柑橘類に多く含まれる爽快な酸味を持つ酸で、レモン1個に約4gのクエン酸が含まれている。ヒトの血液中には総量にして0.1g近く含まれ、常に体中を巡り、生命維持に欠かすことのできないエネルギーを獲得する場面で重要な役割を担っている。

 ヒトの体内でブドウ糖がエネルギーに変わるには2つの方式がある。1つは解糖、もう一つはクエン酸回路だが、この回路のキーを握っているのがクエン酸である。実際にクエン酸を摂取することによって、運動能力の向上、疲労回復、肩こり・腰痛の予防・抗菌・抗ウイルス作用が見出されている。

 クエン酸のもう一つの働きにキレート作用がある。キレートとはギリシャ語でカニのはさみを意味する「ケーレー」に由来する言葉で、金属のイオンを化合物の両端に挟み込み、その金属イオン特有の性質を覆い隠す。クエン酸は生体内でカルシウムやマグネシウム、あるいはアルミニウムなどのミネラルイオンと結合し、イオンとしての作用を現わさないようにする働きがあるため、保存血液の抗凝固剤や大腸ガンの検査時に使われるマグネシウム塩類下剤に応用されている。また、クエン酸と鉄のキレート化合物であるクエン酸鉄はアルツハイマー病の治療薬として用いられることもある。それはクエン酸のキレート形成能力とその無害性によるものである。

 クエン酸は柑橘類のほか、梅干し天然醸造酢などにも多く含まれており、最近は各種機能性素材とクエン酸が組み合わされ、さまざまな健康食品が登場している。

金曜日, 4月 25, 2008

ハスカップ

〇ハスカップ

 ハスカップはスイカヅラ科に属する低木で、7月下旬に1~2cmほどの濃い紫色の実をつける。名前はアイヌ語に由来する。学名はLonicera caerulea var.cmphyllocalyx。和名はクロミノウグイスカグラ(黒実鶯神楽)。日本では北海道のほか本州中部の高山のごく一部で見られるが、原産地はロシアのバイカル湖周辺とされており、中国北部の産地にも古くから自生していることが確認されている。ただし、現在栽培されているのは北海道のみ。アイヌの人々の間では、この実が古くから「体を軽くし、不老長寿に役立つ果実」として珍重され、特に心臓病や貧血、慢性疲労、冷え症などに効果があるとされている。

 近年その機能性が注目されてサプリメントとして用いられるようになり、女性向けの美容サプリメントとしても開発されている。

 ハスカップの実には目の疲れに効果的なアントシアニンが豊富に含まれており、なかでも抗酸化活性の高いシアニジン系アントシアニンが、総アントシアニンの100%(主成分はシアニジン-3-グルコシド)を占める。このほか、ビタミンCや、老化防止効果があるビタミンE、抗酸化成分や鉄分などのミネラルが含まれている。

木曜日, 4月 24, 2008

黒酢

〇黒酢

 酢は調味料の一つで日女的な食品だが、これを健康酢の位置にまで高めたのが黒酢である。米酢の一種であるが、特に長期間(6か月以上)発酵・熟成させることによってアミノ酸と糖が反応して黒褐色化することから黒酢と呼ばれている。アミノ酸をはじめとする多くの栄養分を含んでおり、血圧降下作用があるなどの健康効果が広く知られたこともあって、今日の健康酢ブームの主役に躍り出た。

 黒酢の発祥地は鹿児島県福山町で、つぼ酢がそのルーツである。しかし中には過熱気味の黒酢ブームを反映してか、長い熟成期間を置かずに、食酢をカラメルで着色して黒酢と称するようなものまで現れ、消費者を混乱させている。

 このような状況を踏まえ農林水産省は2003年7月、それまで米酢の規定しかなかったJAS規格に、新たに「米黒酢」の規格を設けた。それによると「穀物酢のうち、原材料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いて精米したものを除く)、またはこれに小麦もしくは大麦を加えた者ののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1Lにつき180g以上であって、かつ、発酵および熟成によって褐色または黒褐色に着色したもの」と定義された。黒酢は調味料としても利用できるが、価値が高めのことから、特に健康飲料として製品化されるケースも多い。

水曜日, 4月 23, 2008

食用菊

〇食用菊

 は日本の秋を象徴する花として知られるが、中国では延命長寿の花として紀元前7世紀ころから培養され、奈良時代に日本にもたらされた外来植物とされている。旧暦9月9日の重陽の節句は「菊の節句」とも言われ、この習慣が平安時代に中国からもたらされたころから、菊を鑑賞する習慣が生じたとされる。菊は万葉集には詠まれていないが、古今和歌集のころから多くの和歌に詠まれている。その高い品格と清らかなイメージは、鎌倉時代初期に後鳥羽上皇が菊の花のデザインを好み、天皇家家紋としたことで決定的になったといわれている。江戸時代に入ると栽培、育種が盛んになり、多数の品種が生み出された。幕末のころは中国・ヨーロッパに輸出され、それぞれの国の菊事情を一変させるほどの人気を呼び、育種が盛んに行われるようになった。

 食用菊は、大きく分けて花弁が筒状のものと平たいものの2種類がある。特に食用として栽培されている菊を指す。料理のつまに使われるつま菊などの小輪種や、花びらのみを食用とする大輪種がある。つま菊以外は山形、青森など東北地方、新潟県などで栽培される。苦みが少なく甘みがあるのが特徴で、ゆでておひたしや酢の物、和え物、吸い物、天ぷらなどに用いられる。また菊海苔、干し菊など、蒸した後に薄く四角に乾燥させた加工品もある。現在は数多くの品種があり、冬の一時期を除いた一年中の採取が可能になっている。黄色の越天楽、いわかぜ(ともに山形県)、南部菊、阿坊宮(ともに青森県)、金からまつ(新潟県)、湯沢菊(秋田県)や、うすむらさき色のもってのほか(山形県)、延命楽、かきのもの(新潟県)などの品種がある。同一品種で別名のものもある。タンパク質、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、β-カロチンなどを含む。

火曜日, 4月 22, 2008

ギャバ(γ-アミノ酪酸)

〇ギャバ(γ-アミノ酪酸)

