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金曜日, 2月 15, 2008

豆鼓

〇豆鼓

 塩納豆ともいう。納豆(糸引き納豆)は大豆を納豆菌で発酵させて作られるが、豆鼓は大豆を麹菌で発酵させ、塩を加えて作られる。中国の伝統的な食材の1つで、中華料理の調味料として幅広く活用されている。わが国では、最初に中国から製法を伝えた僧たちがそれぞれの寺で作ったので寺納豆と呼ばれ、大徳寺納豆がよく知られている。また、浜名湖半の名物である浜名納豆が有名だ。

 大豆はさまざまな健康効果を発揮する食材だが、その発酵物である豆鼓も、本場中国では解熱・消炎・解毒・鎮静・健胃整腸・鎮咳などの効果があるとされてきた。最豆鼓近このに糖尿病の予防効果のあることが北海道大学農学部などの研究で明らかにされた。豆鼓がα-グルコシダーゼ(消化酵素)の働きを阻害して、血糖値の上昇を抑える作用のあることがヒト試験で証明され、豆鼓エキスを関与成分としたお茶がトクホ商品として開発・販売されている。

木曜日, 2月 14, 2008

テンペ

〇テンペ

 テンペは蒸煮した大豆をテンペ菌で発酵させたインドネシアの伝統食品である。テンペ菌はクモノスカビの一種で、ハイビスカスやバナナの葉などに付着している糸状菌のリゾープス・オリゴスポラスである。わが国の糸引き納豆と作り方が似ていることから、インドネシアの納豆とも呼ばれている。

 日本にテンペが紹介されたのは1950年以前だが、全国的な普及はせず、一部の地域でわずかに生産されているに過ぎなかった。ところが近年の健康志向の高まりで健康食として脚光を浴びるようになり、2003年ごろから一挙に話題の食品となった。

 栄養面ではタンパク質、リノール酸などの不飽和脂肪酸、ビタミン類、ミネラル類、イソフラボン・大豆サポニンなど納豆とほぼ同じ成分が含まれているが、テンペはビタミンKの含有量が格段に少なく、ナイアシンや食物繊維が多めである。また、納豆同様に大豆のタンパク質が発酵によって消化されやすくなっている。地元インドネシアでは古くから、テンペは赤痢や下痢によいとされているが、これはテンペの持つ強い抗菌作用によるものと考えられている。

 テンペは納豆のように糸を引かず、臭いもなく味も淡白なので、納豆が苦手な人にも奨められる大豆発酵食品である。インドネシアでは薄くスライスして油で揚げて食べることが多いが、日本ではカレーやグラタンの具、サラダ、炊き込みご飯、揚げ物、ケーキなど、さまざまな料理法が工夫されている。

火曜日, 2月 12, 2008

酒粕

〇酒粕

 酒粕は清酒醸造の副産物で、もろみ(醪)から清酒を搾った残滓である。清酒は以下のように作られる。蒸米、麹、水に酵母を入れてモロミを作り、この中で麹による米の糖化(デンプンを少糖にまで分解)と、酵母によるアルコール発酵を同時に進行させる。20日程度でアルコール分が18%前後に達すると発酵が終了する。

 発酵中に麹の酵素作用や酵母の代謝作用により、モロミに清酒独特の香味成分が生成される。清酒はこのモロミを圧搾して得られるもので、搾った後に残ったものが酒粕である。酒粕には未分解の蒸米や酵母、麹が含まれ、アルコール分は約8%である。食材としては奈良漬や粕汁、魚の粕漬けなどに利用される。

 奥田拓道(愛媛大学医学部)らは酒粕中の生理活性物質とその医学的効果の研究において、酒粕がガン患者の急激な痩せを改善し、食欲を増進させ、患者の闘病体力の維持に役立つという研究結果を報告している。

 ガンによる急激な痩せは、ガン細胞から出るトキソホルモン-Lという毒素が脂肪細胞に作用して、脂肪細胞中の脂肪を分解したり、脳の満腹中枢を刺激して常時満腹感を覚えさせ食欲を低下させることが原因だとされている。奥田らはマウスを使った実験から、酒粕に含まれるグルコサミンなどの物質がトキソホルモン-Lの働きを阻害し、急激な痩せを防止する効果のあることを明らかにした。

 奥田らはまた、酒粕中にデンプンの消化酵素であるα-アミラーゼの作用を妨げる物質が含まれていることも発見している。この物質によってデンプンの分解速度が遅くなり、インスリンが余り上昇しなくなることから血糖が脂肪細胞に取り込まれず、結果として脂肪の蓄積が少なくなると報告している。また、酒粕中にはインスリンに似た働きをする物質があり、この反対作用のホルモンの働きを弱めて脂肪の分解を抑制することも明らかにしている。

月曜日, 2月 11, 2008

キムチ

〇キムチ

 キムチ、は塩漬けした野菜を主原料にトウガラシやニンニク、生姜、ネギなどの薬味、塩辛などの海産物を混ぜ合わせ、低温で乳酸発酵させた朝鮮の漬物である。や日本では白菜(ペチュキムチ)やキュウリ(オイキムチ)、大根(カクトゥギ)のキムチがよく知られているが、韓国では地域や季節、材料、漬け方などによってさまざまなキムチがあり、その数は200種類以上あるといわれている。

 キムチはカロチンやビタミンC・B群などのビタミン類、ミネラル類、食物繊維などの栄養成分を含み、特に野菜の少ない冬場にはビタミンの供給源としての役割を果たしている。キムチのビタミンは原料の野菜が持つビタミンと乳酸菌の働きによるもので、発酵が進むに従ってビタミンB群の含有量が増える。また、乳酸菌を含でむキムチにはヨーグルトと同じように腸内環境を整える作用がある。

 キムチに欠かせないトウガラシはカロチンやカプサイシンを豊富に含む。辛味成分であるカプサイシンは胃液分泌を促して食欲を高め、消化を助ける作用がある。また、体内のエネルギー代謝を促進する作用があるため、ダイエット食品にも利用されている。薬味のニンニクに含まれるアリシンは強い抗菌作用があり、風邪の予防などに役立つとともに、ビタミンB1と結合して疲労回復に働く。

日曜日, 2月 10, 2008

機能性飲料

〇機能性飲料

 機能性飲料は体によい影響を与える清涼飲料水の総称で、飲用シーンや健康目的を考慮した成分が配合されている。機能性飲料の草分け的存在はスポーツドリンクで、1960年代には、すでにアメリカで製造されていた。スポーツドリンクはナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム゛のミネラルのほか、疲労物質といわれている乳酸を分解するクエン酸、エネルギー源となるブドウ糖などが報告されており、大量発汗によって失われた水分とミネラルを効率的に体内に補給することができ、脱水症状や熱中症の予防に役立つ。このほか、筋力や持久力の向上、疲労の回復に役立つアミノ酸を加えたものもある。

 スポーツドリンクはスポーツシーンを意識した機能性飲料だが、2000年頃から日常シーンで飲め、かつダイエットや疲労回復などに効果のある成分を配合した機能性飲料が登場してきた。ダイエットを意識した飲料ではオクタコサノール(米や小麦胚芽に含まれる微量成分)や茶カテキンなどダイエット素材、俗に脂肪燃焼系アミノ酸といわれるアスパラギン酸、リジン、アルギニンなどを配合したものが多い。また、従来のスポーツドリンクは糖度が高めだが、これらの飲料は低カロリー、ノンシュガーがほとんどである。

 疲労回復を意識した飲料では、疲労回復や集中力を高める効果があるとされている大豆ペプチド、リラックス作用のあるテアニンなどが配合されている。このほか、食物繊維入りの機能性飲料も多い。食物繊維を補うことを目的としたものだけでなく、血糖値が気になる人向けに難消化性デキストリンを配合、お茶タイプにするなど食後に飲みやすいように工夫された飲料もある。その他、お茶タイプのものでは、骨の健康が気になる中高年女性をターゲットにイソフラボン入りの飲料もある。

土曜日, 2月 09, 2008

機能性ガム

〇機能性ガム

 日本でガムが一般的になったのは第二次世界大戦後である。当初は子供向けのお菓子的な存在であったが、1980年代半ばから眠気を予防するガム、口臭を抑えるガム、虫歯やカロリーを意識したシュガーレスガム、虫歯になりにくいガムなど、機能性を持ったガムが次々と登場してきた。

 最近の機能性ガムの主流は歯を丈夫にするガムで、トクホ表示の認可を受けて市販されているものが多い。歯の表面では、酸が歯のエナメル質からカルシウムや燐酸などを溶かしだす脱灰と、唾液中のカルシウムとリン酸塩を脱灰したエナメル質に取り込んで修復する再石灰化が繰り返されている。このバランスが崩れ、脱灰に再石灰化が追いつかなくなると虫歯が発生する。歯を丈夫にするガムには再石灰化作用を促す成分が含まれており、その成分は商品よって異なる。

 キシリトール・ガム+2(ロッテ)は再石灰化作用を持つキシリトールに、その効果をさらに促進させるフノラン(海藻のフクロフノリ抽出物質)とリン酸カルシウムを組み合わせている。

 リカルデント(キャドバリー・ジャパン)はCPP-ACP(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)を配合している。同成分は虫歯の始まりを抑える脱灰抑制とエナメル質にミネラルを戻す再石灰化に加え、酸に溶けにくい歯を作る耐酸性効果がある。

 ポスカム(グリコ)はPO3-Ca(リン酸化オリゴ糖カルシウム)を配合している。PO3-Caは馬鈴薯デンプンから調整したオリゴ糖で、唾液中の水溶性カルシウムの濃度を高めて、カルシウムとリン酸の濃度を再石灰化しやすいバランスに整える働きがある。

金曜日, 2月 08, 2008

うに(海胆、雲丹)

〇うに(海胆、雲丹)

 ナマコ、ヒトデなとと同じ棘皮動物の仲間で、イガグリのような形をした海生動物の総称である。多くは浅海の岩礁の間や砂底に生息する。世界中に約860種分布しており、生殖巣部分を食用にする。わが国で食べられているのはバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニなどだが、最近では南米産の輸入物も多く出回っている。

 ウニの主成分はタンパク質(生100g中16g)と脂質(同4.8g)で、エネルギーは120kcalである。ビタミンD以外の栄養素のほとんどが含まれており、カロチン(レチノール当量120ug)やビタミンE・B2・B12、葉酸も多いので、疲労回復や造血にも有効である。それほど多くは食べられないが、生食のほかに塩ウニ(粒ウニ)、練りウニ、蒸しウニ、焼きウニなどバラエティーに富んでおり、酒の肴にもよい。

木曜日, 2月 07, 2008

かに(蟹)

〇かに(蟹)

 日本近海だけでも1000種を数えるというカニの中で、一般に食用とされているのは、タラバガニ、ケガニ、ズワイガニ、ガザミ、モ、クズガニ、アサヒガニ、ハナサキガニ、サワガニなどである。食用のベストワンといえばズワイガニ(松葉ガニ、越前ガニ)であろうが、このカニは雄が圧倒的に大きく、雌の甲羅の直径は雄の半分にも満たない。日本近海産のタカアシガニは甲長が40cm迫る世界最大のカニである。美味で定評のある北海度近海産のタラバガニはヤドカリの仲間で、ハサミを加えて足が8本しかない。サワガニは淡水産である。

 カニの肉はいずれも脂質、糖質はゼロに近く、タンパク質が15~20%程度である。旨味成分のグルタミン酸、グリシンなどが多い。栄養的な特長はエビと同じく、タウリンが多いことである(ズワイガニで牛・豚肉の約11倍)。さらに亜鉛や銅の含有量も多く、前立腺肥大・貧血を予防する働きがある。

 カニを茹でると赤くなるが、これはカロチノイド色素のアスタキサンチンを含むためである。アスタキサンチンはカニやエビ、サケ、イクラなど海産物に含まれる赤色色素でビタミンEの100倍以上の抗酸化力があるとして注目されている物質である。研究はまだ始まったばかりであるが、生体内でのフリーラジカル(活性酸素)消去作用をベースとして、日周リズムの調節効果や糖尿病とその合併症の抑制効果などが報告されている。

水曜日, 2月 06, 2008

えび(海老)

〇えび(海老)

 近海産のエビには大きい順にイセエビ、クルマエビ、コウライエビ(別名タイショウエビ)、ボタンエビ、シバエビ、ホッカイエビ、ホッコクアカエビ、サクラエビなどがあり、分類上は同一の科ではない。このほか淡水性のテナガエビ、ザ、リガニ輸入種のロブスター(アカザエビ科)などもある。エビは種類が多い分、食べ方も多様である。主に生食されるのはイセエビ、クルマエビ、ホッコクアカエビ(甘エビ)、ボタンエビなどである。ロブスター(別名オマール)やザリガニはフランス料理の食材として欠かせないもので、コキールやソースなどに用いられる。全長5cmほどのサクラエビは天日で乾燥させ素干しや釜揚げなどに使われる。

 エビはいずれも高タンパクで低脂肪、糖質はほとんど含まないのでダイエットに好適な食材である。それぞれのエビ固有の旨味はグリシン、のベタインなどのアミノ酸の組み合わせが微妙に異なることによる。栄養的な特質としては含硫アミノ酸のタウリンが多い(クルマエビで牛・豚肉の約6倍)。タウリンは血中コレステロールを抑え、動脈硬化を予防する。また、小さなエビを殻ごと食べたり、天ぷらやフライにして尻尾まで食べると、優れたカルシウム補給源にもなる。

火曜日, 2月 05, 2008

いか(烏賊)

〇いか(烏賊)

 食用にするのはスルメイカ、ヤリイカ、アオリイカ、コウイカ、ケンサキイカ、カミナリイカ、アカイカ、ホタルイカなどであるが、このほかにも、市場には遠海物や輸入物など非常に多くの種類が流通している。

 スルメイカは国内での漁獲量が最も多く、主に北海道や日本海沿岸で水揚げされる。旬は夏から秋で、生食のほかに一夜干し、スルメなどに利用される。ヤリイカは胴が槍のように細いイカで、北海道以南に生息し、冬が旬である。刺身にすると美味である。コウイカは本州中部以南から四国・九州に分布し、旬は秋から冬。刺身、煮付け、焼き物で食べられる。ケンサキイカは四国・九州に分布し、旬は春から夏。刺身や煮付け、、焼き物で食べられるほか、スルメに加工される。長崎県五島列島のケンサキイカから作られるスルメは五島スルメと呼ばれ最上品とされている。アカイカは北海道で多く漁獲され、スルメイカに次いで漁獲量が多い。旬は夏で、北海道名物のイカ飯のほか、塩辛、燻製などに加工される。ホタルイカは全長5cm程の小さなイカで富山湾で多く獲れる。旬は春から初夏までで、生食や煮付けにされる。

 イカの重量のほぼ82%が水分(生の場合)だが、脂質がほとんどない代わりにタンパク質が15~18%という数字は、牡蠣の6.6%、アワビの12.7%を凌ぎ、ワカサギに匹敵する。タウリンの含有量が多く、よく引き合いに出されるマグロの血合い肉が100g中に954mgの含有量であるのに対し、コウイカは1212mgもあって魚介類ではトップである。(ヤリイカは766mg、スルメイカは686mg)。タウリンは含硫アミノ酸の一種で、血中コレステロールの減少、貧血の予防、強心作用、血圧の正常化、肝機能の賦活、糖尿病の予防などに効果をもたらす。

 イカ墨には抗ガン作用があるという研究も発表されている。これは、青森県産業技術開発センターなどが中心となって行ったマウスを使った実験から分かったもので、イカ墨に含まれるムコ多糖ペプチド複合体が、ガン細胞の増殖を抑える作用のあることを報告している。イカ墨はあまり食卓には上がらないが、最近はパスタのソースとして市販されている。

月曜日, 2月 04, 2008

ほたてがい(帆立貝)

〇ほたてがい(帆立貝)

 イタヤガイ科の二枚貝で、扇形をして貝殻に特徴がある。陸奥湾からオホーツク海、朝鮮半島東岸から沿海州にかけて分布する。北海道のサロマ湖が主要生産地である。近年は輸入物も多くなり、冷凍食品に加工されたものも出回っている。身全体を食用とするが、特に貝柱が美味で人気がある。また、貝柱の周囲にある外套膜は”ひも”と呼ばれ、こちらも人気がある。

 主成分はタンパク質(生100g中13.5g)で、旨味成分のグルタミン酸やイノシン酸などアミノ酸含有量が多い。脂質は0.9gと少ないので、カロリー制限をする人には都合のよい食材といえる。

 栄養効果の期待できる成分はビタミンB1(生100g中0.05mg)、ミネラルの亜鉛(同2.7mg)といったところ。B1含有量は魚介類のトップクラスであるタラコ(同0.71mg)の1/15ほどであるが、ホタテガイは1回に食べる量が多いので有益である。B1は消化液の分泌を促進して食欲を高め、糖質の代謝を促し神経の働きを活発にする。ホタテガイには、準と必須アミノ酸いわれるようになったタウリンが1006mg(冷凍品の場合)と多い。血中のHDL(善玉コレステロール)を増やし、血圧をゆっくりと下げるなど、生活習慣病予防には不可欠の成分である。

 ホタテガイは身全体はバター焼きや照り焼き、ボイルしたものを濃い醤油味で煮るなどすると美味しい。貝柱は刺身、酢の物、焼き物、揚げ物、スープ、ムニエルなどに用いられる。また、干し貝柱も中華料理などに使われている。