 γ-アミノ酪酸の英語名の頭文字をとったギャバ(GABA)の略称が一般名に用いられている。哺乳動物の脳から抽出された1950年以降、多くの研究が行われている。ヒトの体内においては、グルタミン酸が脱炭酸する酵素反応によって生成されるアミノ酸で、脳内の主要な抑制性神経伝達物質として存在する。脳の酸素供給量を増やして脳細胞を活性化させ、イライラや不安を鎮める作用がある。近年では、生体内の代謝系に関する作用として血中コレステロール低下作用抗肥満症効果血圧上昇抑制効果、アルコール代謝促進作用などが報告されている。免疫系の作用としてアレルギー予防、アトピー性皮膚炎改善効果、発ガン抑制作用なども報告され、今後の科学的な解析においてさらに明らかになっていくことが期待されている。

 ギャバは哺乳動物科のほか、植物にも存在することが知られている。発芽させることによってさらに増加することも知られている。発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれているという報告もある。このほか肉類、鶏、魚類、野菜、果物、発酵食品度にも含まれている。

 これらの作用を検討した研究が近年行われている。横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)は、20~30代の22人の男女を対象に、朝のラッシュ時の満員電車内で増幅するストレスに対する軽減効果を検討、ギャバの摂取によってストレスが半減するという結果が得られたことを平成18年11月に報告している。また日本農芸化学会2007年度大会では、ヒトを対象としたギャバの摂取試験の結果が(株)ファーマフーズの研究グループなどから報告されたが、このうちギャバ配合の機能性飲料による心身疲労軽減効果について検討した報告では、50mgのギャバが配合された飲料の摂取群に疲労感の軽減効果及びストレス緩和効果について有意差が認められたとしているほか、カルビー(株)はギャバを強化したジャガイモを主原料とした菓子の摂取による抗ストレス作用を唾液中のストレスマーカーにより検討し、ストレス館や不安感の抑制に影響した測定数値が報告されている。

 このほか平成19年の第61回日本栄養・食糧学会大会では、横澤隆子(富山大学和漢医薬学総合研究所)が腎摘出ラットにおけるGABAの腎不全進行抑制作用について、また関連企業からギャバの腎線維化の抑制作用について報告している。

 最近の食品研究では、平成19年9月に日本食菌工業の国産姫マツタケ(子実体)100g中のギャバの含有量が1160mgにのぼることが確認された。これは発芽玄米100g当たりのギャバ含有量の58~77倍に相当する量で、これまで確認されているヒメマツタケの食品機能との関係も含めて、さらに解析研究が進展するかの性が生じている。

月曜日, 4月 21, 2008

蟻(あり)

〇蟻(あり)

 は膜翅類アリ科の成虫で、世界に2万種近く生存し、日本だけでも約250種類がいる。古来より乾燥蟻粉末は補腎、養肝、健脾の効ありとされ、周代(紀元前1050~256年)は貴族の滋養強壮剤とされた。漢代(紀元前202~後220年)には蜂蜜と混ぜて骨の鎮痛、強化に「金剛丸」という丸薬として用いられた。また、明代の本草綱目には玄駒の名で記され、搗いて化膿腫や疸毒の外用治療薬とされている。

 現在、中国で食用、薬用、日本で健康食品に用いられる蟻は衛生的な面から木の上に巣を作る疑黒多刺蟻に限定されている。成分としては必須アミノ酸をすべて含むタンパク質を50%以上含み、鉄、マンガン、カルシウム、亜鉛等のミネラルやビタミン1、B2、B12、Eなどを豊富に含有している。また薬効成分としては、鎮痛、消炎、筋肉増強作用を持つとされる昆虫変態ホルモン「エクソジン」、消炎作用を持つサポニン類、殺菌力を持つ蟻酸、多種類の酵素などが見いだされている。

 現在では主としてB型肝炎、変形性関節炎、リウマチ性関節炎の鎮痛改善の用途に頻用されているほか、精力増強貧血や骨粗鬆症の予防改善にも利用される。

 その効果は、中国の周らによるB型肝炎患者168名への投与では、有効率86.9名と報告されている(中薬理と臨床6、1994年)。また呉らのB型肝炎85症例の有効率は81%であったとされた(山東医薬36巻7期、1995年)。さらに、日本の東京理科大学における蟻主剤の健康食品による変形性膝関節炎22症例の4週間投与後の有効率は、痛みに対して73%、こわばりにたいして50%、関節の屈伸に対して64%であった(薬理と治療32、No1.、2004年)

日曜日, 4月 20, 2008

オリザブラン(米糠水溶性多糖類)

〇オリザブラン(米糠水溶性多糖類)

 米ぬかは東洋医学で米皮糠(べいひこう)と呼ばれ、慢性脚気や食道狭窄症の改善、胃の消化力や腸の蠕動運動の促進、自律神経正常化等に用いられている。栄養源としてはもタンパク質約1.32%、脂質約18.3%、炭水化物約38.3%のほか、ビタミン、ミネラル類も多量に含むなど、すぐれた特質を有する。また、日本では石鹸代わりの「ぬか袋」として銭湯で売られていた時期もあり、長年、皮膚やの美容化粧品としても利用されている。

 米ぬかの主成分はオリザノールと呼ばれ、ぬか油(トリテルペンアルコールフェルラ酸エステル)、ビタミンE、脂肪酸、高級アルコールといった、水に不溶の油溶成分に起因すると考えられてきた。しかし、米ぬかが美容を目的として使用されるときは、ぬか袋のように入浴洗顔時に湯水とともに用いることが多いことから、林輝明は、水に溶けにくい油溶成分よりも水可溶成分のほうにいっそうの美容作用を示す有効成分が含まれているのではないかと考え、東北大学薬学部の曳野教授と共同研究を開始、1987年に、米ぬかに約1.8%含まれる水可溶成分の米糠多糖類を抽出した。そして、その主体となる4種類のオリザブランA、B、C、Dを分離し、構造を決定して、生理活性を調べている。その結果、これらの多糖類は血糖降下作用(糖尿改善)、尿素を上回る皮膚への保水作用、荒れ肌改善作用、創傷治癒作用があることが判明した。