日曜日, 2月 03, 2008

はまぐり(蛤)

〇はまぐり(蛤)

 ハマグリ科の二枚貝で、色や形が栗に似ていることからハマグリという名がついたといわれる。北海道南部から九州、東シナ海に分布し、内湾の砂地の深いところに潜って生息しているが、春先になると表面へ出てくる。国内産の内湾性のものが美味しいのは秋から翌春まで。輸入物の外洋性のチョウセンハマグリ(殻にあまり模様がない)は肉質がやや硬く、味も香りも若干劣る。

 ハマグリの旨味成分はアミノ酸のグリシン、アラニン、グルタミン酸とグリコーゲンやコハク酸などで構成されている。肉の脂質はほとんどなく(100g中0.5g)、炭水化物も少ない(1.8g)ので、カロリー制限をしている人でも安心して食べられる(生100gで38kcal)。栄養的にはビタミンB12(100g中28.4mg)、カルシウム(130mg)、鉄(2.1mg)、銅(0.1mg)、亜鉛(1.7mg)、マグネシウム(81mg)、タウリンが比較的多く含まれる。亜鉛は不足すると味覚障害を起こす微量栄養素であるが、新陳代謝に必要な各種酵素の働きを支える重要な役目も担っているため必須ミネラルのひとつとされている。また、タウリン(カツオ血合肉よりも多く889mg)は血中コレステロールを下げ、血圧を正常化し、肝臓の解毒作用を強化するなどを働きを持つ。

 味はもとより貝殻の美しさでも料理に花を添えるハマグリだが、焼き物、酒蒸し、吸い物、時雨煮、串焼き、寿司ネタなどに使われるほか、フライやクラムチャウダーといった洋風料理にも、また中華料理の食材にも利用されている。

金曜日, 2月 01, 2008

あさり(浅蜊)

〇あさり(浅蜊)

 マルスダレガイ科の二枚貝で、歴史的に最も古い食材のひとつといわれる。アサリには利尿作用があり、古くからむくみを治すとされてきた。栄養素としてはビタミン12が多く、①性腺や甲状腺の働きを活発にする、②DNAの体内合成に関与してタンパク質の代謝をコントロールする、③赤血球の形成に重要な役割を果たす、④神経を活性化する、などの作用を持つ。ミネラル類では亜鉛(100g中1mg)と鉄(同3.8mg)が比較的多い。亜鉛も造血作用を高める働きがある。

 アサリは冬から春にかけてが旬。殻つきのまま味噌汁の具や酒蒸しにするほか、むき身は酢の物、和え物、スパゲティ、チャウダーなどに利用される。東京・深川の名物である深川飯はアサリのむき身を醤油でサッと煮て汁ごとご飯にかけたもので、別名ぶっかけ飯といわれ、庶民の味となっている。

木曜日, 1月 31, 2008

しじみ(蜆)

しじみ(蜆)

 シジミガイ科に属する二枚貝の総称。殻の直径が4cm近くにもなるマシジミ、琵琶湖水系の特産であるセタシジミ、全国各地の河口付近で採れる、ヤマトシジミ奄美以南に棲むヒルギシシミなどが代表的な種類だが、よく食べられているのはヤマトシジミである。日本各地の河川や湖沼、あるいは海水の混ざる河口付近に棲むシジミは古くから日本人に好まれ、貝塚からの発掘も多いことから分かるように食用の歴史は長いが、近年は河川や湖沼の環境汚染によって収量が減り、輸入物が相当出回っているのが現状である。

 シジミの味噌汁は日本人にとって忘れられない味の1つであるとともに、シジミに豊富なアミノ酸(タウリン、アラニン、アルギニンなど)、ビタミンB群(B1・B2・B12)、ミネラル類(カルシウム、カリウム、鉄)に味噌の栄養価が加わり、またとない美味しい健康食となっている。昔からシジミは黄疸によいとされてきたのは、タウリンやビタミンB2・B12が肝臓の働きを助けるためでもあるので、面倒がらずに身を残さず食べることが大事である。悪性貧血や皮膚疾患にも徐々にではあるが効を奏する。

水曜日, 1月 30, 2008

牡蠣

牡蠣

 イタボガキ科の二枚貝で、一般に広く出回っているのはマガキであるが、このほかにもイワガキ、スミエノガキ、イタボガキなどが食用とされている。マガキは日本全土のどこでも獲れるが、養殖の主産地は広島、宮城である。わが国で牡蠣の養殖が始まったのは17世紀と早く、広島、汽船沼、松島、志摩、浜名湖などが中心となっている。

 海のミルク、海の玄米などといわれる牡蠣は栄養的に優れた食品で、糖質の大部分をグリコーゲンが占めている。他の貝類に比してたんぱく質や脂質は量的に少ないが、タウリンやグルタミン酸などの遊離アミノ酸が多い。ビタミンA・B1・B2などのほか、鉄・カルシウム・亜鉛・銅などのミネラル多く含むため、貧血にはもってこいの食品として珍重されている。ビタミンB群は代謝機能を活発にし、疲労回復や虚弱体質の改善に有効である。また、タウリンには脂質やビタミンA・Eなど脂溶性ビタミンの消化吸収を助ける働きがあり、血中コレステロールを減らし動脈硬化の予防にも役立つ。

 牡蠣が食べごろとなるのは体内にグリコーゲンを多く蓄えた時期で、マガキは冬(11~2月頃まで)、イワガキは夏(8月)が旬である。

日曜日, 1月 27, 2008

どじょう(泥鰌)

〇どじょう(泥鰌)

 ドジョウ科の淡水魚で、水田や小川などの泥底に棲み、日本や朝鮮半島、中国に分布する。全長12cm位になり、口辺りに五対のひげがあり腸呼吸をする。脂がのって美味しくなる5~7月頃が旬である。

 ドジョウはカルシウムが多く、生100g中に1100mg含まれ、魚類中ではトップクラスである。これはシシャモ(330mg)の3倍、マイワシ(75mg)の16倍になる。また、カルシウムの利用効率を高めるリンが690mgとバランスよく含まれており、格好のカルシウム供給源である。日本人のカルシウム不足はよく指摘されることだが、カルシウムは骨を強くするばかりでなく、精神の安定をはかりイライラの解消にも役立つ。

 そのほかビタミンB2・B12・D、鉄、ナイアシンなども多く含むので、泥臭いからと毛嫌いするには惜しい魚である。ドジョウといえば柳川鍋で、裂いたドジョウとささがきゴボウを一緒に煮て卵でとじた料理だが、使われる独特の鍋が福岡県柳川付近の窯で焼かれていたことからこう呼ばれている。

土曜日, 1月 26, 2008

わかさぎ(公魚)

〇わかさぎ(公魚)

 キュウリウオ科の小型魚で全長15cmほど。背は灰色で側面は銀白色をしており、海水域から淡水域に生息し、北海道から九州に至る各地の湖沼に棲む。古くはチカと呼ばれ、別名アマサギともいう。脂がのっておいしくなる旬は3月頃。

 肉は白身なのでさっぱりしており、脂質は生100g中1.7gと少なく、マイワシの約1/3。栄養面では、カルシウムを100g中450mとマイワシの6倍以上含み、頭ごと内臓も一緒に食べるので骨作りに適している。また、リン350mg、カリウム120mg(いずれも生100g中)とミネラル類も豊富。加えてビタミンB12、Dなども含むので、バランスのよいミネラル補給食品といえよう。から揚げやフライなどのほか、佃煮、あめ煮など保存食として常備しておくとよい。ワカサギの唐揚げにレモン汁をかけると、生臭みを消すばかりでなく味も引き立て、唯一足りないビタミンCも補えるので一石二鳥である。

火曜日, 1月 22, 2008

うなぎ(鰻)

〇うなぎ(鰻)

 精力がつく食べ物といえば誰でも真っ先に思い浮かべるほど古くから重要な栄養源として親しまれてきたウナギ(ウナギ科)は、海で生まれ、河川や湖沼の淡水域で全長約60cmまでに成長するが、棲む場所や餌によって味が異なるといわれている。養殖ウナギは、海で産卵されて5cmくらいの大きさになったものを河口付近で採取し成長させたものである。

 日本のかば焼きに限らず、スペインのオリーブオイル煮、フランスのパイ、イギリスの燻製、イタリアのムニエルなど外国でも盛んに食べられているが、欧米産と日本産とは同じウナギ科でも別種で、世界で約20種あるという。

 強力スタミナ食として有名な八つ目うなぎは別の科に属すが、栄養的特徴はウナギも八つ目ウナギも同様で、なんといってもビタミンAの含有量が豊富である。かば焼き100g中には1500ug含まれているが、これはアナゴ(蒸し)の約2倍である。50gの串焼き1本で成人の1日推奨量(男性750ug、女性600ug)をまかなうことができる計算だ。ビタミンAは夜盲症の予防、細菌感染への抵抗力増強のみならず、抗ガン効果への期待から近年改めて注目されている栄養素である。このほかビタミンB1の含有量も多く(かば焼きで0.75mg)、マガレイ(焼き)の25倍にも及ぶ。さらにビタミンEやEPAも含まれており、老化防止、生活習慣病の予防にも有効である。

月曜日, 1月 21, 2008

ししゃも(柳葉魚)

〇ししゃも(柳葉魚)

 ワカサギと同じキュウリウオ科の魚で、シシャモの呼び名はアイヌ語である。北海道南東部に分布するが、近年市場で出回っているシシャモの多くはオランダなど北ヨーロッパから輸入されているカラフトシシャモ(別名カペリン)と呼ばれるものであわが国では10月頃に十勝川その他の川をる。シシャモは通常沿岸を群泳し、遡り、河口から4~10km余り上流の海水の入らない流域、底が砂利または砂轢の場所で産卵する。

 鮮魚、冷凍品、干物などがあるが、卵を持った雌のほうが喜ばれる。一夜干し程度の干物が一番多く消費されるが、頭から丸ごと食べてカルシウムを摂取できるのが利点であろう。安価で入手しやすいので大いに利用したい食材であるが、酸化して黄ばみやすいので、鮮度をよく確かめて求めたい。カルシウムに関しては国産のものよりも輸入物のほうが多く、味の点で多少遜色があるにしても輸入物も捨てがたい。その他の栄養素としてはビタミンB12、D、パントテン酸などのビタミン類も比較的多く含まれ、骨の強化、老化防止、細胞の活性化などにも効果的である。

月曜日, 12月 17, 2007

ほっけ

〇ほっけ

 アイナメ科の海産魚。全長約50cmほどになり、暗褐色で腹側は淡い。アイナメが本州より南に分布するのに対し、ホッケは本州北部から北海道で多く獲れる。礼文島ではピリカと呼ぶ。脂肪分が多く味が変わりやすいので、新鮮なものを選ぶことが第一である。旬の冬には独特の風味と美味を楽しめる。開き干しにするとカルシウムが増えるので(生の約7倍)、一夜干しなどがお奨めである。ホッケは練り製品に多く使われるが、この魚独特の味はやはり焼き物ならではといえよう。干物は四季を問わず出ているが、保管が悪いと皮の表面が酸化して黄ばみ、味も落ちる。

土曜日, 12月 08, 2007

飛魚(とびうお)

〇飛魚(とびうお)

 トビウオ科の海産魚の総称で、世界の暖海域に60種も分布する。アゴ、ツバメウオ、トンボウオ、ホントビ、ホソ、ツクシ、ハマトビウオ、アリアケなどの呼び名があり、英名はフライングフィッシュ。全長約35cmくらいになり、発達した胸鰭を広げて滑空する。秒速24m、最大飛行距離400mに及ぶといわれる。

 ニシン、カツオと並んで春を運ぶ魚の代表で、東京以南、九州の五島列島付近によく分布し、4~7月の産卵期には沿岸近くまで来て海草に産卵する。産卵期の夏が味がよく、安価なので利用しやすい。鳥類と同じく腸が短いので内臓が少なく、鮮度が落ちにくい特徴がある。地方によっては寿司ネタにしたり、刺身、ぬた、干物などにする。有名な鳥取県のアゴ竹輪はトビウオが材料である。

 脂肪が少なく低カロリー(生100gあたり0.7g、96kcal)なのでダイエットにもよい。栄養成分的な特徴としてはミネラルのセレンを含むことである。セレンは抗参加酵素のグルタチオンペルオキシターゼの構成元素で、坑酸化作用に欠かせないミネラルである。老化やガンの予防に役立つ。

金曜日, 12月 07, 2007

鱈(たら)

〇鱈(たら)

 タラ科の海産魚の総称で、マダラ、スケトウダラなどがある。12月から翌年2月ごろまでの冬場が旬。身が透明で柔らかく味が淡白なので、ちり鍋、粕漬け、フライ、シチューなど調理のバラエティは多い。白子も汁物や蒸し物に利用される。スケトウダラの卵巣は塩蔵してタラコがおに加工される。

 タラ(マダラ)は脂肪分が100g中0.2gと少なく、エネルギーが77kcal(タイの約半分)と低いため、肥満や糖尿病などカロリー制限をしなくてはならない人に適している。タンパク質(17.6g)はアミノ酸スコアも高く、ミオシンなどの繊維性タンパク質が多いため熱しても固まらないので消化しやすく、病人食や離乳食に利用できる。ただし、旨み成分のイノシン酸は分解・変性しやすく、味が早く落ちてしまうのが残念である。

 栄養上の特徴があるのはタラコである。ビタミンK以外のほとんどの栄養分を含み、タンパク質や核酸の代謝に不可欠な亜鉛の含有量は3.8mg(焼きタラコ100g中)にも達する。成長促進ビタミンといわれるB2も0.53mgと豊富で、これは口角炎や舌炎などの予防にも大切である。神経痛、胃痛、下痢、食欲不振、不眠、無気力など関係の深いナイアシンも56.9mg含まれてる。

 このほか、マダラの肝臓から摂取した油脂で肝油が作られる。タラ肝油は特にビタミンAを多量に含み、医療用や強化食品として用いられている。

月曜日, 12月 03, 2007

鯛(たい)

〇鯛(たい)

 タイ科の海産魚での総称で、マダイ、チダイ、キダイ、ヒレコダイ、クロダイ、ヘダイ、キチヌなど多くの種類がある。旬の時期は種類により異なるが、冬から春にかけておいしいのはマダイ。200種類以上あるタイの中で最も大きく体長1mを越えるものもある。一般的にはの産卵期を過ぎた夏から秋にかけてが旬である。

 種類による栄養特性に大きな差はないが、ナイアシンはマダイが最も多い(天然生100g中6mg)。ナイアシンは神経のイライラや不眠、皮膚疾患などを防ぐビタミンである。また、どの種類であってもカリウムに富んでいる(マダイ440mg、クロダイ00mg)。カリウムは心臓や筋肉の活動を活発にするとともに、ナトリウムの吸収を抑え高血圧を予防する働きがある。加えてビタミンB1・B2も多く、糖質の代謝促進、口内炎・皮膚炎の予防に有効である。マグロやイワシには及ばないが、養殖マダイはDHA(総脂肪酸の14.5%)とEPA(同8.6%)が多いことも特筆に価する。

日曜日, 12月 02, 2007

鱸(すずき)

〇鱸(すずき)

 スズキ科の海産魚で、近海の岩場に棲み、全長1mにもなる。背は灰青色で腹部は銀白色。北海道以内の東・南シナ海に分布し、若魚は夏に川をのぼる。ブリと同じく出世魚で、体長30cm以下のものをセイゴ、60cmまでをフッコ、それ以外をスズキと呼ぶ。夏が旬で脂がのっておいしい。脂質を4.2g(生100g中)含むが脂っこさは感じない。肉は白身で癖がなく、あらい、刺身、煮付け、味噌汁など調理法はバラエティに富む。島根県宍道湖の名物料理として知られる奉書焼が有名。スズキはビタミンA・B・Dが豊富で、視力の改善、皮膚や粘膜の健康維持、骨の形成促進などに効果的である。

土曜日, 12月 01, 2007

鰈(かれい)

〇鰈(かれい)

 カレイ科の海産魚の総称で、日本近海だけでもマガレイ、マコガレイ、アカガレイ、メイタガレイ、ホシガレイ、イシガレイ、オヒョウなど大小20数種を数える。カレイによく似た魚でヒラメ(ヒラメ科)があるが、左ヒラメ、右カレイといわれるように、眼のある側を表、腹を手前にして置いたとき、ヒラメは頭が左側、カレイは右側にくる。カレイとヒラメを栄養的に見ても、ビタミンB2がヒラメの3倍(マガレイ生100g中0.35mg)という以外はそれほど大きな違いはない。

 カレイのB2含有量はウナギには及ばないが、魚介類の中では多い。ビタミンB2は成長期の発育に欠かせない栄養素であり、欠乏すると口唇炎や口角炎、陰部の皮膚炎や膣炎を誘発したりする。水溶性ビタミンで調理時に失われやすく、また体内に蓄積されにくいので、日頃からコンスタントに摂取することが肝腎とされている。

 カレイやヒラメは、周囲のヒレの付け根の部分をえんがわと読んで寿司ネタでも珍重されるが、この部分にはコラーゲンの含有量が多く、皮膚を水々しく保ち、免疫力を高める効果がある。

火曜日, 11月 27, 2007

鮭(さけ)

〇鮭(さけ)

 サケ科の魚は4属に分けられ種類が多いが、わが国では主にシロザケ、ギンザケ、ベニザケ、マスノスケ、サクラマス、カラフトマスなどが食用に充てられる。一般にサケといわれるのはシロザケ。マスといわれるのはサクラマスである。生ザケは主に塩焼き、フライ、ムニエル、鍋物、三平汁で食べられる。加工品には塩蔵(塩鮭、新巻き)、燻製(スモークサーモン)、缶詰などがある。このほか、卵巣を塩漬けにした筋子、卵をほぐして食塩水につけたイクラ、腎臓を塩漬けにしたメフンなどがある。

 栄養的にはビタミンB1・B2、ナイアシンが豊富で、糖質代謝、皮膚や粘膜の健康維持に効果がある。またビタミンDが多いことも見逃せない(シロザケ100g中39ug)。Dは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成に欠かせないビタミンである。このほかビタミンAがシロザケ焼きで14ug、イクラで330ug、筋子で670ugあり(いずれも100g中のレチノール量 )、視力の改善、皮膚や粘膜の健康に貢献する。サケやイクラの赤い色はアスタキサンチンというカロチノイド系の色素で、β-カロチンやビタミンEより強力な抗酸化作用をもつといわれている。

土曜日, 11月 24, 2007

秋刀魚(さんま)

〇秋刀魚(さんま)

 サンマ科の海産魚で、秋口に大量に漁獲される。食卓にもよく登場する魚の第1位はアジ、第2はサンマ、第3位はイワシという調査結果(1992年、(社)大日本水産会)があるが、秋刀魚という文字が意味を失うほど今では冷凍技術の向上で1年中店頭に出回っている。東シナ海から北千島へかけて南北に回遊するが、北のほうで獲るほど脂がのっておいしい。

 背の青い魚であるサンマは、サバやイワシと同じく不飽和脂肪酸のEPAとDHAの含有量が多い。また、ビタミンB2とB2の補給源としても優れている。B2(焼き100g中に0.29mg)は子供の成長を促進し、B12(同19.3ug)は悪性貧血を予防する。グリーンアスパラなど葉酸が多く含まれる食材と一に摂ると貧血の予防効果が高まる。また、脳の働きを活性化するアミノ酸の代謝にも重要でボケ防止につながる。

金曜日, 11月 23, 2007

鰊(にしん)

〇鰊(にしん)

 ニシンは北太平洋に分布するニシン科の海産魚で、春の訪れとともに特有の味と柔らかな身を堪能させてくれる魚である。栄養的にはイワシよりも脂質が高く(生100g中15.1g、マイワシは13.8g)、エネルギーも216kcalと高い。脂肪酸の組成はDHA(ドコサヘキサエン酸)は少ないが、EPA(エイコサペンタエン酸)はマグロ(ホンマグロ脂身)を上回っている。カルシウムやリン酸の吸収に関与するビタミンDも多く含まれ、生では22ug(100g中)だが、開き干しでは3ug、身欠きニシンでは50ugになる。

 ニシンにはこのほかミネラルのセレンが含まれている。セレンは抗酸化酵素のグルタチオンペルオキダーゼの構成元素で、抗酸化作用に欠かせないミネラルである。また、血圧をコントロールするプロスタグランジン(ホルモン)の産生にもかかわっている。

木曜日, 11月 22, 2007

鰺(あじ)

〇鰺(あじ)

 アジ科の魚の総称で、ふつうはマアジを指す。日本近海にはこのほかムロアジ、シマアジが分布する。いずれも尻ビレの前方側面に”ゼエゴ”と呼ばれる硬いとげをもつウロコのあるのが特徴。肉はいわゆる魚臭さがなく、アミノ酸のアラニン、グリシン、グルタミン酸、ヌクレオチド類のイノシン酸といった旨味成分が多いので、刺身、たたき、酢の物、天ぷら、塩焼き、干物など、利用法は非常にバラエティに富んでいる。

 栄養成分としてはカリウムが比較的多い(マアジ生100g中に370mg、開き干し310mg、ムロアジくさや850mg)。また、他の魚に劣らぬほどビタミンB1・B2・D・Eを含有し、カルシウムはくさやになると生の46倍にもなる。小アジの唐揚げ、くさやなどで、カルシウムの補給効果が期待できる。

火曜日, 11月 20, 2007

鰯(いわし)

〇鰯(いわし)

 イワシはニシン科のマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシ科のカタクチイワシなどの総称である。大衆魚としてなじみ深い魚だが、背の青い魚に含まれるEPAやDHAの効能が明らかになって以来、すっかり時代の寵児になった観がある。イワシは生を塩焼きや揚げ物、煮付けにするほか、干物(めざし、丸干し、みりん干し)、田作り、煮干し、缶詰などに調理・加工される。

 栄養成分量は加工法によって大きく変化し、例えばカルシウムは、生では60~85mg程度であるが、丸干しにするとマイワシ440mg、ウルメイワシ570mg、カタクチイワシの田作りでは2500mgにもなる(いずれも100g当たり)。また、血合いや内臓ごと食べることで鉄分の貴重な補給源ともなる(ウルメイワシの生100中2.3mg、丸干しでは4.5mg)。鉄は赤血球のヘモグロビンの重要な構成要素で、不足するといわゆる鉄欠乏性全身貧血になり、疲れやすい、だるい、食欲不振、めまいといった症状が出る。魚肉に含まれる鉄分はヘム鉄で吸収されやすいので、努めて積極的に食べるようにしたいものである。

 イワシの稚魚(3cm以下のもの)はシラスと呼ばれ、シラス干し(微乾燥品、関東向け)、チリメンジャコ(半乾燥品・関西向け)、タタミイワシにする。シラス干しにはアミノ酸のチロシンが多く含まれており(100g中1300mg)、魚類中トップである。マサチューセッツ工科大学ジュディス・ワートマンらはチロシンが脳内神経伝達物質のノルエピネフリンとドーパミンを増加させ、精神的なエネルギーを高める作用のあることを確かめている。

月曜日, 11月 12, 2007

鰤(ぶり)

○鰤(ぶり)

 日本近海に分布するアジ科の高級魚。冬の荒海に揉まれた寒ブリはまさに絶品であるが、近年はハマチの名で店頭に並ぶ養殖物が多い。養殖ものは一般に脂ぎった感じが強く、切り身が一様にベージュ色であるのに対し、天然物はややピンクがかかっていることが特徴である。ブリは出世魚で、幼魚のときから順に呼び名があり、関東ではワカシ→イナダ(ハマチ)→ワラさ→ブリ、関西ではワカナ→ツバス→ハマチ(メジロ)→ブリとなる。

 振りは脂身の持つトロッとした旨さに、ヒスチジン(アミノ酸)の旨味が加わって特有の風味が醸し出される。脂質が多いためカロリーは高いが(生100gで257kcal)、脂肪酸の組成は良好でEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)で21.5%を占めている。また、単価不飽和脂肪酸のPOA(パルミトレイン酸)が7%と比較的多い。POAは特に脳血管の栄養を補う働きがあるため、脳出血、クモ膜下出血の予防に効果的である。
 

日曜日, 11月 11, 2007

鰆(さわら)

○鰆(さわら)

 サバ科の回遊魚で、本州中部以南の太平洋岸に多く見られる。脂の乗った柔らかい肉の特有の旨味があり、塩焼きにすると絶品である。地方によって旬が異なり、春が旬なのは瀬戸内海。駿河湾や伊豆では秋、相模湾では、”寒ザワラ”といって正月から3月にかけてがおいしい。

 栄養成分としてはカリウムの含有量が多く(100g中に490mg)、食塩のナトリウムの吸収を阻害して高血圧の予防につながる。また、ビタミンB2(0.35mg)とナイアシン(9.5mg)を多く含んでいる。B2は成長を促進し、舌炎や口角炎を防ぐ働きがある。ナイアシンが不足すると皮膚がザラザラに荒れて紅色の発疹ができ、色素沈着を起こすことがある。鰆はサバなどに比して脂質が少ないため(100g中、サバは12.1g、サワラは9.7g)、カロリーも1割強少ない。

土曜日, 11月 10, 2007

鰹(かつお)

○鰹(かつお)

 サバ科の回遊魚で、4~5月に北上してきたものを”初ガツオ”と称して江戸庶民は喜んだが、北海道近海や三陸沖で夏を過ごして南下した秋の”戻りガツオ”も脂がのっていておいしい。ただし、近年は世界各地からの輸入物が増え、旬の味わいが忘れられた観もある。

 カツオは優れたタンパク源(生100g中25.8g、アミノ酸スコア100)であるとともに、ビタミンB1・B2・B12・Dも富み、特に血合いに含まれるB12(100g中8.4ug)は魚類のトップクラスである。B12欠乏は悪性貧血の原因となり、肝臓疾患や子ども発育不全、女性の不妊症の原因となることがある。

 わが国特有の発酵調味料であるカツオ節はタンパク質が77%を占め(生カツオは25.8%)、アミノ酸の含有量がずば抜けて多い食品である。家庭でカツオ節を削る光景が見られなくなって久しいが、手軽に利用できるパック製品があるので、色々な食材と組み合わせて積極的に摂りたいものである。

金曜日, 11月 09, 2007

鮪(まぐろ)

○鮪(まぐろ)

 サバ科の大型魚でクロマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガ、ミナミマグロの種類がある。中でもクロマグロの味は最高で、幼魚はヨコワ、少し大きくなるとメジ、成魚はシビとも呼ぶ。なお、俗にカジキマグロと呼ばれるのはマグロとは別種で、マカジキ、クロカジキ、メカジキなどがある。

 トロを食べると頭がよくなると一時期騒がれたが、これはマグロに多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)の効能が明らかにされたためである。DHAを多く含む脂身にはEPA(エイコサペンタエン酸)も豊富であるが、マグロはカルシウムの吸収をよくするビタミンDも多い。また、赤味や血合いには強心・強肝、貧血防止、血中コレステロールを下げる働きを持つアミノ酸のタウリンが多く含まれており、頭脳を明晰にするだけでなく健康をもたらす優れた食材である。

 厚生労働省は2003年6月、妊婦に対して水銀濃度の高い魚介類の摂食に関する注意事項を発表したが、05年8月の見直し案で新たにクロマグロ、メバチマグロ、マカジキなどを追加している。それによると1回の摂取量を80g(刺身一人前)として、クロマグロ、メバチマグロ、メカジキは週1回まで、ミナミマグロ、マカジキは週2回までとしている。

木曜日, 11月 08, 2007

鯖(さば)

○鯖(さば)

 海産魚のサバ科の総称だが、普通はマサバを指す。日本近海にはこのほかゴマサバ、グルクマが分布する。サバは100g中に脂肪を12.1g含むが、肉類の脂肪とは異なり、オレイン酸やEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)の不飽和脂肪酸を多く含んでいる。これらはコレステロールの予防に有効である。動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を正常に保つ働きがあり、生活習慣病の予防に有効である。コレステロールはサバを約100g食べると6週間で血液の粘度が顕著に下がることが明らかにされている。また、1日に85gのサバを長期間食べ続けると血圧が約7%下がるとする研究もある。

 サバのタンパク質(20.7g)は必須アミノ酸を豊富に含み、アミノ酸スコアは99と高い。ビタミン類ではB2が0.28mgと多く、これ以外ではビタミンAが24ug、B1が0.15mg、ビタミンD11ug、ナイアシン10.4mgなどが目立つ。

 サバは酢や味噌とよく合うので、しめサバや味噌煮にして食べられることが多い。なお、サバの生き腐れという表現があるように、サバは急速な鮮度低下が利用上の問題となることが多い。サバはアミノ酸の一種であるヒスチジンが多く含まれているが、これが酵素分解でヒスタミンという有害物質に変わるためだが、ヒスタミンはアレルギー源にもなりやすく、蕁麻疹の原因となることもある。

水曜日, 11月 07, 2007

昆布

昆布

 昆布は渇藻類のコンブ科に属する海藻の総称で、狭義にはマコンブを指す。日本で採れるコンブはマコンブ、利尻コンブ、三石コンブ、ナカコンブ、ホソメコンブ、ネコアシコンブなど30種類近くある。

 コンブはアルカリ度が38.9と高く、いわゆるアルカリ性食品であるが、それはカルシウムの含有量が多く、リンが少ないためである。マコンブの素干し100g中のカルシウムは710mg、リンは200mgである。同じ海藻類のアマノリは、干し100g中カルシウム140mg、リン690mgでりんのほうが多く、酸度5.25のいわゆ酸性食品である。

 カルシウムは吸収されにくいミネラルで、効率よく利用するにはリンをバランスよく摂取する必要があり、その割合はカルシウム2に対してリン1がよいとされている。昆布はカルシウムそのものの含有量が多い上に、リンとのバランスがよいため、カルシウム補給食品としては理想的である。

 コンブのミネラルでもう一つ注目されるのはヨウ素である。素干し昆布100g中、要素は100~300mg含まれており、乾燥ワカメ(7~24mg)やヒジキ(20~60mg)をはるかに上回っている。ヨウ素は甲状腺ホルモンの成分として新陳代謝や調整に深く関与している。コンブはまたカリウムの含有量も多く(マコンブの素干し100g中で6100mg)、海藻中ではトップである。古くから昆布を食べると血圧が下がるといわれているが、これはカリウムやコンブに多く含まれるラミニン(糖タンパク質)による作用と考えられている。そのほか、愛媛大学医学部(奥田拓道ら)と住友金属工業との共同研究によれば、コンブのヌメリ成分のアルギン酸は糖の吸収抑制とともにコレステロールの吸収抑制作用があり、それを高圧加熱処理し低分子化した可溶性アルギン酸も、高分子のアルギン酸と同様の働きがあることが明らかにされている。

土曜日, 11月 03, 2007

栗(くり)

○栗(くり)

 ブナ科の落葉高木で、いがに包まれた果実の中にできる堅果を食用とする。北海道西南部から本州一帯の山地に自生し、果樹は各地で種々の改良種が栽培されている。

 栗は馴染み深い秋の味覚の一つだが、糖質のほかカリウム、ビタミンB1、Cなど意外に多く含まれ、タンパク質や脂肪、糖質の消化特性も穀類に匹敵するほど優秀である。

 本草綱目には栗の効能について「主として気を益し、腸を厚くし、人をして飢えに耐えしむ」とあり、「生食すれば腰部の不随を治し、筋骨の切れたるを癒す」「腫れ痛み、お血(古血)には生を噛んでこれをつけると効あり」と記されている。民間にも「腎を補って気を増し、腸・胃・腰・足・骨を強くする」と言い伝えられてきた。「腎を補う」とは、この場合は気を増し、強精・強壮を意味している。

 このほか、生の栗を細かく砕いたりすりおろしたものは鼻血や外傷の止血、筋力の強化に役立つとされている。また魚介類の中毒にも効くとされているが、生栗は消化が悪いので、摂るときは少量をゆっくりと噛んで飲み込むことである。栗葉と呼ばれる栗の葉は、煎じた液がウルシや毛虫かぶれの害用薬とされてきた。

木曜日, 11月 01, 2007

胡桃(くるみ)

○胡桃(くるみ)

 クルミ科の落葉高木で、日本や中国、イランが原産。種実内の肥大した仁(胚と胚乳)を食用とする。日本原産のオニグルミとヒメグルミ、イラン原産のテウチグルミなどがある。アメリカ産が全生産量の30%を占め、わが国では長野、山形、岩手、新潟などが主産地である。

 クルミは昔から、その風味と効用で貴族の美容食といわれ、菓子類のほか和え物などに広く用いられてきた。クルミで特に顕著なのは脂肪分である。種実の約68%が脂肪で、しかもその61%がリノール酸、ほかにオレイン酸、リノレン酸などが含まれている。いずれも良質の不飽和脂肪酸なのでコレステロールを除去し、脂肪代謝を整える。生活習慣病には格好な食品といえる。また、単純タンパク質のグリテリンも多く含まれ、消化吸収しやすいため強壮効果がある。漢方ではクルミを胡桃仁と呼び、滋養強壮・鎮咳薬として賞用している。

水曜日, 10月 31, 2007

落花生

落花生

 マメ科の一年草で、開花後に地中にできる3cmほどの鞘(殻)の中の種子を食用にする。殻のついたものを落花生、殻から出して渋皮のついた状態のものを南京豆、渋皮を取り除いたものをピーナッツという。落花生はそのまま酒のつまみにされたり、すり潰してピーナッツバターや和え物にも利用される。

 落花生は食品として必要な栄養分を全て蓄えており、栄養的に非常によくバランスがとれている。タンパク質は約25%、脂肪が約47%で、脂肪酸の多くは不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸)が占めている。特徴的な成分としてはビタミン様物質のコリンが多く含まれている。コリンはビタミンB複合体の一種で、脂肪肝を防ぐ作用がある。人の体内ではメチオニン(アミノ酸)から合成されるが、落花生のタンパク質組成ではメチオニンも多い。このほか、種実類の中ではナイアシンを最も多く含んでいる(乾100g中17mg)。ナイアシンは湿疹や口角炎に有効なビタミンである。

火曜日, 10月 30, 2007

葡萄(ぶどう)

○葡萄(ぶどう)

 ブドウ科ブドウ属の蔓性落葉樹の果実で、ペルシャが原産。紀元前2000年広には栽培されていたらしく、聖書やギリシャ神話にもブドウ酒の話が出てくるほか、壁画や壷の模様にも残っている。現在は世界で最も多く生産されている果実で(全果物の5分の1を占める)、その多くはワインの原料にされている。