土曜日, 4月 19, 2008

CMO

〇CMO

 CMOはctyl myristokete(セチルミリストレイン酸エステル)の略。不飽和脂肪酸のミリストレイン酸のエステル化合物で、関節炎に対してグルコサミンコンドロイチン硫酸を凌ぐ効果があると米国で注目された物質である。ミリストレイン酸はn-5系の脂肪酸だが、従来のn-3、n-6、n-9系を主要に扱ってきた栄養学ではまだ代謝の機構について十分に研究されてない。

 CMOが哺乳類の生体に存在することは、1971年に米国立衛生研究所(NIH)の研究員だったH・ディールによってスイスアルビノマウスの体内から発見されたが、その後、牛や鯨のほか、他のげっ歯類の動物でも確認されている。ヒトは進化の系統樹からみるとげっ歯類からは遠くないため、ヒトの体でも重要な役割をしている可能性があるという。ディールは当時、各種動物に作用する消炎剤の研究をしていたが、その研究の一環として人工的に関節炎を起こさせるためのフロイントアジュバント(熱処理したバクテリア)を動物に注射していった。その際、スイスアルビノマウスだけが炎症を起こさなかったことに気付き、炎症から体を保護している物質としてCMOを特定した。次にこれを別種のネズミに注射してその反応を見たところ、予想通り炎症の保護をしていると推測できる結果が得られたのである。この消炎作用についてディールは、哺乳類全体に適応できる手法として米国特許を取得している。

金曜日, 4月 18, 2008

麦飯石

〇麦飯石

 水道水を入れるとミネラルウォーターに変わるという石。麦飯石の名はその外観からきている。黄褐色または淡灰色の鉱物中に白色の長石という灰色をした石英がちりばめられており、その外観が麦ごはんに似ているところから名付けられた。

 ミネラルウォーターは地中のミネラルがちょうどほどよく水に溶けた状態になっている。麦飯石の組成をみると、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタン、マンガンなどのミネラル類が豊富に含まれており、これらが水中に溶出する。これは微量だが、細菌などの繁殖を防ぐ働きがあるとされる。麦飯石にはまた非常に多くの孔がある。それは325メッシュ(0.043mm径)という微細なもので、ミネラルがイオン化して水に溶けやすくなり、吸着作用やイオン交換作用がいつまでも強く残り、長期の使用にも耐えるという。

水曜日, 4月 16, 2008

カンカ(砂漠人参)

〇カンカ(砂漠人参)

 カンカ(カンカクニクジュニウ)はハマボウフウ科ニクジュヨウ属植物。砂漠人参とも使用され、砂漠でも育つ強靭な生命力を有する。神農本草経には「肉蓯蓉」として記録され、補腎薬や滋養強壮を目的に多くの漢方薬に配合されている。主にタクラマカン砂漠など砂漠地帯でタマリクス(紅柳)の根部に寄生する多年草の植物で、中国ではウイグル族の民間薬として使われ、漢方生薬として重要な構成生薬であるばかりでなく、カンカ自体が認知症の改善薬として認可されている。

 成分はウイルス感染を防いで免疫力を高める効果があるといわれるエキナコシド(echinacoside)や、ポリフェノールの一種で抗腫瘍作用や肝臓保護作用、ストレス負荷による性行動や学習行動の低下を回復させるといわれるアクテオシド(acteoside)をはじめ、アルカノイド、フラボン類、アミノ酸、フェニルエチルアルコール配糖体、イリドイド類、D-マンニトール、β-シトステロール、多糖類等や無機微量元素を含んでいる。このほか血管拡張作用、抗疲労作用、抗酸化作用、抗老化作用、免疫増強作用、美白作用などが確認されている。

 中国ウイグル自治区のホータン(和田)地区では、産業振興と砂漠緑化の両面から、カンカの人工栽培とタマリクスの植林を進めている。一方、わが国では近畿大学がカンカの有用性に着目、中国中薬民族薬研究所などと共同で「新規機能性食品素材開発共同プロジェクト」を推進するとともに、2006年8月にホータン地区の農民(ニヤ)県政府と提携し、カンカに関する学術研究と砂漠緑化を進めてきた。2007年3月には国際カンカ研究会が発足し、第1回国際カンカ・シンポジムが近畿大学で開催された。2006年には近畿大学薬学部の村岡修と京都薬科大学の吉川雅之との共同研究において、強い抗酸化作用を有する高濃度のポリフェノールが含まれていることや血管拡張作用を示すカンカノシドのA~G、カンカノース、カンカノールなど新規成分が発見されている。

火曜日, 4月 15, 2008

フィチン酸

〇フィチン酸

 化学物質名はイノシトール六リン酸。inositol(イノシトール)とphosphate(リン酸塩)からIP6と略記されることも多い。フィチン酸は米糠や胚芽、穀類、種子などに多く存在し、米ぬかには約8%含まれている。キレート作用があることから、食用油の酸化防止などに利用されている。

 最近の研究では、フィチン酸にガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあることがわかり、世界の研究者が注目している。特に米国メリーランド大学医学部のA・シャムスディンはIP6の研究の第一人者として世界的に知られており、日本でもその著作「天然抗ガン物質IP6の驚異」(坂本孝作訳、講談社、2000年)が邦訳され、多くの関心を集めた。1998年に京都で開催された「米糠国際シンポジウム」では、シャムスディンをはじめ多くのアメリカの研究者が参加し、その発表の大半はIP6がテーマとして取り上げられ、免疫活性のほか、少量アスピリンのように血液凝固を防ぐことで心筋梗塞や脳血栓を予防すること、高脂血症の予防、尿結石抑制への有効性などが報告された。

月曜日, 4月 14, 2008

キクカ(菊花)

〇キクカ(菊花)

 キクカ(菊花)はキク科の植物で、釣藤散、菊花散などに配合されるなど、生薬として用いられている。日本薬局方外生薬規格集が規定する基原は「Chrysanthemum indicum又はそれらの種間雑種の頭花」とされている。中国の中華人民共和国薬典ではこの2つを区別し、キクおよびその品種の頭状花を乾燥したものを「菊花」、シマカンギクまたはその近縁種の頭状花を乾燥したものを「野菊花」としている。