 葡萄は糖質を100g中15.7gも含み、その大部分が単糖のブドウ糖や果糖であるため即エネルギーとなり、疲労回復に即効性がある。またカリウムやリン、カルシウム、鉄などのミネラルも多いので貧血気味の人に好適である。干しブドウは特にミネラルの含有量が多く、鉄は生の23倍、カルシウムは10倍、リンとカリウムは6倍である。サラダなどに入れて少量でも毎朝食べるとよい。

月曜日, 10月 29, 2007

メロン

○メロン

 売りかキュウリ族の一年草の果実で、中近東が原産。古代エジプト時代から栽培されており、日本へは明治の中頃にヨーロッパから導入されたが普及するに至らず、大正末期に導入されたイギリス系の温室メロンが現在のネットメロンの元になった。

 メロンは温室メロンと露地メロンに大別される。主な品種としてはマスクメロン(アールスなど)、プリンスメロン、夕張メロン、ハネデュー、アンデス、アムスなどがあり、味も形も大きさも異なる。温室メロンは露地メロンに比してカロチンの含有量などは少なく、100g中33ug(アールス系)にすぎないが、路地の白肉種では140ug、赤肉種では3600ugも含まれる。ビタミンCも温室18mg、露地25mgと含有量に差がある。ビタミンCは肌荒れを防ぎ、皮膚粘膜を守る働きがあるが、中程度のメロンなら半分くらいで1日分の必要量(成人で85mg)を賄えるだろう。メロンにはカリウムも多く、温室は340mg、露地は350mg含む(いずれも100g中)。カリウムには利尿作用があり、むくみを取る働きがある。メロンにはこのほかタンパク質分解酵素のククミシンが含まれており、肉類などの消化を助ける。

日曜日, 10月 28, 2007

苺(いちご)

○苺(いちご)

 バラ科オランダイチゴ属の多年草の果実で、南アメリカが原産。日本へは江戸時代後期にオランダから伝わり、明治初期にはフランス、アメリカ、イギリスからも品種が導入され品種改良が行われた。現在は女峰、とよのか、とちおとめ、アイベリーなどの栽培種がよく知られている。

 特筆すきべきはビタミンCの多いことで、100g中62mgも含まれている。成人の1日の必要量は85mg(食事摂取基準)なので、大きいものであれば8粒程度で十分満たせることになる。ビタミンCはコラーゲンの生成や副腎皮質ホルモンの分泌に関わるので、必要量よりかなり多めに摂取するのが望ましいとされている(食事摂取基準では成人で100mgを推奨している)。

 イチゴにはリンゴ酸やクエン酸も多く含まれており、これら有機酸は体内の疲労物質の分解を早める。また、リューマチに有効なメチルサリチル酸、腸疾患・代謝性疾患を防ぐ食物繊維のペクチンも含有している。

土曜日, 10月 27, 2007

キーウィフルーツ

○キーウィフルーツ

 マタタビ科の落葉性蔓性果樹の果実。中国原産のシナカルナシをニュージーランドで品種改良したもので、果実の形がニュージーランドに生息する珍重キーウィ(kiwi)に似ているところから名付けられた。英名はチャイニーズ・グーズベリー。現在は日本でも栽培が盛んである。果肉は鮮やかなエメラルドグリーンで果汁が多く、甘味と酸味を合わせ持つ。

 栄養成分としては、ビタミンCが100g中69mgと比較的多く含まれている。ヘビースモーカーには奨めたい果実の一つである。ビタミンEは1.3mg、カロチンは66ug含有している。そのほか食物繊維(ペクチン)は甘柿より多く、便秘を防ぐ効果もある。またタンパク質分解酵素アクチニジンを含むので肉を漬けておくと柔らかくなる。糖分のうち、45%がブドウ糖、33%が果糖、17%がショ糖。有機酸(クエン酸、リンゴ酸など)も比較的多く約1.3%含み、疲労回復に即効があるとされる。未熟の固いものは酸味が強いので、リンゴやバナナと一緒に袋に入れておくと早く熟する。

金曜日, 10月 26, 2007

すだち

○すだち

 ミカン科の常緑小高木の果実でユズの近縁種。徳島県が原産である。秋の味覚サンマに付き物のスダチは、ユズと並んで食卓の主役にはなれないが、常に主役を引き立てる名脇役といえよう。特にマツタケの土瓶蒸しには欠かせず、他のものでは代替できない特有の香りと味を持つ。晩夏から秋にかけて九州・四国地方で栽培されているものが多く出回っている。緑が濃く、硬く引き締まった光沢のあるものが良質とされている。

 添えもの的な存在で比較的軽く見られているが、スダチはビタミンCやミネラル類の宝庫である。ことに緑の皮の部分に多くの栄養素を含んでいる。ビタミンCはミカンの3倍強、ビタミンEは13倍強、カリウムは2倍、カルシウムにいたっては果実中断トツとされているキンカンの皮をも凌ぐ量である。皮をすりおろして大根おろしと一緒に和え物にすると色も風味も生き、豊富な栄養素も摂れるので、料理を工夫して皮の部分も摂取したい。

 効用としてはビタミンCコラーゲン合成を助けて細胞を活性化し、風邪の予防、疲労回復に役立つ。また、表皮の内側の白い部分に含まれるトリメチルピラチン、スペリジンは毛細血管を強化する働きがあるので捨てずに全部利用したい。なお、スダチによく似たものにカボスがある。カボスもユズの近縁種で大分県の特産。豊富な果汁が特長で、地元ではフグ料理の薬味によく利用されている。

水曜日, 10月 24, 2007

柚子(ゆず)

○柚子(ゆず)

 ミカン科の常緑小高木の果実で、中国長江上流域が原産。代表的な調味料柑橘類で、同類にはスダチやカボスがある。ユズは寒さに強く東北地方まで栽培されている。初夏に白い小花をつけ、秋に黄色い実を結ぶが、果実は球形で表面がデコボコして粗い。肌の粗いことを”ゆず肌”というのはこれに由来する。

 果肉は多汁で酸味が強いが、爽やかな香りは秋を象徴する匂いとして日本人に古くから親しまれ、菓子などにも多用されている。香りが食欲を増進させるうえに、ほろ苦味のある皮には豊富な栄養素が含まれているので、果皮を生かした料理を工夫したいものである。

 柑橘類の中では飛び抜けて多いビタミンC(100g中150mg)は、夏で疲れた肌を蘇らせ風邪の予防にもなる。風邪気味の時には皮をおろして搾り汁と一緒にハチミツとお湯を加えて飲むと効果的。そのほか、カロチンやカリウム、カルシウムなどの栄養素もまんべんなく備えた果実である。

 冬至の季節に入るユズ湯は、香りが気分を爽快にし、精油成分ピネンやシトラールが皮膚を刺激して血行を良くし、温熱効果があるので冷え性・リューマチ・神経症に有効である。ユズの皮にはビタミンPも含まれているので毛細血管の循環をよくする。また搾り汁をすり込むと、ひび・あかぎれにも効き目がある。焼酎と氷砂糖で漬け込んだユズ酒は疲労回復・貧血・低血圧症に効くとされている。

火曜日, 10月 23, 2007

杏(あんず)

○杏(あんず)

 バラ科サクラ属の落葉高木の果実で、中国北部が原産。日本では長野県を中心に各地で栽培されている。アンズは漢字で「杏」と書くが、中国では「杏林」とかいて医者を意味する。このことからも杏が健康食品である事がうなずけよう。特に優れているのはカロチンの含有量で、干しアンズ100g中に5000ug(生で1500ug)を含み、これが疲労回復や食欲増進に役立つ。また、酸味のクエン酸などの有機酸が相乗的に効果を発揮する。

 干しアンズにはカリウムや鉄、リンなどのミネラル類も多量に含まれるので、冷え性・便秘。肌荒れなど女性にありがちな症状の改善にも適している。そのほかアンズには肺を潤す働きがあり、痰を切り、風邪や喘息の咳を鎮める。さらにからだの水分のバランスを整えるので口渇・下痢・むくみを解消する。

 生アンズは熟してから日持ちが悪いため、店頭に並ぶ時期が短いのが難点。干しアンズは入手しやすく、生に比してカロリーが高く吸収も早いので1日3~4個食べるとよい。なお、アンズの種子を杏仁といい、漢方では鎮咳・去痰薬として麻黄などを配合して用いられている。

月曜日, 10月 22, 2007

○柿

 カキノキ科の落葉高木の果実で中国が原産。日本への渡来は奈良時代といわれ、寒さに弱いので北海道など寒冷地では栽培できないが、全国に1000以上の品種があるといわれている。甘柿と渋柿があり、渋みはシブオールという水溶性のタンニンが含まれていることによる。甘柿にも含まれているが、熟すにつれて不溶性に変化するため渋さを感じなくなる。果肉に黒いゴマ状のものが含まれているのは不溶性に変わったタンニンである。これに対し、渋柿は熟してもタンニンが水溶性のままで変化しない。アルコールに浸けたり、炭酸ガスが充満したところに置いておくと、タンニンが不溶性に変わって渋抜きができる。

 柿はカロテンが豊富(生の甘柿100g中、420ug)で、ビタミンCもミカンの2倍(同70mg)含有しており、大き目のものでも1日1個で1日の所要量をほぼ賄うことができる。ウイルス性の疾患に対する抵抗力を強め、粘膜を丈夫にする。干し柿は食物繊維を多く含み、カロチンも増えるので見逃せない健康食品である。

日曜日, 10月 21, 2007

梨(なし)

○梨(なし)

 バラ科ナシ属の落葉高木の果実で、日本が原産。ニホンヤマナシを改良したもので、古くから果樹として栽培されている。縁起を担いで”なし”ではなく、”ありの実”ともいう。品種改良されて、全体に甘みが強く舌ざわりのよい歯ごたえのあるものが多い。よく知られている品種としては、二十世紀、幸水、長十郎、豊水などがある。このほか西洋梨や中国梨がある。

 成分の90%は水分だが、消化酵素を含むのが特徴で、肉類の消化を助けるため食後のデザートとして適している。解熱作用があるので熱による諸症状の緩和に役立つ。夏風邪などで微熱が残ったときには、毎日1~2個の梨を食べていると自然に治るとされている。これは中国の古医法にもあり、日本でも民間療法として伝えられている。熱病の回復期などには、おろしたり搾り汁を飲むとよい。風邪や扁桃炎でのどが痛むとき、または咳や痰を伴うとき、暑気あたりや二日酔いなどの口渇にも効果的である。アスパラギン酸を含んでいるので疲労回復にもよく、さらに利尿効果も期待できる。

土曜日, 10月 20, 2007

りんご

○りんご

 バラ科リンゴ属の落葉高木の果実で、原産地は中近東からコーサカス地方。西洋では4000年前とその歴史は古いが、日本には江戸時代に中国からもたらされ、本格的な栽培が始まったのは明治以降である。中国ではリンゴを経験的に病気の治療に用いてきた。本草綱目には「気を下し、痰を消し、コレラ、腹痛を治す。ふだん喉の乾く人は宜しくこれを食べるべきである。水痢(下痢のこと)、遺精などによい」と記されている。

 成分は食物繊維のペクチンを多く含み、便秘に有効である。ペクチンは皮に多いので、皮ごと食べる習慣をつけるとよい。腸内の異常発酵を防ぎ、整腸作用が一層効果的となる。また、100g中に110mgも含まれるカリウムとの相乗効果で、血圧効果やコレステロールを下げることにもつながる。

 リンゴには果糖やブドウ糖も多いので、クエン酸や酒石酸などの有機酸との相乗効果で疲労回復を早めるとともに精神安定の作用がある。またリンゴから作られるリンゴ酢にも疲労回復や高血圧予防作用があり、ハチミツと合わせて常飲すれば健康増進につながる。

金曜日, 10月 19, 2007

キッチンハーブ(3)

○キッチンハーブ(3)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※スペアミント

 シソ科ハッカ属の多年草で中央ヨーロッパが原産。学名はMentha spicata。ペパーミントより香りが甘いので菓子や飲み物によく使われる。また肉のソースとして、イギリスではラム肉のローストに必ずこのハーブが使われる。

※ローズマリー

 シソ科マンネンロウ属の常緑性低木で地中海沿岸が原産。学名はRosmarinus offcinalis。森林の香りがするハーブで、クセの強い食材と組みあせて使われることが多い。イタリアではラム肉のローストによく使われる。イワシやアジなどの魚料理、チーズやバターとも組み合わせられる。ローズマリーはヨーロッパでは記憶や愛を象徴するハーブとされており、結婚式やクリスマスのリースにもよく用いられる。また、古代ギリシャの学生が記憶力や集中力を高めるために使ったといわれている。食品添加物として利用されている。食中毒の原因となるブドウ球菌や大腸菌に対する抗菌作用のあることが認められている。

※チャイブ

 シベリアからヨーロッパを原産とするユリ科ネギ属の多年草。和名はエゾネギ。5000年以上も昔から食用として利用されてきたハーブで、最初は中国で使われ、その後ヨーロッパでも料理に使われるようになった。ビタミンCや鉄分を豊富に含み、タマネギに風味が似ている。卵料理やバター、チーズに加えるとよく合う。花も食べることができ、サラダなどに使われる。同じユリ科ネギ属のニンニクやタマネギに比べて少ないとはいえ、チャイブにも硫黄化合物が含まれている。硫黄化合物は血中コレステロール中性脂肪を減らしガンの予防にも役立つ。ヨーロッパでは、このハーブは悪霊を追い払うと信じられ、枕元などに置かれたという。

木曜日, 10月 18, 2007

キッチンハーブ(2)

○キッチンハーブ(2)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※オレガノ

 地中海沿岸を原産とするシソ科ハナハッカ属の多年草。学名はOriganum vulare。トマトとの相性がよく、トマトソースには欠かせないハーブ。チーズ、肉、魚料理などともよく馴染む。香りが強いためイタリア料理のほかスペインやメキシコ料理でも使われる。生葉より乾燥品のほうが香りが強い。食用としてだけではなく古くから薬草としても利用されてきた。古代ギリシャでは炎症や筋肉痛を緩和するパップ剤として使われてきた。主な成分はカルバクロールとチモールで、抗菌作用、鎮静作用、のどの痛みや頭痛の緩和作用、発汗作用、健胃作用、食欲増進作用など、さまざまな効能が知られている。

※バジル

 シソ科メボウキ属の一年草で、インドと熱帯アジアが原産。学名はOcimum basilicum。伊名はバジリコ。イタリア料理に欠かせないハーブの一つ。特にトマト、ニンニク、オリーブ油との相性は抜群で、パスタ料理などに使われる。柔らかい緑の葉は包丁を入れると黒く変色するので調理の直前に手でちぎって使う。乾燥品も出ているが、バジルはできるだけ生葉を使いたい。バジルは吐き気・腹痛・ガス・便秘に効果的なハーブとしても知られ、それらの症状の改善に葉の抽出液を飲むとよいとされる。

※マジョラム

 シソ科ハナハッカ属の多年草で地中海沿岸が原産。学名はMajorana hprtensis。和名マヨラナ。古代ローマのアピシウスの料理書にも登場する伝統的なキッチンハーブ。特に肉類との相性がよく肉のハーブとも呼ばれる。肉の煮込みやローストに使われるほか、ソーセージやパテ、ミートローフなどの挽き肉料理にも入る。乾燥品はスープやシチューの香り付けに使われる。精油にはストレスを緩和する働きがあり、癒しのオイルとしても知られている。ハーブティーとして飲んでもよい。

火曜日, 10月 16, 2007

キッチンハーブ(1)

○キッチンハーブ(1)

 ハーブは香草ともいわれ、煮込み料理では素材の臭みを消すために使われてきた。また他の野菜の味を引き立たせたり、料理に香りのアクセントをつけるために使用されることも多い。ここでは特に料理に使われるハーブについて利用法を簡単に紹介する。

※タイム

 シソ科イブキジャコウソウ属の常緑性低木で、ヨーロッパ南部が原産。学名はThymusvulasris。ブーケガルニ(煮込み料理の臭い消しに使う数種類のハーブを束にしたもの)に加える基本的なハーブで、料理用ハーブとして人気が高い。精油は抗菌作用に優れている。これは精油に含まれる成分チモールの働きによるもので、昔から去痰剤や消毒液として使用されてきた。ドライハーブから作ったハーブティーはうがい薬や水虫の薬としても利用できる。

※セイボリー

 地中海沿岸を原産とするシソ科サトゥレア属の一年草で、学名はSatureja hortensis。別名サマーセイボリー、和名はキダチハッカ。ヨーロッパでは2000年前からスパイスとして使われており、胡椒が伝わってくるまで香料の代表的存在だった。ピリッとした辛味と、タイムに似た香りがあり、豆料理によく使われる。薬用としてはさほど使われていないが、消化を助ける作用が知られている。

※タラゴン

 エスドラゴンともいう。キク科ヨモギ属の多年草で、原産地はヨーロッパ、アジア、ロシアなど。学名はArtemisia dracunculus。フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの2種類が栽培されている。スパイシーな香りがあり、卵料理、肉料理などと相性がよい。ドライハーブだけでなく、精油や白ワインビネガーに生薬を浸けたタラゴンビネガーも香りづけに使われる。古くは疲労回復の薬草として知られ、中世の巡礼者らはタラゴンの小枝を靴に入れて旅をしたという。スパイスとして使われ始めたのもその頃からである。消化促進や健胃作用があるといわれている。

月曜日, 10月 15, 2007

たで(蓼)

○たで(蓼)

 タデは日本原産のタデ科の一年草で、全国各地の水辺や湿地に自生している野草である。非常に強い辛味成分を含んでおり、口に含むと舌がただれることからこの名がついたといわれている。ことわざの「たで食う虫も好きずき」の「たで」はこの野草を指す。

 一般に栽培されているのはヤナギタデという種類で、本葉を用いる葉タデ、幼芽を用いる芽タデがある。鮎の塩焼きに欠かせないたで酢は葉タデを刻んでつくる。芽タデは刺身のツマに使われる紅タデがポピュラーである。

 芽タデはカロテンの含有量が野菜の中でも非常に多く、100g中4900ugも含まれている。そのほかビタミンK(360ug)・E(4.9mg)・C(67mg)、マンガン(7.66mg)も豊富に含まれており、隠れた緑黄色野菜の一つである。刺身のツマなどで見かけたときは、意識して口にしてみるのも悪くはないだろう。

日曜日, 10月 14, 2007

山椒

○山椒

 ミカン科の落葉低木で春に黄緑色の花をつけ、秋に結実する。古名をハジカミ(椒)といい、芽や実が食用・薬用・香辛料などとして古くから用いられてきた。中国でも医薬の古典神農本草経に蜀椒の名で収載されている。

 山椒は春の味覚の一つで、若芽を用いた木の芽和え、木の芽田楽などが日本人には親しまれているが、実のほうも七味唐辛子や粉山椒などの香辛料、あるいは漬物や佃煮などでも馴染みの多い食材である。山椒は小粒でもぴりりと辛いの例えの如く、特有の香りとともにピリッとした辛味が食欲増進につながる。

 成分的にはさしたる栄養素はないが、辛味成分のサンショールを含み、香りはゲラニオール、シトロネラールなどの精油が主体である。葉・果皮に含まれるこれらには健胃・駆風・駆虫・保温効果があり、食中毒の予防、生臭みや魚毒を消す効果もある。ウナギの蒲焼きには粉山椒が付きものだが、味覚的な意味だけではないことがうなづけよう。また、お汁粉のあとの箸休めとして実の味噌汁や塩漬けを出すのも、胃への負担を和らげる健胃効果をねらった先人の知恵であろう。

金曜日, 10月 12, 2007

ぎんなん(銀杏)

○ぎんなん(銀杏)

 イチョウの実で、果実の仁(胚乳)が食用となる。イチョウ葉生きている化石と言ったのはダーウィンであるが、生物学的に見て化石のように原始的なこの植物は、1000年を経た老木でもふんだんに実をつけるところから、中国では結婚式に新郎新婦にギンナンを食べさせる習慣があるという。旺盛な生命力、子孫繁栄、ひいては不老不死を願ってのことである。

 ギンナンの成分には糖質、カリウム、ビタミンB1、Cなどが多く、タンパク質、カルシウム、リン、鉄、レシチン、アスパラギンなども含む。カロチンは種実類の中では最も多く含まれている(生100g中290ug)。

 微量の青酸配糖体を有するので、鎮咳や去痰に効く。咳には砂糖で味付けした水煮がよく、喘息には炒ったものを毎日10粒位食べるとよい。ただ一度に多く食べ過ぎないこと。過ぎると鼻血を出すので注意が必要である。精の強いところから、虚弱体質やアレルギーの体質改善にも古くから民間で使われてきている。この場合、油漬けにしたものを2~3粒ずつ毎日食すとよい。また、焼きギンナンは排尿を抑えるといわれ、子どもの夜尿症によく用いられた。

木曜日, 10月 11, 2007

きくらげ(木耳)

○きくらげ(木耳)

 キクラゲ科の食用キノコで学名はAuricularia auricula。形が人の耳に似ていることからキノミミの別名がある。広葉樹の枯れ木、枯れ枝、倒木に群生するゼラチン質のキノコで、不規則な耳形ないし半円形の皿状、または椀状をしている。下向きの面のほうが色が淡い。同属で白色ゼリー質のシロキクラゲは、中国では銀茸と呼ばれ、古くから不老長寿の薬効があるとして珍重されてきた。

 キクラゲに含まれる酸性多糖グルクロノキシロマンナンは、腸管からの脂質の吸収を抑制することで血中及び肝臓のコレステロール値を低下させる。この作用はシロキクラゲよりキクラゲのほうが効果が高いとされる。キクラゲ、シロキクラゲ共にβ-1、3-D-グルカンを含有するが、抗腫瘍活性はさほど顕著ではなく、特にシロキクラゲは低いといわれている。漢方では、キクラゲは手足のしびれ、リューマチ性の疼痛、痔や子宮の出血、産後の衰弱、嘔吐などに、シロキクラゲは肺ガン、肺結核、肺炎、胃炎、便秘、伝染性の血便、月経不順、産後の虚弱などに効能があるとされている。

水曜日, 10月 10, 2007

エリンギ

○エリンギ

 ヒラタケ科の食用キノコで、学名はpleurotuseryngii。セリ科の二年草草木の枯死した根に寄生して発生する。南・東ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカに広く分布するが、日本ではホストになる植物が自生していないためか天然には見かけない。わが国で食材として使われるようになったのは近年のことである。エリンギは口当たりが良く歯ごたえがあり、食通の間では新鮮な貝柱のようだと形容されることもある。他の食用キノコに比べて糖質を多く含み、甘味のあるキノコだ。

 エリンギに、脂肪の摂り過ぎによる肝障害の予防や体重増加抑制効果のあることが信州大学大学院医学研究科のラットを使った実験で認められている。エリンギに豊富に含まれる食物繊維が、腸内の脂肪をからめとり、肝臓での脂肪沈着を抑制するためとみられている。

 実験では、①普通の飼料を与えたラット、②高コレステロール飼料を与えたラット、③高コレステロール飼料に5%のエリンギ乾燥粉末を加えた飼料を与えたラット、の3つの実験群で、それぞれ5匹ずつ6ヶ月間飼育し、飼料の摂取量や体重、血中の酵素の濃度などを測定した。その結果、高コレステロール飼料のラットは肝細胞に脂肪が沈着して血管が挟められ肝機能が低下した状態だったが、エリンギ入りの飼料を与えたラットの肝臓は脂肪沈着がわずかで正常に近い状態だった。肝障害の程度を示す血中酵素も、高コレステロール飼料の実験群は通常より20~30%高い値を示したが、エリンギ入り飼料の実験群は正常値とほぼ同じだった。また同じ飼料摂取量でも、エリンギを与えた実験群は体重増加も抑制されたという。

火曜日, 10月 09, 2007

なす(茄子)

○なす(茄子)

 原産はインドで、日本への渡来は奈良時代といわれている。中茄子、小茄子、丸茄子、米茄子、長茄子などの種類がある。調理に際しては油をよく吸収し、また煮物のスープをよく含むので、ナスそれ自体にはない栄養成分を補填し、なおかつ食べやすくするという受け皿のような役割を果たす野菜である。

 夏野菜は一般に体を冷やす作用があるが、ナスは特にそれが強く、のぼせや高血圧には抑制的に作用するので効果があるが、食べ過ぎると腹痛や下痢を起こしたりする。また、ナスを高脂肪食品と一緒に摂ると血中コレステロール値の上昇を抑える効果のあることをオーストリアのミチェックが1970年代に発見し報告している。

 ナスに含まれるアルカロイド類がガン細胞の増殖を抑えるという報告もある。農水省食品総合研究所が行った研究によると、ナスやホウレン草、ブロッコリーなどの抽出液を使って発ガン物質に対する抑制効果を測定したところ、最も高い抑制率を示したのはナスだったという。ナスにはまたアントシアニンが含まれている。アントシアニンはブルーベリーや赤じそ、紫キャベツなどに含まれる色素成分だが、血管を保護し、ガンを予防する効果があるといわれている。

 このほか民間療法的な使い方としては、ナス全体又はヘタを中まで真っ黒に焼いてすり潰した粉(ハチミツで練ってもよい)は口内炎や舌のただれに塗ると効果的。イボを取るには搾り汁を塗るとよいともされる。

月曜日, 10月 08, 2007

たけのこ

○たけのこ

 イネ科のタケ(竹)の地下茎から茎が枝分かれしたものを若い頃に採取して食用にするもので、マダケ属、ササ属、マチク属などに分かれる。最もポピュラーなものはマダケ属のモウソウチク(孟宗竹)であるが、ほかにはハチク、スズタケ、マダケ、ヤダケなどがあり、風味や大きなが異なる。いずれも地上に出たものは繊維が硬くなるので地中から掘り出して出荷されるが、成長が早いので旬の時期の多くの野菜に比して非常に短い。筍という字は、芽を出して旬日(10日)もすると竹になってしまうという意味だという。

 栄養的にはビタミンB1が比較的多く含まれていること(100g中0.05mg)、また食物繊維も生で2.8g、茹でたもので3.3g(いずれも100g中)と、ほかの茎菜類に比して多めである。100g位は平気で食べてしまうので食物繊維の供給源としても有効だろう。水煮のタケノコによく見られる白い粉はチロシンというアミノ酸の一種で、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料になる。チロシンは動物性タンパク質に多く存在する成分だが、タケノコ(生100g中690mg含有)には牛レバー(同680mg)と同じくらい含まれている。

日曜日, 10月 07, 2007

おかひじき

○おかひじき

 シベリア、中国、日本を原産地とするアカザ科の一年草で、わが国では各地の海岸の砂地に自生しており古くから食用にされてきた。明治以降、目新しい野菜が紹介されるにつれて市場を追われるようになったが、近年、健康野菜として見直されて復活した。

 海藻のヒジキを緑色にしたような姿をしている。若い茎葉を熱湯で4~5分間茹でて、お浸し、からし和え、酢味噌などで食べるが、シャキッとした歯ざわりが好まれている。カロチンが多いので、油で効率よく活用が期待できる天ぷら料理にも適している。

 栄養的には生100gにつきカロチン3300ug(550ugRE)とホウレン草並みに多いのが特徴で、カルシウムは約3倍の150mgも含む。ビタミンB類は少ないが、Cは21mgと枝豆なみにある。これらの成分と葉緑素の相乗効果で皮膚が丈夫になって風邪をひきにくくなるほか、ビタミンAの働きで胃腸の粘膜の上皮組織に抵抗力がつき、ガンの発生を抑えることが期待される。

土曜日, 10月 06, 2007

ふき(蕗)

○ふき(蕗)

 日本原産のキク科の多年草。ほろ苦い味わいと特有の香り、春らしい薄緑の色彩で季節感を運んでくれるフキは、ゴボウとともにわが国特産の野菜である。もともとは山野に自生する山菜として賞味されてきたが、現在では愛知ブキ、水フキ、赤ブキなどの栽培種があり、大きなものは葉柄の大きさが1.5mにも達する。

 花が過ぎると根茎から葉柄が伸びて先端に丸形もしくは腎臓形の葉がつくが、葉柄は煮物、和え物、汁の具や砂糖漬けの菓子などに、葉は佃煮などに利用される。地下を這う根茎から春先に包葉をまとった丸い親指大の花穂を出したのがフキノトウ(蕗の薹)で、味噌汁の具や天ぷら、佃煮、漬物などにして風味を楽しむ。

 栄養的には、葉柄の部分では100g中食物繊維が1.3g、カルシウム40mg、カリウム390mg、ビタミンCは14mgと多い。しかし栄養価ももちろんだが、香りと風味と歯ざわりが与える心理的喜びも手伝って消化器を活発にし、体の活性化をもたらしてくれる。食効としては喘息体質改善、鎮咳・去痰、便通を促し食中毒を防ぐなどが挙げられる。

金曜日, 10月 05, 2007

小松菜

○小松菜

 アブラナ科の一、二年草でツケナ類の仲間。わが国では江戸時代から栽培されており、東京の小松川村が原産なので小松菜と呼ぶ。冬菜、雪菜、ウグイス菜などの別名からわかるように本来は冬の野菜であるが、今は1年中出回っている。ツケナ類にはこのほか、新潟県で栽培される女池名(めいけな)、大阪を主産地とする大阪シロナ、信州の野沢菜などがある。また、雪白体菜という品種の若採りしたものはツマミナと呼ばれる。

 小松菜は見た目はホウレン草に似ているが、カルシウムの含有量は小松菜のほうが圧倒的に多く、100g中170mgと約3.5倍である。ほかの青菜と比較しても、カラシナ140mg、春菊120mg、チンゲンサイ100mgなので含有量は多いほうだ。カロチンは100g中3100ug(520ugRE)、ビタミンCは39mg含まれている。ほかにはビタミンB群や亜鉛、リン、カリウムなどのミネラルも多いので、できるだけ多く摂りたい食材である。ビタミンAは肌荒れを予防し、鉄は貧血に効果的。また、カルシウムやビタミンCは骨や歯の強化をはかり、ストレス・不眠・風邪の予防につながる。

木曜日, 10月 04, 2007

タアサイ

○タアサイ

 中国・華中地方を原産とするアブラナ科の一年草。中国名は塌菜。”押しつぶされた”、”ひしゃげた”という意味で、葉数が多く放射線状につぶれたように生長することから名付けられたといわれる。葉は丸みを帯びた濃い緑色で、葉孟に大きな皺がある。わが国へは中国野菜のひとつとしてチンゲンサイとともに導入された。チンゲンサイ同様、若採りして周年供給される。

 チンゲンサイに比べると余り一般化していないが、栄養成分的にはチンゲンサイを凌ぐものがある。全体的にバランスよく多様な栄養素を含み、特に濃い緑が象徴するカロチンは100g中2200ug(370ugRE)とチンゲンサイを上回り、ビタミンCも31mgと多い。亜鉛、カリウム、リンなどのミネラルも多く、カルシウムは120mgでカラシナと同程度である。効用としては皮膚粘膜を強くし、塩分過多による血圧上昇を抑え、不眠・ストレス・自律神経失調症・風邪などの予防に役立つ。

 タアサイは油と相性がよいのでさっと炒めてもよいし、クリーム煮などにも適している。ただし美しい緑を損なわぬ様煮過ぎないことが肝要。チンゲンサイ同様クセがないので、子どもから高齢者まで幅広く食べられる。もっとふんだんに取り入れるべき野菜であろう。

水曜日, 10月 03, 2007

ピーマン

○ピーマン

 熱帯アメリカを原産とするナス科トウガラシ属の野菜。唐辛子を品種改良して辛味をなくして大型にしたものである。色は緑、赤、黄、橙、黒、紫、茶があり、総称してカラーピーマンとも呼ばれる。よく食べられるのは中型で緑色の青ピーマンだが、青臭さの少ない黄色種、甘味のある赤色種、中間的な橙色種も市場に定着した。しかし青ピーマン(緑種)に比してまだ1割程度の量で、値段も割高のようである。

 栄養的にはトマトに匹敵するカロチン含有量も貴重であるが、レモン果汁の2~3倍近くにも達するビタミンC(緑種76mg、赤種170mg、黄種150mg)が魅力である。しかも抗酸化物質のビタミンPが含まれているため、加熱してもCがほとんど減らないというのも強みである。油炒めなどにすればCを損なうことなく、また油によってビタミンAも吸収しやすくなるというメリットもある。

 ピーマンは発汗によって失われるビタミンCの補給に効果的なため、夏バテの解消によく、紫外線による色素沈着でシミなどができるのを防ぎ、さらに肌の若返りを促す。加えて高血圧や動脈硬化を防ぐ効果もある。青い野菜に豊富に含まれる葉緑素は血液の高コレステロール化を防ぐ。また常食していると視力がよくなるともいわれている。

 ピーマンには唐辛子と同じ辛味成分のカプサイシン様物質も含まれている。カプサイシンは体脂肪の分解を促してエネルギー消費を促進する作用があることから、痩身効果があるとされているが、抗酸化物質として有用でガンの予防にも効果があるとされている。

火曜日, 10月 02, 2007

百合根

○百合根

 ユリ科には美しい花を観賞するものが多いが、いずれも地下部分は球根上の鱗茎になっており、オニユリ、ヤマユリ、スカシユリの鱗茎になっており、百合根の名で食材として利用されている。この3種以外の鱗茎は苦いばかりでなく、食べると下痢をするものもあるので注しなくてはならない。わが国では江戸時代中期から野菜として栽培されており、京都料理には欠かせない食材である。百合根は一片ずつ剥がしたものを下茹でして煮物や和え物にすると、ホクホクした舌ざわりと僅かに苦味のある特有の風味を楽しむことができる。

 主成分は糖質(100g中28.3g)で、ほかにタンパク質やビタミンB類、リン、カリウムなどを含むが、漢方ではこれは百合(ひゃくごう)といい、鎮咳・利尿・滋養・強壮・鎮静剤として使われてきた。健康野菜としても同様の効果があり、精神的な不安を抑え、イライラを鎮め、更年期の不定愁訴を和らげるには百合根にハチミツを加えて柔らかくなるまで蒸したものを食べるとよい。百合根を潰して出た汁に湯を注いで飲むと、咳や喘息の発作が抑えられるといわれている。また食物繊維の一つであるグルコマンナンが豊富なので、コレステロール値や血糖値を抑える作用もある。

月曜日, 10月 01, 2007

らっきょう

○らっきょう

 中国原産のユリ科の多年草で、鱗茎を食用とする。日本へは中世に薬用植物として渡来した。食用に供されるようになったのは江戸時代からである。栄養価はさして期待するものがないが、ニンニクやタマネギなどと同じユリ科野菜の中では食物繊維の含有量が多く、ニンニクの5.7gに対し、ラッキョウは21gである(生100g中)。