 菊花は味が甘く料理や喫茶用にも用いるが、野菊花は味が苦く食用には用いられない。中国では神農本草経の上薬に収載されるほか、唐代の「新修本草」、明代の「本草綱目」にも記載されている。日本では「本草和名」「医心方」にも記載されており、古くから薬物と考えられてきた。薬能としては「菊花は能く頭目風熱解し、肝を平らにし、目を明らかにする効がある」と言われ、風邪をひいて熱のある者、頭痛でフラフラする者、目が充血して痛む者、あるいは目がかすむ者に用いるとされる。特に野菊花については清熱、解毒の効に優れており、悪性のおでき、目の充血や腫れ、あるいは頭が痛くてフラフラするときによいとされる。含有成分は精油、セスキテルペン、フラボノイドおよびその配糖体が知られている。

 近年の研究では、菊花には抗原抗体作用および毛細血管抵抗力増強作用が、また野菊花には降圧作用および抗菌・ウイルス作用が報告されている。京都薬科大学生薬学教室では、野菊花に糖尿病合併症予防が期待できるアルドース還元酵素阻害活性と、血管内皮機能を調節するNOの産生抑制活性を見出している。また抗アレルギー作用のある新規成分型として、3種のオイデスマン型セスキテペンと5種のゲルマクラン型セスキテルペン、2種のフラバノン配糖体、1種のフェニルブタノイド配糖体を単離し化学構造を決定するとともに、野菊花の抗アレルギー作用成分を見出し、フラボノイド類における構造と活性、アレルギー反応を有意に抑制する作用機序を明らかにしたことを報告している。

日曜日, 4月 13, 2008

乳酸菌酵母分泌物

〇乳酸菌酵母分泌物

 乳酸菌生産物質が乳酸菌を培養・発酵させて作るのに対して、乳酸菌酵母分泌物は原料のベースに乳酸菌なと酵母菌の2つの菌を使い、両者を「共棲培養」という技術で発酵させる。乳酸菌と酵母菌はともに腸内細菌の善玉菌で、お互いの分泌物(生産物質)をエサとして繁殖するという特徴がある。すなわち、2つの菌を一緒に培養すると、乳酸菌だけの時より発酵が飛躍的に促進されるわけである。

 この乳酸菌酵母分泌物を生み出す母体となったのは、農学博士・小牧久時(現・国際地球環境大学名誉総長)が開発し、1988年に「腸内細菌叢を改善する健康食品製造法」として特許をとった「小牧原液」である。小牧は乳酸菌がなかなか腸まで到達できないという問題を解決するにあたり、腸内では乳酸菌は酵母菌の分泌物の助けを借りて繁殖し、酵母菌もまた乳酸菌の分泌物の助けを借りて繁殖している、という事実から推論を組み立てた。「乳酸菌と酵母菌、双方の微生物は分泌物を挟んで共栄共存の関係にある。そうであるなら、より大切なのは乳酸菌、酵母菌の生きた菌体ではなく双方の菌体成分である。分泌物ならば、胃液に分解されることなく腸に到達できる。腸内を善玉菌優勢にするには、双方の分泌物を届けてやればよい」と考えたわけである。

 小牧はこの考えをもとに、菌同士の相性等を精査した結果、多くの乳酸菌、酵母菌の中から16種の乳酸菌と24種の酵母菌を選び出した。これら40種の善玉菌に、栄養が非常に高いことで知られるニンニクの無臭成分「サチヴァミン複合体」を与えて共棲培養し、そこへ、腸内到達率・増殖率が極めて高く組成に優れたタイプの乳酸菌=有胞子乳酸菌を加えて作られたのが、「腸内細菌叢改善食品」であり、この製品は1989年の世界発明博覧会・生物分子部門でグランプリを受賞している。製品の完成までは31もの工程をけ経る上、40種の異なる培養条件を満たすには1000リットル以上の大きなタンク培養器が必要となる。また、添加物・抗生物質を一切使わないという条件下で細菌の侵入を防ぐためには、完璧なクリーンルームが必要条件とされるなど、高度や設備と管理技術が要求される製品でもある。

金曜日, 4月 11, 2008

乳酸菌生産物質

〇乳酸菌生産物質

 乳酸菌生産物質とは、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が生産した物質=分泌物を指す。いわば乳酸菌のエキスとも呼ぶべきものであり、乳酸菌とは似て非なるものである。乳や大豆、黒糖などの天然素材の培地に乳酸菌を加え、発酵させて作る。

 この乳酸菌生産物質の歴史自体は非常に古く、仏教の経典「大般若経」に「醍醐」の名前で登場する。日本には20世紀はじめ、西域に仏跡調査に赴いた大谷探検隊が持ち帰ったとされる。現地(中央アジア)では牧畜が盛んな土地柄から、乳を培地として発酵させるのが主流だが、豆腐、味噌醤油など大豆の加工技術が発達していた日本では大豆培地を使って成功し、これが現在の乳酸菌生産物質の原型となっている。のちに黒糖培地等を使った製造技術も開発された。

 乳酸菌生産物質が注目されているのは、乳酸菌そのものと比べて、腸に到達する力が格段に強いである。一般の乳酸菌は胃酸や胆汁に弱く、ヒトが摂取しても腸に届く前にそのほとんどが死滅してしまうと見られる。もちろん、死滅しても菌自体は残るので、効果はゼロということにはならないが、できれば胃酸や胆汁に負けることなく腸まで届いて、乳酸菌本来の機能を発揮することが望ましい。

 腸内に達した後も、乳酸菌単体よりスピーディーで強力な力を発揮する。乳酸菌の場合、腸内に入ると、まず自身が増殖して十分に働ける態勢を整えてから、身体に有用な物質(乳酸菌生産物質)を生成する一方、有害菌や有害物質の除去に働くが、乳酸菌生産物質では自身が増殖する過程を省いて、腸にダイレクトに働きかけることが可能となる。