 ラッキョウの食物繊維は水溶性のフルクタン(フルクトースが結合した単一多糖)で、便通改善・コレステロール低下・利尿作用がある。また特有の匂いは硫黄化合物のメチルジスルフィドで、この物質はビタミンB1の吸収をよくして糖質代謝を活発化する働きがある。ラッキョウは甘酢漬けが一般的だが、塩漬けや醤油漬け、砂糖漬けも人気がある。

日曜日, 9月 30, 2007

里いも

○里いも

 里イモはマレー半島を原産とするサトイモ科の多年草植物で、日本にはイネ(稲)よりも早く紀元前1世紀頃には渡来したと考えられている。万葉集にも歌われており、山野に自生していた山イモに対して、里で栽培されたイモであるところから、里イモと命名された。別名をタロイモという。

 主成分はデンプンであるが、サツマイモに比べてその含有量は半分以下なので、エネルギーも58kcalと半分である。しかも糖分をエネルギーに変える働きをするビタミンB1は0.07mg、食物繊維は2.3g(いずれも100g中)と揃っているので、太ることを気にしないで食べられるばかりか、血中コレステロールを抑制する働きもある。

 特徴的なのは皮をむいたときのヌメリだが、これは多糖類のガラクタンに食物繊維のマンナンが加わったもので、これにヌメリの元であるムチンという糖タンパク質が含まれている。ムチンは体内に入ると肝臓の解毒作用を助けるグルクロン酸に変わり、強肝作用を持つ。またガラクタンは脳への刺激を伝えるのに必要とされる成分である。

 里イモの薬効は古くから伝えられており、食べれば便秘や腹の中の解熱によく、擂りおろしてショウガの絞り汁と小麦粉を食えたものを患部に湿布すると歯痛・肩こり・腫物によいといわれている。ショウガの代わりに酢を加えれば打ち身、捻挫に効く。さらに神経痛には皮、下痢にはズイキ(里イモの葉柄)を煎じて飲むとよいとされる。

土曜日, 9月 29, 2007

じゃがいも

○じゃがいも

 南米アンデス地方を原産とするナス科の多年草。スペイン人が16世紀半ばに原種を南米からヨーロッパへ持ち帰ったのが世界的に広まる最初で、フランスで大地のリンゴの名で親しまれ、ドイツでは、パンはなくともジャガイモは欠かせない食材とされている。日本へは慶長年間にオランダ人によってジャワのジャガタラ(ジャカルタ)からもたらされ、最初ジャガタライモと呼ばれていたが、その後ジャガイモになった。別名馬鈴薯ともいう。

 主成分は炭水化物(100g中17.6g)であるが、エネルギーは76kcalで、サツマイモの132kcalに比べると約半分である。しかもこのデンプンは、ジャガイモに比較的多いビタミンC(生100g中35mg)をくるむようにして保護するので、熱を加えても破壊されにくいという特徴がある。これによって水煮をした後でもビタミンCは半量以上(21mg)が残り、中2個(約100g)を食べれば1日の所要量の半分以上は賄うことができる。

 もうひとつ注目すべき成分はカリウム(生100g中410mg)である。カリウムは体内でナトリウムと拮抗してバランスをとるため、カリウムを多く摂ると塩分に含まれていたナトリウムが排泄される結果、高血圧を予防することができる。さらに健胃、腎臓病のむくみなども有効とされるほか、臓器の筋肉組織を活性化する働きも知られている。ジャガイモにはまたアレルギー体質を改善する作用も認められており、アレルギー喘息や皮膚炎などではカリ療法といってジャガイモが利用されている。

金曜日, 9月 28, 2007

さつまいも

○さつまいも

 中央アメリカを原産地とするヒルガオ科のの多年草木で、わが国へは江戸時代の初めにポルトガル人によってもたらされた。当初は薩摩(鹿児島県)の特産だったことから薩摩芋と呼ばれる。戦中戦後の一時期を除き人気は低く低迷を続けていたが、食物繊維の効用が見直されるようになって以来、生活習慣予防に備える食品として注目されるようになっている。品種は多く、ベニハヤト、ベニサツマ、ベニアズマ、高系14号、農林1号などが知られている。また、最近よく話題になる紫芋もサツマイモの一種だ。

 サツマイモはイモ類の中でも群を抜いて炭水化物の含有量が多い(100g中31.5g)ため、肥満の原因になるからと敬遠する人もいるが、ビタミンCが29mgとミカンに匹敵し、栄養価値は高い食材である。サツマイモのビタミンCはピーマン同様壊れにくいのが特徴で過熱しても9割は残る。ビタミンCは風邪の予防に効果がある。また、ビタミンEを玄米の1.2倍含む点も見逃せない。これは過酸化脂質の生成を抑え、さらに血行を促す効用がある。このほか、サツマイモを切ったときに出る白い液に含まれるヤラピンという微量成分の持つ緩下作用は便秘解消に役立っている。

木曜日, 9月 27, 2007

貝割れ大根

○貝割れ大根

 大根の根が大きく成長する前に摘んだ一種の摘まみ菜である。古くから料理の添え物として使われてきたが、最近ではサラダの材料として利用されるようになり広く普及している。食物繊維を含むヘルシー食品としてアメリカでも需要が増えつつある。

 味はサッパリとして少し辛味がある。調理法も工夫されて、和・洋・中華ほか各種の料理に利用されるようになってきている。栄養面では、ビタミンEの含有量は小松菜や春菊を凌ぎ抹消血行障害の改善に役立つ。加えてカルシウム代謝に有効なビタミンKも含んでいる。ミネラル類はカルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅などの成分を含む。

※切干し大根

 大根を細切りにして天日に干した保存食である。干すことで独特の味と香りを生み出し、栄養価も倍増する。煮物や酢の物にして食べるのが一般的だが、水で戻したものをキュウリやキャベツなどと一緒にドレッシングで味付けすると、サラダ感覚でシャリシャリと歯ざわりもよく、匂いに馴染めない人でも抵抗なく摂れる。

 栄養的にはカルシウムやカリウムなどのミネラル類、ビタミンB1・B2、ナイアシン、さらにリグニン(食物繊維)も多い。3200mg(100g中)も含むカリウムは体内の細胞機能を高め、刺激の神経伝達をスムーズにして、高血圧に結びつく塩分の害を防ぐ効用がある。リグニンは便通を整え、肌のトラブルを防ぐ。切干し大根は量的にも摂りやすい食材なので、日常のメニューに是非加えたい一品である。

水曜日, 9月 26, 2007

大根

○大根

 アブラナ科の一、二年草である大根は古くから日本人に親しまれてきた野菜の一つである。大根役者というのは当たったことがない役者であるが、そんな言葉に使われたほど、大根は昔から食当たりを防ぐ健康野菜とし頼りにされてきた。

 食材となる根の部分にはビタミンCや鉄、食物繊維が含まれている。また消化酵素のジアスターゼやアミラーゼも多く含まれ、デンプンの消化を助けて食後の胸やけを防ぐ。大根の食効としては①のぼせやすい人の下半身の血行をよくして、のぼせを解消する。②消炎作用があるので口内炎などの痛みや虫歯の痛み、歯茎の出血には、おろし汁でうがいするとよい。③ハチミツを適宣加えて飲めば咳・声嗄れ・喉の痛み・二日酔いに効く、など古くから種々の効用が伝えられている。なお、大根おろしは時間が経つとビタミンCが減少してしまうので、おろしたてを食べるか、おろしてすぐに酢を加えるとビタミンCが壊れにくくなる。

 大根でもう一つ忘れてならないことは葉の活用である。緑黄色野菜の見直しの中で、それまで無視されることの多かった大根の葉に注目が集まったのはそれほど遠い昔ではない。事実、葉には根に比べてタンパク質が4.5倍、食物繊維が約3倍、カルシウムが10倍、鉄が15倍、ビタミンB1が4倍、B2が16倍、Cが約5倍も含まれている。カロチンにいたっては根では0だが葉には3900ugも含まれ、この数字は野菜類のトップクラスである。

火曜日, 9月 25, 2007

白菜

○白菜

 中国を原産とするアブラナ科の一年草。漬物や鍋物に欠かせない野菜としておなじみだが、わが国に紹介されたのは明治初期のことで、本格的な栽培が始まったのは昭和に入ってからと歴史は意外に浅い。中国では北方白菜、南方白菜、山東白菜の3種あるが、わが国では気候・風土の関係から山東白菜が定着した。葉の結球性から結球白菜、半結球白菜、不結球白菜に分かれるが、わが国で日常的に食べられているのは結球白菜である。

 栄養価はキャベツとほぼ同じで、ビタミンCはキャベツほどではないが大根以上に豊富だ。年間を通じて市場に出るが、鍋物などにして冬に食べられることが多いので、冬場のビタミン・ミネラル供給源として定番の野菜となっている。

月曜日, 9月 24, 2007

チンゲンサイ

○チンゲンサイ

 中国・華中地方を原産とするアブラナ科の一年草。中国名は青梗菜。中国では結球する白菜(パクチョイ)を大白菜、結球しないものを小白菜と呼ぶが、チンゲンサイは小白菜の仲間。同じ仲間で白い葉柄の白軸パクチョイに対して、チンゲンサイは葉柄が緑色のため青軸パクチョイとも呼ばれる。

 白菜のサクサクした歯ごたえ、きれいな色合いとクセのない味わいが広く好まれ、戦後渡来した中国野菜の中では最も早く定着した。栄養的にはカロチンが100g中2000ug(レチノール当量340ug)、カルシウムが100mgと豊富。繊維が少なく、炒め物やクリーム煮などで相当量食べられ、しかも油によってビタミンAの吸収率が非常に高くなることを考え合わせると、その効用は見逃すことができない。

土曜日, 9月 22, 2007

もやし

○もやし

 モヤシは豆類の種子を水に漬けて暗いところで発芽させたもので、原料は大豆や緑豆が主流であったが、現在市場に出回っているのは安価で栽培しやすいブラックマッペがほとんどである。またサラダで親しんでいるアルファルファもやしも人気がある。

 大豆モヤシは植物性タンパク質が多く、リジンやトリプトファンなど人の体内では作られない必須アミノ酸を多く含んでいる。またビタミンB1・B2やカルシウム、鉄などのミネラルも豊富で、豆と芽の部分には食物繊維が含まれていて腸の働きを助ける。

 モヤシは発芽させることで、豆の状態では含まれていないビタミンCが作られ、アミラーゼなどの消化酵素も生まれるので胃腸の弱い人にも向いている。どのモヤシも茹ですぎるとビタミンCやアミノ酸が失われるので、短時間で手早し茹で、塩をひとつまみ入れてアミノ酸流出を防ぐことが肝要であり、油炒めが適している。貧血・便秘の解消、生活習慣病や風邪の予防、疲労回復に効用がある。

※アルファルファもやし

 マメ科の多年草アルファルファの種子を発芽させて作るモヤシで、サラダとして生食される。食物繊維やビタミンK・B6、カルシウム、リンが豊富で、モヤシの中で唯一カロチンを含んでいる。ドレッシングなど油と一緒に食べるとカロチンの吸収がよくなる。また生食できるのでビタミンCが損なわれずに摂れる。モヤシは一度にたくさんの量を食べられるので、食物繊維による腸の浄化、便秘の改善にも有効である。アルファルファは家庭でも手軽に栽培できる。

金曜日, 9月 21, 2007

アスパラガス

○アスパラガス

 アスパラガスは南ヨーロッパ原産のユリ科の多年草で雌雄異株。セイヨウウド、オランダキジカクシ、マツバウドともいう。春に根株から出る太い若茎を食用にするが、盛り土をして栽培するホワイトアスパラガスと、陽に当てて育成するグリーンアスパラガスがある。

 生体内の代謝に重要な働きを持つアミノ酸にアスパラギン酸があるが、これはアスパラガスからその誘導体が発見されたことで命名されたものである。このように、アスパラガスには他の野菜にはないタンパク質の合成を助ける働きがあり、滋養強壮・体力回復に役立つ。アスパラギン酸は芽の部分に集中的に含まれている。このほかビタミンEやルチンも豊富で、得意な健康野菜といえよう。こちにルチン(ビタミンP)は毛細血管を強くし、動脈硬化症や高血圧症の予防につながる。

※グリーンアスパラガス

 盛り土せずに陽に当てて育成したアスパラガスで、茎を食用にする。主産地は北海道や長野県であるが、最近はメキシコ、アメリカ産のものも四季を問わず市場に出回っている。栄養成分としてはカロチン380ug(63ugRE)、ビタミンB2、0.15mg、ビタミンE1.5mg(いずれも100gあたり)、ルチンなどを含み、血管を強化して高血圧を予防する効果がある。穂先の部分に多く含まれる亜鉛は性的スタミナを増強する。また微量成分のクロロフィルは成長、利尿、血管の老化防止、肝臓や心臓の機能回復に有効である。ホワイトアスパラガスよりも、日光に当てたグリーンのほうがビタミン類やミネラルは豊富で、特に造血作用のある葉酸が多いことが特徴として挙げられる。

 選ぶときは緑の濃い太目のものがよい。細いと筋ばっていて強いものが多いので注意。茹でるにはたっぷりのお湯で根元のほうから先に入れ、茹ですぎないことが肝要である。グリーンアスパラは魚介類にも肉料理にも合わせやすく色どりもきれいなので、大いに利用したい食材のひとつである。

木曜日, 9月 20, 2007

キノア(キヌア)

○キノア(キヌア)

 昨日は南米ペルーボリビアの高知に生育するアカザ科の一年草で、直径2~3mmの種子が食用となる擬似穀物の一種である。キンワとも呼ばれる。古代インカ帝国時代には主食に供されていたが、16世紀のスペインによる植民地以降は小麦に追われて影を潜めた。

 しかし近年、健康志向が盛んな欧米で見直され、血中コレステロール値抑制効果もさることながら、その優れた栄養価で一躍評価を高めることとなった。わが国の白米と比較してカルシウムは7倍(35.8mg)、カリウムは6倍(539mg)、鉄は5.6倍(4.5mg)、マグネシウムは7倍(164mg、いずれも100g中)である。またタンパク質は全必須アミノ酸を含み、ビタミンB2は小麦の4倍含まれている。

 1997年から日本でも発売が開始され、欧米と同じくシリアルやパスタ、パンなどの加工品への利用のほか、離乳食や病院介護食、アレルギー症の回転食に活用されている。

キノア(キヌア)の商品一覧

水曜日, 9月 19, 2007

ポロねぎ

○ポロねぎ

 地中海沿岸を原産とする西洋ネギの一種で、リーキ(英名)、ポアロー(仏名)とも呼ばれる。食用の歴史は古く、紀元前からギリシャやローマで知られており、ローマの暴君ネロが声をよくするために油漬けにしたポロネギを食べていたと伝えられている。

 日本の下仁田ネギに似ているが、緑の葉は中空ではなく扁平で硬い。白い部分の巻き具合も緻密でずっしり重い。長さは20~40cm程度だが、太さは直径3~5cmにもなり長ネギよりもかなり太くなる。加熱すると柔らかくなり、ねっとりとして甘みがある。わが国には明治初期に渡来したが、ほとんど普及しなかった。しかし1970年代の後半あたりから需要が伸びだし、輸入量は年々増加している。

 ポロネギはフランス料理に欠かせない野菜の一つで、ホワイトソースで和えたり、トマトソースとの煮込みや野菜スープ、サラダ、酢漬けなどにされる。栄養的には鉄分やビタミンB群を多く含み、食欲増進・疲労回復・口内炎の予防・貧血の改善などに効果があるといわれている。

火曜日, 9月 18, 2007

わけぎ(分葱)

○わけぎ

 ワケギはネギとタマネギの雑種で、シベリアが原産。日本へは中国から4~5世紀に到来したといわれる。春先から初夏にかけてネギの欠乏期に代用され、酢味噌和え、ぬた、澄まし汁、鍋物のあしらいなどに使われてきた。

 分類上はネギと別種であるが、ニンニクやネギ、ニラと同じくユリ科に属するので、特有の臭いを放つ臭気成分アリシンが含まれており、これが体内に長くとどまってビタミンB1が吸収されやすいように働く。従ってB1が有効に体内に取り入れられ、糖質の代謝が円滑に進み全身に活力が生まれる。また、肝臓による体内毒素の代謝を促進し血液が浄化される。ビタミンB1は熱やアルカリに弱く、水にも溶けやすいために不足しがちな栄養素であるから、アリシンの働きは非常に重要である。

 ワケギはネギ(葉ネギ)に比べて、カロチンは2700ug(450ugRE)で1.5倍、ビタミンCは37mgで1.2倍である。ビタミンB6(0.18mg)やカルシウム(59mg)の含有量も葉ネギを上回っている(いずれも100gにつき)

月曜日, 9月 17, 2007

あさつき(浅葱)

※あさつき

 日本や中国の山野に自生するユリ科の多年草で、古く10世紀コロから野菜として栽培されてきた。ネギの類で筒状の葉はワケギに似ているが、さらに細く長さ30cmほどになり、辛味は強い。ネギ類特有の臭気を放つ硫化物により殺菌力がある。特筆すべきは、白ネギと異なりカロチンを芽キャベツ並みに含むことで、粘膜を強化し体の抵抗力を増す効用にもあなどり難いものがある。

 ビタミンB1は少ないが(100g中0.15mg)、ニンニクと同様にアリシンという物質が含まれており、これはB1が吸収しやすいアリチアミンという物質(B1誘導体)に変える働きがある。そのため、B1の多い他の食品(例えば納豆、カツオのたたき、赤身の刺身など)と組み合わせて摂ると一層効果的で味も引き立つ。比較的豊富なビタミンB2(100g中0.16mg)とB1との相乗効果で倦怠感・動悸・多発性神経炎・指先のささくれ・口内炎・口角炎・舌炎などの予防にも有効。単に料理の色どりと考えず、積極的に摂取したい野菜の一つである。

日曜日, 9月 16, 2007

ねぎ(葱)

○ねぎ

 ユリ科の多年草で中国西部からシベリアが原産。わが国で一般に長ネギとして食べられているのは「加賀「千住」「九条」の3品種である。加賀と千住は根深ネギと呼ばれ、白い葉鞘部を食べることから白ネギともいわれる。主に東日本で食べられる。九条は葉ネギと呼ばれ、緑の葉を食べる。西日本で主に使われている。

 白ネギと葉ネギを栄養成分で比較すると、カロチンは白ネギ14ug(2ugRE)、葉ネギ1900ug(310ugRE)と雲泥の差である。他のビタミン、ミネラルの含有量も葉ネギが大きく上回っている。ビタミンB1は0.05mg(白ネギ0.04mg)、B2は0.09mg(同0.04mg)、Cは31mg(同11mg)、カルシウムは54mg(同31mg)、鉄は0.7mg(同0.2g、いずれも100g中)というように、白よりも緑が断然勝っている。

 ネギはニンニクやニラと同じ仲間であることから、特有の臭気成分アリシンを持っている。アリシンはビタミンB1を分解する酵素チアミナーゼの作用を阻害し、胃腸内に入ったB1を無駄なく利用できるようにする。その結果、糖質の分解吸収能力が高まるので体力回復に役立つ。ただし、アリシンは揮発性で熱に弱いため、あまり煮込んでしまうと効力が激減するので注意しなくてはならない。

 ネギの微量成分による食効としては体を温める、スタミナの増強、老化防止のほか、胃腸病・食欲不振・冷え性・風邪・神経痛・浮腫(排尿を整えてむくみを取る)・不眠症などに有効とされている。長ネギのほかによく食卓に上がるものとしてアサツキ、ワケギなどがある。またフランス料理に欠かせないポロネギも最近人気がある。

金曜日, 9月 14, 2007

ホウレン草

○ホウレン草

 西アジアを原産とするアカザ科の一年草。緑黄色野菜の代表といわれ、貧血対策や子どもの成長促進、ガンの予防など、期待される食効は数多くあり、日常的に摂る野菜類の中ではトップスター的に扱われている。緑黄色野菜とはビタミンAを大量に含む濃い色の野菜を指しているが、その場合のビタミンA含有量の基準は「食べる部分100g中にカロチンを600ug以上含む」とされている。ホウレン草(生100g)のカロテン量は4200uf(700ugRE)である。

 このほかビタミンB1・B2・D・E・K(病的な出血を抑える)、葉酸(貧血・下痢・舌炎を治す)などを含み、ミネラルとしてはカルシウム、鉄、ヨウ素、銅、マンガンなどをバランスよく含んでいる。タンパク質も比較的豊富で、アミノ酸はトリプトファン、バリン、フェニルアラニンなどが多く、その組成は動物性タンパク質によく似ている。

 こうした栄養素の総合的効果によって不眠症・自律神失調症・更年期障害・皮膚の過敏症・便秘・胃弱などを治し、体力強化に役立つ。ただ、豊富な鉄分によって貧血改善の切り札のように考えられてきたホウレン草であるが、含まれている蓚酸によって鉄やカルシウムの吸収が妨げられ、かえって貧血やカルシウム不足による骨粗鬆症などを助長するという研究も発表されている(1994年、広島女子短大家政学部)。最近はサラダとして蓚酸の少ない改良種も出回っており、従来のものに比してアクが少ない分食べやすいが、色も味も淡白である。

木曜日, 9月 13, 2007

キャベツ(2)

○キャベツ

 春に出回る新キャベツは春玉キャベツで、緑色が浅く葉肉が薄い。水分が多く葉が柔らかいので、千切りにして生で食べるのに適している。一方、秋から春先にかけて出回る寒玉キャベツは肉厚で甘みも強いので煮込み料理に適している。このほか、最近は丸玉キャベツという品種に人気がある。一般にはグリーンボールとして知られているが、やや小型で丸く緑色が濃い。キャベツの仲間としてはほかに、紫キャベツ、芽キャベツも良く料理に使われる。また、キャベツの原型とされるケールは青汁の原料になる。

※グリーンボール

 キャベツの球形には扁平、腰高、丸、円錐、楕円などがあり、日本の品種は大部分が腰高であったが、近年、球形の丸いものが品質がよいとして評価をされ始め、グリーンボールとして市場に登場するようになった。そのため、キャベツの一品種である丸玉の総称のように思われているが、正確には種苗メーカーのサカタの銘柄名である。ちなみにマルシュ(タキイ)、スピードボール(渡辺)、グリーンキッド(石井)、こまる(野崎)など(カッコ名は社名)各種苗会社から十数種発売されており、グリーンボールが総括名として常用されている。

 グリーンボールはあまり大きくならないが、しっかりと固く巻いており、高冷涼地で春捲き秋採り、一般平地で夏捲き秋冬採りされる。栄養成分的には普通品種と同じ栄養素を含むが、ビタミンA(カロチン)が100g中110ugと、普通種に比べて約2倍含んでいる。

※紫キャベツ

 レッドキャベツとも呼ばれる。幼苗期から下部全体が紫色で、結球しても中心部まで紫色をしている。従来種は葉肉部が白く肉質が硬いので、最近は同色で軟らかいトレビス種に押されぎみであるが栄養成分的には優位を占める。色素が溶出しやすいので過熱する時は注意を要する。通常のキャベツに含まれる栄養素の全てを含むが、特にビタミンCが多く、100g中68mgに達する。カリウムやリン、亜鉛は通常キャベツの1.5倍、銅は約2倍も含んでいる。食物繊維に至ってはカリフラワー並みで、単なる色どりだけでなく、サラダとして大いに摂りたい食材である。

※芽キャベツ

 芽キャベツはキャベツの栽培変種で、キャベツが株ごと球状になるのに対し、伸びた茎に数個のキャベツの玉が発芽してピンポン球に結球したものである。ビタミンCが1600mg(100g中)とブロッコリー以上の多さで、ホウレン草の4.7倍もある。茹でても損失が少ないのでビタミンAとの相乗効果が期待できる。

キャベツの商品一覧

水曜日, 9月 12, 2007

キャベツ(1)

○キャベツ

 アブラナ科の一年草で、地中海や大西洋に面したヨーロッパが原産。日本へは江戸時代末期にもたらされ、明治になって本格的に栽培されるようになった。当初は甘藍、玉菜とも呼ばれていた。

 キャベツには、他の野菜にはない特異的な成分としてビタミンUが含まれている。この物質はキャベツの青汁が胃潰瘍患者の治療に効を奏したことから1940年に発見された。また肝臓の代謝機能と解毒作用を助けるので病気に対する自然治癒力が高まる。この薬理効果を求める場合には、熱を加えずに青汁を作って飲むのがよい。

 キャベツにはクセがなく、調理のバラエティーにも富んでいるので食物繊維の摂取にも好適だ。また有機酸や酵素類も多く含まれており、老廃物の分解が促されて一層血液の浄化に役立つ。ビタミンCの含有量が100g41mg(生の場合)と、淡色野菜ではトップクラスである。ただビタミンUと同じく水に溶けやすく熱にも弱いので、千切りや炒め物にするときは手際よくしたいものである。

 キャベツの中間はいずれもビタミン、ミネラルを豊富に含むばかりでなく、タンパク質・糖質(デンプン、食物繊維)も恵まれており、スタミナ増強・貧血の改善・風邪の予防・便秘の解消・美肌効果などのメリットを持つ健康野菜のスターである。近年の疫学調査では、キャベツを多食している地域の総死亡率(死亡原因を特定しない死亡率)は、それ以外の地域と比較して最も低いと報告されており、この効果はオリーブやヨーグルトの場合と似ていることが明らかにされた。また、野菜を摂る量とガンの関係を調べることは世界各地で行なわれているが、いずれも野菜が多いほど結腸・直腸ガンになる確立が低いとの結論を得ている。なかでも抗ガン効果や抗腫瘍性が顕著なことで注目を集めるのはアブラナ科の野菜(大根、小松菜、クレソン、キャベツなど)で、キャベツの仲間はその代表格とされている。

キャベツの商品一覧

火曜日, 9月 11, 2007

えん麦

○えん麦

 イネ科の単子葉類の種実で、カラス麦ともいう。欧米ではオーツといい、オートミールとして日常的に食されている。

 タンパク質のアミノ酸組成が玄米と似ており、リジンやメチオニン、スレオニンが少ないので、これに大豆を補うと完全なタンパク食となる。ビタミン様作用物質のコリンが含まれており動脈硬化を予防する効果がある。エン麦をそのまま家庭で利用することはほとんどないが、市販のオートミールを使うと日常的に摂ることができる。

※オートミール

 精白したエン麦を軽く焙煎し、挽き割り機で粉砕したもの。イギリスでは朝食用のシリアルとして伝統的な栄養食品の一つになっている。日本には明治以降に紹介されたものの余り普及しなかった。しかし近年その栄養価がクローズアップされ、改めて健康食材として注目されている。

 オートミールは短い時間で調理できるので、ビタミン類を損なうことなく摂取できるのも大きなメリットだ。食べ方は、オートミールを牛乳で煮て砂糖やハチミツを加えるのが一般的だが、オートミール自体には味がないので、和風味にしてオーツ粥にしたり、スープの素などを使ってリゾット風に仕上げてもよい。このほか小麦粉と混ぜてパンやクッキーにしたり、ハンバーグに混ぜるなど、工夫次第で色々な食べ方が可能だ。

月曜日, 9月 10, 2007

小麦

○小麦

 日本人の第2の主食として、米と並んで多く食べられているのが小麦である。小麦はイネ科の単子葉類で、春蒔きの一年草と秋蒔きの越年草がある。粒を粉砕して小麦粉を作り、パン、うどん、中華麺、そうめん、ひやむぎ、スパゲティ、マカロニなどの原料となる。このほか麩(ふ)や餃子、シュウマイの皮なども小麦である。

 小麦の成分はデンプン75%、タンパク質9%、水分14%など。小麦粒は80%が胚乳で、16%が皮部、2%が胚芽である。小麦粉は胚乳部分を選択的に使うが、小麦胚芽や小麦ふすま、小麦タンパク質なども機能性食品素材としてさまざまに利用されている。

 小麦の水溶性タンパク質である小麦アルブミンは、人の唾液や膵液に含まれるデンプン消化酵素のアミラーゼの働きを緩やかにする。そのため、食品に含まれる糖質の大部分を占めるデンプンの消化吸収を遅らせ、急激な食後血糖値の上昇を緩和する作用がある。この機能性に着目して、小麦アルブミンを含んだ粉末野菜スープなどがトクホとして製品化されている。

※麩

 麩はタンパク質の小麦グルテンから作られる食品で、中国から禅僧が伝えたといわれている。肉食を断つ禅僧に貴重なタンパク源として寺院で食されてきたが、後に懐石料理や法要の料理などに利用されるようになった。麩にはグルテンだけで作る生麩とグルテンに小麦粉やもち米粉などの合わせ粉を加えて焼いた焼麩の2種類がある。焼麩は保存性が高く保存食として重宝されている。

 麩の栄養成分はタンパク質と糖質がほとんどで、脂質はごく僅かしか含まれておらず、高タンパク・低脂肪食品である。小麦グルテンにはグルタミンが豊富に含まれている。グルタミンは体内に広く存在するアミノ酸で、免疫機能の低下を防ぐ作用がある。小麦から分解して作るグルテンは、スポーツ用食品や高齢者食品などの機能性素材としても用いられている。

日曜日, 9月 09, 2007

健康志向米

○健康志向米

 これまでは美味しさだけが追求されてきた米だが、最近は機能性成分を含んだ新品種が次々と登場しており、米にも健康志向が強まってきている。注目度が高いのは色素米や巨大胚芽米、低グリテリン米などで、いずれも製品化され市場に出ている。

 色素米は米糠部分に色素を含んだ米で、アントシアニン系色素の紫黒米(紫や黒色)、タンニン系色素の赤米(赤色)があるが、どちらの色素も動脈硬化やガンの予防に効果がある抗酸化物質のポリフェノールである。なかでも注目されているのが朝紫という品種で1996年に品種登録されたものだが、従来の紫黒米に比べて収量が多いという特徴がある。

 巨大胚芽米は普通品種に比べ胚芽が3倍以上も含まれる米で、発芽玄米の状態で増える天然物質のGABA(γ-アミノ酪酸)もその分多くなる。GABAは神経の沈静化、血圧の正常化、中性脂肪の抑制に関与するアミノ酸の一種である。2002年から本格生産が始まった巨大胚芽米「はいみのり」は、一般の米よりも発芽したときのGABAの増え方が大きく3~4倍あるという。

 低グリテリン米は、タンパク質のグリテリンが普通品種の半分以下の米で、腎臓病患者の食事療法への活用が期待されている。なかでもグリテリン量が通常の1/3という品種「春陽」(2002年から生産)が注目されている。このほか、300人の1人という米アレルギーの原因となるタンパク質を少なくした低アレルゲン米もある。長岡氏の製菓メーカーが味を損ねない製法を開発して販売にこぎつけた。

金曜日, 9月 07, 2007

チーズ

○チーズ

 チーズは、牛や山羊の乳を乳酸菌で発酵させてホエー(乳清)を取り除いた固体部分を熟成させた食品である。そのままのものをナチュラルチーズ、ナチュラルチーズに香辛料や調味料を添加して加熱溶解し、練り固めたものをプロセスチーズという。

 ナチュラルチーズは世界に数百以上もの種類があるといわれており、次のようなタイプに分けられる。熟成させていないフレッシュタイプ(カッテージ、モッツレラァなど)、白カビで表面熟成させた白カビタイプ(サントモールなど)、表面を酒や塩水で洗いながら熟成させるシェーブタイプ(ポンレヴェックなど)、弾力がありさまざまな料理に使えるセミハードタイプ(ゴーダ、マリボーなど)、長期熟成のハードタイプ(チェダー、パルメザンなど)。

 チーズにはタンパク質や脂質、カルシウム、リン、ビタミンA・B2などが豊富に含まれている。特にカルシウムの含有率は高く、牛乳の6倍のカルシウムが含まれている。チーズは牛乳のように乳糖不耐症を起こさないので、牛乳でお腹がゴロゴロする人や飲めない人のカルシウム供給源にもよい。カルシウムの含有率は、フレッシュタイプのような柔らかいものよりもハードタイプのほうが格段に高い。ビタミンAやB2も同様である。

 また100gで365kcal(エダムチーズの場合)と高カロリー食品なので、量を多く食べられない幼児や高齢者のエネルギー源に適している。チーズは虫歯を起こしにくい食品の一つでもあるので、幼児のおやつなどにも積極的に利用したい。

木曜日, 9月 06, 2007

バター

○バター

 バターは牛乳から分離したクリームを攪拌して乳脂肪分を塊状に集めた食品である。乳等省令では乳脂肪分80%以上、水分17%以下と規定されている。原料のクリームを乳酸発酵させたかどうかで、発酵バターと非発酵バターに区別される。日本のバターのほとんどは非発酵タイプだが、ヨーロッパでは発酵バターのほうが一般的である。ミルク風味で味にクセのない非発酵バターに対して、発酵バターはわずかに酸味があり、香りがよい。バターはまた、食塩添加の有無によって加塩バター(塩分0.9~1.9%)と無塩バターに分かれる。

 バターは80%以上が脂肪分で、不飽和脂肪酸より飽和脂肪酸のほうが多いが、バターの脂肪は乳化しているため、食用油脂類の中で最も消化がよく、消化率は97~98%にもなる。脂溶性のビタミンA・E・Dなども含まれ、特にビタミンAは油脂類の中で断トツである。ビタミンAを多く含むオリーブオイルなどに比べてレチノール当量は約17倍にもなる。

 バターは高コレステロール食品として敬遠されがちだが、1階の摂取量を考えるとそれほど心配はない。バターのコレステロールは100g中210mgである。食パン1枚に塗るバターの量を約10gとすると、コレステロールは21mg。これは卵1個分のコレステロールの含有量210mgの10分の1である。最近はまた、コレステロール値が低すぎると脳卒中のリスクが高まるなど、健康上の有用性を示すデータも発表されている。バターは少量で高カロリーを補え消化もよいので、高齢者や幼児の離乳食素材にも適している。

火曜日, 9月 04, 2007

バナバ茶

○バナバ茶

 お茶タイプの健康食品は喫茶の習慣が染み付いたわが国ではなじみやすく、古くから緑茶や紅茶を凌ぐほどの人気を得た健康茶類も多いが、比較的新しく導入されて以来、血糖値を下げる働きをもつ有効成分が確認されたことも手伝って急速に知名度を高めたのがこのバナバ茶である。

 バナバ葉ミソハギ科の常緑高木で、フィリピン、インドネシア、タイ、インドなど熱帯、亜熱帯に広く分布している。和名はオオバナサルスベリ。バナバ茶はその直径20cm余りの楕円形で肉厚の葉を乾燥させたもので、フィリピンでは糖尿病、肥満などのほか、利尿用に古くから民間伝承薬として愛用されてきた。インドネシア、タイ、インドでも痩身、解熱用として、また潰瘍、便秘などへの効用が重宝がられている。フィリピンでは自国で育つ薬用植物の活用を保健政策として推進しているところから、薬学的研究や臨床試験への取り組みにも熱心で、バナバを医薬用植物に指定して近年積極的に農園栽培を実施して産出量を拡大、わが国へも販路を伸ばすこととなった。