 この乳酸菌生産物質の主成分は乳酸、乳酸カルシウム、ペプチン、酵素類、それがさまざまな生理活性物質(サイトカインなど)で、これらは胃酸の分泌軽減、カルシウムの吸収促進、肝機能の増強などに関与する。また、体の細胞の生産・増殖を支配する核酸が非常に多く含まれている点も大きな特徴で、この核酸が新しい細胞の形成を助け、老化をコントロールしてアンチエイジング(抗加齢)に働くと目されている。

 現在、健康食品市場では「乳酸菌生産物質」をベースとする多くの商品が流通しており、もととなる乳酸菌の種類や発酵に使う培地、発酵の方法などのほか、プラスαとして加えられるほかの成分などもメーカーにより異なっている。それらが各社のノウハウともなっている一面もある。また、ネーミングの点では「乳酸菌生産物質」のほか「乳酸菌発酵エキス」も使われている。なお、菌の種類や数はともかく、乳酸菌と酵母菌の両方を発酵に関与させているという点で、次に記述する乳酸菌酵母分泌物に相当すると思われる製品が「乳酸菌生産物質」のネーミングで販売されているケースもあり、名称の統一・整備等は今のところ必ずしもできていない。

木曜日, 4月 10, 2008

ルイボスティー(改訂)

〇ルイボスティー

 ルイボスティーは、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生するマメ科植物ルイボスの針葉樹様の細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙功を信じて愛飲してきたという。

 1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も務めたイギリス系のP・ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農作物化に成功した。味・香り・色ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として生産・加工・品質管理が政府の肝いりで行われている。

 我が国の健康茶の中では新顔に属するルイボスティーだが、飲み始めて比較的早くわかる効用として便秘の改善、ペンの性状の変化(難便は固く、固い便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善などが挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、高血圧、高血糖などの快方、精神的に安定するという報告例も多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)、中野昌俊(愛知医科大学加齢医科学研究所)らが多くの研究成果を発表している。

 長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している(小松賢志ほか)。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出液と茶葉粉末を投与することで血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは心臓疾患などへのルイボスティーの寄与を示唆するものである。

 そのほかにも加齢による認知症の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいところでは愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども報告された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用はほかの野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。

水曜日, 4月 09, 2008

チア・シード

〇チア・シード

 チアシードはメキシコ原産のシソ科の植物「チア」の種子で、大きさは1mmほど。黒褐色をした種である。中南米にあってはアステカ族、マヤ族などがとうもろこし、豆類に次ぐ主要植物として位置づけ摂取していたが、スペインの征服により、この食文化はいったん途絶えた。近年になってこの食品が注目を浴びることになった原因は、オメガ3系の脂肪酸であるα-リノレン酸科の含有量の多さと優れた栄養成分が高いエネルギーと持久力の源になることと、ダイエット効果とデトックス効果を有ていることだ。FDA(米国食品医薬品局)は、このチアシードを同局が確立した「健康に良い食材」としての栄養成分規制をクリアする「食餌療法サプリメント」として認可している。

 栄養成分の面で特筆されるのは脂質(含有量33%)、たんぱく質(同20%)、およびビタミンB群の多さで、なかでもビタミンB群のナイアシン含有量はコーン、大豆を上回る。またミネラルについても、カルシウムが小麦、オートミル、コーンに比べて70~100倍、カリウムは7~16倍含まれている。

 オメガ3系の脂肪酸は人体では作ることのできない脂肪酸=必須脂肪酸の一つで、生命の維持や健康増進によ重要な役割を果たすものであるが、チアシードには30%もの油分が含まれているうえ、その60%以上がα-リノレン酸である。

 チアシードのもう一つの特徴であるデトックスしながらダイエット効果が期待できるのは、シードの40%を占める食物繊維の9割が不溶性のため、腸の蠕動運動を正常に保つうえ、皮膚を覆う繊維に高い吸水性があり、水を含むと約10倍に膨張し、摂取すると満腹感をもたらすからである。さらにα-リノレン酸と食物繊維の相乗効果として、食後の血糖値上昇抑制作用も臨床試験で確認されている。

土曜日, 4月 05, 2008

ぶどう葉(葡萄葉)

〇ぶどう葉(葡萄葉)

 フレンチパラドックスという言葉で、赤ワインに含まるポリフェノール類の健康効果(動脈硬化や心臓病のリスクを減らす)が注目され、わが国でも赤ワインブームが起きたが、その原料となる黒ブドウの葉には赤ワイン以上(100~300倍)のポリフェノール類が含まれている。ヨーロッパのワイン農家では古くから黒ブドウの葉を煎じて健康茶として飲んだり、葉そのものを料理に混ぜて食用にしてきた。黒ブドウ葉の抽出物には血管保護作用のあることが認められており、フランスやドイツでは医薬品として扱われ、静脈疾患の治療などに使われている。

 ポリフェノール類は体内で抗酸化物質として働き、老化防止や生活習慣病の改善に効果のあることは広く知られているが、黒ブドウ葉に含まれるポリフェノール類としては、特にアントシアニンとリスベラトールが注目されている。アントシアニンは強い抗酸化作用を持ち、血管の保護、血液循環の改善、動脈硬化の予防に効果がある。

 リスベラトールはブドウ樹が真菌や紫外線から身を守るために産生するファイトケミカル(植物微量成分)の一種で、葉に最も多く含まれ、果肉中にはほとんど存在しない。人の体内でLDL(悪玉コレステロール)を減らし、血管の炎症や血栓の形成を抑える働きがあるとされている。海外では抗ガン効果についての報告もある。健康食品としての黒ブドウ葉は主に乾燥葉が売られているが、エキスを加工したものも製品化されている。

金曜日, 4月 04, 2008

大麦若葉

大麦若葉

 イネ科大麦の葉で、幼穂を形成し始める草丈20~30cmの頃の若葉をいう。ビタミンやミネラル、タンパク質、酵素、食物繊維の含有量が多く、ホウレン草と比較してカリウムが18倍、マグネシウム3.8倍、鉄4.8倍、カロチン6.5倍、ビタミンC3倍、タンパク質が15倍含まれる。そのため、最近では青汁の原料として利用れることが多い。また、キスを乾燥させ粉末化した健康食品もある。大麦の葉は成長するに従って栄養素の含有量が減少するため、若葉だけが使われている。(財)日本健康栄養食品協会による「麦類若葉加工食品規格基準」(1987年8月工事、93年7月一部改正)では、麦類若葉加工食品を「イネ科の大麦、小麦、ライ麦の幼穂形成開始期の草丈20~30cmのものを採取し、その葉、葉柄、茎の全部、または一部を搾汁した液を噴霧乾燥等の方式で乾燥したもの、あるいは搾汁液に適当な賦形剤を加えて噴霧乾燥等の方法で乾燥したもの」と定義されている。