 わが国では、バナバの成分研究は既に1970年代の初めから東北薬科大学生化学教室などで行なわれ、その後はバナバ茶の入手困難などのため研究は一時中断していたが、最近になって潜在患者数600万人(40歳代以上の10人に1人)とも700万人ともいわれる糖尿病への対応が急がれ始めた中で、改めて注目されることとなった。山崎和男(広島大学医学部総合薬科活性構造化学教室)がバナバ茶に含まれるインスリンに似た働きを持つコロソール酸を分析して、その薬理作用を公表したのは1993年のことである。それによって、体細胞にブドウ糖が取り込まれるのを調整するブドウ糖輸送体(グルコース・トランスポーター)というタンパク質の活性を増強する働きがコロソール酸にあることが解明されている。

 また、大沢啓助(東北薬科大学生化学教室)らは薬物で強制的に糖尿病を起こさせたラットにバナバ茶のエキスを与え、血糖値が半減する結果を得ている。さらに角田隆巳(伊藤園中央研究所)、竹内久直(静岡大学農学部)、黒柳正典(静岡県立大学薬学部)らは、遺伝性糖尿病ラットにバナバ乾燥葉の熱水抽出エキスを投与して血糖上昇抑制効果を認めたことを94年の日本農芸化学会で報告している。

 バナバ茶の成分を見ると、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラルが多いことも特徴で、亜鉛のコレステロール沈着抑制作用、マグネシウムの血糖消費促進効果、カルシウムの血圧効果作用などを考えると、バナバ茶は若さと健康を求める現代人に非常にマッチした健康食品であるといえるだろう。

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日曜日, 9月 02, 2007

ホースラディッシュ

○ホースラディッシュ

 アブラナ科の多年草で、原産はヨーロッパ南東部。16世紀頃にはイギリスで薬用として用いられてきたが、今日では香味野菜として普及している。日本ではセイヨウワサビ、特に北海道ではアイヌワサビと呼ばれている。わが国には明治初年にアメリカから導入され、北海道や長野の寒冷地で栽培されてきた。ワサビは清流で栽培されるが、ホースラディッシュは畑で栽培される。

 食用とするのは根の部分で、太さ3~5cm、長さ30~50cmにまで成長する。肉質は白く繊維が多い。すりおろすと特有の強い辛味と香気がある。辛味成分はワサビと同じシニグリンで、低温時に栽培されたもののほうが絡みは強い。根の皮をむき、刻んだりおろしたりして肉や魚料理の調味料とする。根には抗菌作用があるほか、消化や血行を促進させる働きもある。ヨーロッパでは歯茎の炎症を鎮め、体内の老廃液を排出、肺や泌尿器の感染症の薬として用いられてきた。

わさびの商品一覧

土曜日, 9月 01, 2007

わさび

○わさび

 ワサビの原産地は日本で、大根やカブと同じアブラナ科に属し、山間の渓流に自生する。アオイ(葵)に似た葉を持ち、肥大した円柱状の茎に上品な辛味がある。従って用途のほとんどはその辛味を求めるものであり、わが国特有の香辛料として古くから使われてきた。また、葉や葉柄にもその特有の辛味と風味があり、お浸しや三倍酢、佃煮として賞味されることも多い。ワサビの最良品とされる青茎種のほか、赤茎種、白茎種がある。

 刺激性の辛味成分はシニグリンというカラシ油配糖体で、そのままでは辛くないが、すり潰すと加水分解してアリルイソチオシネートが生じ、これが辛味の素となる。揮発性が高いので時間が経つと気が抜けてしまうが、このときにビタミンCを加えると不思議と急激に辛味が復活する。また、この辛味には殺菌力や消臭性があり、体を冷やす働きがある。ワサビが寿司や刺身などの生魚につきものなのは単に嗜好ばかりでなく、消臭性や殺菌力を利用した先人の知恵である。

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金曜日, 8月 31, 2007

鴨肉

○鴨肉

 鴨肉は鳥肉類の中でもっとも美味といわれている。食用として流通しているのはマガモ、アヒル、アイガモの3種類である。マガモは全長60cmほどで、雄は頭部が光沢のある暗緑色、首に白い輪があり、あおくびともいわれている。雌は全体が地味な褐色である。日本には9月から11月にかけて飛来してくる冬鳥で、猟鳥に指定されている。

 アヒルは野生のマガモを改良した家禽で、チェリーバレー種、バルバリー種、北京種などがある。アイガモ(合鴨は)野生のマガモとアヒルの交配種である。鴨料理では多くの場合、マガモが使われている。

 鴨肉は鶏肉に比べてビタミンB1・B2が多く含まれている。B1は鶏肉(若鶏胸肉)が0.07mgに対してアイガモは0.24mg、B2は鶏肉が0.09mgに対してアイガモ0.35mg(いずれも生肉100g中)である。また、鴨肉の脂肪は牛肉や豚肉に比べて不飽和脂肪酸の割合が高い。東洋医学では微熱をはじめ、むくみを解消するといういる。

木曜日, 8月 30, 2007

猪肉

○猪肉

 猪は豚の原種といわれ、体長1.5m前後、体重は約100kgある。北海道を除く日本全域に生息するニホンイノシシと、奄美や沖縄に生息するリュウキュウイノシシがいる。日本人の猪肉を食べる習慣は古く、縄文時代から食されてきた。その後、仏教の影響から肉食を禁じられた時代でも山鯨と称し、滋養食として食べ続けられていた。ぼたん肉という名でも親しまれている。

 猪猟は11月中旬から2月中旬までだが、肉の味は年末までに捕ったものが脂がのって美味しい。現在は人工飼育も行なわれている。肉質は豚肉に比べてやや硬く、独特の臭みがある。代表的な料理はぼたん鍋で、味噌仕立てにしてゴボウやセリなど香りのある野菜を加えて煮ると、肉の臭みが気にならなくなる。猪肉は他の食肉と違い、煮込むほど軟らかくなる。このほか焼肉やすき焼きでも食べられている。

 栄養成分は豚肉(ロース)とほとんど同じで、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB2・B12は猪肉に多く、ビタミンB1は豚肉のほうが多い。また、豚肉と比べて中性脂肪の材料になりやすい飽和脂肪酸は少なく、逆に不飽和脂肪酸が多い。

水曜日, 8月 29, 2007

鯨肉

○鯨肉

 鯨は80種類ほどが知られており、ヒゲクジラ類とハクジラ類に大別されるが、食用とされるのはヒゲクジラが多い。日本では既に12世紀頃から手銛による捕鯨が始まっており、貴重な動物性タンパク源として日本人の食生活を長らく支えてきた食材である。

 鯨肉は以下の部位に分かれる。下あごから腹部にかけて縞状部分を畝須(うねす)と呼び、鯨ベーコンや大和煮の材料となる。背中や腹部の肉は赤肉といい、ステーキや揚げ物、鍋物などに使われる。尾の身は尾の付け根部分にある霜降り状の肉で、最も美味しいといわれ、刺身としても食される。表皮に覆われた4~6cmの脂肪層部分は本皮、尾の部分は尾羽といい、脂肪やゼラチン質を豊富に含んでいる。

 鯨肉はタンパク質の含有量が多く、ミンククジラの赤身生100g中24.1gと、牛肉や豚肉、鶏肉より多い。一方、脂質は少なく同0.4gである。これは脂肪分が少ない牛ヒレ肉の15g、豚ヒレ肉の1.9gと比べても格段に低い。コレステロールも比較的少なく、他の食肉類の5~6割程度である。鯨は哺乳動物だが、サバやイワシなど魚類に多い多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいる。このほか鉄分の含有量も多く、羊肉や鹿肉に匹敵する。

 細菌、鯨肉のPCB・水銀汚染が問題になっている。厚生労働省の調査によると、鯨の種類や部位により汚染濃度が大きく異なるという結果が出ている(2003年1月発表)。それによると、市場に流通している鯨肉由来食品の50%以上を占める南極海ミンククジラのPCB・水銀濃度は低かったが、ハクジラ類(ツチクジラ、イシイルカ等)の脂皮、肝臓などには濃度の高いものがあったという。

火曜日, 8月 28, 2007

鶏肉

○鶏肉

 現在、市場に出回っている鶏肉のほとんどがブロイラーである。ブロイラーとは食用を目的に飼育された鶏のうち、孵化後3ヶ月未満の若鶏を指す。国内で白色プリマスロックという雌とコーニッシュの雄の一代雑種が多い。これに対して、日本の在来種から作られた鶏を地鶏といって区別している。地鶏は特定JAS規格制度で、①在来種由来の血が50%以上、②孵化から80日以上飼育、③28日齢以降は平飼い、④一平方メートル当たり10羽以下で飼育したもの、と定義されている。ブロイラーに比べて肉質は硬めだが、味にコクがあって地鶏の人気は高まっている。代表的なものに比内鶏、名古屋コーチン、シャモ(軍鶏)がある。

 鶏肉はモモ肉、胸肉、手羽、ササミの部位に分かれる。モモ肉には赤みがあり胸肉より硬いが、風味が強い。胸肉は肉質が柔らかく、脂肪が少なめで淡白な味である。子どもの成長に必要なアミノ酸のヒスチジンが多く含まれている。手羽は脂肪やゼラチン質に富む。ササミは脂肪が最も少なく柔らかい。新鮮なものは刺身でべられる。

 鶏肉は、豚肉や牛肉に比べて脂肪が少なく淡白な味である。栄養的な特長としてはビタミンAコラーゲンの含有量が他の食肉に比べて格段に多く、鶏皮部分は水分を除くと70%がコラーゲンである。水炊きのような鍋料理の場合、汁に栄養成分が溶け出すのでスープも残さず摂るほうがよい。また、白身の肉のほうが赤身より柔らかく消化によい。

月曜日, 8月 27, 2007

馬肉

○馬肉

 馬肉は、色や味は牛肉と似ているが、脂質が少なく柔らかいのが特徴である。桜肉とも言われるが、これは桜の咲く季節が一番美味しいことに所似するという。食用肉として利用される部分はロイン(腰肉)やモモ肉で、鍋料理(さくら鍋)や地方によっては馬刺しとして生食されている。西洋料理ではテリーヌやタルタルステーキに用いられるほか、コンビーフなどにも加工される。

 馬肉は多糖類のグリコーゲンを多く含むため、肉に甘味がある。鉄分の含有量も多く(生肉100g中4.3mg)、食肉の中ではトップクラスである。東洋医学では、馬肉は体内の余分な熱を治める作用があり、また肝腎の滋養にもよいとされている。筋肉痛などの手当てにも利用され、生の馬肉を患部に貼り付けて炎症を和らげる。

土曜日, 8月 25, 2007

羊肉

○羊肉

 羊は1万年以上の前から家畜化され、食肉としては牛肉に次いで広く世界で食されている。シシカバブ、ハギス(内臓料理)、しゃぶしゃぶ、ジンギスカン、串焼きなど、地域によって特色ある料理も多い。

 羊肉は生後1年未満のものをラム、1年以上をマトンと読んで区別している。ラムは羊肉特有の臭みがなく肉質も柔らかい。日本で消費されるほとんどはオーストラリアかニュージーランドから輸入したものである。

 わが国では北海道や東北以外ではあまり食べてこられなかったジンギスカン料理が、20004年頃から首都圏を中心に人気を呼んでいる。その理由の一つに、アミノ酸の一種である、カルニチンが豊富に含まれている点がある。カルニチンには脂質の代謝を促し、脂肪を効率的に燃焼する作用があり、脂肪燃焼系アミノ酸としてダイエット食品などにも配合されている。また疲労を抑制する効果も期待できる。

 カルニチンは植物性食品には含まれず、動物性食品に多く含まれる。なかでも羊肉は他の肉類に比べ含有量が多く、カルニチンが多いといわれている牛肉の約1.4~3.5倍ある。また、ラムよりマトンのほうが多く含まれている。このほか抗酸化作用のある微量元素セレンが牛肉の約3倍、鉄分も牛肉並みに多い。東洋医学では、羊肉は体を温める作用があり、虚弱した胃の機能回復や女性の冷え性によいとしている。

金曜日, 8月 24, 2007

豚肉

○豚肉

 豚肉は食肉の中で日本人の年間消費量が最も多い。豚は食用以外の目的では飼育されなかった家畜であるが、その歴史は古く、中国やギリシャでは紀元前から、日本では日本書紀に豚の飼育に関する記述が残されている。現在、わが国で飼育されている豚のほとんどが大ヨークシャー種、ハンプシャー種、デュロック種、ランドレース種のいずれかを掛け合わせた雑種である。

 豚はヒレ、ロース、モモ、肩、バラの部位に分かれるが、肉質の硬さに大きな差はなく、さまざまな料理に利用できる。ただし豚肉は寄生虫の心配があるため、生では食べることができない。十分に中まで加熱することが大切である。無菌豚と呼ばれるSPF豚は特定の病原菌に感染していない豚のことで、日本ではマイコプラズマ性肺炎、豚萎縮性鼻炎、豚赤痢、トキソプラズマ病、オーエスキー病の5種類の病原菌を指す。SPFはSpecific(特定)、Pathogen(病原菌)、Free(不在)の略。

 豚肉はタンパク質と脂質の供給源であり、肉類の中ではビタミンB群が多い。特にビタミンB1は牛肉の約10倍もあり、豚肉が疲労回復によいといわれるのはそのためである。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な物質で、B1が不足すると疲れやすくなる。部位の中ではヒレ肉やモモ肉に多い。

 豚レバーは日本人に不足気味といわれている鉄分とビタミンB2を豊富に含んでいる。脂肪にはコレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含むが、飽和脂肪酸の含有量も多いので過剰摂取には注意したい。

 長寿県で知られる沖縄では、豚肉・昆布・豆腐を長寿三大食品と呼んでいるが、豚肉は下茹でしてから使うのが一般的だ。脂肪の多い豚肉を茹でることで余分な脂肪を落とし、かつ栄養の高いタンパク源として伝統的に食してきたことが、沖縄の長寿を支えてきたといえる。

木曜日, 8月 23, 2007

牛肉

○牛肉

 日本人が牛肉を食べるようになったのは比較的新しく、明治政府が肉食を解禁して以降のことで、さらに広く一般的にも蝕されるようになったのは昭和に入ってからである。現在、日本で食用肉として飼育されている牛は黒毛和種がほとんどである。オーストラリアやニュージーランドから輸入されている牛肉はヘレンフォード種やアンガス種などである。

 牛肉は部位によって成分や特性に差があり、ロース、ヒレ、バラ、ランプ、モモ、肩、スネに区分されている。ロースは背中側の肉で、肩から腰にかけて肩ロース、リブロース、サーロインに分かれる。脂肪が網状には入り肉質は柔らかく、すき焼きやステーキなどに向く。ヒレはサーロインの内側に位置する部位で、脂肪が少なく最も柔らかいためステーキによい。バラは腹側の肉で、脂肪が多く肉質は硬いため煮込み料理に適している。ランプは臀部で、赤みで柔らかくタタキやステーキに向く。モモは腰から大腿部の肉をいい、脂肪分が少なく肉質は荒いが、挽肉や煮込み、炒め物など利用範囲は広い。肩は腕の部分の肉で、脂肪が少なくやや硬いため挽肉や煮込み料理に向く。スネはふくらはぎ部分の肉で、筋が多く硬いが、コラーゲンやエラスチンを多く含みスープや長時間の煮込みに向く。

 牛肉はタンパク質と脂質の供給源である。牛肉のタンパク質には9種類の必須アミノ酸が含まれており、植物性タンパク質に比べてアミノ酸バランスが良く、体内へも吸収されやすい。脂質は1gあたり約9kcal(炭水化物やタンパク質は4kcal)なので、効率よくエネルギーを摂取できる。しかし飽和脂肪酸を多く含むために、日常的に摂取過剰になると血液中のコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化の原因となる。

 脂肪を多く含む部位はバラ(和牛肉で50%)で、肩肉やモモ肉が最も少ない(輸入肉で8%未満)また、牛肉は豚肉や鶏肉に比べて鉄分が多く、それもヘム鉄として含まれているため体内へ吸収されやすい。亜鉛も牡蠣などに比べると少ないとはいえ、肉類の中ではトップクラスの含有量である。

水曜日, 8月 22, 2007

フーディア

 フーディア・ゴードニー(Hoodia Gordonii)は、南アフリカのカラハリ砂漠に生育する植物で、外見はサボテンのようですが多肉植物に分類されます。食べられる植物が限られているカラハリ砂漠地帯のブッシュマンは痛みや飢え、喉の渇きを抑えるため、数千年にわたってフーディアを食料源として用いてきました。このフーディアは現在では、身体の中に血中のブドウ糖がたくさんあるかのように脳へ情報を伝達し、満腹感を与えさせる働きがありことがわかっています。その効力はブドウ糖のおよそ10,000倍とも言われており、フーディアを口にしておけば、糖類や炭水化物など、満腹感を促す食物を食べなくとも脳は満腹感を感じてくれます。フーディア1000mgの特徴は食欲をコントロールして空腹感がおこるのを遅らせる。食べた食事の満足感や満腹感を高めます。

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