◆麦緑素

 大麦若葉から搾汁した液を低温で噴霧乾燥させて粉末化した健康食品。長く漢方薬の研究に携わってきた医学博士の萩原義秀によって開発、命名された。ビタミン、ミネラル、タンパク質、酵素を豊富に含んでいる。

木曜日, 4月 03, 2008

でんぷん(澱粉)

〇でんぷん(澱粉)

 デンプンは、穀類やイモ類などに多く含まれる植物の貯蔵多糖類で、ヒトのエネルギー源として最も重要な物質である。植物は葉緑体と呼ばれる細胞小器官で大気中の二酸化炭素と水を原料とし、太陽エネルギーを利用(光合成)してデンプンを作り出し、種子や球根、塊根などに蓄えている。動物はこれを摂取してエネルギー源としている。デンプンを作れるのは植物と藻類だけである。

 デンプンはグルコース(ブドウ糖)のみで構成される単一多糖で、アミロース(約1000個のグルコースが直鎖状にα-1.4結合したもの)と、アミロペクチン(アミロースのところどころがα-1.6結合で枝分かれし、別のアミロース単位を含んだもの)からなっている。アミロースとアミロペクチンの含有比率はデンプンの種類によって異なるが、平均するとアミロースが20%、アミロペクチンが80%である。米の粘りはアミロペクチンによるもので、もち米に粘りがあるのは、ほとんど100%のアミロペクチンでできているためである(うるち米は83%)。

 デンプンを水と混合して加熱すると糊状となり最後には糊化するが、これをα-化デンプンという。これに対し、生のデンプンをβ-デンプンと呼ぶ。α-化デンプンをそのまま放置して冷えるとβ-デンプンに戻るが、これをデンプンの老化という。

 食事で摂取したデンプンは消化酵素のアミラーゼによってマルトース(麦芽糖)に分解され、さらにマルターゼという酵素でグルコースに分解されて小腸から吸収され、エネルギー源として利用される。

水曜日, 4月 02, 2008

少糖類

〇少糖類

 少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる(オリゴは少ないという意味)。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトースなど)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能性の面から関心を集めてる。

※ラクトース

 乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の1/5程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。

 ラクトースは、小腸でガラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症。

※トレハロース

 2個のグルコースがα-1.1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。

 トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く食品に用いられている。従来は酵母らの抽出物が専ら利用されて生きたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー。非うし蝕性、抗酸化作用などがあるが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。

火曜日, 4月 01, 2008

フルクトース

〇フルクトース

 果糖ともいう。グルコースとともに自然界に広く存在する単糖(六炭糖)で、遊離の形で果物やハチミツに多く含まれている。グルコースと結合してスクロース(ショ糖)となる。糖類の中ではもっとも甘く、グルコースの約2.5倍の甘味がある。

 フルクトースは血糖指数(グルコースを100とした時の血糖上昇度)が20%と非常に低いため、血糖値を急速に上昇させず、インスリン分泌を刺激しないのが特徴である。そのため糖尿病患者の病人食に使用されている。またグルコースに比べて、肝臓や筋肉中でグリコーゲンへ変化する率が高いため、運動前に摂取するとスタミナが長続きする。このほか、血中アルコールの分解を促進する働きがあり、二日酔いにハチミツがよいとされる理由の一つになっている。

 フルクトースは小腸で吸収され、肝臓で酵素の作用によりグルコースに変わるが、その過程で生成するグリセロアルデヒドという物質は中性脂肪の合成にも利用される。このためフルクトースは、グルコースに比べて体内で脂肪に変わりやすいという性質がある。

 フルクトースは果物や砂糖などから摂取されるが、加工食品ではベビーフードや栄養補助食品、ドリンク剤、ダイエット食品、スポーツドリンク、和・洋菓子(ゼリー・ケーキ類、餡)などにも使われている。

月曜日, 3月 31, 2008

グルコース

〇グルコース

 ブドウ糖ともいう。自然界に最も多く存在する単糖(六炭糖)で、ブドウやバナナ、アンズなどの果実やハチミツに遊離の形で含まれるほか、少糖類(スクロース、マルトース)や多糖類(デンプン、グリコーゲン)の構成糖として存在している。水に溶けやすく、甘みはスクロース(ショ糖)の約70%である。

 動物は、植物に含まれるデンプンを摂取して体内でグルコースに変え、エネルギー源として利用している。肝臓に吸収されたグルコースの一部は血液に供給される。血液中に含まれるグルコースを血糖といい、その血中濃度(血糖値)は空腹時で70~110mg/dlであるが、食後は120~140mg/dlにまで上昇する。しかし、グルコースが生体内の各組織に取り込まれてエネルギー源として利用されることによって、血糖値は徐々に低下していき、食後約3時間で正常濃度に戻る。

 グルコースはまた、肝臓でグリコーゲン(貯蔵多糖)に合成・貯蔵されており、なんらかの理由で血液中のグルコース濃度が低下した時などは、分解してグルコースとなり血液中に供給される。グルコースはこのほか、脂肪酸やアミノ酸の合成にも関与している。

土曜日, 3月 29, 2008

単糖類

〇単糖類

 糖質の中で、分子構造的にこれ以上分解されない最小単位の糖を単糖という。含まれる炭素の数から三炭糖・、四炭糖・五炭糖・六炭糖に分けられるが、天然に広く存在するのは五炭糖と六炭糖である。この内、ヒトの栄養と重要な関係があるのは六炭糖で、食品の中に遊離の状態で含まれるほか、少糖類や多糖類の構造糖として広く存在している。グルコース(ブドウ糖)、アルクトース(果糖)、ガラクトース、マンノースなどがある。五炭糖は食品中に遊離の状態で含まれることはなく、各種多糖の構成糖として存在している。リボース、キシロース、アラビノースなどがあるが、ヒトのエネルギー源として利用されることはほとんどない。

 単糖類にはこのほか、誘導体として糖アルコール(ソルビトール、マンニトールなど)やアミノ酸(グルコサミン、ガラクトサミン)がある。

金曜日, 3月 28, 2008

ふくろたけ(袋茸)

〇ふくろたけ(袋茸)

 テングタケ科のキノコで、学名はVoluariella volvacea。秋に有機物の多い地上に発生する。初期の傘は卵型であるが、生育するに従って中高に開いて直径5~10cmほどになる。繊維状近視で覆われており、中央部は灰褐色、周辺部は白くなる。肉は白く乾燥質。ひだは密生して紅色を帯びる。太さ1cm止まりの白い柄は高さ10cm内外になる。東南アジアや中国、台湾で盛んに栽培されており、成長初期の卵型をしたものは中華料理によく使われている。欧米でもストロー・マッシュルームと呼ばれ、ポピュラーなキノコである。

 フクロタケに含まれるβ-1.3-D-グルカンに強い抗腫瘍活性があることが報告されている。マウスにガンの一種である肉腫を移植した上で、ふくろたけの冷アルカリ抽出グルカンを注射で、腹腔内投与し、5週間後に固形腫瘍の大きさを調べた結果、増殖抑制率が73~97%という高い値を示したという。

木曜日, 3月 20, 2008

せみたけ(蝉茸)

〇せみたけ(蝉茸)

 バッカクキン科のキノコで、学名はCordyceps sobolifera。中国では蝉花、蝉踊草などと呼ばれる。セミタケは地中にいるセミ(蝉)の幼虫に寄生してその体内に菌核を形成し、やがてセミを死なせてその頭部に発生する。薬用となる中国産のセミタケは冬虫夏草の一種で、ヤマセミ(山蝉)に寄生したものである。その円柱形の柄と紡錘形の頭部を丸ごと採集して乾燥させたものが薬用に供され、特に金蝉花とも呼ばれている。セミタケそのものは日本でも春から夏にかけて、庭園や山林中によく発生する。

 セミタケには、抗腫瘍活性を示すβ-1.3-D-グルカン、細膜内皮系組織のマクロファージ亢進作用や血糖値降下作用のあるガラクトマンナンなどの多糖が含まれている。古来中国では、子実体と虫体を一緒に乾燥したものが薬用とされ、証類本草(唐慎微、1108年)には小児の驚癇、夜泣き、心悸亢進」などに効くと記されている。さらに鎮静・鎮痛・鎮痙薬として、また眼病、麻疹、発熱、炎症性疾患にも良いとされてきた。子実体だけでも滋養強壮効果があるとして、食用に珍品として供されてもいる。

水曜日, 3月 19, 2008

こふきさるのこしかけ

〇こふきさるのこしかけ(粉吹き猿の腰掛)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はGanoderma applanatum。中国名は樹舌、龍眼菰、梅寄生など。広葉樹のケヤキ、梅、桜、シイ、カシ、栗、キク(椈)、ミズナラなどの枯れ木や倒木に発生する。幹にまさかりを打ち込んだように扁平な半円形ないし丸山形の外観で着生し、大きなものは直径30cm以上、厚さ20cmにも達する。傘の表面は灰白色か灰褐色で年輪状の紋が入り、傘裏(管孔面)は白色または黄色を呈する傘表面にココア色の粉末(胞子)がつくので「コフキ」の名がある。肉は茶色のコルク質で固く、もっぱら薬用となる。

 コフキサルノコシカケはグルコースを主体とする多糖体の含有量の多さ(約74%)が特徴で、その子実体に含まれるβ-グルカンは抗ガン剤のクレスチン、レンチナン、シゾフィランと比較しても劣らない抗腫瘍活性を示す。また培養菌糸体に含まれる多糖類の中では、βー1.3-グルカンだけが顕著な抗腫瘍活性を示している。漢方では止血・健胃・中風・心臓病・腎臓病・脳卒中・胃ガンに効能があるとされている。

火曜日, 3月 18, 2008

ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)

〇ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPolyporus umbellatus。中国名は野猪糞。傘が丸く、中心部の下に隠れているゴツゴツした菌核が猪の糞に見えるところから、この名がついた。ブナやカエデの枯れた根に菌核を形成する。外面は黒褐色で不整魂。長さは5~10cmで多数のくぼみと荒いシワがある。肉は固く折れやすい。内部は白色から淡褐色で無味無臭。国内では北海道と長野県でわずかに産するが、ほとんどは中国から輸入されている。

 チョレイマイタケの菌核の乾燥したものを猪苓と呼び、古くから生薬として利用されている。猪苓の成分はエルゴステロール、有機酸、β-グルカン、ビオチンなどだが、漢方薬として利尿・解熱・止瀉作用に優れた薬効を持つことが知られている。猪苓を用いた漢方処方としては猪苓湯・五苓散が代表的なもので、主に膀胱炎・尿道炎・淋病・腎臓病などに用いられている。最近ではまた、制ガン効果が脚光を浴びている。発表された動物実験によると、腹水ガンマウスに対して体重1kg当たり1日100mgの猪苓抽出液を投与したところ、抽出エキスを投与しなかったグループは35日目に10匹全部が死亡したのに対し、投与したグループは10匹中1匹しか死亡せず、ガン組織は完全に消失していたという。ヒト血清において強い補体活性能(補体は血漿中に含まれるグロブリン系タンパク質で、抗原抗体反応を促進させる働きがある)を示すとする研究も多い。

月曜日, 3月 17, 2008

かわらたけ(瓦茸)

〇かわらたけ(瓦茸)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はlusversicolor。中国名は霊芝。春から秋にかけて、枯れ木や枯れ枝に重なり合うように密生する木材腐朽性のキノコである。傘は幅2~5cm、厚さ1~2cmで、半円形、扇型、ヘラ形など様々な形状を見せ、表面には黒色、灰色、褐色、藍色など多彩な同心紋があり、革質で固い。傘の裏は白色ないし黄ばんだ淡灰色を呈する。成長中のものを採取して、専ら薬用にされる。サルノコシカケ科のキノコはどこにでも寄生するわけではない。そのための希少価値もあって、古くから仙薬・妙薬として珍重されてきた。

 カワラタケが注目されたのは20余年前、呉羽化学工業がそのエキスからクレスチン(PS-K)という抗がん剤を開発したことに始まる。この抗ガン効果はいわゆる免疫療法で、ヒトが生まれつき持つガンに対する抵抗力を強めることが分かり、一躍ガンの免疫療法のエースとして脚光を浴びた。クレスチンは綿密な基礎実験が繰り返された結果、(財)癌研究会化学療法センターの塚越茂が、①薬の与え方(経口投与、静脈注射、腹腔内注入)の差によって毒性がほとんどない(副作用がない)、②口から与えると、ある種の抗ガン剤が効果を示さないガンにも効いた、③作用の主体は体の免疫力を高めて増強する、④ガン細胞に対して強くはないが直接働く作用を認めた、と発表した。

 これを受けて国立病院や医療センターなどで肺ガン・食道癌・乳ガン・胃ガン・悪性リンパ腫などに臨床応用され、制ガン作用が認められた。1976年8月に厚生省(当時)の許可が下り、翌年5月には保険も適用されるようになった。この免疫効果は、カワラタケエキス中にインターフェロン・インデューサー(インターフェロンの産生を促す物質)が含まれているためと考えられている。インターフェロン効果とは、外からウイルスや細菌などの異物が侵入してきたとき、これを排除しようとする生体の防御機能であり、白血球の一種であるリンパ球中のT細胞(胸腺細胞)とB細胞(骨髄細胞)の働きによるものである。カワラタケエキスのクレスチンはそのT細胞に強く働きかけて、ガン細胞を抑える作用を持つ(これと同じような作用を持つ制ガン剤としては、シイタケエキスから抽出したレンチナンがある)。

 カワラタケの免疫作用は、在来の化学療法や放射線療法などに比較すると効果は地味であるが副作用がなく、宿主に抵抗力をつけるので自然な療法といえる。さらに免疫体質を強くすることから、ガンの予防にも有効性が期待されている。

日曜日, 3月 16, 2008

重曹

〇重曹

 重曹は炭酸水素ナトリウムの俗名で、わが国では明治時代から掃除に欠かせない道具として一般家庭などで広く活用されてきた。最近は合成洗剤の普及で、掃除用として使われることは少なくなったが、軟水作用や消臭作用など様々な機能性で改めて注目され、また環境にやさしい素材ということからも再び脚光を浴びるようになった。

 重曹には数多くの機能性がある。例えば、制酸剤としての活用ではコップ1杯の温水に重曹を少量入れて飲むとゲップや消化不良を和らげてくれる。また風呂に重曹を入れると循環を良くして美肌効果がある。黒豆と一緒に調理すると煮える時間が短くなる。また、肉を軟らかくし、魚の臭みを消す作用もある。このように重曹には中和作用、軟水作用、研磨作用、消臭・吸湿作用、発泡・膨張作用などが知られており、食品添加物として使われるだけでなく、その活用範囲は極めて広い。天然の重曹(シリンゴル重曹)はトロナ鉱石から採られるが、地球上でトロナ鉱石を産出する鉱山は少なく、現在、天然重曹の主産地は内モンゴルが中心となっている。

土曜日, 3月 15, 2008

コブラエキス

〇コブラエキス

 コブラはタイ、ビルマ、フィリピンなど東南アジア一帯に広く分布するコブラ科の毒ヘビで、全長2mにも達する。毒蛇は強精・強壮剤という考え方は世界共通のもので、それも毒性の強いものほど効果があると信じられているが、これまでの関心は専らヘビ毒に向けられており、強壮効果などは科学的に裏付けられているわけではない。したがって、コブラの食効は体験から推察するしかないが、古くからその肝臓や胆嚢は目の薬とされ、老眼も回復するといわれている。

 肉と骨だけの乾燥コブラ製品の分析結果(日本食品分析センター)ではタンパク質7.24%(スペルミンなどアミノ酸18種類を含む)、脂質1.9%、灰分19.4%(カルシウム5.7%、リン3%)、また100g中に鉄4.21mg、カリウム795mg、ビタミンB1・0.3mg、B2・0.39mgが含まれている。スペルミンは精子を作り、勃起中枢を刺激する。

 動物実験でスペルミンを投与すると性腺刺激ホルモンが分泌され、メスは子宮壁や膣壁が充血、オスは精液の産生が高まることが認められている。そのほかエネルギー代謝に関与する補酵素のコエンザイムQ10も含まれており、これらが精力増強に寄与すると考えられている。インドの研究者ブラガンザは、コブラの毒に制ガン作用があると発表している。

金曜日, 3月 14, 2008

エスカルゴエキス

〇エスカルゴエキス

 エスカルゴはマイマイ科の食用カタツムリ(蝸牛)で、フランス料理の前菜として馴染み深い食材である。味覚の楽しみもさることながら、カルシウム、コンドロイチン硫酸、タウリンといった注目の栄養素を多く含むところから、健康食品素材としても利用されている。カタツムリは中国薬草書の古典・本草綱目に消渇(糖尿病を指す)、丹毒、利尿、鼻血、耳鳴り、痔疾などへの効用が記され、わが国の民間療法では黒焼きを腎臓病に用いてきた経緯がある。

 エスカルゴエキスはカルシウムが100g中550mgと多いことが特徴である。また、ネバネバの主成分であるコンドロイチン硫酸は腎炎や肝疾患、動脈硬化などの医薬品成分として知られている。アミノ酸のタウリンは高脂血症、動脈硬化、不整脈などの予防に効果がある。健康食品素材の条件の一つに、それが入手しやすいということがあるが、その点、輸入に頼るしかなく品薄だったブルゴーニュ地方産のエスカルゴはハンディを背負っていた。しかし、大平章((財)高冷地農業研究所)らによって独特の人工飼育方が確立され、1994年には農水省の飼育許可も下りて供給が可能になったことで、おいしい健康食品が実現した。